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すずらんは5月~6月の時期にかけて白色やピンク色のベル状の花を咲かせる多年草です。すずらんの香りがする洗剤や香水もあり、切花でも用いられているため「誰もが知っている花」といってもいいのではないでしょうか。 すずらんは暑さには弱いものの寒さには強いため、日本では本州中部以北、東北、北海道の高地などで自生しており、毎年開花が見られるため、自生している場所以外でも鉢植えや地植えで多くの初心者の方に栽培されています。 ただ、すずらんは花が終わったら見た目が悪くなり、葉の色も変色していってしまうため、この時期に花と一緒に葉も切ってしまう方が少なくありません。しかしこれはあまり良い手段とはいえず、栄養分を地下茎へ送れなくなってしまう可能性があります。 そこで今回は、
- すずらんの花が終わったらどうする?
- すずらんの花が終わったらするお手入れ
- すずらんの葉を切るのは正しい?
- すずらんは増えすぎ注意な植物
- すずらんの育て方
すずらんの花が終わったらどうする?
まずは、すずらんの花が終わったらどうするのかということを説明していきます。すずらんの基本情報と合わせて把握しておいていただけたらと思います。すずらんの基本情報
すずらんはキジカクシ科/スズラン属の多年草で、開花は4月~5月となります。寒さには強いですが耐暑性は弱めのため、育てる際は暑さに気を付ける必要がありそうです。 日本では、鉢植えや地植え等での栽培の他、切花としても多く用いられています。 すずらんは多年草なので毎年開花を楽しむことができ、来年の開花のためにしっかりと準備をすることができます。 一方、ヨーロッパ原産のドイツスズランは、日本の野生種に比べて少し株が大きいという特徴があります。ドイツスズランは夏の暑さに強く育てやすいため、こちらを選んで栽培している方もいらっしゃいます。終わった花を放置すると実に養分が奪われ生育が悪くなる
すずらんの花が終わったら、徐々に実に養分が奪われて発育が悪くなってしまいます。そのため、花がついていた花茎は根本から切る必要があります。 来年の成長につなげるためにもここはしっかりと行いましょう。花が終わったら、次の花を咲かせるためにお手入れをする
花が終わったら、次の花を咲かせるためにお手入れをしていきます。変色した葉は栄養分を地下茎に送っていることを意味しているため、切らないようにしておきましょう。 ここで葉を切ってしまうと、すずらんの成長が鈍化してしまう危険性があります。すずらんの花が終わったらするお手入れ
ここからは、すずらんの花が終わったらする具体的なお手入れについて説明していきます。ただ、やることはそこまで多くないので、初心者の方でも問題なく行うことができます。大きく分けてやることは2つある
すずらんの花が終わったらやることは大きく2つあります。そこまで難しいことではないのでしっかりと行っていきましょう。 その必要なことは「花がら摘み」と「お礼肥え」となります。①花がら摘みをする
まずは花がら摘みです。花がら摘みとは、植物の雄しべや雌しべなどの花の中心部分を摘み取ることを指し、こういった花芽などを取り除くことで植物の成長や健康を促進させることができます。 すずらんの花が終わった後に放置すると、実を作ることに養分が使われてしまい、すずらんの発育が悪くなります。そのため、花が終わった後はすぐに花芽や花茎の元を切っていきましょう。②お礼肥えをする
お礼肥えとは、植物に対して成長を促進して健康を維持するために与えられる肥料です。植物が十分な栄養を吸収できない場合や成長が停滞している場合にお礼肥えをすることで、健康を改善したり成長を促進します。 また、花が終わった後に感謝の気持ちを込めて肥料をあげるのもお礼肥えの特徴です。お礼肥えでは緩効性化成肥料を規定量より少なめに与えておきましょう。 緩効性化成肥料は従来の速効性肥料よりも長時間に渡って栄養を供給することができるので、土壌の健康を維持して栄養の無駄を減らすのに役立ちます。すずらんの葉を切るのは正しい?
