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皆様はジュズサンゴという植物をご存知でしょうか?ジュズサンゴは赤く実る可愛らしい小さな果実がまるで数珠のように見えることからこのような名前がつけられたと言われているユーモアのある植物です。
ジュズサンゴはあまり聞き馴染みのない植物のように感じる方も多いでしょうが、それもそのはず、世界にはヤマゴボウ科は22属120種しかなく、日本ではヤマゴボウ、帰化したヨウシュヤマゴボウ、ジュズサンゴの3種しかみられないから無理もありません。
ジュズサンゴは日本では6月ごろから10月ごろにかけて開花するので、実はホームセンターなどの園芸店では10月ごろに見かけることがあり、お家でも簡単に栽培することができます。しかし、ジュズサンゴに適した育て方をしないと、うまく管理できずに困ってしまうこともあるでしょう。
そこで今回の記事では、「初心者なので、ジュズサンゴの育て方を知りたい」「ジュズサンゴの育て方をマスターしたい」という方に向けて、「失敗しないジュズサンゴの育て方」を以下の流れで徹底解説していきます。
- そもそもジュズサンゴがどんな植物なのかを解説
- ジュズサンゴの育て方のポイント①置き場所について解説
- ジュズサンゴの育て方のポイント②水やりについて解説
- ジュズサンゴの育て方のポイント③土について解説
- ジュズサンゴの育て方のポイント④肥料について解説
- ジュズサンゴの植え替え・植え付けについて解説
- ジュズサンゴの増やし方について解説
- ジュズサンゴのお手入れについて解説
- ジュズサンゴの人気の品種をご紹介
- まとめ
そもそもジュズサンゴってどんな植物なの?
それではまずは、そもそもジュズサンゴ(数珠珊瑚)がどんな植物なのかを解説していきます。北米南部や南米を原産とするヤマゴボウ科リヴィナ属の非耐寒性常緑多年草
ジュズサンゴ(数珠珊瑚)は、北米南部や南米を原産とするヤマゴボウ科リヴィナ属の非耐寒性常緑多年草です。日本は寒さの厳しい地域も多いので、冬の季節は特にケアを集中させてあげる必要があります。数珠のように連なる実が特徴的
ジュズサンゴは名前の通り、数珠のように連なる赤い実が特徴的な植物です。ホームセンターなどの園芸店などでは、この赤く数珠のような実をつけ出した秋頃からよく見かけることができます。半つる性で這うように生長する
またジュズサンゴは半つる性で這うように生長する姿も特徴的です。ハンギングバスケットなどに植え付ければ、長く伸びるツルを生かして吊り下げて室内で管理するとおしゃれに飾ることができます。ジュズサンゴの育て方のポイント①置き場所
それではここからは、ジュズサンゴの育て方のポイントを項目ごとに解説していきます。ひとつ目の育て方のポイントは、「置き場所」になります。どのような置き場所に置くことでジュズサンゴはよく育つのかをお話ししていきます。春と秋:日当たりの良い場所で育てる
ジュズサンゴは春から秋にかけてが成長の活発な時期です。これらの季節には、なるべく日当たりが豊富な場所に置くことがポイントです。日当たりの良い場所で日光をよく浴びることで充分なエネルギーを得ることができ、健康的に成長し、美しい花を咲かせます。直射日光を避けながらも、十分な光が届く置き場所が理想的です。夏:半日陰で育てるとよい
夏の強い日差しや高温にはジュズサンゴは弱いため、夏の時期は直射日光を避け、半日陰で育てると調子良く育ちます。また、半日陰に加えて、風通しの良い場所が適しています。夏の管理では特に遮光と水分管理に注意し、ジュズサンゴの健康を保ちましょう。
冬:寒さに弱いため一年草として扱われるが、暖地では越冬する
ジュズサンゴは寒冷地では寒さに弱いため、一年草として扱われますが、暖かい地域では越冬させることができます。寒冷地では霜などに弱く、寒冷地で育てる場合は注意が必要です。一年草として育てる場合:鉢植えでも地植えでもよい
