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最近、インテリアグリーンとしてハイドロカルチャーがとても人気ですね。土を使わないハイドロカルチャーは、虫がつきにくく水やりもしやすいのが特徴です。しかし、水のみで育てるとどうしても成長がゆっくりになるため、大きく育ててみたい人、成長の過程を楽しみたい人には物足りないかもしれません。そこでハイドロカルチャーに与えたいのは、成長を促す肥料です。 「ハイドロカルチャーでも大きく育てたい」 「肥料をあげて植物が成長する様子を楽しみたい」 「元気で健康的な株にしたいけど、どの肥料をあげたらいいのか分からない」 このような考えや疑問がある方も、正しい肥料のやり方を知ることで解決できます。せっかく育てているハイドロカルチャーの植物ですから、肥料を与えて長く大切にしたいですよね。 この記事では、
- 観葉植物の肥料の種類
- ハイドロカルチャーに向いている肥料
- ハイドロカルチャーへの肥料の与え方
- ハイドロカルチャーに向いている観葉植物
ハイドロカルチャー栽培時に与える肥料はどんなものを与えるのがいいの?
園芸店に行くとたくさんの肥料が並んでいますね。あまりの種類の多さにどれがいいのか迷ってしまいます。100均からホームセンターまで様々なところで売られている観葉植物の肥料
観葉植物の肥料は主に100均、園芸店、ホームセンターなどで販売されています。品揃えと専門知識をもった店員さんに注文や相談をしたいなら、園芸店かホームセンターで購入するのがおすすめです。100均の場合は店員さんに専門的なことを相談するのは難しいですが、気軽に試せる価格であることはメリットです。肥料の種類
肥料には主に3つの種類があり、それぞれに特徴があります。肥料を適切に使うにはこの特徴を覚えておくといいですね。固形の肥料
固形の肥料には「元肥」と「置き肥」の2種類があります。「元肥」は観葉植物を土に植えつける時や植え替える時に、土の中に混ぜ込み元々ある養分を補う役割をします。「置き肥」は文字通り土の上に置くだけの肥料です。固形の肥料は水やりをすることで、徐々に溶けてゆっくり長く効果を発揮するのが最大の特徴で、ガーデニングや家庭菜園には欠かせません。液体の肥料
液体の肥料は「液肥」とも言います。観葉植物の根から吸収して効果を発揮するため、即効性を求めるなら液肥が適しています。ただし、液体は流れ出てしまうため持続性はありません。粉末の肥料
粉末の肥料はそのまま使用するのではなく、水に溶かして与えます。液肥と同じように即効性があり、持続性はないのが特徴です。ハイドロカルチャーに向いている肥料はどれかを徹底的に解説していきます
土と違いハイドロカルチャーの植え込み材には、植物の栄養となるものが含まれていません。ハイドロカルチャーの植物を大きく健康的な株に育てるため、必要に応じて肥料を与えた方がいいでしょう。ハイドロカルチャーに向いている肥料について徹底解説します。ハイドロカルチャーに向いている肥料
ハイドロカルチャーに向いている肥料は液体の化学肥料です。圧倒的にハイポネックスなどの液体の肥料がおすすめ
液体肥料のブランドと言えばハイポネックスが有名です。液体の肥料は器の中で均一に広がり即効性に優れている点が、ハイドロカルチャー向きでおすすめです。固形の肥料は土の中でゆっくり溶けるように作られているため、ハイドロカルチャーに入れても水には溶けにくいのです。しかも、固形の肥料は水に溶けても濃度が均一ではないため、肥料が根全体へ均等に広がるのは難しいでしょう。液肥の中でも種類がある
液体肥料は大きく分けて3つの種類があり、原料によって分けられます。- 動植物を原料とした有機液肥
- 化学物質を原料とした化成の液肥
- 動植物、化学物質の両方を原料とした有機入り液肥
なぜ液体の肥料がおすすめなのか?
