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黄色や白の縞模様を持つことからトラノオとも呼ばれるサンスベリアは、剣のような鋭い葉を天に伸ばすスタイリッシュな見た目が人気の観葉植物です。そんなサスベリアが「伸びすぎる」というのは、一体どういう状態なのでしょう?通常、サンスベリアの葉は真っ直ぐ上に伸びていく特徴があります。順調に生長すると、葉だけで1メートルを超える長さまで伸びることも。こういうシュッと伸びたサンスベリアは、美観上、特段の問題はないように思われます。 一方で、同じように長さこそ伸びてはいるが、葉が下向きに萎れているような状態のサンスベリアを目にしたことはありませんか?そう、今我々が問題にしているのは、こういったヒョロヒョロと萎れてしまった状態のサンスベリアの事なのです。生育過程で、葉が細く伸びているような状態、或いはまとまりがなく広がってくるなどの状態が目立ってくれば、おのずと重力に負けてサンスベリアが倒れてくる事態が生じてきます。こういった葉の萎れは、サンスベリアの健康に何らかのトラブルが生じていることの証です。 健やかに伸びる葉の姿形を取り戻したい、サンスベリアが伸びすぎたらどうする?という悩みを解決する方法があれば、是非とも知りたいですよね。 そこでこの記事では、
- サンスベリアが伸びすぎてしまう原因と対処法
- 元気のない葉を葉挿しとして活用する方法
- サンスベリアの伸びすぎを未然に防ぐ術
- サンスベリアの健康を保つケアの秘訣
- サンスベリアにまつわる疑問を解決するQ&A
をご紹介いたします。 やっぱり、観賞用のサンスベリアにはピンっと張った凛々しさが欠かせませんよね。この記事を最後まで読んで、サンスベリアの失われた美貌と健康を取り戻すポイントをおさらいしていきましょう!
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サンスベリアが伸びすぎてしまう原因は?
サンスベリアが伸びすぎてしまう原因は、サンスベリアの乾燥に強く太陽の光を好むという植物的特徴に由来します。つまりは、良好な陽当たりと適度な乾燥、この2点を満たせていないことが、サンスベリアが弱々しく伸びすぎてしまっている、という現状に結びついています。日当たりはサンスベリアが置かれている場所に関係しますし、適度な乾燥が保てないのは水分量の過多が原因です。次の項で具体的に一つずつの原因を説明していきます!原因①日光不足
サンスベリアはアフリカ原産の多肉植物の仲間です。多肉植物といえば、日照りの熱帯の乾燥地帯で育つイメージですよね。サンスベリアも、御多分に洩れず太陽の光が大好きな植物です。 そんなサスベリアが日光不足の環境で育つと、ヒョヒョロと細く間延びする現象、いわゆる徒長が生じます。日光は植物が育つ上で欠かせない光合成の働きを促します。観葉植物として育てる場合も同様で、日光不足が起きそうな環境、例えば日の差さない薄暗い部屋で育てらっしゃる方などは、うまく光合成が働かず、徒長したサンスベリアになりがちです。思い当たる節がある方は、現状の生育環境を見直す必要があります。原因②水やりのしすぎ
サンスベリアは過度な水やりでも柔く伸びてしまう恐れがあります。というのも多肉植物の中でも特に暑さと乾燥に強いと言われているサンスベリアは、反対に寒さと湿気に滅法弱い特徴があります。 水のやりすぎは、根が腐る状態の根腐れや植物を弱らせてしまう原因となります。また、サンスベリアの根っこが呼吸できない状態、いわゆる根詰まりによっても、土からの水分が上手く循環できなくなる恐れがあります。こういった状態に陥ったサンスベリアは、ハリのない弱々しく垂れた状態に育つことに繋がりますので、水分管理の改善が必要になります。伸びすぎたらどうする?伸びすぎたサンスベリアの対処法
不健康に生長してしまったサンスベリアは、葉が横に垂れてきたり、捻れたり、広がったりと、形が真っ直ぐに伸びづらくなります。それを矯正するための手段をご紹介いたします。支柱を立ててサンスベリアと支柱を括りつける