寒冷地域でジュズサンゴを一年草として育てる場合は、鉢植えでも地植えでも育てることができます。鉢植えの場合、寒冷地の冬季には室内に移動して保護すると長い間楽しむことができておすすめです。多年草として育てる場合:暖地以外は冬は室内で育てるとよい
暖かい地域ではジュズサンゴを多年草として育てることができますが、寒冷地域では冬季は寒さに弱いため、室内での管理が必要です。冬には霜や寒風から保護し、室内で適切な温度を保つように心掛けましょう。地植えの場合:植え付け時に半日陰になる場所を選ぶ
ジュズサンゴは半日陰を好みます。地植えの際には、植え付けの場所を植物が直射日光を浴びすぎない、半日陰の場所に選びましょう。特に植えつけの初期段階では、日陰で適切な成長環境を供給することが大切です。ジュズサンゴの育て方のポイント②水やり
続いてのジュズサンゴの育て方のポイントは、「水やり」になります。ジュズサンゴの水やりではどんなことに注意をして行えばいいのかを解説していきます。地植えの場合:根付いた後は基本的に不要
結論からお伝えすると、ジュズサンゴは地植えでしっかりと根を張ると、基本的には水やりが不要です。根が十分に成長するまでは自然の水分だけでは足りないので水やりを人工的にする必要がありますが。根付いた後は必要ないことを覚えておきましょう。鉢植えの場合
続いては鉢植えでジュズサンゴを栽培する場合を見ていきましょう。ポイントは3つあります。土の表面が乾いたらたっぷりと
1つ目は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えることです。鉢植えの場合、水やりのみで水分を補給するので、土の表面が乾いたら水を十分に吸収できるように与えるこようにしましょう。夏は水切れに注意する
2つ目は、夏は特に水切れに注意が必要です。気温が高く乾燥する季節になると、土が急速に乾きやすいため、こまめな水やりが必要です。土が乾いたら迅速に水分を供給し、植物がストレスを感じないようにしましょう。冬は水やりを控えめにする
3つ目は、冬は水やりを控えめにするのがことです。低温の時期は植物が休眠する傾向があり、適度な湿度を保ちつつも、過剰な水分を避けて根腐れを予防しましょう。水やりをしすぎると根腐れを引き起こすことがあります。ジュズサンゴの育て方のポイント③土
続いてのジュズサンゴの育て方のポイントは、「土」になります。ジュズサンゴにはどのような用土が適しているのか、おすすめの用土はあるのかというお話ししていきます。酸性土壌を好む
結論からお伝えすると、ジュズサンゴは酸性土壌を好む植物です。土壌のpHが酸性傾向にあることで適切に生育させることができます。適切な酸性度を維持することで、ジュズサンゴを健康な状態で維持できます。培養土にピートモスや鹿沼土、腐葉土を混ぜ込むとよい
また、酸性土壌にする簡単な方法として、培養土にピートモス、鹿沼土、腐葉土などを混ぜ込むことがおすすめです。これらの成分は土壌の保水性や通気性を向上させ、ジュズサンゴの根が健康に成長できる環境を整えます。市販のブルーベリー用の土や草花用培養土でも育てられる
それに、市販のブルーベリー用の土や草花用培養土でもジュズサンゴを育てることができます。これらの商品は元から適切な酸性度が保たれていること、また園芸店などで手軽に購入、そして使用できる便利な選択肢です。ジュズサンゴの育て方のポイント④肥料
最後のジュズサンゴの育て方のポイントは、「肥料」になります。ジュズサンゴはそもそも肥料を必要とするのか、与える際はどんな肥料が適しているのかをお話ししていきます。あまり肥料を必要としない
結論からお伝えすると、そもそもジュズサンゴは多くの肥料を必要としない植物です。元から丈夫に自分のエネルギーだけで成長できるので、開花や結実させるのに多くの肥料を与える必要はありません。地植えの場合は生育がよければ無肥料でよい
