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南国の雰囲気を感じさせてくれる観葉植物のガジュマル。曲がりくねった個性的な根と青く茂る葉が印象的なガジュマルですが、ワンランク上のインテリアとしてガジュマルの苔玉に注目が集まっているのをご存知でしょうか。苔玉は近代になって流行してきた栽培方法で、ライトな盆栽としても楽しめます。 ガジュマル苔玉は難しく見えますが、作り方のポイントを知れば初心者でも作ることができます。ただし、事前に管理方法やトラブルについて知っておかなければ苔玉が枯れた、などという可能性もあるのです。 そこでこの記事では以下のポイントについてご紹介していきます。
- そもそも苔玉って?
- ガジュマルの苔玉の育て方のポイントは?
- ガジュマルの苔玉の作り方を解説
- ガジュマルの苔玉のお手入れ方法をご紹介
- 苔玉の植え替えは必要なのか
- ガジュマルの苔玉に関するトラブル
この記事を参考に、おしゃれなガジュマルの苔玉をインテリアとして取り入れてみてはいかがでしょうか。観葉植物の苔玉を作りたいと考えている方は、詳しい管理方法やトラブル対処方法もご紹介していますのでぜひ最後までご覧ください。
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【苔玉】とは何か知ってますか?
そもそも苔玉とは何かご存知でしょうか。観葉植物や盆栽は苔玉とともに販売されていることもあるので、見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれません。特に丸い苔玉に観葉植物が植えてあるタイプは、可愛らしいシルエットから人気が高いのです。苔玉は本体の植物とともに、苔をどのように管理するかも重要になってきます。植物の根元を苔で丸く包んだもの
苔玉は主に観葉植物の根を粘土質の用土で丸く固めて、周りに苔を巻き付けた栽培方法です。本体の植物とともに、周りに巻き付けた苔にも気を配って管理する必要があります。とはいえ、それぞれの環境が適していればまとめてケアすることができるのでそれほど難しくはありません。苔玉はインテリアとしても人気がある
苔玉がインテリアとして人気なのは、その丸いシルエットにあります。真ん丸の用土から観葉植物が幹や茎を伸ばす苔玉はとてもおしゃれで、和風や洋風のガーデニングにもぴったりとマッチします。また、ハンギングとして飾ってもセンスが良いインテリアとなるでしょう。苔玉には受け皿もセットで販売されていることが多いので、自分のセンスに合わせて色々な取り合わせを楽しむこともできます。ガジュマルと苔玉のケア方法やコツを一挙紹介
苔玉は独特の栽培方法なので、管理法やケアを間違えると苔だけではなく本体の観葉植物が枯れてしまう危険性もあります。そこでこの記事ではガジュマルの苔玉のケア方法や、管理のコツ、作り方などをわかりやすく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。ガジュマル苔玉は水やりがポイント
ガジュマルの苔玉にとって最も大切なポイントは水やりです。水やりに失敗してしまうと、周りの苔玉が枯れてしまうばかりか本体の観葉植物まで病気になってしまう可能性がありますので気を付けてあげましょう。苔の根は観葉植物のように発達していない
苔の根は観葉植物のようなしっかりした根のように発達していません。観葉植物はその幹や葉を支えるために長く太い根や、たくさんの根が必要ですが、苔は集合体のようなものなので根が短くすぐに抜けてしまいます。苔の根は「仮根」と呼ばれ、岩や土に張り付くためのものなのです。そのため、主に葉や茎で水を吸水するので霧吹きで水を与える必要があるります。苔は水分過剰で根が傷む
前述したように苔の根は発達していないので、水分が過剰になってしまうことで根腐れを起こしてしまう危険性があります。苔は水蒸気や湿度を好むイメージがありますが、水やりのし過ぎはしないように乾燥気味に育て、霧吹きなどで水を吹き付けてあげましょう。【必見】ガジュマル苔玉の作り方
では、さっそく苔玉の作り方について解説していきます。苔玉は上級者向けのガーデニングに見えますが意外と初心者でも簡単に取り入れることができます。自分で一から苔玉を作れば、ますます観葉植物に愛着がわくはずです。水を加えて練った粘土状の土を用意する