徒長によって伸びすぎてしまったサンスベリアは、しばしば葉が横に倒れてしまいがちです。それを解消する術として、朝顔のように支柱に這わせて育てる方法があります。というのも枝や茎に支えられて葉が育つような植物であれば、少々弱ったくらいでは植物の葉が倒れてくるようなこともありませんが、葉が表面積の大部分を占めるサンスベリアのような植物の場合、葉の元気がなくなることが植物の自立の困難に直結しますので、簡単に倒れてしまうことが起きてしまうわけです。 とくに、日照条件や水分バランスが悪くなったサンスベリアはシナシナと弱く育ちがちです。そこで、一時的にガイドラインとなる支柱を与えてあげることで、葉が頑丈に育つまでの助けになってくれることを期待します。その状態で適度な乾燥を保ち、日を浴びて光合成を行えば、いずれは葉自体もハリを取り戻し、垂れることのない状態に育ってくれますよ。サンスベリア同士を紐で括りつける
横に広がった葉を矯正させたい方、支柱を使うのは仰々しくて嫌だという方は、目立たない麻紐などでサンスベリアの葉を括る方法を選びましょう。横や上に伸びたサンスベリアの葉を紐でまとめ、一本に括りつけて束にします。この状態で、現在の環境より日当たりの良い場所に、徐々に移動させてあげるようにしましょう。 葉が真っ直ぐ伸びるようになり、且つより強く育つことが期待できます。日当たりにムラを作らないように、定期的に鉢が日光に当たる向きを変えてあげることも大事ですね。伸びすぎたサンスベリアを切り、葉挿しにする
サンスベリアが伸びすぎたら葉をカットして、葉挿しとして仕立て直すことができます。ただし、サンスベリアのように葉に斑の模様が入った植物の場合、その葉から育つ子株は、斑のない葉になる場合(先祖返り)があります。斑入りの株を増やしたい方は、株分けの方法をおすすめします。また、葉挿した葉の子株が育つには、2年ほどかかると言われており、あらかじめ時間がかかる事は覚悟しましょう。葉挿しの方法を紹介
伸びすぎた葉を切る葉挿しを実践してみましょう。必要な道具は、ハサミ、油性ペン、肥料成分の入っていない水はけの良い土、植え替え用の鉢、鉢底石です。油性ペンは切った葉に印を入れて上下を見分けるために使います。作業自体は土にサンスベリアの葉を挿すだけなので比較的簡単ですよ!葉挿しとは?
植物の葉をカットして土に植え、新しい株として仕立て直す方法です。カットした一枚の葉の脇から新芽を増やしていきます。斑入りの葉を増やしていくことは出来ませんが、緑が眩しいツヤのある葉を育てることができます。一サンスベリアを切る場所
サンスベリアの葉はどこを切っても構いませんが、5cm〜10cmくらいの長さの葉をひとつの苗木として扱うことが出来るので、根本から長めに切り取り、それを更に小分けにカットして葉挿しにしていきます。注意点は切った葉はしっかりと乾燥させること。というのも水分を含んだままの葉は、雑菌や細菌が繁殖する恐れがあります。葉挿しの手順
- 伸びすぎてしまった葉を根元から切る
- カットした葉を、5〜10cm程度の長さに切り分ける。
- 小分けにした葉の上下が分からなくならないようにペンで印をつける
- 葉の切り口を風通しの良い日陰に置いて乾燥させる
- 鉢に3cmほど鉢底石を入れる
- 鉢底石の上に水はけのいい土を入れる
- 切った葉の下側を1/3ほど土に差し込む
- 水をやらずにひと月ほど置く
- 根が出ているか確認し、根が出ていたらもう一度土に埋める
- 水をやりながら乾燥気味に管理して育てる
サンスベリアの伸びすぎを未然に防ぐ方法
細かい観察によって正しい生育環境へと導き、サンスベリアの伸びすぎを未然に防ぐことが出来ます。一度細く伸びてしまった葉を太く育て直すのは難しいので、予めヘタることのない頑丈なサンスベリアを育てることを目指しましょう!成長期の5月〜9月は屋外の日当たりの良い場所で管理をする
他の観葉植物と違い、多肉植物であるサンスベリアはかなり日光が好きだということを念頭におきましょう。特に成長期である5〜9月の成長期においては、屋外で育てることをオススメします。この時期に日当たりの良い屋外で育てれば、徒長を未然に防ぐこともできますし、丈夫で真っ直ぐな葉に育てることもできます。直射日光の当たらない明るい場所がおすすめ