ここからは、すずらんの葉を切ることによるデメリットについて説明していきます。葉が変色したら「切った方がいいのでは?」と思われる方も多いかと思いますが、すずらんにおいては葉を切るのは逆効果となってしまうため注意が必要です。すずらんの花が終わったら葉っぱが変色する
すずらんの花が終わったら葉っぱが変色します。もともと緑色だった葉っぱの色が黄色~茶色くらいにまで変色していきます。変色しても、葉っぱを切るのは良くない
すずらんの花が変色しても、葉っぱを切るのは良くありません。花が終わったら、花のついていた花茎は切っても良いですが、葉っぱの部分は重要な役割を果たすので残しておきましょう。葉っぱを切ってしまうと育ちが悪くなる
すずらんは、花が終わった後に葉っぱから栄養分を吸収して地下茎へ送ります。そのため、葉が変色しているのは順調に地下茎へ栄養分を送れていることを意味しています。 逆に葉っぱを切ってしまうと育ちが悪くなるので、葉っぱは変色しても残しておきましょう。すずらんは増えすぎ注意な植物
すずらんは地下茎で広がっていくため、増えすぎ注意な植物でもあります。放っておくと収集がつかなくなる可能性もありますので、しっかりと管理しながら成長させていきましょう。すずらんは増えやすい植物なので増えすぎに注意する
すずらんは増えやすい植物なので増えすぎに注意しましょう。すずらんが増えすぎると、農地や庭園などで野生化して問題を引き起こしてしまう可能性があります。 景観にも変化をもたらしてしまう可能性があるため、適切な管理とバランスを保つことが重要です。増えすぎを予防する一番の方法は、鉢植えで育てること
すずらんの増えすぎを予防するための一番の方法は、鉢植えで育てることです。鉢植えでの育て方をすることで、すずらんが鉢の外まで増えていくことが無くなり、適切に管理することが可能となります。 また、鉢植えをする際の株分けは、休眠期に地下茎を切って行います。株分けをすることで鉢植えの場合でも適切にすずらんを増やせます。 地植えで育てる場合も、根止め板やあぜ板を埋め込むことで、他の場所に広がることを避けられます。増えすぎてしまった場合は掘り起こそう
すずらんが増えすぎてしまった場合、地下茎が残らないように掘り起こしていきましょう。このようにすることですずらんの増加を防ぐことができます。 また、種から増えてしまう可能性もあるので、花が終わった後は花がらを摘んでおくと安心です。すずらんの育て方
ここからは、すずらんの育て方について説明していきます。すずらんは、冬に地上部は枯れるものの、春には地面から葉を出して花を咲かせます。 適切な育て方をすることでより長く成長を楽しむことができますので、ここからご説明するポイントは押さえておくことをおすすめします。【置き場所】直射日光を避けた明るく風通しの良い場所
すずらんをガーデニングなどで育てる際の置き場所は、直射日光を避けた明るく風通しの良い場所にしましょう。すずらんは日陰の環境を好むため、日陰でなく直射日光の当たる場所に置いてしまうと葉焼けを起こし枯れてしまう可能性があります。 また、風通しの悪い場所で育てると、湿度が高くなり根腐れや病害虫が発生しやすくなってしまうおそれがあります。置き場所の選定はすずらんの成長に大きな影響を及ぼすので、ガーデニングなどで育てる際はしっかりとチェックしておきましょう。【水やり】土の表面が乾いたらたっぷりとあげる
すずらんへの水やりの目安ですが、土の表面が乾いたらたっぷりと与えるようにしましょう。過剰な水やりをすると土壌が過湿になって根が酸欠状態になるため、根腐れが起こりやすくなってしまいます。 そのため、目安として土の表面をチェックしてから水やりをしていくようにしましょう。 また、すずらんの植え替えをした後なども十分な水を与えて新しい環境に適応させることが重要となります。【肥料】花が終わってから緩効性化成肥料を与える
すずらんを育てる場合、花が終わったら緩効性化成肥料を与えましょう。花が終わったら、すずらんが花を付けるためのエネルギー消費は減るものの、それでも常に栄養は必要とされます。 花が終わったら緩効性化成肥料を与えることで、すずらんの成長をサポートすることができます。緩効性化成肥料は土壌中の微生物や水分の影響を受けて徐々に分解され、根によって吸収されていく性質があるため、長期間にわたって必要な栄養を供給することができます。【植え替え】鉢植えの場合は1〜2年に1回植え替える
植え替えをする場合、鉢植えならば1~2年に1回植え替えを行いましょう。植え替えは植物にストレスを与えてしまうため、何度も行えば良いというわけではありません。 そのため、1~2年に1回の植え替えをすることで、栄養分の豊富な土壌で成長を促しましょう。【夏越し】水切れや置き場所に注意する
すずらんの夏越しですが、水切れや置き場所には注意しましょう。すずらんは夏に弱いため、そのままにしておくと弱っていき、最終的には枯れてしまう可能性があります。 定期的に観察をして水やりや置き場所の変更をすることで、事前にリスクヘッジをしておきましょう。すずらんの花が終わったらやるべきお手入れを紹介!のまとめ
ここまで、すずらんの花が終わったらすべき対応と注意点について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか? この記事のポイントは、- すずらんの花が終わったら次の花を咲かすためのお手入れが必要
- すずらんの花が終わったらするお手入れは「花がら摘み」と「お礼肥え」の2つがある
- すずらんの葉は変色しても切らない方が良い
- すずらんは増えすぎに注意する必要がある
- すずらんの育て方のポイントは「置き場所」「水やり」「肥料」「植え替え」「夏越し」となる