まず、ケト土などの苔玉に必要な粘土質の用土に水を加えて練っておきます。ケト土には少し赤玉土などの通気性の良い用土も混ぜておきます。お団子状に丸めやすくなるようなやわらかさが目安です。また、周りに巻き付けるコケにも同じタイミングで霧吹きによる水やりをしておきましょう。ガジュマルの根の土をしっかり洗い流し土で包み込む
次に、ガジュマルの根の土をしっかり洗い流しておきましょう。土を軽く払った後に水を流しかけてきれいにします。細かい土が根についたままでも大丈夫です。茶色く変色した根や傷んだ根はこのタイミングでカットしておきましょう。そのあと、練った土で根の部分を固めていきます。手のひらに収まるくらいの丸型やしずく型が人気の形です。土が見える部分を全て苔で覆う
土が見える部分を湿らせたコケで覆っていきます。少し強めに、おにぎりを握るようにぎゅっぎゅっと貼り付けておきましょう。コケが厚すぎて苔玉のサイズが大きくなってしまう時は、茶色くなったコケをカットしてから貼り付けることでサイズを小さくすることができます。苔がはがれないように糸でしっかり縛る
最後にコケがはがれないようにタコ糸やテグスなどをしっかりと巻き付けていきます。一定方向から巻き付けるのではなく、縦、横、斜めなど色々な方向から糸を巻き付けてコケが剥がれ落ちないように押さえます。糸の終りはピンセットや割りばしなどでコケの中に押し込んでおきましょう。 苔玉ができたら十分に吸水させ、受け皿などに乗せて飾ります。受け皿には基本的に、水をためないように管理しましょう。ガジュマル苔玉の手入れや育て方
苔玉の作り方がわかったところで、次にガジュマルの苔玉の手入れ方法や育て方についてご紹介します。特に「風通し」と「日光」は、苔玉を健康に育てる上で重要になってきますので見落とさないように注意しましょう。日当たりがいいところに置くこと
ガジュマルは日光を好む観葉植物です。そのため、なるべく日当たりの良い場所で管理することをおすすめします。また、風通しをよくすることでカビの発生を防ぎ、害虫の予防にもなりますので置き場所には気を付けてあげましょう。日光が出ているときは軽く日光浴をさせる
太陽の光が出ている天気の良い日や昼間は、明るい場所で日光浴をさせてあげましょう。ただし真夏の直射日光や西日が直接当たると弱ってしまう可能性もありますので、カーテン越しの光が当たるような場所や明るい屋外の日かげが適しています。室内ばかりに置いていると苔が茶色くなる
ガジュマルだけでなく、苔もある程度の光を好む植物ですので室内で管理して十分な日光が当たらないと茶色くなってしまう危険性があります。苔の一部が茶色くなってきたら、日光が足りていない証拠ですので光の当たる場所に出してあげるようにしましょう。茶色くなったまま放置してしまうと、苔が枯れたりする危険性もあります。水やりはタイミングと方法がポイント
苔玉の水やりはタイミングと方法がポイントです。基本的には苔がいつでも湿っているような状態が望ましいと考えてよいでしょう。また、水やりの方法も他の栽培方法とは異なっていますのでチェックしておきましょう。苔玉は受け皿を敷いて管理しますが、その中に水をためておく必要はありません。苔を持ち上げて軽いなと感じたら水やりをする
苔は十分に水が足りている時と、乾燥している時では重さが異なります。苔を持ち上げてみて、軽いなと感じたら水やりを行うタイミングです。季節によっても水やりを行う頻度が変わってきますので、一日一回は苔玉を持ち上げて水が足りているか確認してみてください。方法はガジュマル苔玉ごと水に沈める
ガジュマルの苔玉の水やりの方法は意外と簡単です。苔玉ごとバケツやたらいなどに張った水に沈めて、空気の泡が出なくなるまでつけておいてください。空気が出なくなったら、十分に吸水した証です。苔玉のサイズによって異なりますが、5分~10分程度つけておけば大丈夫です。この方法でしっかり水を吸水させないと、苔は元気でも中心まで水が入っておらず本体が枯れてしまう可能性がありますので注意しましょう。定期的に霧吹きでの水やりを行うことも効果的
定期的に霧吹きで水を吹きかけてあげることも効果的です。霧吹きで水を与えるときは、苔玉の上のガジュマル自身にも吹きかけてあげましょう。特に春から秋にかけての乾燥する暑い時期は積極的に霧吹きで水を与えることをおすすめします。夏場は高温多湿になりすぎないように、朝や夕方に霧吹きを使いましょう。大きくなってきたらガジュマル苔玉にも植え替えが必要
ガジュマルが大きくなってきたら、苔玉も植え替えをする必要があります。植え替えをしないままでいると、苔玉の中でガジュマルの根が根詰まりを起こしてしまう可能性がありますので注意しましょう。2~3年に1回は苔玉の植え替えをする
