水苔の育て方を徹底解説!4つのポイントから上手な水苔の活用方法まで

水苔の育て方を徹底解説!4つのポイントから上手な水苔の活用方法まで
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目次

胡蝶蘭や苔玉などに使われることの多い水苔をご存じでしょうか。水苔はポピュラーな植物でありながら、育て方があまり知られていない植物だと言えるかもしれません。しかし、水苔を上手に増やしたり育てたりすることができれば、様々な利用方法があるのです。そんな時にも、育て方のポイントやコツを知っていればより元気に水苔を育てることができます。

そこでこの記事では、

  • 水苔とは何?
  • 水苔の育て方のポイント①生育環境
  • 水苔の育て方のポイント②用土
  • 水苔の育て方のポイント③水
  • 水苔の育て方のポイント④増やし方
  • 乾燥水苔には使い方がいっぱい

以上のポイントを中心にご紹介していきます。

水苔は乾燥した状態で販売しているのを目にしたことのある方も多いはずですが、自分で育てるとより生き生きと成長してくれます。水が大好きな植物ですので、水やりのたびに可愛らしい姿をみせてくれるはずです。この記事の最後では、コスパが良く人気の高い乾燥水苔の使い方にも着目してご紹介していますのでぜひご覧ください。

水苔とは何?

水苔とは何?

まずは、水苔とは何か、ということについて解説していきましょう。水苔は乾燥した状態で販売されていることが多い植物ですね。気になるその中身は、国内外の湿地で生育していたコケを乾燥、圧縮させたものです。胡蝶蘭やデンドロビウムなどの植物を園芸店で購入すると、根元を覆うように水苔が入っているのを見たことあるのではないでしょうか。

世界中に150種類ほどある苔の一種で表面に気孔が多いことが特徴

水苔は世界中に150種類ほどある苔の一種で、表面に気功が多いことが特徴です。湿原の生態系においては圧倒的な存在感をもつ水苔は、基本的には外国産のものが流通しています。日本でも水苔は自生していますが、国立公園などで保護されていますので採取することはできないのです。国立公園以外でも水苔は自生していますが、湿地の減少で年々生育地が減ってきています。

水苔の表面あるたくさんの気孔は、「光合成」や「蒸散」「呼吸」などを効率的に行う役割があるのです。

主に乾燥させた水苔が一般的で、他の植物の生育に使われている

日本では主に乾燥させた水苔が一般的で、流通している目的も他の植物の保護に使われることがメインとなっています。乾燥させた水苔は圧縮されていますが、水分を吸収するとふわふわと広がって様々な用途に使うことができる有用性もあるのです。

保水性が高く、基本用土として利用されることが多い

水苔は保水性が高く、土の代わりとなる基本用土として利用されることが多い植物です。胡蝶蘭やデンドロビウムなどに土の代わりに利用したり、苔玉を保護するために用いたりハンギングバスケットに使われたりと様々な用途が期待できます。水苔は保水性が高いので、水分の蒸散を防ぐことができるのもメリットのひとつでしょう。

生水苔は、流通量が少ない

乾燥させていない生水苔は流通量が少なく、ホームセンターやお花屋さんなどではあまり見かけることがありません。もちろん、国立公園などで採取することも禁じられていますのでどうしても欲しいという時は、ネット通販などで探してみてはいかがでしょうか。最近ではアマゾンや楽天などでも生水苔が販売されていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

また、園芸店やお花屋さんよりは水生生物を取り扱っているアクアショップなどで金魚や水草などとともに販売されていることが実は多いのです。水苔の柔らかい見た目や触り心地は、水生生物を育てている方にも人気の植物と言えるでしょう。

生水苔の育て方や、水苔がどのような植物に適しているかを解説

水苔の特徴がわかったところで、肝心の水苔の育て方や水苔がどのような植物に適しているのかを解説していきましょう。水苔は専門的な育て方が必要かと思われがちですが、意外に初心者にも育てることのできる植物なのです。育て方のポイントひとつひとつについて、わかりやすく説明していきますのでぜひ最後までご覧ください。