サンスベリアを直射日光に晒し続けると、葉焼けを起こすリスクがあります。ある程度の耐陰性もあるので、屋外であれば直接日の当たらない軒下に、室内であれば明るいカーテンレース越しで管理するのがおすすめです。15度以下の温度で育てないようにする
サンスベリアは寒さが苦手な植物です。15℃を下回ると植物の生長も緩慢になります。そのため、ベランダや屋外で育てている方でも、15℃を下回る気候の季節になればサンスベリアを室内に取り込むようにしてください。朝晩が冷え込む本格的な冬になれば、冷気が入り込む窓から1メートル以上の距離を取ってサンスベリアを置きましょう。 真冬の防寒アイテムで重宝する鉢カバーですが、サンスベリアの長い葉の部分を覆うようなものは市販では売っていないと思われます。新聞紙で包んで押し入れにしまい冬越しさせる、なんて粋な方法もありますのでぜひ検討してみてください!乾燥気味に育てる
サンスベリアは多肉植物の一種。そのため非常に乾燥に強い特徴があります。他の観葉植物と比較してもかなり締め気味に水分管理をすると良いと思います。 また、サンスベリアは分厚い葉の内側に水分を溜め込む構造があるため、頻繁な葉水も必要ありません。葉水による手間が省ける分、葉に付着する害虫やホコリの除去が出来ないので、その分小まめに葉の状態を観察してあげる必要があります。水やり後は鉢の受け皿に溜まった水は捨てるようにし、根腐れのリスクを回避しましょう!サンスベリアの正しいお世話方法
日光を好み、乾燥に強く、蒸れに弱いというサンスベリアの特徴に合った、正しいお世話の方法を学びましょう!特に水のあげ方は他の観葉植物とは異なる着眼点・方法を挙げていますので熟読していただくようにお願いします!水やりは土が完全に乾いてから行う
他の観葉植物のお水やりでよく見かける、「土が完全に乾き切ってから」という方法でも、若干水分量が多くなってしまうのがサンスベリアです。サンスベリアの場合は、土が完全に乾き切ってから、更に2〜3日待ってお水やりをするといいと思います。ポイントは葉の表面のシワに着目すること。というのも水分が欲しいタイミングになるとサンスベリアは葉にシワが寄る特徴があります。 そのタイミングで、鉢底から水が溢れるくらい、たっぷりとしたお水を与えるようにしてください。生育が緩やかになる15℃を下回る気温になったら、ほぼ断水で育てて構いません。水分量に不安があるようでしたら、水やりチェッカーを使って厳密に管理するのもおすすめですよ!置き場は、直射日光を当てず明るい場所に置く
日当たりは好むが、直射日光は苦手、耐陰性もそれなりにある。そんなサンスベリアの特徴に合った、明るい反日陰の場所に置いて管理しましょう。屋外であればベランダの軒下、室内であればカーテンレース越しがベストポジションです。居住環境によって、どうしても日差しを受けにくい室内でお育ての方は、短時間でも良いので外の日差しに当ててあげるか、植物育成用ライトの導入を検討してみても良いかもしれません。しっかりと日光を感じさせて育ててあげれば徒長も防げますし、垂れることのない丈夫で色艶のいい葉に育ちますよ!肥料は成長期(5月〜9月)に与える
成長期である5〜9月の時期に、しっかりと肥料を与えることで株が丈夫になり、耐寒性のあるサンスベリアに育ちます。肥料の種類は、土に置いて使う緩効性の肥料をふた月に一度の頻度で与えるか、即効性のある液体肥料を2週間に一度与えるようにしてください。 薄めた液体肥料を葉に直接与えて、倒れる事のない丈夫な葉に育てる裏技もあります。是非試してみてください!サンスベリアが伸びすぎに関してよくある質問
Q&A形式でサンスベリアにまつわる疑問にお答えします。乾燥に強く丈夫なサンスベリアですが、他の観葉植物とは育て方のツボが違ったりするので、意外と戸惑うこともあるかと思います。特に伸びすぎて垂れてきたりするのは、この品種特有の悩みですよね。お力になれると幸いです。Q,スターキー、パキュラスのような種類でも伸びすぎた時の対処法は同じですか?
