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白い花が可愛らしいイベリス。花壇や寄せ植えとしてガーデニングで人気があります。聞いたことがなくても、花を見れば「どこかで見たことがあるかも」と思うかもしれません。人気のイベリスの育て方について気になりませんか。 そこでこちらの記事では
白くて可愛らしい花を咲かせるイベリスは人気の植物です。どんな植物なのか詳しくご存じの方も少ないと思います。それではイベリスについて見ていきましょう。
イベリスの育て方における用土について解説します。
イベリスの育て方における種まきについて解説します。
イベリスの育て方における植え付けについて解説します。
イベリスの育て方における置き場所について解説します。
イベリスの育て方における水やりについて解説します。
イベリスの育て方における肥料について解説します。
イベリスの育て方における増やし方について解説します。
イベリスには様々な園芸品種があります。人気のイベリスについて見ていきましょう。
- イベリスはどんな植物なのか
- イベリスの育て方における置き場所・水やり・肥料
- イベリスの育て方における増やし方
- イベリスのお手入れ方法
イベリスってどんな植物?

イベリスの基本情報
イベリスはアブラナ科イベリス属の植物です。原産地はヨーロッパや北アメリカ。日本では、和名で「トキワナズナ」「マガリバナ」などとも呼ばれています。ガーデニングで人気の植物であり、英名「candytuft(キャンディタフト)」とあるように、香りがよい繊細なお菓子のようにも見えます。実際に、イベリスからは非常に甘い香りがします。キャンディタフトの名前で販売されていることもありますが、イベリスのことなので間違えないようにしましょう。植物名 | イベリス |
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学名 | lberis |
草丈 | 20~60cm |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い(多年草タイプ) |
小さくかわいらしい花をたくさんつけるアブラナ科の植物
イベリスは、小さくかわいらしい花をたくさんつけるアブラナ科の植物です。花壇や寄せ植えで活躍します。純白の小さな花が集まってボール状に咲く姿に、きっと癒されるでしょう。イベリスの名前は原産地のイベリア半島から由来している
「イベリス」の名前は、原産地のヨーロッパ南西部にあるイベリア半島に由来しています。イベリア半島は大西洋と地中海を区切り、ピレネー山脈によって中部ヨーロッパと区分する位置にあります。一年草の品種と多年草の品種が存在する
イベリスには一年草の品種と多年草の品種が存在します。一年草タイプは暑さに弱く、夏越しができません。代表的な一年草には「アマラ種」「ウンベラータ種」、「オドラータ種」など。日本でニオイナズナと呼ばれるのは、主にオドラータ種です。多年草タイプは宿根イベリスと呼ばれる「センペルビレンス種」。日本ではトキワナズナとも呼ばれています。一年草と多年草で育て方に若干の違いがある
イベリスは一年草と多年草で育て方に若干の違いがあります。一年草は暑さに弱いですが、多年草は暑さ・蒸れにも強いためです。一年草タイプのイベリスは、風通しや温度に気を付けて育てる必要があります。イベリスの育て方【用土】

基本的に水はけの良い土を好む
イベリスは、基本的に水はけの良い用土での栽培を好みます。粘土質の水持ちがよすぎる用土は根腐れの原因です。健康的に育てるためにも、水はけの良い土で育てましょう。多年草タイプを育てる場合はとくに排水性の高い土を選ぶ
多年草タイプのイベリスを栽培する場合は、特に排水性の高い土を選んでください。多年草であるため、夏越し・冬越しをします。同じ鉢や花壇で育ち続けるためには、根が健康的に育つ必要があるためです。市販の花用の土で十分に育ちますが、水持ちがよすぎる場合があるので、その際には小粒の鹿沼土や軽石を一割ほど入れて改良するとよいでしょう。元肥として緩効性肥料のマグァンプK中粒を混ぜ込んでおく
イベリスには元肥として、緩効性肥料のマグァンプK中粒を混ぜ込んでおくとよいです。マガァンプKは、リン酸に特化した粒状肥料。花を咲かせるリン酸が多く配合されているので、草花には元肥としておすすめします。中粒は草花にとって、肥料効果が1年と植え替えも考えるとちょうどよいとされています。イベリスの育て方【種まき】