水苔の育て方のポイント:生育環境

水苔の育て方のポイント:生育環境

水苔の育て方のポイントの一番目として、生育環境についてご紹介します。水苔は水分や湿度が多い場所に自生することの多い植物ですので、お家で育てる場合にも生育環境に注意して育ててあげると良いですね。なお、水苔を育てる時の容器は底の抜けていないガラス瓶や発泡スチロールの箱、園芸用の浮舟などが適しています。

基本的に半日陰か明るい日影が好ましい

水苔は基本的には半日陰の明るい日陰が適しています。明るくない場所では光合成ができずに枯れてしまいますし、日差しが強すぎる場所では乾燥しすぎて良くありません。乾燥に気を付ければ日向でも育てることはできますが、若々しい緑色があせて赤茶色になってしまう可能性もあります。ベランダや屋外の半日陰の場所、カーテン越しの光が当たるような窓際を選んで管理すると良いですね。

屋内で育てる場合、空調の風に注意

水苔を屋内で育てる場合には、エアコンなどの空調のが直接当たらないように注意が必要です。特に、屋内のカーテン越しの光が当たるような場所で育てている場合には、空調の風が当たらないように気を付けましょう。常に風にあたり続けると、乾燥がひどくなって茶色く枯れることがあります。

屋外で育てる場合、直接庭に植え付けず容器やプランターに植えよう

屋外で水苔を育てる場合には、庭に直接植え付けをするのは適していません。生育環境を調整することのできる容器やプランターなどに植え付けることによって、柔軟に対応するよう心がけましょう。

気温の高低があれば室内へ

寒暖の差が大きいような地域や季節には室内に取り入れることで、水苔が傷むことを防ぎましょう。寒さが強まってくると水苔は休眠期に入って、赤茶色になってしまいますが、春になれば鮮やかな緑色に成長してくれますので心配しないでくださいね。また、室内に取り入れた時にはLEDライトを用いると見た目も美しいですし密集して生育してくれます。

徒長は日照量の不足が原因

水苔を育てていると、綺麗に伸びずに徒長してしまうことがあります。そんな時は日照量が足りていない合図ですので、より光が当たる場所に移動してあげましょう。定期的に水苔の様子をよく観察して、生育環境を整えてあげることが重要です。

水苔の育て方のポイント:用土

水苔の育て方のポイント:用土

水苔の育て方の2番目のポイントとして、用土についてご紹介しましょう。自然の状態では土に生えているように見える多い水苔ですが、栽培する場合には用土などが必要になるのでしょうか。

水苔は用土がなくても育つ

基本的に水苔は用土がなくても育つ植物です。自生地の湿地でも、土の上だけでなく水苔は木の幹や枯れ木などを媒介として成長します。また、土に生えているように見えても実際は枯れて蓄積した固形生物の上に育っているのです。そのため、栽培する場合にも用土の上で育てる必要なありません。

おすすめは、乾燥した水苔を用土の代わりに使うこと

水苔の育て方としておすすめなのが、乾燥した水苔を用土の代わりに使うことです。乾燥した水苔は、圧縮した状態でホームセンターなどで販売されています。茶色く枯れてしまっているように見える乾燥水苔ですが、様々な用途がありコスパが良くとても軽く扱いやすいのも特徴のひとつでしょう。乾燥水苔は土のようにこぼれたり汚れたりする心配がありませんので、お部屋の中でも使いやすいのがメリットのひとつです。

乾燥した水苔を吸水させて戻した後に、生の水苔をそっと差し込むようにして植えていきましょう。生の水苔が手に入らない場合には、国産の乾燥水苔をしめらせて明るい日陰に置いておけば発根や新芽が伸長する可能性もあります。

