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ハラン(葉蘭)はその名の通り、葉が特に美しく装飾的という特徴を持っています。また、比較的丈夫であまり手入れを必要としないことから、初心者の方にも人気がある観葉植物です。
ただ、比較的丈夫ではあるものの、適切な育て方をしないと健康的に生長しなかったり枯れてしまう可能性があります。
そこで今回は、
- そもそもハラン(はらん・葉蘭)ってどんな植物なの?
- ハランの育て方のポイント
- ハランの植え替え・植え付け
- ハランの増やし方
- ハランのお手入れ
そもそもハラン(はらん・葉蘭)ってどんな植物なの?
ここからは、ハラン(はらん・葉蘭)の基本的な情報について説明していきます。ハラン(はらん・葉蘭)に興味があるのでまずはどのような植物なのか知りたい、という方はご参考にしていただけたらと思います。日本が原産のキジカクシ科(クサスギカズラ科)ハラン属の多年草
ハランは日本が原産のキジカクシ科(クサスギカズラ科)ハラン属の多年草です。一般的にはハランの品種は温帯や亜熱帯地域に分布しており、暑さには強いですが寒さを苦手とする性質を持っています。葉の美しさを楽しむ観葉植物で、庭や生け花などに使われる
ハランは葉の美しさを楽しむ観葉植物で、庭や室内での生け花などに使われます。根茎が長く伸び、大きくつやのある葉を地上に広げます。 ハランは美しい葉が特徴的なので観賞用として栽培されることが多いです。丈夫で日陰でもよく育つ
ハランは丈夫で日陰でもよく育ちます。そのため、初心者の方でも育てやすく、おすすめの観葉植物といえます。ハランの育て方のポイント①置き場所
まず、ハランの育て方のポイントは「置き場所」になります。適切ではない場所での育て方をしてしまうと思ったように生長しない可能性があり、場合によっては枯れてしまうこともあります。強い直射日光による葉焼けに注意
ハランの置き場所を選定する際は、強い直射日光による葉焼けに注意する必要があります。葉焼けが起きると外観が損なわれてしまうだけでなく、植物全体に悪い影響を及ぼしてしまう可能性があります。 日光の当たらない場所で管理することで適切に栽培することができます。風通しのよい半日陰~明るい日陰や室内で育てる
風通しのよい半日陰~明るい日陰や室内で育てましょう。風通しの良い場所での育て方をすることによって、湿度のコントロールや病気の予防といった効果が期待できます。 風通しの悪い場所で育てるとカビが発生することがあり、カビが生えることによって他の病害虫が発生する可能性を高めてしまいます。関東以西は地植えで育てられる
ハランは関東以西は地植えで育てることが可能です。お好みの育て方でハランの成長を楽しみましょう。ハランの育て方のポイント②水やり
次のハランの育て方のポイントは「水やり」です。水は過度に与えれば良いというわけではなく、適切な量を適切なタイミングで与える必要があります。 もし過度な水やりを続けてしまうと、土壌が過湿になり根に酸素を供給できなくなります。これによって根が腐ってしまう可能性があるため注意しなければなりません。土が乾いたらたっぷりと
土が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。土壌が乾燥してしまった場合、植物が水分不足に陥り葉の萎れや成長の停止に直結してしまいます。 そのため、定期的に観察して植物の状況を把握しておくのが良いでしょう。冬は水やりを控えめに
冬は水やりを控えめにしましょう。冬は波乱の成長が鈍り、あまり水分を必要としない状態になります。この時に通常通り水やりをしてしまうと水分過多により根腐れを起こしてしまう可能性があるので注意が必要です。株元の地面を狙って水をかける
株元の地面を狙って水をかけましょう。株元の地面に水をかけることによって、根に直接水分を供給することができます。これによって土壌中の空気も根に届いて酸素供給も行えます。 また、株元の地面に水をかけることで水の節約ができるのもポイントです。ハランの育て方のポイント③土
次のハランの育て方のポイントは「土」です。適切な土を選択しなかった場合、栄養不足や排水不良により植物が適切に育たない可能性があります。栄養不足は植物が枯れてしまうのに直結し、排水不良で土壌が通気性を持たない場合は根が窒息しやすくなります。 また、場合によっては病原体の増殖を許してしまうことにもなりかねないため、土の選択はしっかりと行っていきましょう。水はけがよく通気性のいい土を好む
