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冬の厳しい寒さに耐えて華やかな花を咲かせる椿(ツバキ)。日本原産の椿は古くから日本人に愛されている花木です。縁起が良いとされる椿の花ですが、逆に縁起が悪いと言われることもあります。果たして椿の花は縁起が良いのでしょうか、それとも縁起が悪いのでしょうか。 この記事では、
- 椿という植物の特徴
- 縁起が良い花と言われている「椿」
- 椿は縁起が悪い花というのは誤解
- 年賀状に椿を選んではいけない?
- 縁起の良い椿柄を身に纏うことができるシーン
- 「椿」という文字を名付けに使うには
椿とはどのような植物?
最初に、椿という植物について解説します。日本で古くから親しまれている椿とはどのような特徴をもつ植物なのでしょうか。椿は日本や中国を原産とするツバキ科常緑広葉樹の総称
椿は日本や中国を原産とするツバキ科常緑広葉樹の総称です。日本原産のヤブツバキやユキツバキのほかたくさんの園芸品種があり、品種によって花色や花のサイズ、花形のバリエーションが豊富です。12月から4月にかけ紅色などの花を咲かせますが、控えめで美しい花姿から人気があります。椿の基本情報
椿は、ツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹です。開花時期は12月から4月にかけてで比較的長い期間花を楽しむことができます。椿は花の美しさだけではなく、つややかで光沢のある葉っぱにも特徴があります。椿の花色は赤(紅)色のほかにも、白、ピンク、黄や紫、黒など様々な色があります。中には、斑入りの品種や絞りのある品種もあります。科・属名 | ツバキ科・ツバキ属 |
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原産地 | 日本・中国など |
開花時期 | 12月〜4月 |
花の色 | 赤、白、ピンク、黄、紫、黒など |
別名 | 海石榴、耐冬花など |
椿の植え方は、鉢植えや盆栽、庭木と多く、用途も広く楽しまれる花
日本では古くから親しまれている椿は、植え方が多くあります。冬のお庭をつややかな葉っぱと美しい花で彩る庭木のほかに、鉢植えや盆栽としても楽しむことができます。縁起が良いとされる椿の花はプレゼントとしても適しています。ただし、縁起が悪いと誤解している人もいるため、プレゼントとして椿を選ぶときには事前に相手に確認してから贈ると良いでしょう。椿は縁起が良い花と言われている
椿は縁起が良い花と言われています。ここでは、椿が縁起が良い花と言われている理由について解説します。椿は神聖で繁栄を象徴する木、また、魔よけの力を持つ木とされている
椿は縁起が良い花と言われているのは、椿が「神聖で繁栄を象徴する木」または「魔よけの力を持つ木」とされていることに由来します。椿は古くから霊力の宿る木として、神社やお寺などに多く植えられてきました。更に真冬でも緑の葉をつけていることから不屈の生命力という意味で縁起が良いとされている
寒さの厳しい冬の時期は多くの植物が葉を落とす時期です。一方で、椿は真冬でも光沢のある緑の葉を茂らせているため不屈の生命力を感じます。椿はその不屈の生命力に由来して縁起が良いとされています。縁起がいいといれているのはいつから?
椿の花が縁起がいいと言われるのは最近の話ではありません。日本では古代には椿の花は縁起がいいとされていたことがわかっています。平安時代から貴族の間で高貴な花として扱われていた
椿の花は、平安時代の資料にも登場しています。平安時代には、椿は貴族の間で高貴な花として扱われており、宮中行事や衣装、献上花として使われていました。古事記や日本書紀にも登場している
椿という言葉は古事記や日本書紀にも登場しています。古事記の記載からは、常緑艶葉の特徴をもち長寿な椿に古代の人々が「神聖さ」を感じていたことがうかがえます。椿が縁起が悪い花と誤解されている理由
椿は縁起が良い花ですが、縁起が悪い花と誤解されていることがあります。ここでは、椿が縁起が悪い花と誤解されている理由やいつから縁起が悪いと言われ始めたのかなどを解説します。椿の花が首からぼとっと落ちる特徴を首が落ちる姿と重ねたため
椿の花は花の落ち方に特徴があります。椿は花びらがハラハラと落ちるのではなく、花全体が首からぼとっと落ちます。椿の花が首からぼとっと落ちる姿を人間の首が落ちる姿と重ねたため、縁起が悪いと言われることがあります。椿が縁起が悪いと言われたのはいつ?