ハイドロカルチャーのように、植物の根が水分を吸収しやすいように作られているものは、水溶性の肥料であることが大切です。肥料の成分がしっかりと液体に溶けていることで、根が吸収しやすく効果もすぐに出るため液体の肥料が最適です。ハイドロカルチャーで肥料を与える意味
ハイドロカルチャーが肥料を必要とするのは次のような場合です。観葉植物により大きくなってもらうため
植物が成長するためには、窒素、リン酸、カリウムなどの養分が必要です。ハイドロカルチャーのように水のみで育てている場合、その成長はゆるやかです。より大きく元気に育てるなら肥料は欠かせないでしょう。日常的な栄養素として摂取させる目的
植物は光合成をして栄養を作り出していますが、光合成だけでは補えない栄養素を肥料で摂取させるとより効果的です。液肥で栄養を与えると生き生きとした元気な株に育ちます。※ただし、肥料のあげ過ぎには十分注意すること※
肥料を与える時は、必ず肥料の濃度や頻度などの条件と、植物の特性や様子を十分に考慮してあげすぎないように気をつけます。肥料の説明文はよく読み容量と用法を守ることが大切です。肥料はあげすぎると返って根腐れや枯れる原因になります。ハイドロカルチャーへの肥料のやり方
植物に肥料を与えるにあたり、押さえておきたいポイントがあります。肥料はたくさん与えればいいのではなく、適切な量を適切なタイミングで与えることが大切です。今回は液肥の与え方について解説していきます
肥料を与える前に観葉植物をよく観察してみましょう。萎れていたとしたら、その原因は水切れなのか、それとも根腐れで水が吸収できないのかなど、原因により対処のやり方が変わります。水切れで萎れているなら液肥を与えても大丈夫です。肥料を与える時期は4〜10月の間に与えるようにする
観葉植物に肥料を与えるのに最も適しているのは、4月から10月です。この時期は植物がよく成長するため、2週間から1カ月おきに与えるようにします。基本的な与え方
肥料を扱う時には慎重に行います。周囲に小さな子どもがいたら、誤飲などの事故を避けるためにも特に注意しましょう。- まずは肥料に書かれている使用方法をよく読んで確認します。水で薄めて使うタイプなら必ず希釈倍率を守りましょう。薄めずにそのまま使えるハイドロカルチャー専用の液肥であれば、使用量を確認してから与えてください。
- 水で希釈して作った液肥は、肥料成分が変化しやすくなるためその日のうちに使い切るか、余ったら廃棄しましょう。
- 液肥を与えるのに使用した容器や道具は水できれいに洗っておきます。
冬に与えすぎると過剰に栄養がありすぎて枯れてしまう場合があるので注意
気温が下がる日本の冬は、多くの観葉植物が休眠状態になるため、水もほとんど必要としません。その状態で冬に液肥を与えると、容器の中の化学物質の濃度が上がりすぎます。その濃度を下げようとして、植物自らが根から水分を放出することで枯れる原因となります。ハイドロカルチャーではこんな植物が育ちます
植物であれば何でもハイドロカルチャーで育つのではありません。直射日光が苦手で水が好き、切った枝を水に入れておくと根が生えてくる、このような特徴がある植物が、ハイドロカルチャーで育ちます。ハイドロカルチャーに向いている植物や育成しているのが珍しい植物をご紹介します
ハイドロカルチャーに向いている植物をご紹介します。ガジュマル
ガジュマルはとても丈夫で育てやすく、ハイドロカルチャーに向いている植物です。日光によく当てた方が健康な株になります。しかし、器が透明だと日光を当てることで苔が生えてしまうため、ガジュマルをハイドロカルチャーで育てるなら陶器の器の方がいいでしょう。アボカド
