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オキナグサは開花した際に赤紫色の花を下向きに咲かせ、その花の姿がとても情緒的なことから愛好家の方も多くいらっしゃいます。そしてオキナグサは耐寒性が高く丈夫なため、庭園などで観賞用として栽培されています。
ただ、たとえ丈夫といっても、適切な育て方やお手入れをしないと健康的に生長しなかったり枯れてしまう可能性があります。
そこで今回は、
- そもそもオキナグサ(翁草)ってどんな植物なの?
- オキナグサの育て方のポイント
- オキナグサの植え替え・植え付け
- オキナグサの増やし方
- オキナグサのお手入れ
- オキナグサの人気の品種を紹介
そもそもオキナグサ(翁草)ってどんな植物なの?
ここからは、オキナグサ(翁草)の基本情報について説明していきます。オキナグサ(翁草)は本州や四国、九州を中心に生えている多年草で、丈夫であることから園芸用として栽培されている方もいらっしゃいます。 オキナグサは2018年と2020年のお初の花となっており、2018年と2020年は特に多くの方に観賞されました。日本が原産のキンポウゲ科オキナグサ属の多年草
オキナグサは日本が原産のキンポウゲ科オキナグサ属の多年草で様々な場所に自生しています。日本に自生するオキナグサの草丈は30~40cmほどで、耐寒性や耐暑性はそこそこあります。春に産毛のある濃い赤紫色の花を咲かせる
オキナグサは春に産毛のある濃い赤紫色の花を咲かせます。開花期は4~5月となっています。羽毛のような種子が特徴的
オキナグサは羽毛のような種子(果実)が特徴的です。その種子(果実)が密集して風にそよいでいる姿を老人の白髪に見立てて「オキナグサ(翁草)」という呼ばれ方をしています。オキナグサの育て方のポイント①置き場所
まず、オキナグサの育て方のポイントは「置き場所」です。植物を適切な場所に置かないと成長が遅れたり病害虫にかかってしまう可能性が上がってしまうので注意しましょう。日当たりと風通しのよい場所を好む
オキナグサは日当たりと風通しのよい場所での育て方を好みます。日当たりのよい場所に置くことで植物が光合成を行い、太陽光をエネルギーに転換できます。この光合成をきちんと行えないと、成長が遅れたり花が咲かなくなる可能性があります。 また、風通しのよい場所での育て方をすることで植物の葉から水分が蒸発しやすくなり、植物が水を吸収するのを促進することができます。風通しのよい場所に置くことで大気中の二酸化炭素を吸収しやすくなるのもポイントです。地植えの場合:乾きにくい日向か明るい樹の下など
地植えでの育て方の場合、乾燥しにくい日向か明るい樹の下などに置きましょう。これらの場所に置くことで根が水分を吸収したり、葉が光合成をしやすくなります。鉢植えの場合
鉢植えでの育て方の場合、地植えとは置き場所のポイントが異なります。適切な場所に置くことで植物の成長を促しましょう。春と秋:日向に置く
春と秋は日向に置きましょう。葉の展開が終わるまではたっぷりと日が当たるようにしておきます。夏:朝日が当たる程度の風通しのよい場所に
夏は朝日が当たる程度の風通しのよい場所に置きましょう。直射日光に当て続けると葉が枯れてしまう可能性があるためです。冬:強い凍結や北風を避けた棚上に置く
冬は強い凍結や北風を避けた棚上に置きましょう。この場所に置くことによってしっかりとした芽をつくることができます。休眠期の11月下旬〜2月の中頃は強い日差しに当てないよう注意
休眠期の11月下旬~2月の中頃は強い日差しに当てないよう注意しましょう。この時期は植物の成長が停止して代謝活動が低下するため、エネルギーの無駄使いをしないようにします。オキナグサの育て方のポイント②水やり
次のオキナグサの育て方のポイントは「水やり」です。適度な頻度とタイミングで水やりを行うことで、植物を健康的に生長させることができます。土が乾いたらたっぷりと
水やりは土が乾いたらたっぷりと行いましょう。土壌が乾燥してしまうと根に水が供給されないため、根が健康に生長しません。 土が乾いたタイミングでたっぷりと水やりをすることによって、根が必要な水分を取り入れることができます。また、水やりをすることで土壌中の栄養分を植物の根に運ぶことも可能となります。春と秋:朝に水やりを行う
春と秋は朝に水やりを行いましょう。朝は基本的に湿度が高く気温が低いため、より植物が水を吸収しやすくなります。夏:夕方~夜に水やりを行う
