アネモネには毒がある?!毒性から安全に管理する方法まで

アネモネには毒がある?!毒性から安全に管理する方法まで
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目次

カラフルな花がとても美しく、たくさんの品種が毎年作り出されているアネモネというお花を知っていますか?ガーデニングを趣味にしている方の場合、一度は育てたことがあるという方も多いかもしれません。 そのようなアネモネには毒があるというのを聞いたことはありませんか?毒があると、小さなお子様やペットがいる家庭で育てるのが少し不安に感じてしまいますよね。また、自宅で育てていなくても公園などでアネモネが植えられている場合があります。 もしもの時に備えて、アネモネが持つ有毒成分や症状、対処方法を知ることはとても大切なことになります。 今回は、
  • そもそもアネモネとはどのような植物なのか
  • アネモネが持つ毒と、有毒成分
  • アネモネが持つ毒の症状
  • アネモネを安全に管理するためのポイント
  • アネモネ以外の有毒植物
について解説いたします。 この記事を読むことでアネモネをこれからより安全に管理するためのポイントや、アネモネが持つ有毒成分について知ることができるでしょう。アネモネを育ててみたいという方には一度は目を通してもらいたい記事です。

アネモネってどんな植物?

そもそもアネモネがどのような植物なのかよく分からないという方のために、アネモネについて解説いたします。原産地や現在どのように扱われているのかなどを知っておきましょう。

アネモネの基本情報

アネモネは地中海沿岸や南ヨーロッパを原産地とする植物です。日光の良く当たる肥沃な土地を好み、地中に球根を形成して毎年花を咲かせる多年草でもあります。この特徴から果実だけでなく球根でも個体を増やすことができます。現在では園芸植物として庭の花壇や鉢植えだけでなく公園などでも栽培されています。
園芸分類 球根植物
形態 多年草
原産地 南ヨーロッパ~地中海沿岸
開花時期 3月~4月
耐寒性/耐暑性 耐寒性:強い 耐暑性:弱い

アネモネは初心者でも育てやすく人気の植物

日光によく当てて育てたアネモネは美しい花を咲かせるだけでなく、病気や害虫に強いことからとても育てやすい植物です。そのため初心者でも気軽に栽培に挑戦することができるとして、人気が高い春咲きの園芸植物です。品種も多く、一重咲きや八重咲き、色のバリエーションなど多様な見た目をしたアネモネが作り出されています。

アネモネの名前の由来

アネモネという名前はギリシャ語で「風」を意味する「アネモス」という語が由来とされています。春風が吹くころにアネモネの花が咲き出すことからこのような名前が付けられたと言われていますよ。また、イギリスでは「wind flower」という別名も持つようです。

アネモネの花言葉は「はかない恋」「恋の苦しみ」「見放された」

アネモネの花言葉は「はかない恋」「恋の苦しみ」「見放された」という少し悲しいものとなっています。この花言葉はアネモネの神話が基になっていると言われています。地中海沿岸~南ヨーロッパと古くから人間が住む土地を原産としていることから長く人と関わりがある植物ということが分かります。

アネモネに毒があるって本当?

アネモネには毒があるというのを聞いたことはありませんか?実はアネモネは観賞植物でありながら、有毒植物としても知られています。下記ではアネモネの毒にまつわる話や有毒成分について解説いたします。

アネモネは花だけでなく草全体、汁液に毒がある

アネモネには花だけでなく全草、汁液にも毒があります。そのため特に小さなお子様やペットがアネモネを口に入れたりしていないかを注意して見守ったり、口にしたりしないように手の届かない場所で管理する必要があります。果実は綿毛に覆われているためのどに詰まることもあり、危険です。

アネモネの有毒成分は「プロトアネモニン」

アネモネの有毒成分は「プロトアネモニン」です。アネモネが含まれるキンポウゲ科の植物の多くが持ち、アネモネ同様園芸植物として人気の高いラナンキュラスにも含まれるため十分な注意が必要です

古代エジプトでは「病気の印」とされていたことも

古代エジプトではアネモネは有毒植物であることから「病気の印」とされていました。美しい花を咲かせるためうっかり手に取ってしまいたくなりますが、気を付けて管理するようにしましょう。

アネモネの毒の症状とは?

アネモネの毒にはどのような症状が現れるのでしょうか。アネモネの樹液に触れてしまった場合やアネモネを口にしてしまった時に現れる症状を解説いたします。これらの症状が現れた時にはアネモネによる中毒の可能性があるため、アネモネを栽培する場合や近くでアネモネを見かけた時には覚えておきましょう。

アネモネの毒に触れてしまった場合

成長したアネモネの剪定中などに樹液に触れるなどして有毒成分が皮膚に付着した時の症状は以下の通りです。主に炎症を起こします。

皮膚炎

樹液が付着した部分が赤くなったりかゆみが出る場合があります。特に二の腕など皮膚の弱い部分は症状が悪化しやすいため注意しましょう。もしも付着した時には素早く洗い流します。