水苔の育て方のポイント:水

水苔の育て方のポイント:水

水苔の育て方の3番目のポイントとしてについて解説します。水苔は普通の植物と異なり、水をたくさん必要とする植物です。ただし、常にびちゃびちゃで水没しているという状態では良くありませんので、的確に水やりをするのがポイントのひとつでしょう。

常に水を切らさないように気を付けて管理する

湿度を好む水苔は常に水を切らさないように気を付けて管理しましょう。底の抜けていない容器に用土として乾燥水苔を入れた場合には、適度に湿らせた状態を保って管理します。容器の底に水がたっぷりあふれてしまう場合には、交換したり少し捨てて常に清潔な状態になるように気を付けましょう。

カビや腐敗を防ぐために水の取り換えは怠らないようにする

常に湿った状態になるとカビや腐敗の可能性が出てきてしまいます。そんなことにならないように、水苔の栽培では水を毎日交換することが必要です。水が汚れたり濁ってしまうと、水苔の成長に悪影響ですし臭いが出てきてしまいます。霧吹きなどで常に湿らせた状態を保つとともに、排水された水は定期的に交換するのがポイントです。

水苔の育て方のポイント:増やし方

水苔の育て方のポイント:増やし方

水苔の育て方の最後のポイントとして、増やし方についてご紹介しましょう。丈夫で増えやすい水苔は、ガーデニングや園芸としての楽しみ方の他にもアクアリウムや両性類・爬虫類の生育とともに増やすのもおすすめです。暖かい場所で管理すれば、どの季節でも増やす作業を行うことはできますができれば春から秋の生育力が旺盛な時期を選びましょう。

成長してきたら上部を5・6㎝切り取り、乾燥水苔に植え付ける

生の水苔が成長してきたら、上部を5・6cmほどカットして乾燥水苔に植え付けましょう。乾燥水苔はほぐした後に、数分の時間をかけて吸水させてしっとりとさせた状態を保つのがポイントです。水苔の新芽は小さく、繊細なのでピンセットなどで植え込みの作業をすると良いですね。徒長してしまった水苔を切りそろえるついでに、カットして増やしてみるのも良いのではないでしょうか。

根は定着するためにある為、なくても水分や養分の吸収に関係ない

繊細な芽のような水苔の成長した部分をカットして植え付けても、ちゃんと増えるか心配になる方もいるかもしれません。しかし水苔の根は木の幹や石に定着するためにあるため、なくても成長には問題ないのです。水苔にとって水分や養分の吸収は根とはあまり関係ありませんので、気軽に増やし方を試してみてはいかがでしょうか。

乾燥水苔はいろいろな植物を育てる際に活躍する

乾燥水苔はいろいろな植物を育てる際に活躍する

水苔の育て方をご紹介してきましたが、用土の項目で登場した乾燥水苔はいろいろな植物を育てる際に活躍する園芸資材です。生の水苔は流通量が少ない上に少し高いので、乾燥水苔を購入して気長に新芽が出るのを待つ育て方を行っている方も実はいるんですよ。ただし、外国産の乾燥水苔は熱を加えた後に乾燥させているので発芽は期待できません。国産の乾燥水苔であれば、成長が期待できますよ。

「胡蝶蘭」土ではなく樹皮の表面などに着生して育つ

胡蝶蘭を購入すると、用土のかわりにバーク材や水苔が敷かれているのに気付いた方も多いのではないでしょうか。胡蝶蘭はもともと、土ではなく樹皮の表面に着生して育つ植物ですので水苔やバーク材に代用することができるのです。やわらかい水苔は、胡蝶蘭の根を傷つけることなく保護してくれますし保水性と通気性に富んだ特徴もあります。また、液肥などの肥料を与えた時にも、吸水性の高い水苔は保肥性が高く効率的に栄養を与えることができるのもメリットのひとつでしょう。水苔がカビないようにするために、胡蝶蘭を植える時には通気性の良い陶器鉢を用いるのがおすすめです。