苔玉の植え替えのタイミングは2年~3年に一回です。苔にとって一番良い季節である3月~4月の時期に植え替えを行うようにしましょう。春は苔にとって芽吹きの時期なので、植え替えたあとの新しい苔玉にもすんなりと根を活着させてくれるはずです。ガジュマル苔玉の植え替えサインを見逃さない
ガジュマルの苔玉が植え替えのサインを発していることもあります。毎日、ガジュマル苔玉をチェックして悪い変化がないか確認することが重要です。水やりの際などに、ガジュマル苔玉の全体を観察して異常がないか確認しましょう。苔が徐々に避けてきたとき
苔がだんだん裂けてきたり、ひび割れてきてしまったときは苔自身の生育が悪くなってきてしまっている証拠なので植え替えを行うことをおすすめします。また、ガジュマルの根が育ちすぎて苔を圧迫している可能性もありますので、早めに植え替えをしましょう。水を与えてもガジュマル苔玉が元気ないとき
水を与えてもすぐに吸水しないときや、本体のガジュマルの葉がしおれたままのときは根が詰まっている可能性もありますので植え替えをするタイミングです。しっかりと吸水しないときは、土が古くなっている可能性もあります。ガジュマル苔玉の植え替え手順
ガジュマルの植え替えの手順を簡単に説明します。ガジュマルの成長にあわせて、苔玉も大きくなっていきますがあまりサイズを変えたくない時は、植え替えのタイミングで根を少しカットしましょう。その際は、葉からの蒸散を過剰にしないためにガジュマルの葉や枝を剪定することをおすすめします。- 苔玉の糸を切り、古い苔をはがす
- 根の周りの土を水で丁寧に洗い落とす
- 傷んだ根や変色した根をカットする
- 伸びた根の量に合わせて、土を貼り付けていく
- 苔を押さえつけながら貼り付けて、糸で押さえる
- 張った水に苔玉をつけて吸水させる
- 根をカットした分、葉の剪定も行う
ガジュマル苔玉に付着したカビや虫の対処法
この項目では、皆さんが気になるであろう苔玉にカビや虫が発生した時のトラブル対処法についてご紹介します。ガジュマル苔玉によくある虫の被害
ガジュマル苔玉に最もよく発生する虫の被害はコバエです。どこから入ったかわからないコバエが苔玉の周りに飛んでいると不快ですし、清潔感も失われてしまいますので、早めの対処が必要です。コバエは有機肥料を与えたり、根腐れすると発生しやすい
コバエが発生する原因は、有機質の豊富な肥料を与えた時や根腐れなどの病気によって発生しやすくなります。また、日光浴のために外に出しておくといつのまにか葉の裏などについて家に入ってきてしまうこともあるので注意しましょう。カビは高温多湿で風通しが悪いと発生しやすい
苔玉は多湿になりやすいので、特に梅雨から夏場にかけては高温多湿によってカビが発生してしまうことがあります。また、風通しが悪いと苔の表面にカビが生えてしまうので注意が必要です。ガジュマル苔玉に付いた病害虫の対処法
では、ガジュマルに害虫がついたりカビが発生してしまったりした時にはどのような対処をすれば良いのでしょうか。初心者でもすぐに簡単に解決することができますので、具体的な方法をご紹介します。コバエが発生した場合の対処法
コバエが発生した時は、根腐れなどを起こしていないかどうかまず苔玉を解体して根を確かめてみましょう。ついでに傷んだ根や茶色い根をカットしておくと効果的です。根に大きな異常がないときは、新しい用土を貼り付けて苔玉を作ることで有機質肥料がなくなりコバエの発生源を断つことができます。それでも虫が発生してしまう場合は、園芸用の殺虫剤を使うことで対処しましょう。カビが発生した場合の対処法
カビが発生してしまった時は、まず風通しの良い場所で太陽の光に当てて十分に乾燥させてあげましょう。その後に、カビをふき取っていきますがその際にホームセンターなどで購入できる木酢液をしみこませたティッシュを使うと効果的です。全体的にカビが発生してしまった時は、園芸用の殺菌剤を用いましょう。 カビが続けて発生しないようにするためには、定期的に日光浴をさせてあげることと飾っている場所の換気をすることが重要です。【寿命?】ガジュマル苔玉が変色したときにすること
苔玉が茶色く変色して枯れそうな状態になってしまうのは一番よくあるトラブルですが、これはガジュマル苔玉の寿命なのでしょうか。この項目では、ガジュマルの苔玉が変色した時の原因と対処法について解説します。ガジュマル苔玉が茶色くなる原因は2つ