夏は夕方~夜に水やりを行いましょう。夏は気温が高くなるため、夕方から夜に水やりを行うことで植物の受けるストレスを和らげることができます。冬:土の乾きを感じたら水をやる
冬は土の乾きを感じたら水やりをしましょう。冬はそこまで植物が水分を必要としないため、過度に水やりを行わないようにすることが重要です。オキナグサの育て方のポイント③土
次のオキナグサの育て方のポイントは「土」です。適切な土壌を選択することで、健康的な育て方をすることができます。水はけと水持ちの良い土を好む
オキナグサは水はけと水持ちの良い土を好みます。土壌が水を過度にため込むと根が酸欠になりやすく、根腐れなどの問題が発生する可能性があります。また、水持ちが悪いと植物が水分を吸収できなくなってしまうため、適切な保水性が必要です。地植えの場合:腐葉土を混ぜ込む
地植えの育て方をする場合、腐葉土を混ぜ込みましょう。腐葉土は腐敗した植物の葉などからできており、有機物を豊富に含んでいます。 また、保水性と排水性にも優れているので、オキナグサを育てるのには最適な土壌にすることができます。鉢植えの場合
鉢植えの育て方をする場合は、地植えの場合と少し異なります。ただ、そこまで難しい配合は必要なく、初心者でも簡単に手に入る用土で栽培可能です。市販の山野草用の培養土で育てられる
オキナグサは市販の山野草用の培養土で育てることができます。山野草用の培養土はホームセンターや園芸専門店で購入することが可能です。自作する場合は鹿沼土5:赤玉土4:軽石1の配合土など
オキナグサの用土を自作する場合は、鹿沼土5:赤玉土4:軽石1の配合土などがおすすめです。鹿沼土は高い排水性がある用土となり、赤玉土は保水性のバランスが優れているため、両者はよく配合で使われます。 また、用土に軽石を入れることによって、土壌の水分が排水しやすくなります。オキナグサの育て方のポイント④肥料
最後のオキナグサの育て方のポイントは「肥料」です。適切な肥料を与えることによって、健康的な成長をサポートすることができます。4月上旬と9月下旬に置き肥をする
4月上旬と9月下旬に置き肥をしましょう。置き肥は植え付けの直前やよく成長する時期に一度施されます。置き肥をすることによって植物に追加の栄養を供給することができます。4月下旬の開花前~6月下旬にかけて三要素等量の液肥を与える
4月下旬の開花前~6月下旬にかけて三要素等量の液肥を与えましょう。液肥は水に溶かして使用することができるため、根や葉から迅速に栄養を供給することが可能です。夏・冬は肥料を与えない
夏・冬は肥料を与えないようにしましょう。夏や冬はオキナグサが休眠もしくは成長が遅くなっているため、過剰に肥料を与えないようにすることが重要です。オキナグサの植え替え・植え付け
ここからは、オキナグサの植え付けや植え替えをする方法を説明していきます。適切な方法やタイミングで植え付け・植え替えを行い、適切な育て方をすることで長く生長を楽しむことができます。植え付け・植え替えの適期:春か秋の暖かい日
植え付け・植え替えの適期は、春か秋の暖かい日となります。春や秋は温暖で気温の急激な変動が少ないため、植物が順調に成長しやすくなっています。 そのため、植え付けや植え替えをこれらの時期に行うことで、植物にかかる負担を抑えることができます。植え付け
ここからは、オキナグサの植え付け方法を説明します。鉢の選び方
鉢を選ぶ際は、元々の鉢より一回り大きい鉢を用意しましょう。 同じ大きさの鉢を選んだ場合は成長した根が詰まり、栄養分や水分を適切に吸収できなくなる可能性があります。苗の選び方
苗は根の状態や芽の付き方を確認しましょう。病害虫の兆候が見られたり、生育状況が悪い苗を選ばないよう注意が必要です。植え付けの手順
植え付けを行う手順は以下の通りです。- 場所を選定する
- 土壌を準備する
- 適切な大きさの穴を掘る
- 植え付けを行う
- 十分な量の水やりを行う
植え付け後しばらくは日に当てない
植え付け後しばらくは日に当てないようにしましょう。植え付け後すぐに日に当てると植物にストレスを与えることになってしまうため、日陰での管理を行っていきます。植え替え
ここからは、植え替えをする際のポイントを説明していきます。鉢植えの植え替えタイミング:1~2年に1回
鉢植えでの育て方をする場合の植え替えタイミングは1~2年に1回です。頻繁に植え替えを行うとオキナグサに大きなストレスを与えてしまうため注意しましょう。植え替えの手順
オキナグサの植え替えをする手順は以下の通りです。- 適切なタイミングを選ぶ
- 新しい鉢を用意する
- 現在の鉢からオキナグサを取り出し、根の確認を行う