椿は古代には常緑艶葉で長寿な特徴から神聖な花木として扱われていたことがわかっており、現在でも縁起が良いとされています。そんな椿が縁起が悪いと言われ始めたのはいつからなのでしょうか?江戸時代の武士の時代から言われ始めた
平安時代には貴族の間で「高貴な花」として扱われていた椿ですが、武士が存在した江戸時代から縁起が悪いと言われ始めました。江戸時代においては武士が切腹するとき、切腹直後に首を切り落とす介錯が行われていましたから、介錯の姿から連想されたのかもしれません。現在でも縁起が悪いイメージを持つ人は少数いる
椿は縁起が良い花とされていますが、現在でも縁起が悪いというイメージを持つ人は少数います。椿が縁起が悪いというのは誤解や噂に過ぎませんが、悪いイメージを持つ人がいるのは事実です。縁起の良い椿はプレゼントなどに適していますが、プレゼントするときには相手に確認してから贈った方が良いでしょう。年賀状に椿は縁起が悪いから選んではいけない?
「椿は縁起が悪いから年賀状に選んではいけない」という噂を聞いたことはありませんか? 一方で、椿は縁起が良いと言われています。縁起が悪いから椿の花を年賀状に選んではいけないというのは本当のことなのでしょうか。縁起が悪いイメージから出た噂であり、選んではいけないということはない
「椿は縁起が悪いから年賀状に選んではいけない」というのは、縁起が悪いイメージから出た噂です。単なる噂に過ぎず椿に縁起が悪い意味はありませんから、椿を年賀状に選んではいけないということはありません。勘違いしている人がいる理由は椿が「喪中はがき」に描かれているから
「椿は縁起が悪いから年賀状に選んではいけない」と誤解している人がいるのは理由があります。実は、椿の花は「喪中はがき」のデザインによく使われるのです。勘違いしている人は喪中はがきに描かれる椿の花は年賀状にはふさわしくないと勘違いしているのです。喪中はがきによく使われるデザインだから縁起が悪いということはありません。お正月も椿の柄を候補の一つとして年賀状に入れよう
ここまで解説してきたとおり、椿は縁起の良い花ですから椿の柄はお正月にもふさわしいものです。お正月に出す年賀状には椿の柄も候補の一つに加えてみてはいかがでしょうか。椿の柄を年賀状に入れると、グッと華やかになりますよ。冬から春に凛とした花を咲かせる椿は季節感もピッタリです。縁起が良い椿柄を身にまとうことのできる場面
ここでは、縁起が良いとされる椿柄を身にまとうことのできる場面について解説します。卒業式や成人式、結婚式など椿柄がふさわしいシーンでは、ぜひ縁起が良い椿柄を着てみてはいかがでしょうか。卒業式の袴
卒業式には多くの方が袴を着用します。縁起が良く華やかな椿柄は、卒業式の袴として適しています。冬から春にかけて咲く椿を着るのは季節的にもぴったり
卒業シーズンと言えば、3月が一般的です。着物は季節ごとにふさわしい柄がありますが、椿の花は冬から春にかけて咲きますから椿柄の袴を着るのは季節的にもぴったりです。デザインは主に主に「椿+葉」と「枝つきの椿」の二種類
椿柄のデザインは、主に2種類あります。椿は艶やかな葉っぱにも特徴がありますから「椿+葉」のデザインのものが人気があります。また、落ち着いた雰囲気を感じさせる「枝つきの椿」のデザインも定番です。成人式の振袖
成人式には華やかな振袖を着ることが多いです。人生の節目の年を祝う成人式には、縁起の良い椿柄がぴったりです。控えめで美しい花が特徴の椿柄は、華やかでありながら子供っぽい印象を与えません。椿の生命力や永遠の美という花言葉からも節目の年を迎える女性に人気
控えめで美しい花を咲かせる椿は、厳しい冬の時期でも光沢の葉を繁らせて花を咲かせます。また、日本原産の植物ですから日本の風土に合っており、樹齢1000年と言われる椿も現存するほど長寿です。生命力に溢れて永遠の美を誇る椿は、成人式という節目の年を迎える女性に人気があります。レトロ柄の代表的モチーフである
椿柄にはさまざまなバリエーションがありますが、レトロ柄の椿が人気があります。日本原産の花木で古くから親しまれている椿は、レトロ型の雰囲気との相性が抜群です。結婚式の着物
結婚式で着物を着る機会は多いものです。ふたりの門出を祝うめでたいシーンですから、縁起の良い椿柄の着物は適しています。紅白で描かれることが多く、人気な椿は着物だけでなく帯や和装小物にも使われる
紅色の椿の花を活かして、紅白で描かれることが多いです。日本では祝い事には紅白二色の組み合わせを用いる伝統がありますから、紅白柄は結婚式の着物として定番です。人気の椿は着物の柄としてだけではなく帯や和装小物にも使われます。椿は控えめな美しさをもつ花ですから、赤色を使いながら派手になり過ぎることはありません。「落ちる」という忌み言葉を連想する人もいるため、結婚式の場合は確認するのも重要