「多肉植物」水苔によってアレンジが多様化する

様々な形や色が楽しめる多肉植物は、水苔でさらに多様にアレンジすることができます。具体的にご紹介すると、多肉植物の用土でなく水苔を用いることによって、まるで絵画のように壁に掛ける多肉植物のアレンジを作ることができるのです。様々な種類の多肉植物を植え込みすることによって、モザイク模様を作り出すことができますよ。吸水性の高い水苔は多肉植物の適切な水やりにぴったりですし、表面を保護することによって中の用土がこぼれることを防いでくれます。さらにLEDライトを照射することによって、ワンランク上のインテリアグリーンとして楽しむことができるのもメリットのひとつでしょう。

「パイナップル」食べる際に余ったヘタから育てる

パイナップルと水苔にはまったく共通点がないようにも思えますよね。実はパイナップルを丸ごと食べる際に、余ったヘタを水苔に乗せることによって新たにパイナップルを成長させるという育て方があるのです。お家でパイナップルを育てるのは、お子様などにもぴったりの楽しみになるのではないでしょうか。気を付けるポイントは、10℃以下にならないような暖かい場所で育てることと乾燥させすぎないようにすることです。ヘタの部分を切り取って水苔に乗せて、乾燥させないように管理します。育つまでに3年ほどかかるのでしばらくは観葉植物として楽しむことにしましょう。

「ポトス」ツルを挿し木する際に水苔が活躍

観葉植物の代表格でもあるポトスは、挿し木の際に水苔を用いると効率的に発根を促すことができます。水苔は保水力が高いので、適度に湿り気があり挿し木には最適な環境を作り出してくれるのです。また、根が出た際には絡まった水苔は取り除かずにそのまま土に植えることのできるメリットもあげられます。

いずれも乾燥水苔は使い続けると腐る為、1年に1回は植え替えよう

ご紹介したいずれの方法も、乾燥水苔は使い続けると腐ったりカビてしまうために1年に1回は植え替えをするようにしましょう。傷んだ水苔を使い続けると、大切な植物の本体まで枯らしてしまう可能性がありますので注意が必要です。乾燥水苔はコスパが良いので、気にせずに春の時期になったら植え替えをするようにしましょう。

水苔の育て方を徹底解説!4つのポイントから上手な水苔の活用方法までのまとめ

いかがだったでしょうか。

水苔は基本的には丈夫で育てやすいので、冬の寒さにあたってしまっても春になったら回復する可能性があります。また、日差しにあたると太くしっかりとした赤茶色に、明るい日陰だと繊細で瑞々しい緑色にと成長する環境によっても姿を変える面白さも持ち合わせているのです。また、乾燥水苔にも様々な使い道がありますのでガーデニングのひとつとして楽しんでみてはいかがでしょうか。

この記事のポイントは以下の通りです。

  • 水苔は世界に150種類ほど分布する湿地に自生するコケ植物
  • 水苔の育て方のポイント①生育環境は明るい日陰やカーテン越しの光が当たるような場所が適している
  • 水苔の育て方のポイント②用土は必要なく、乾燥水苔の上で育てるのがおすすめ
  • 水苔の育て方のポイント③水は常に絶やさないように気を付けながら、定期的に交換する
  • 水苔の育て方のポイント④増やし方は、伸びた水苔の先端を数センチカットして乾燥水苔に植え込みすることで簡単にできる
  • 乾燥水苔には胡蝶蘭、ポトス、多肉植物、パイナップルなどへの利用方法がある

水苔の育て方のポイントは、生育環境と水やりの方法に気を付けることでしょう。肥料を与える必要はありませんが、液肥を薄めて与えるとさらに瑞々しく成長してくれるはずです。大きめの浮舟式栽培箱などで大量に栽培するのもおすすめですよ。ぜひコケ植物特有の水苔がもつ魅力を存分に味わってみてくださいね。

最後まで記事を読んでいただいてありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。