- 新しい鉢に植え付ける
- 十分な水を与える
4~5年で寿命を迎えるためタネや挿し木で株を更新するとよい
オキナグサは4~5年で寿命を迎えるため、タネや挿し木で株を更新していきましょう。タネや挿し木で増やしていくことによって、長く生長を楽しむことができます。オキナグサの増やし方
ここからは、オキナグサの増やし方について説明していきます。種まき
オキナグサは種まきで増やすことができます。種まきの仕方は決して難しくないので是非挑戦してみましょう。タネの採取方法
タネは毛が生えている部分ごと採取し、タネをまく際は毛の部分を取り除いてから行います。種まきのしかた
種まきをする際は種を採取したらすぐに行うことが重要です。採取して室内にしばらく置くと発芽する力が弱まるので注意しましょう。 また、毛が生えている部分を取り除いてから、培養土の上に川砂を入れて種をまいていきます。こぼれ種から増えることもある
オキナグサはこぼれ種から増えることもあります。造形が乱れてしまう可能性があるので、定期的に観察しつつオキナグサを生長させたくない場所に生えてきたものには対処していきましょう。株分け
株分けでオキナグサを増やす方法もあります。植え替えと同時に行うとよい
株分けは植え替えと同時に行うのがよいでしょう。こうすることで株分けをする際にかかる手間や労力を軽減することができます。株分けのしかた
株分けでは根を根元から分割して、分割された各株を新しい場所に植え付けることによって増やしていきます。切り口は負担がかからないように最小限にするのが重要です。オキナグサのお手入れ
オキナグサのお手入れとして剪定や病害虫への対策を行っていきます。剪定
剪定では植物の枝や葉を切り取って、造形を整えたり栄養分を必要な箇所に行き渡るようにしていきます。花後に花茎を切る
花後に花茎を切りましょう。花茎を切ることでオキナグサの美観を維持したり、新しい芽の形成にエネルギーを集中させることができます。タネを採取したい場合は残す
タネを採取したい場合は残しておきましょう。状況に応じて剪定箇所を選定することが重要です。病害虫
ここからは、対処が必要な病害虫について説明していきます。素早く原因を特定して対処することで、被害の拡大を抑えることができます。白絹病、軟腐病、ウイルス病
まず警戒すべき病気として「白絹病」「軟腐病」「ウイルス病」が挙げられます。白絹病が原因で植物の葉や茎に白い粉状の病斑を引き起こす可能性があり、軟腐病は患部が褐色や黒色に変色して軟化していってしまいます。また、ウイルス病が原因で感染が広がってしまうこともあります。 こういった病気を見つけたら速やかにワクチンや該当箇所を取り除くといった対処をすることで感染を防ぐことができます。ヨトウムシ、アオムシ、ナメクジ、アブラムシなど
「ヨトウムシ」「アオムシ」「ナメクジ」「アブラムシ」などの害虫にも注意が必要です。これらの害虫は葉を食害するため、そのままにしておくと植物が枯れてしまう可能性があります。もし害虫を見つけたらすぐに駆除しましょう。オキナグサの人気の品種を紹介
ここからは、オキナグサの人気の品種について紹介していきます。「どの品種を栽培しようか迷っている」という方は是非ご参考にしていただけたらと思います。カシポオキナグサ
カシポオキナグサは鈴のような丸い花を横向きや上向きに咲かせます。カシポオキナグサは花をたくさんつけて存在感があるため、園芸初心者の方にも人気があります。西洋オキナグサ
西洋オキナグサは草丈は低いですが花が大きく目立っているのが特徴です。山野草の趣が感じられるのが魅力的となっており、地植えでも鉢植えでも育てることができます。ヒトツバオキナグサ
ヒトツバオキナグサは毛で覆われた藤色の花を咲かせます。ヒトツバオキナグサは昭和初期に樺太東北部の山地で発見されました。【まとめ】オキナグサの育て方を紹介!増やし方から人気の品種まで徹底解説
ここまで、オキナグサの育て方や植え替え・植え付け方法、お手入れ方法や人気の品種について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか? この記事のポイントは、- オキナグサは花の姿が情緒的なことから愛好家の方が多い
- オキナグサの育て方のポイントには「置き場所」「水やり」「土」「肥料」がある
- オキナグサの植え替え・植え付けは適切な時期に行う必要がある
- オキナグサは種まきや株分けで増やすことができる
- オキナグサのお手入れは成長させるうえで重要となる
- オキナグサには3つの人気品種がある