水膨れ

また、酷い場合には皮膚に水膨れができることもあります。跡になってしまうこともあるため特に肌が弱い方は手袋やアームカバーなどを付けて作業するなどの対策を行い樹液の付着を予防しましょう。

アネモネの毒を摂取した場合

アネモネの葉っぱや花、球根を口にするなどして有毒成分を経口摂取した時の症状について解説いたします。主に胃腸に影響を及ぼします。

口内に激しい痛み

口内は粘膜のため非常にデリケートです。皮膚の様に炎症を起こし激しい痛みを伴うことがあります。すぐに吐き出し、口内を水で洗浄しましょう

嘔吐や下痢

もしも体内に取り込まれてしまった場合、胃腸を刺激されることにより嘔吐や下痢を起こすことがあります。場合によっては脱水症状を起こす原因にもなるため注意が必要な症状です。

胃腸炎

また症状が重い場合には嘔吐や下痢だけでなく胃腸炎をおこし、飲み物や食べ物を受け付けなくなることもあります。こちらも脱水症状や栄養状態が悪化してしまうことにつながるため危険な症状です。

アネモネの毒に触れたり摂取した場合は病院へ受診する

アネモネの毒に触れたり、摂取してしあった場合は速やかに病院へ受診するようにしましょう。特に経口摂取の場合は重篤な症状となりやすいためどれくらいの量を摂取したのかやどの部分を摂取したのかを記録して、医師に伝えられるようにしておくようにすると適切な処置を素早く受けやすいです。

アネモネの毒は人間だけでなく犬や猫にも有毒なの?

アネモネの毒は人体に有毒ということが分かりました。それでは、犬や猫にはどのような影響があるのでしょうか。ペットにおけるアネモネの危険性について解説いたします。

アネモネの毒は犬や猫にとっても有毒なため危険

人間にも悪影響があるアネモネの毒は、犬や猫にとっても有毒です。特に体の小さな子猫や子犬は成分の影響を大きく受けてしまうため注意が必要です。致死量もペットの場合は少なくなってしまうため早期発見や予防がとても重要になってきます。悲しい事故を防ぐためにも症状や対処方法を知っておきましょう。

症状の例

犬や猫における症状の例を解説いたします。これらの症状が現れた時にはアネモネの毒が原因となっていることがあるためアネモネを栽培していないかや近くにアネモネが植えられている花壇がないかなどを思い出してみましょう。

皮膚炎や水膨れ

犬や猫の身体にアネモネの樹液が付着すると、人間と同じように皮膚炎や水膨れを起こします。毛によって毒がしみ込みにくいものの肉中やお腹の毛が薄い部分は炎症を起こすことがあるため注意が必要です。また、毛づくろいの時に有毒成分が口に入ることもあります。

不整脈

犬や猫がアネモネの有毒成分を口にすると、不整脈という症状を起こすことがあります。通常であれば一定の心臓の動きが不自然に揺らぎ、最悪の場合命を落とすこともある危険な症状です。

プロトアネモニンは心臓に障害をもたらすこともあるためとても危険

プロトアネモニンは心臓に障害をもたらすことがある危険な成分です。健康な犬や猫であっても不整脈を起こすことがあるため、心臓に何かしらの疾患を抱えている場合には特に注意が必要となります

もしペットがアネモネを食べてしまった場合は状況確認を行いすぐに病院へ

もしもペットがアネモネを食べてしまったら、まずは状況確認を行いましょう。アネモネの樹液に触れたのか、それとも口にしてしまったのか。口にしてしまったのならどの部位をどれだけ、いつ頃に摂取したのかを記録します。その後、すぐに動物病院へ連れていき先ほど記録した情報を獣医師に知らせましょう

アネモネを安全に楽しむために

アネモネを安全に楽しむためにはどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。アネモネのお手入れの時に気を付けたいポイントについて解説いたします。

アネモネの手入れを行う際は手袋を使用する

アネモネを育てていくうえで花がら摘みや分球を行うことがあります。成長したアネモネの場合剪定を行うこともあるでしょう。そのようなときには樹液に触れてしまうリスクが高まるため手袋を着用するようにしましょう。特に腕は皮膚が弱いため腕まで覆うことのできる手袋かアームカバーを併用することでより安全にお手入れをすることができるはずです

アネモネには素手で触らない、食べない

カラフルでかわいらしい花を咲かせるアネモネがどのような味がするのか気になってしまうかもしれませんが、有毒なので絶対に食べないでください。また、食べることのできる植物との誤食を避けるためにアネモネを植えつけた場所はしっかりと覚えておくと良いでしょう。もちろん、皮膚に触れても炎症を起こすため素手で触るのも避けましょう

子供やペットが触ったり口に入れたりしないように注意する

子供やペットの場合アネモネが有毒ということを知らずに食べてしまうことがあります。そのため、子供にはアネモネの危険性を教えておくかそもそも子供の手が届かないところで育てるなどの管理が必要です。口にしなくてもアネモネで色水などを作るなどでも皮膚に付着するため十分に見守る必要があります。 ペットの場合も同様で、鉢植えをペットのいる場所にもっていかない。アネモネの植えられている花壇に近づけない等の対策を行うと良いでしょう。