一年草タイプは9月~10月の秋が適期
イベリスの一年草タイプの種まきは、9月~10月の秋が適期です。暑い夏が終わって涼しくなり始めたころに種まきしましょう。春に撒いてしまうと、開花後に暑い夏が訪れて、枯れてしまうので、注意してください。多年草タイプは3月~4月の春が適期
イベリスの多年草タイプは3月~4月の春が適期です。多年草タイプは暑さに強いので、春に種まきができます。6月以降は種まきに適していません。春に成長して夏越ししたイベリスは、秋にさらに大きく育ち、綺麗な花を咲かせます。鉢や花壇に直接ばらまきしてもよい
イベリスの種は、鉢や花壇に直接ばらまいても大丈夫です。イベリスは移植を嫌うため、頻繁に植え替えはしない方がおすすめです。そのため、直接種まきするか、あらかじめ大きめの鉢に種まきするのがポイント。種は一年草タイプや多年草タイプでも販売されているため、手軽に購入が可能です。種から育ててみたい方は、ぜひ種を園芸店で購入してみてはいかがでしょうか。イベリスの種まき手順
イベリスの種まきは非常に簡単です。移植を嫌うので、基本的に大きな鉢や花壇に直接ばらまくだけだからです。種を撒いた後は、軽く土をかぶせて水やりしましょう。土をかぶせすぎると発芽しなかったり、発芽に時間がかかったりするので注意してください。本葉が2枚~3枚になるまで育てたら元気なものを残して間引きする
イベリスの種が発芽して、本葉が2枚~3枚になるまで育てたら元気なものを残して間引きしてください。大きな鉢や花壇に種をばらまいている状態なので、葉っぱ同士が重なり合うと、成長を阻害します。お互いに間隔が一定になるように間引きして整えてあげると生育がよくなるでしょう。イベリスの育て方【植え付け】

3月~4月もしくは10月~11月に苗を購入する
イベリスの苗は3月~4月、もしくは10月~11月に苗を購入してください。春と秋は、イベリスにとって開花期であるため、園芸店やホームセンターで苗を購入しやすいでしょう。気温の高い6月~8月の夏に、イベリスの苗があっても購入は控えた方が安心です。多年草タイプであっても、花は咲きにくく苗も傷んでいる可能性があるためです。苗の購入は適切なシーズンに購入しましょう。苗を購入したらすぐに植え付ける
イベリスの苗を購入したらすぐに植え付けてください。苗はビニールポットに植えられていることがほとんど。その状態のままでは、根詰まりしやすいです。根詰まりしてしまうと、生育が悪くなり花が咲きにくくなるかもしれません。また、本来は移植を嫌う植物なので、根詰まりする前にやさしく植え替えることが、元気に育てるポイントです。一度植え付けたらむやみに移動させないようにする
イベリスは一度植えつけたら、むやみに移動させないようにしてください。イベリスは移植を嫌うので、何度も根をいじられると枯れる恐れがあるためです。そのため、植えつけ場所は、あらかじめ決めて植えてあげましょう。イベリスの植え付け手順
イベリスの植え付け手順は以下の通りです。- ポットから優しく根鉢を取り出す
- 鉢や花壇に根鉢が収まる程度の穴を掘る
- 取り出した苗を穴に入れる
- 周りの土を優しく株の周りに寄せる
- たっぷりの水やりをする
イベリスの育て方【置き場所】

日当たりと水はけの良い場所に置く
イベリスは日当たりと水はけの良い場所を好む植物です。そのため、火山では良く日の当たる水はけの良い場所に植えてください。日当たりと水はけが悪い場所では、花が咲かない可能性があります。葉色も悪くなるので注意してください。温暖な場所を好むが高温多湿は蒸れて株が腐りやすいので注意する
イベリスは温暖な場所を好みますが、高温多湿な環境では蒸れて株が腐りやすいので、注意が必要です。特に水のやりすぎは生育に悪影響なので、土の乾燥具合を確認して水やりしてください。地植えの場合は、雨の降らない夏と植え付け以外は水やりは必要ないです。イベリスの育て方【水やり】

イベリスは乾燥気味に管理する
イベリスは乾燥気味に管理することがポイントです。高温多湿に弱い面があるので、水やりをしすぎると腐ってしまうこともあります。地植えの場合は、植えつけ直後と真夏の雨が降らない時期を除いて、水やりは必要ないでしょう。鉢植えの場合は土の表面が乾燥したら水をあげる
鉢植えの場合は土の表面が乾燥したらたっぷり水をあげることが重要です。しかし、受け皿に水を溜めていると根腐れするので注意してください。地植えの場合は基本的に降雨に任せても元気に育つ
前述している通り、イベリスの地植えは基本的に降雨に任せても元気に育ちます。極端に雨の降らない時期だけ注意して水やりすれば、放置気味でも元気に育つので安心してください。イベリスの育て方【肥料】