ガジュマルの苔玉が茶色くなる原因は大きく分けて二つあります。それぞれの原因の対処法は、それほど難しくありせんので一つずつ確認していきましょう。生育環境が悪い
一番のトラブルの原因は生育環境が悪いことです。ガジュマルの苔玉は日光を好み、風通しの良い場所で管理することが適しています。そのため、茶色くなって元気ないと思ったときは置き場所に問題がないかどうかまずは確認しましょう。苔玉はおしゃれな見た目から、玄関やキッチン、トイレなどで飾ることも多いのでちゃんと換気が行われているかもチェックします。ガジュマル苔玉を十分日光に当てていない
ガジュマルも苔玉も日光を好む植物ですので、日光が足りていないと植物中の葉緑素が減ってしまい茶色くなってしまうことがあります。苔が十分に育たずに枯れてきてしまった時も、茶色くなってしまいますので注意が必要です。夏場の暑い時期以外は、なるべく外に出して日光浴させてあげるようにしましょう。苔玉が休眠期に入った
苔は一定の温度以下になってしまったり、乾燥が続いたりすると休眠期に入ることがあります。その時は、まるで枯れてしまったかのように茶色く変色することがあるのです。主に冬の時期に苔が茶色くなった時は休眠期に入った可能性が大きいでしょう。ガジュマル苔玉に最適な環境かを確認することが重要
ガジュマル苔玉にとって一番大切なのは、その場所が適した生育環境であるかどうかです。意外にも苔は乾燥に強く、日差しを好みますので暗い場所ではなく風通しの良い屋外の明るいところで管理してあげるようにしましょう。トイレや玄関、キッチンなどに飾りたいという方は一定の時間だけ飾って、天気の良い日は基本的に外で管理するように心がけます。休眠期に入った場合は適度に水やりをして成長期を待つ
休眠期に入った苔玉に関しては、特に管理を変える必要はありません。定期的に水を与えながら、春の成長期を待ちましょう。苔玉が茶色くなっても、ぬるぬるしていなければ水を必要としていますので忘れないよう気を付けてください。ガジュマル苔玉に関してよくある質問
最後に、ガジュマル苔玉に関してよくある質問にお答えします。ガジュマルの苔玉を実際に作る前に気になるポイントはチェックしておくようにしましょう。Q. ガジュマル苔玉は通販などで販売していますか?
A,販売しています。 ガジュマルの苔玉はユニークで人気の商品なので、通販サイトでも購入することができます。また、個人で苔玉を作って販売している方もいるのでぜひお気に入りのガジュマル苔玉を見つけてみてください。通常の園芸店で購入するよりも、通販サイトのほうが様々な種類の苔玉を選ぶことができるのでぜひ信頼できる通販サイトで購入してみましょう。Q. 冬になり苔玉が黒く枯れそうですが、枯れた証拠なんでしょうか?
A,休眠期の可能性があります。 苔玉は温度が一定以下になったり乾燥が続いたりすると休眠期になります。休眠期では苔が茶色く変色して元気ないような見た目になってしまいます。枯れそうだと心配になってしまいますが、冬場に休眠期に入った苔玉は通常と同じような管理をしましょう。ただ、黒くなってぬるぬるしてきたり異臭がしたりした時は根腐れの可能性がありますので植え替えの必要があります。Q. ガジュマルが大きくなってきたら剪定などが必要ですか?
A,必要です。 ガジュマルは非常に生育力が旺盛な観葉植物です。そのため、苔玉を作った時よりもワンシーズンで大きく成長してくることがあります。苔玉のサイズは変わらないのに、本体が大きくなってしまった時は剪定を行わないと根詰まりを起こしてしまうことがあるので注意しましょう。剪定は、生育期の春から秋にかけて行うのがおすすめです。ガジュマル苔玉の作り方!ケア方法や枯らさないコツを徹底解説のまとめ
いかがだったでしょうか。 ガジュマルは「幸運を呼ぶ木」「多幸の木」として、様々な国の人々に愛されてきた観葉植物です。そんなガジュマルを苔玉で育ててみれば、さらにガジュマルの魅力を感じられるでしょう。可愛らしいシルエットがおしゃれな苔玉と個性的な根が特徴のガジュマルをぜひセットで育ててみてください。 この記事のポイントは、- 苔玉は、粘土質の土に苔を貼った用土に観葉植物を植えたもの
- ガジュマル苔玉の育て方のポイントは日当たりと風通しの良さ
- ガジュマルの苔玉のお手入れ方法では、貯めた水に軽くなった苔玉をつけて吸水する
- 苔玉は数年に一度の植え替えが必要
- ガジュマル苔玉にトラブルを起こさないために日当たりと風通しの良い場所で管理する
- 定期的に剪定を行い根詰まりを防ぐ