小さな子供やペットがいる家庭はアネモネの栽培は避けた方が安全

もっとも安全な方法は、小さな子供やペットがいる過程でアネモネを栽培するのは避けることです。もちろん、公園などに植えられているアネモネに注意する必要はあるもののアネモネによる中毒を起こす可能性はとても大きく減らすことができるでしょう。

アネモネの他に毒性を持つ植物を知っておこう

アネモネの他にも植物には有毒な成分を含むものが多く存在します。そのなかでも園芸植物として育てられることのある種類について下記では解説いたします。自宅で以下の植物を育てている方や、近くの公園などに下記の植物が植えられている場合には注意するようにしましょう。

トリカブト

トリカブトはいわずと知れた有毒な植物です。殺人事件を題材にしたドラマやミステリー小説などでも取り扱われることのあるトリカブトは、青い花がとても美しいことから山野草として栽培されることがあります。アコニチン、メスアコニチンなどといったアルカロイドを含み、不整脈や呼吸困難、血圧低下を引き起こします。毒矢としても使用できるほど非常に強力な毒を持ち、致死量も少ないため注意が必要です。

ヒガンバナ

ヒガンバナは秋の彼岸頃になると突然赤い花を咲かせ、その後に葉を展開するという面白い生態を持つ植物です。ヒガンバナにも李コリンという毒が含まれており、口にすると最悪の場合死に至ります。この毒によってモグラから農作物を守るために畑の周りや畔に植えられることがありました。

アジサイ

アジサイは梅雨頃に花を咲かせる有名な樹木です。鉢植えや庭木として人気の高いアジサイにも、実は毒が含まれています。アジサイは花が美しいことから料理の飾りつけに使われることがあります。しかし、麻痺などの恐ろしい症状を起こす毒を持つ植物のため絶対に口にしないようにしましょう。

キョウチクトウ

キョウチクトウは有毒植物としてとても有名な植物です。過去には公園や小学校でも植えられていました。しかし、キョウチクトウの枝を橋にして食事をするだけでも死亡することがあったり非常に危険な植物のため撤去されることが増えています。キョウチクトウは枝を燃やした煙や植えつけていた土壌にも有毒成分が含まれるため、とても危険な有毒植物として扱われています。

スイセン

スイセンは春先ごろに白や黄色の花を咲かせる球根植物です。八重咲きやラッパ咲きなど数多くの品種があることから人気の高い春の花としても知られています。しかし、そのようないたるところで見かけるスイセンにも毒が含まれています。スイセンは葉っぱが野菜のニラとよく似ていることからニラとの誤食が多い植物です。体温を低下させる、昏睡などの症状を起こします。スイセンを植えつけた場所をしっかりと覚えておくといった対策のほか、ニラ特有の香りがない場合にはスイセンの場合があるため注意が必要です。

レンゲツツジ

レンゲツツジは庭木として人気が高い花木です。花の蜜を吸うと甘いとして知られるツツジの名前が入っているもののレンゲツツジは非常に強い毒を持つため注意が必要です。グラヤノトキシンという神経を侵す有毒成分を葉や花、根に持っており、神経を麻痺させ呼吸困難などの重篤な症状を起こして死亡に至る場合があります。開花しているレンゲツツジの蜜などを吸わないようにしましょう。

クリスマスローズ

クリスマスローズは冬の花が少ない時期に重宝される人気の高い園芸植物です。品種もとても多く、シックな色合いや佇まいが人気のポイントとなっているようです。しかし、そのようなクリスマスローズも有毒植物として知られています。全ての部位に毒を持つものの茎や根は特に毒性が強く、動悸やめまい、吐き気、腹痛といった多くの症状が現れます。皮膚に触れると炎症を起こすこともあるため手袋などを着用してお手入れするようにしましょう。

アネモネには毒がある?!アネモネ の毒性から安全に管理する方法までのまとめ

今回は、アネモネと有毒植物について解説いたしました。アネモネは美しい花を咲かせるものの有毒植物のためお手入れや管理に注意が必要ということが分かりましたか?アネモネを育てる時にはこの記事をしっかりと読んで注意して管理してくださいね。 この記事のポイントは、
  • アネモネには人間やペットに影響があるプロトアネモニンという有毒成分が含まれる
  • 皮膚に付着すると炎症や水膨れを、経口摂取すると胃腸炎や吐き気、下痢といった症状が現れる
  • ペットや小さい子供は体が小さいため特に注意が必要
  • アネモネ以外にも多くの種類の園芸植物が毒性を持っている
です。 アネモネを育てる時には、アネモネが持つ危険性についても知っておく必要があります。それが時には小さな命を守ることにもつながるため、しっかりと覚えておくようにしてくださいね。 最後になりましたがここまで読んでいただきありがとうございました。東京寿園は園芸に関する記事を掲載しているメディアです。有毒植物の取り扱い方や観賞植物の育て方など、ガーデナーの方に役に立つ記事を多く掲載しています。ぜひほかの記事も読んでみてくださいね。