A,スターキー、パキュラスの場合でも対処法は同じです。 どちらの種類も一般的に流通している「ローレンティ」(トラノオ)と比べると、細い棒状に伸びた葉がスタイリッシュで人気の品種ですが、基本的な育て方は一緒です。「スターキー」、「パキュラス」ともに乾燥に強く、日当たりを好み、湿気が苦手な特徴があります。こういった特徴を踏まえて、直射日光に気をつけながら日にはしっかりと当てるようにし、水やりは控えて乾燥気味に育てることが大事です。対処法にあげた支柱や紐で束ねる方法も必要であれば行っていただいて構いません。Q,育てているサンスベリアが1本だけ細いです。これはどうすればいいですか?
A,日照不足により徒長して細くなってしまったと思われます。 置いている場所の日照量が足りない場合であれば、日当たりのいい場所に移動させてあげてください。その際、急に日差しが強い場所に移すと植物に負担が掛かりますので、徐々に明るい場所に移行していくように気をつけましょう。光合成のムラによる衰弱は、日の当たる角度が一定だったり、他の葉の影になる位置にある葉に起きやすい現象です。鉢の向きを回転させて日の当たる場所を入れ替えてあげることに気を配ってください。 ただし、一度細くなってしまった葉を元通りに戻すのは正直困難です。そういった場合は、カットしてあげて、葉挿しにして子株を増やしてあげると良いかもしれませんね。Q,サンスベリアが伸びすぎて倒れることはありますか?
A,葉が倒れるだけでなく、鉢ごと倒れてしまう場合もあります。 サンスベリアの葉の重さと、鉢の大きさや重さが合っていない状態ですと、鉢ごと倒れてしまいます。一回り大きい鉢に植え替えてあげることで解消できますよ。ちなみにサンスベリアはかなり根回りのいい植物です。 根がビッシリと土を覆う根詰まりも起こしやすい植物ですので、年一回の植え替えは必須と考えてください。この植え替えの際に同時に株分けも行なって、育てる株を増やしてあげれば、大切な人への贈答品にもなるのでオススメですよ!サンスベリアが伸びすぎ!対処法やコンパクトな育て方を徹底解説のまとめ
如何でしたか?サンスベリアが伸びすぎたらどうする?弱々しく倒れてしまうとお悩みの方も、現状を改善するための方法が模索できたのではないでしょうか。そもそも観葉植物として流通しているサンスベリアが、実は多肉植物であるということ。そういった前提を知らないで育てることが躓きの石となっているのかもしれませんよね。 この記事をまとめると- サンスベリアが弱々しく伸びてしまうのは日光不足と水分過多が原因である
- 真っ直ぐに自立できないサンスベリアは支柱や紐を使って成長をサポートしてあげる
- 弱ってしまった葉は葉挿しにして株を増やす
- サンスベリアは多肉植物。普通の観葉植物以上に日光浴が大事
- 寒さに弱いからこそ万全の防寒対策で冬越えを
- 水やりは締め気味にして乾燥を保つようにしてやる