一年草タイプの肥料のあげ方
一年草タイプの肥料のあげ方は以下の通りです。本葉が出始めたころから10日に1回肥料を与える
イベリスには本葉が出始めたころから10日に1回肥料を与えてください。花がたくさん咲く植物なので、多くの花を咲かせたい場合は、肥料分が必要です。肥料が少ないと花が咲かないこともあるかもしれません。与える肥料は液体肥料のハイポネックス原液
イベリスにあげる肥料は液体肥料です。液体肥料は速効性があるので、与えてすぐに効果が出てきます。与える液体肥料はハイポネックス原液がおすすめ。しかし、液体肥料はさまざまなメーカーから出ていますので、使用する液体肥料の注意に沿って、適切な薄め方をして与えてください。多年草タイプの肥料のあげ方
多年草タイプの肥料のあげ方は以下の通りです。春と秋に肥料を与える
多年草のイベリスには、春と秋に2回肥料を与えます。夏と冬は生育期ではないので、肥料は与えないでください。花が咲く時期に適切に、肥料を与えることで綺麗な花を咲かせてくれるでしょう。与える肥料は肥料効果が約3~4か月持続するコーティング肥料
多年草のイベリスは、長期間花が咲き続けます。与える肥料は肥料効果が約3~4か月持続するコーティング肥料がおすすめです。コーティング肥料は粒状になっているため、土に置いたり混ぜたりして使用します。水やり時にじわじわ溶けだして、長期間効果を発揮するので、多年草にぴったりの肥料です。肥料を与えすぎると徒長を起こしひょろひょろしてしまうので注意
肥料を与えすぎると、イベリスが徒長を起こしひょろひょろになってしまうので、注意してください。液肥であれば、濃く作ったり毎日与えたりしてしまうことに気を付けます。コーティングの緩効性肥料であれば、規定量よりも多く土に撒いたり混ぜたりしないように注意してください。イベリスの増やし方

一年草タイプの増やし方
一年草タイプの増やし方は以下の通りです。一年草タイプは種まきで増やす
一年草タイプのイベリスは種まきで増やします。種は、苗で育てていると開花後にタネができます。そのタネを収穫して、秋に撒くとよいでしょう。収穫しなくてもこぼれ種で自然に増えることも多いです。また、種は園芸店でも簡単に購入できるので、ぜひ種まきからイベリスを育ててみませんか。イベリスの種まき手順
イベリスの種まきは非常に簡単です。移植を嫌うので、基本的に大きな鉢や花壇に直接ばらまくだけだからです。種を撒いた後は、軽く土をかぶせて水やりしましょう。土をかぶせすぎると発芽しなかったり、発芽に時間がかかったりするので注意してください。多年草・宿根草タイプの増やし方
多年草・宿根草タイプの増やし方は以下の通りです。多年草・宿根草タイプは種まきの他に挿し木でも増やすことができる
多年草・宿根草タイプは種まきのほかに挿し木でも増やすことができます。挿し木とは、剪定した枝を土や水に差して増やす方法です。イベリスの挿し木手順
イベリスの挿し木の手順は以下の通りです。- 挿し木挿し芽の土を準備する
- 挿し木トレーや植木鉢に土を入れる
- あらかじめ土を湿らせておく
- 土に5~10㎝ほどの深さの穴をあけておく
- イベリスを10~15㎝ほどの長さで剪定する
- 剪定した枝を挿し穂として、1時間ほど吸水させる
- 吸水させた挿し穂を、土の穴に入れて優しく植える
- 改めて、たっぷり水やりする
- 明るい日陰に置いて、水切れがないように管理する
イベリスのお手入れ方法

イベリスの育て方におけるお手入れ方法について解説します。育て方において、こまめな手入れは非常に重要です。育て方で失敗したくない場合は、手入れをしっかり行いましょう。
花を長く楽しみたいときはこまめに花がら摘みを行う
イベリスの花を長く楽しみたいときは、こまめに花がら摘みを行ってください。イベリスは花がたくさん咲く植物なので、花終わりをそのままにしておくと、種を付け始めて、栄養が種に集中します。種に栄養が集中すると、花が咲かなくなるので、手入れとして花がらはこまめに摘み取りましょう。多年草タイプのイベリスは定期的に切り戻し剪定を行う
多年草タイプのイベリスは定期的に切り戻し剪定を行います。切り戻し剪定について解説します。切り戻し剪定のタイミングは冬に花が終わってから夏までの間
切り戻し剪定のタイミングは冬に花が終わってから夏までの間です。開花後に、全体の半分ほど剪定はさみでカットしましょう。春に新芽がたくさん出て、枝数が増えます。その後、夏までに定期的に剪定を繰り返すと、より枝数が増えて花がたくさん咲くようになるでしょう。そのままにしていると根元が蒸れて枯れる原因になるので注意
切り戻し剪定をせずに、そのままにしていると根元が蒸れて枯れる原因になるので注意してください。切り戻し剪定は、風通しを良くする効果もあります。株元に風が通り、蒸れで枯れる心配がなくなります。また、伸ばしすぎて形が崩れる心配も少なくなるので、切り戻し剪定は重要です。イベリスの切り戻し剪定の手順
イベリスの切り戻し剪定の手順は以下の通りです。- 冬の開花後に、伸びた枝の半分を剪定する
- 夏までに、同様の剪定を花が落ち着くたびに繰り返す
イベリスの様々な園芸品種