ハランは水はけがよく通気性のいい土を好みます。水はけがよく通気性のいい土を選ぶことによって、根の酸素供給がスムーズになり根の成長を促進し、根の酸欠も防ぐことが可能です。 また、植物がストレスを受けにくい環境にすることができるため、植物の成長を促進できます。地植えの場合:腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込む
地植えでの育て方をする場合、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んだ土壌を作りましょう。腐葉土は腐敗した葉や植物の有機物が主成分となっており、栄養豊富で排水性に優れた土壌作りをサポートすることができます。堆肥も多様な有機物を含んでおり、こちらは土壌の保水性を上げる効果があります。 また、緩効性肥料を混ぜ込むことによって、植物に栄養素を長時間かけて供給することができます。鉢植えの場合
鉢植えでの育て方をする場合、難しい配合で土壌作りをする必要はなく、初心者でも簡単に土を用意することができます。草花用培養土で育てられる
鉢植えでの生育の場合、草花用培養土で育てることができます。草花用培養土はホームセンターや園芸専門店で気軽に購入することが可能です。自作する場合は赤玉土6:腐葉土4の配合土など
土を自作する場合は、赤玉土6:腐葉土4で配合するのがおすすめです。赤玉土は排水性が高く土壌の水はけを良くすることができ、腐葉土は栄養分が豊富という特徴があります。水はけがよすぎる場合は有機物の用土を加える
水はけがよすぎる場合は有機物の用土を加えましょう。水はけが過剰であれば土壌が過度に排水されるため、植物が必要な水分を保持できなくなってしまいます。 有機物の用土を加えることで土壌の保水性が向上するため、植物が必要な水分を保持しやすくできます。ハランの育て方のポイント④肥料
最後のハランの育て方のポイントは「肥料」です。適切な肥料を植物に供給することによって、健康的な成長をサポートすることができます。元肥:緩効性化成肥料を施す
元肥は緩効性化成肥料を施しましょう。緩効性化成肥料を与えることによって、一度の施肥で数ヵ月から数年にわたって栄養素を供給し続けることができ、植物の成長をサポートできます。寒肥:12月~2月に有機質肥料を施す
寒肥は12月~2月に有機質肥料を施しましょう。12月~2月に有機質肥料を与えることによって、春先になっても植物に持続的な栄養供給を続けることができます。 また、有機質肥料は土壌の微生物活動を活性化させ、植物への栄養供給を促進させることが可能です。株に勢いがなければ液肥を与える
株に勢いがなければ液肥を与えましょう。液肥は水に溶かして植物に与えるので、栄養分がすぐに吸収されるというメリットがあります。肥料の与えすぎにより斑入り品種の斑が消えることもある
肥料の与えすぎにより斑入り品種の斑が消えることがあるので注意が必要です。肥料は適量与えるよう心がけましょう。ハランの植え替え・植え付け
ここからは、ハランの植え替え・植え付け方法を説明していきます。植え替え・植え付けを適切なタイミングで行うことで、植物のストレスを抑えることができます。植え付け・植え替えの時期
植え付け・植え替えをする際は適切な時期に行うことが重要です。3月下旬~6月中旬、9月中旬~10月下旬
植え付け・植え替えは3月下旬~6月中旬、9月中旬~10月下旬に行いましょう。3月下旬~6月中旬、9月中旬~10月下旬は比較的温暖なので、植え付け・植え替えによる植物への悪影響を少なくすることができます。苗を入手したら早めに植え付ける
苗を入手したら早めに植え付けましょう。若い苗は根の発育が盛んなので、早めに植え付けることで土壌に根を張りやすくなり、健康的な成長を促進できます。植え付け
ここからは植え付けのポイントを説明していきます。地植えの植え付けの手順
地植えでの育て方をする場合の手順は以下の通りです。- 場所を選定する
- 土壌を準備する
- 株のサイズに合わせて穴を掘る
- 根が広がるように植え付けを行う
- 水を十分に与える
鉢植えの植え付けの手順
鉢植えでの育て方をする場合の手順は以下の通りです。- 鉢を選定する
- 用土を準備する
- 鉢に用土を詰める
- 植え付けを行う
- 水を十分に与える
植え替え
ここからは、植え替えをする際のポイントを説明していきます。鉢植えの植え替えのタイミング:2年に1回が目安
鉢植えの植え替えタイミングは2年に1回が目安となります。何度も植え替えを繰り返すと植物にストレスを与えることとなってしまい、成長を阻害する可能性があるので注意しましょう。植え替えの手順
ハランの植え替えをする手順は以下の通りです。- 新しい鉢を選定する
- 土を準備する
- 古い鉢からハランを取り出して根から土を取り除く
- 新しい鉢に植え替える
- 水を十分に与える
ハランの増やし方
ここからは、ハランの増やし方について説明していきます。ハランを増やしていくことによって長く生長を楽しむことができます。株分け