特に地植えの場合は、生育が良好であれば、無肥料でも十分に成長します。土壌が十分に栄養分のある土地の場合は、追加の肥料は必要ありません。春と秋に緩効性肥料か液肥を少量与える
また、成長期の6月ごろから秋ごろになると、ジュズサンゴには追加の栄養があるとより育ちやすくなります。主には緩効性肥料や液体肥料を少量与え、バランスよく栄養を摂取させましょう。肥料を与えすぎると花付きが悪くなる
しかし、ジュズサンゴは肥料過多に弱い傾向があり、肥料の過剰な使用は花つきが悪化する可能性がありますので、注意が必要です。適切な量を守りつつ、バランスよく必要に応じて与えることが重要です。ジュズサンゴの植え替え・植え付け
続いては、ジュズサンゴの植え替えと植え付けの方法について解説していきます。どのように植え替えや植え付けをすればいいのかを知らない方はぜひ参考にしてみてください。植え付け・植え替えの時期:4月~6月
ジュズサンゴの植え替えと植え付けの時期として最適なのは、本格的にお花が開花する前の時期である、4月~6月が良いでしょう。植え付け
続いては植え付けの方法を解説していきます。苗の選び方
ジュズサンゴの苗を選ぶ際は、害虫被害を受けていない綺麗な葉っぱがついているものを選びましょう。植え付けの手順
- お好きな鉢や花壇を用意します。
- 樹木を傷つけないように繊細に抜き出します。
- 樹木が抜けたら培養土のいれた鉢、花壇などに植え付けます。
- たっぷりと水やりをして完成です。
植え替え
次は植え替えを解説していきます。鉢植えの植え替えのタイミング:1~2年に1回
鉢植えの植え替えのタイミングは1~2年に1回とされており、基本的に頻繁な植え替えを必要としないことを覚えておきましょう。植え替えの手順
- 今よりも一回り大きな鉢を用意します。
- 株を傷つけないように繊細に抜き出します。
- 株が抜けたら培養土のいれた鉢に植え付けます。
- たっぷりと水やりをして完成です。
ジュズサンゴの増やし方
続いては、ジュズサンゴの増やし方について解説していきます。どんな増やし方があるのか、またそれぞれの増やし方も合わせてお話ししていきます。種まき
まずは種まきで増やす方法です。タネの採取方法
ジュズサンゴは花が開花し終われば種を収穫できます。種まきの時期:春
種まきに適した時期は主に春になります。暖かくないと発芽しないことからこれくらいの時期が適しています。種まきのしかた
こぼれ種からでも発芽する生命力を持っているので基本的に種を培養土にまいていれば自然と生えてきます。挿し木
続いては挿し木で増やす方法を解説していきます。挿し木の時期:春~秋
挿し木の時期は主に春~秋が適しており、これは植え替えや植え付けの時期と重なることもあるので、合わせてその時期に行うのが良いでしょう。挿し木のしかた
- まず挿し穂を剪定する必要があるため、健康で丈夫な枝を剪定しましょう。
- 挿し木する枝を剪定できたら、切り口を数時間水につけておきましょう。
- 挿し木用の土が入った鉢に枝を挿し、発根するまで待って、発根できたら大きめの鉢に植え替えで大きくすることができます。
こぼれ種でも増やすことができる場合も
先ほどもお話しした通り、繁殖力が強いのでジュズサンゴはこぼれ種でも増やすことができる場合もあります。屋外で地植えしている場合は特にこのように増やしていくことが簡単です。ジュズサンゴのお手入れ
続いては、ジュズサンゴのお手入れについて解説していきます。正しい育て方を実践することはジュズサンゴの成長に欠かせませんが、日常的なお手入れもそれと同様に重要なことです。どのようなお手入れをするべきなのかをお話ししていきます。冬越し
まずは冬の時期に必要な冬腰のお手入れです。耐寒性が弱い