スノーサーファー
スノーサーファーは、間延びしやすい宿根イベリスの弱点を克服している品種です。スノーサーファーは、開花時もこんもりがっしりしているので、一株で大きく育てても見ごたえがあります。比較的大輪の花が咲くので、豪華な花が好きな方におすすめです。ブライダルブーケ
ブライダルブーケは、イベリスの代表的な品種です。トキワマガリバナの和名も持っており、日本でも親しまれています。ブライダルブーケ(トキワマガリバナ)の特徴は、名前の通り、結婚式のブーケのように真っ白な花が集まって半球になり開花する姿です。マーメイドラベンダー
マーメイドラベンダーはイベリスの中でも珍しい紫色の花を咲かせます。花は小さめですが、日向であればどこでも育ち放任でも大丈夫です。マーメイドラベンダーの繊細な姿は、白色のイベリスと違って楽しめるでしょう。クイーンアメジスト
クイーンアメジストは、花の中心部は白く、その周りは濃い紫色をしています。アメジスト色の紫は見ている方を魅了する美しさです。クイーンアメジストはマーメイドラベンダーよりも濃い紫色なので、濃淡をつける役割として花壇や寄せ植えに活躍するでしょう。ウンベラータ
ウンベラータは、イベリスの一年草タイプです。花色は白以外にも、桃色や紫色があります。花はやや小さめで、草花の雰囲気が強いので、ナチュラルガーデンにおすすめです。エンジェルベール
エンジェルベールは分枝がよく、花がたくさん咲くイベリスです。丈夫で暑さ、寒さにも強いので鉢植えはもちろん、地植えでも楽しめます。エンジェルベールはこんもりとした半球の可愛らしい姿になります。スノーボール
スノーボールは、花茎は太くて分枝性が良いイベリスです。最大の特徴は、「スノーボール」の名前の通り、一株でボリュームのある草姿になる点です。また、ほかのイベリスに比べ大輪なので、反が咲き始めると、葉っぱが見えなくなるくらいに一面真っ白になります。スイートハート
スイートハートは丈夫で長期間にわたってピンクの花を咲かせる宿根イベリスです。ピンクのイベリスとして、従来からある品種よりも、花の中心が濃桃色になるのが特徴。スイートハートは、非常に可愛らしい花なので、可愛い寄せ植えや花壇を作りたいときにおすすめです。センペルヴィレンス
センペルヴィレンスは、宿根イベリスの代表的な品種です。主にセンペルヴィレンス種は、常緑性で耐寒性が強いのが特徴です。園芸店で手に入る宿根イベリスは、センペルヴィレンス種になります。ホワイトアウト
ホワイトアウトは白花の宿根イベリス。「ホワイトアウト」の名前通りに純白の白花が特徴的です。花壇や寄せ植えで美しく楽しめます。春から秋までの連続開花がも特徴の一つで多くのガーデナーを楽しませてくれます。【まとめ】イベリスの育て方を徹底解説!成長後のお手入れから人気の園芸品種まで
ここまでイベリスの育て方について解説してきましたがいかがですか。 この記事のポイントは- イベリスには一年草タイプと多年草タイプがあり、お菓子のように可愛らしく甘い香りのある白花を咲かせる
- イベリスの育て方は、「置き場所:日当たり良い場所」「水やり:鉢植えは土が乾いたらたっぷり」「肥料:生育期の春と秋に10日に一回液肥または緩効性肥料を与える」が重要
- 一年草のイベリスは種まきで、多年草のイベリスは種まきと挿し木で増やすことができる
- イベリスを長期間咲かせるためには、こまめに花柄を摘み取って、冬の花終わりから夏の間は切り戻し剪定をする