株分けによってハランを増やしていくことができます。株分けをする際は適切な時期に行うことが重要です。株分けの時期:3月下旬~4月上旬、9月中旬~10月下旬
株分けは3月下旬~4月上旬、9月中旬~10月下旬に行いましょう。この時期に株分けを行うことによって、根の成長をより促進することができます。株分けのしかた
株分けは植物を成長させるためにに根を分けて、新しく植え付けることで成長させていきます。株分けをする際は根が傷んでいないかどうか確認して、なるべく新芽が付いているものを切り分けましょう。種まき
種まきによってハランを増やすことも可能です。種から育てる場合は比較的環境に適応しやすく、少ないストレスで成長させることができます。種は市販されていないため実から採取してまく
種は市販されていないため実から採取してまきましょう。植え付けたハランが開花した後につけた種を採取して種まきを行っていきます。種まきのしかた
種まきは種まきトレイやポットに土を詰めて、表面を平に整えていきます。そして種から発芽したら植え付けを行っていくのがスムーズです。ハランのお手入れ
ここからは、ハランのお手入れ方法について説明していきます。お手入れをはじめとした適切な育て方をすることによって、ハランを健康的に生長させることが可能です。剪定
剪定とは植物の枝や葉、花などを切り取ることを指し、造形を整えることを指します。また、剪定をすることによって不要な部分への栄養供給を無くし、新しい芽や枝などの必要な部分へ栄養を行き渡らせることができます。 剪定を適切なタイミングで行うことによって、造形を美しく保ち、健康的な成長をサポートすることが可能です。枯れ葉や傷んだ葉を取り除く
剪定では枯れ葉や傷んだ葉を取り除いていきます。これらを取り除くことによってより観賞価値が高まり、必要な部分に栄養を行き渡らせていきます。 剪定は枝切バサミなどを使用して丁寧に切るようにし、植物にダメージを与えないよう注意しましょう。葉が混み合っていたら間引く
葉が混み合っていたら間引きましょう。葉が混み合っていると通気性が低下するため、病害虫の原因となってしまいます。また、ハランの造形が崩れてしまう原因ともなります。冬越し
ここからは、冬越しをする際のポイントを説明します。暖地では屋外で越冬できる
暖地では屋外で越冬できます。ただ、定期的に観察は行いましょう。凍結防止のためマルチングをするとよい
凍結防止のためマルチングをするのも効果的です。マルチングとは土壌の表面にマルチング材料を敷くことで土壌の温度を安定させて寒さから守る園芸手法を指します。 また、マルチングを行うと雑草の発生を抑制できるというメリットもあります。寒冷地では鉢植えにして凍らないところに移動する
寒冷地では鉢植えにして凍らないところに移動しましょう。こうすることによって寒さによってハランが枯れるのを防ぐことができます。病害虫
ハランを健康的に生長させるために病気や害虫への対策も重要です。ここからは注意すべき病気や害虫について説明していきます。円星病
円星病の症状にかかると葉に直径5~10mm前後の円形の病斑が現れます。そして病気が進行すると病斑が拡大し、枯死してしまうこともあります。 円星病を防止するためには、茎葉の風通しをなるべく良くし、土壌水分が高くならないよう調整しましょう。また、円星病を発見したら発病した葉を速やかに取り除くことが重要です。褐色斑点病
褐色斑点病の症状にかかると葉に直径2~5mm前後の褐色の斑点が生じます。これが広がると葉が枯死することがあるので、見つけたらすぐに除去しましょう。 褐色斑点病を防止するためには、風通しを良くして、かつ土壌水分が高くならないように管理することが重要です。炭疽病
炭疽病は多湿条件下で空気感染し、褐色の病斑が進展します。炭疽病の葉を見つけたら速やかに除去し、なるべく風通しが良い環境での育て方をするように気を付けましょう。カイガラムシ
カイガラムシが植物に寄生すると様々な病気が引き起こされます。そのため、カイガラムシを見つけたらすぐに駆除しましょう。【まとめ】ハラン(葉蘭)の育て方を紹介!室内での育て方からお手入れ方法まで
ここまで、ハランの育て方や植え替え・植え付け方法、増やし方やお手入れの仕方について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか? この記事のポイントは、- ハランは葉の美しさを楽しめる観葉植物で庭や生け花などに使われる
- ハランの育て方のポイントは「置き場所」「水やり」「土」「肥料」である
- ハランの植え替え・植え付けはタイミングが重要
- ハランは株分けや種まきで増やすことができる
- ハランは剪定や病害虫への対策などの手入れをしていく