元からジュズサンゴは耐寒性が弱いため、特に寒冷地域では冬の寒さに注意が必要です。寒冷地域で栽培する場合は、寒風や霜から守る以下のような対策が必要です。根元をマルチングするとよい
主には根元をマルチングすると良いでしょう。マルチングは簡単にいうと株元をビニールシートで覆って寒さから守ることです。マルチングを行い、土の表面に乾燥と霜などから守り、根元を温かく保ちましょう。確実に越冬させたい場合は室内管理がよい
しかし、東北などでかなり寒冷した地域で、ジュズサンゴを確実に越冬させたい場合は室内管理がおすすめです。室内栽培は寒風や霜から完全に遮断でき、安定した温度をコントロールでき、健康的な状態を維持しやすくなります。収穫
続いてはジュズサンゴの収穫の方法を解説していきます。切り花としても利用される
ジュズサンゴは実をつけているときは非常に写真映えする見た目をしていることから観賞に向いており、主に切花としても利用されることが多いです。収穫のしかた
切花として使用したい場合は、お花屋さんで購入するか、園芸店などで購入した苗を剪定して水の入った花瓶などに挿して観賞しましょう。病害虫
最後は病害虫のお手入れについてです。ナメクジ
ナメクジは梅雨などの湿気が続く時期に発生しやすい害虫なので、見つけ次第殺虫剤をまいて駆除しましょう。ハダニ
またハダニもつきやすいと言われており、ハダニは湿度が高いと発生しやすいので、風通しの良い場所で、湿度をほどに高めすぎないように管理しましょう。ジュズサンゴの人気の品種を紹介
最後は、ジュズサンゴの人気の品種を紹介していきます。どれも写真映えする綺麗なジュズサンゴなので人気があり、育てやすいのでおすすめですよ。ぜひお気に入りのものを見つけてみてくださいね。絣(かすり):斑入りの品種
まずは絣(かすり)です。絣(かすり)は斑入りのジュズサンゴで、赤い実もさる事ながら斑入りの葉っぱも同じくらい観賞に向いている美しい品種です。桃玉:ピンクの実をつける
次は桃玉です。桃玉はピンクの実をつけるジュズサンゴで、非常に可愛らしい印象があります。コンパクトにまとめることができるので、鉢植えに適しています。ジュズバニラ:白い実をつける
最後はジュズバニラです。ジュズバニラは白い実をつけるジュズサンゴになります。ジュズサンゴの中では珍しい白い実は美しく、かなり小さな実がまとまって咲くので、切り花にして観賞するのもおすすめです。【まとめ】ジュズサンゴの育て方を徹底解説!成長後のお手入れからおすすめ品種まで
いかがだったでしょうか?ジュズサンゴの育て方から増やし方、お手入れやおすすめ品種のご紹介まで、この記事一つでかなりジュズサンゴの育て方に詳しくなれたのではないでしょうか! 今回の記事のポイントは以下になります。- ジュズサンゴ(数珠珊瑚)は、北米南部や南米を原産とするヤマゴボウ科リヴィナ属の非耐寒性常緑多年草で、日本の寒冷地では一年草として扱われ、暖地では多年草として栽培ができる
- ジュズサンゴの育て方のポイント①置き場所は、夏は半日陰で育て、春と秋は日当たりの良い場所で育てること
- ジュズサンゴの育て方のポイント②水やりは、地植えの場合は根付いた後は基本的に不要だが、鉢植えの場合は水切れに注意して土の表面が乾いたらたっぷりと与えること
- ジュズサンゴの育て方のポイント③土は、酸性土壌を好むため、培養土にピートモスや鹿沼土、腐葉土を混ぜ込むとよいが、市販のブルーベリー用の土や草花用培養土でも育てられる
- ジュズサンゴの育て方のポイント④肥料は、そもそも多くの肥料を必要としないが、生長期は緩効性肥料か液肥を少量与える
- 植え付け・植え替えの最適な時期は4月~6月
- ジュズサンゴは種まきと挿し木で増やせる
- 耐寒性が弱いので、マルチングをして冬越しをするのがおすすめ
- 絣(かすり)・桃玉・ジュズバニラはジュズサンゴの中でも特に人気がありおすすめ