これまで解説してきたとおり、椿は古くから縁起の良い花をされてきました。しかし、椿の花の落ち方から「落ちる」という忌み言葉を連想する人がいるのも事実です。結婚式に参加する人のなかには縁起が悪いと誤解している人がいるかもしれませんから、結婚式の場合には事前に確認しておくことも重要です。名づけにおける「椿」という名前の縁起
ここでは、名付けにおける「椿」という名前の縁起について解説します。椿は縁起の良い花ですから、名づけの際には「椿」という文字を候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。椿に込める願いとして、雪の中で花を咲かせることから忍耐力や心の強さがある
雪の中で花を咲かせる椿は、強い生命力を感じる植物です。また、長寿なことでも知られています。そんな椿ですから、「椿」という文字には忍耐力や心の強さを願いに込めることができます。椿の素敵な花言葉
椿には、赤、白、ピンクと花の色によって違う花言葉があります。控えめで美しい椿の花ですから、どの色の花でも素敵な花言葉をもっています。赤は、控えめな素晴らしさ・気取らない優美さ・謙虚な美
定番の赤い色の椿の花言葉は「控えめな素晴らしさ」「気取らない優美さ」「謙虚な美」です。派手になりがちな赤色の花ですが、椿の花には品があり控えめで謙虚な印象を与えます。白は完全なる美しさ・申し分のない魅力・至上の愛らしさ
白い色の椿の花言葉は「完全なる美しさ」「申し分のない魅力」「至上の愛らしさ」です。もともと椿は「神聖で繁栄を象徴する木」とされていますが、神聖なイメージの白色の花からはより無垢な美しさを連想します。ピンクは控えめな美・控えめな愛・慎み深い
ピンク色の椿の花言葉は「控えめな美」「控えめな愛」「慎み深い」です。ピンクには甘くて可愛らしい色というイメージがありますが、凛と美しい椿の花は甘くなりすぎません。椿を使った名前の候補
ここでは、椿を使った名前の候補をいくつかご紹介します。姓名判断のための文字の画数付きです。なお、シンプルに「椿(つばき)」と一文字の名前をつけるのもよいでしょう。椿という文字の画数は13画です。椿生(つばき)13+5=18画
椿と生の文字を組み合わせて「つばき」と読みます。椿が13画、生が5画ですから、地画は18画です。椿基(つばき)13+11=24画
椿と基の文字を組み合わせて「つばき」と読みます。椿が13画、生が11画ですから、地画は24画です。椿彩(つばさ)13+11=24画
椿と彩の文字を組み合わせて「つばさ」と読みます。椿が13画、彩が11画ですから、地画は24画です。三椿(みつば)3+13=16画
三と椿の文字を組み合わせて「みつば」と読みます。三が3画、椿が13画ですから、地画は18画です。椿という字はその縁起の良さから名前にもよく使われる
子どもの幸せを願う名付けには、縁起の良い文字が使われることが多いものです。「椿」という字は縁起が良い字ですから、その縁起の良さから名前にもよく使われます。また、名付けには生まれた日にちなんで、季節感のある文字を使う方も多くいます。椿は冬から春にかけて花を咲かせますが、椿は春の季節を表す文字とされています。椿という文字は「木」と「春」という文字からできていますね。椿は縁起が悪いって本当?椿の特徴や椿が合うシーンから名付けまでのまとめ
ここまで、椿が縁起が良いとされる理由、縁起が悪いと誤解される原因のほか、縁起の良い椿柄を身に纏うことができるシーンや「椿」という文字を使った名付けなど幅広く解説してきましたがいかがだったでしょうか。 この記事のポイントは、- 椿とは日本や中国を原産とするツバキ科常緑広葉樹の総称。古くから日本で親しまれ、冬のお庭をつややかな葉っぱと美しい花で彩る庭木のほかに、鉢植えや盆栽としても楽しめる
- 椿は「神聖で繁栄を象徴する木」や「魔よけの力を持つ木」と呼ばれ、更には真冬でも常緑の葉をつけていることから不屈の生命力という意味もある。そのため、日本では古くから椿は縁起の良い花とされてきた
- 椿は縁起が悪い花というのは誤解。椿の花が首からぼとっと落ちる姿を人間の首が落ちる姿と重ねたため、縁起が悪いと言われることがある
- 椿は縁起が良いため、年賀状に椿を選んでも良い。「喪中はがき」に椿が描かれることから縁起が悪いと勘違いする人もいる
- 縁起の良い椿柄を身に纏うことができるシーンは、卒業式の袴や成人式の振袖、結婚式の着物など
- 「椿」という文字は縁起の良さから名付けにも用いられる。椿は春の季節を表す文字とされているため、春に生まれた子どもにおすすめ