アボカドを食べた後、種のぬめりを綺麗に洗い、発根するまで水耕栽培で育てることができます。根と葉ががしっかり出てきたら植え込み材に植え替えて、ハイドロカルチャーとして楽しめます。アボカドのハイドロカルチャーは珍しいので、挑戦してみましょう。パキラ
パキラはハイドロカルチャーでも丈夫で育てやすく、初めてのハイドロカルチャーにもぴったりな植物です。根が成長するスピードが早く、土からハイドロカルチャーに植え替えても定着しやすいので、パキラは初心者の方におすすめです。ポトス
ポトスは切った茎を水につけて置くだけで発根しやすいのが特徴です。水耕栽培の水はこまめに替えて常に新鮮な状態を保ちましょう。水で十分に発根させたポトスをハイドロカルチャーにするなら、春から秋にかけての成長期にするのが適しています。コーヒーの木
コーヒーの木も根の生育が旺盛で、細かい根が次々に生えてきます。熱帯地方が原産であるため、日光が好きで一年中明るい室内で育てます。根が器の底に根詰まりしだしたら、ひと回り大きな器に植え替えが必要です。ハイドロカルチャーで大きくなりすぎた場合には、土に植え替えてガーデニングで楽しみましょう。モンステラ
モンステラも切った茎を水につけておくだけで発根できる、強い生命力を持った人気の植物です。成長が早く茎から気根をたくさん出します。熱帯雨林の植物ですが、暑さだけはなく日本の寒さにも強く、乾燥や日陰にも耐えるので、初心者の方には嬉しい条件が揃った観葉植物です。Q&A
みなさんが思う疑問にお答えします。Q,炭でのハイドロカルチャー栽培の場合でも液肥が向いているんですか?
A,炭を植え込み材として使った場合でも、液肥は使えます。ただし、炭は必ずハイドロカルチャー専用のもので植えましょう。ハイドロカルチャー用の炭は滅菌処理がされていて、普通の炭とは特徴が異なります。また、炭は保水性が高いため水も液肥もタイミングをよく図って与えるようにしましょう。Q,ハイドロカルチャーの液肥を与える際、注意点などはありますか?
A,必ず肥料の使用方法を守ることが大事です。特に水で希弱するタイプの液肥は、薄いと効果がなかったり、濃いと枯れてしまうこともあります。4月から10月の成長期に月に2回くらいの頻度で与えましょう。与えすぎると植物の調子が悪くなることがあります。液肥は適切な量を適切なタイミングで与えることが最も大事なことです。Q,ハイドロカルチャーのメリットデメリットを教えてください
A,メリット- 無機質の植え込み材を使うため、匂いやカビが発生しにくい
- 虫がつきにくい
- 土と比べて清潔なので置く場所を選ばない
- 植え込み材が豊富でおしゃれな見せ方が楽しめる
- 透明の器に植えると水やりのタイミングが見えてわかりやすい
- 植え込み材には栄養がないため成長が遅く大きく育ちにくい
- 土と比較すると植え込み材の価格が高い
- 土から植え替える際に根を傷つけてしまい枯れるリスクがある
- コストがかかる、枯れるリスクがあるという理由から、中鉢以上のハイドロカルチャーはほとんど販売されていない
ハイドロカルチャーにぴったりな肥料はあるの?肥料の与え方や種類を紹介のまとめ
ここまでハイドロカルチャーの肥料についてご案内してきましたが、いかがでしたでしょうか。園芸店に行くとたくさんの肥料が売られていますが、様々なブランドの中から何を選べばいいのか、結構難しいのではと思います。 まとめると、- 肥料は固形、液体、粉末の3種類あり、それぞれ特性が違う
- ハイドロカルチャーに最も向いているのは化成の液体肥料である
- 肥料を与える時期は4月から10月の成長期で冬は避ける
- 液肥をやる時には用法をよく守り、適切な濃度の肥料を適切なタイミングで与える
- ハイドロカルチャーに向くのは明るい室内と水が好きで発根しやすい植物