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あなたは夏に咲くガイラルディアを見たことがありますか? 暑さで花が少なくなる夏から秋の庭を彩るのが、オレンジ色の鮮やかなガイラルディアです。キク科の元気な色合いやこんもりと密集して咲く見た目にくわえて、開花期が長く育てやすいので、公園やご家庭のお庭でもよく見かけますよ。
でも育てやすいといっても、置き場所や水やり、肥料はどう与えればいいのか、初めての方にとっては分からないことばかり。育ててみたい方にとってこの記事は必見です。
この記事では
- そもそもガイラルディアってどんな植物?
- ガイラルディアの育て方のポイント①置き場所
- ガイラルディアの育て方のポイント②水やり
- ガイラルディアの育て方のポイント③用土
- ガイラルディアの育て方のポイント④肥料
- ガイラルディアの植え替え・植え付け
そもそもガイラルディアってどんな植物?
そもそもガイラルディアってなんだろうって思う方もいらっしゃるはずです。そこで、まずはガイラルディアの基本的な情報について確認していきましょう。南北アメリカを原産とするキク科の宿根草
ガイラルディアは、キク科テンニンギク属の草花です。南北アメリカが原産で暑さ寒さに強く丈夫で、育てやすい草花のひとつ。草姿はロゼット状で直立に茎が伸び、盛り上がりのある筒状花と通常先が3裂する舌状花があわさった花を咲かせます。花が萎れた後もモコモコとした種が球状について見る者を楽しませてくれます。 品種によって、一年草と宿根草と呼ばれる多年草があり、草丈は30~90㎝と存在感のある大きさに成長します。耐寒性もあるため、多年草は一度植え付けたら翌年も元気に花を咲かせてくれますよ。夏ごろから赤やオレンジ、黄色の花を咲かせるのが特徴
ガイラルディアの魅力はなんといっても、そのビビットな花色と咲き方。初夏の6月~10月までと長期間咲き続けるため、ガーデナーにとってもありがたいですね。黄色や目の覚めるようなオレンジ、赤色や紫色とかなり豊富です。すらりと伸びた花茎に花火のような花が咲く様子は見ていて飽きないですね。オーソドックスな一重咲き、豪華な八重咲き、さらにはぼんぼりのような花姿になる品種もあるんです。種類によって一年草と多年草に分かれる
ガイラルディアの品種は、冬越しできない一年草と数年開花する多年草の両方があるんです。でもどこで見分ければいいの? なんて不安な方のために、購入する際のポイントをひとつ。日本で多年草のガイラルディアといえば、オオテンニンギクやガイラルディア・アリスタータといわれる品種です。一年草のガイラルディアは、テンニンギクやガイラルディア・プルケアと書かれていますよ。概要欄に多年草か一年草か記載されていますから、ぜひ確認してから購入してくださいね。和名ではテンニンギク(天人菊)と呼ばれている
先ほどお伝えしたように、ガイラルディアの和名はテンニンギク(天人菊)と呼ばれています。これは花びらの様子が天女様の持つ羽衣のようだといわれたことに由来します。確かにじっと観察していると、ふわふわと風に揺られる羽衣のようでかわいらしく、愛着のある植物です。 そのためかさまざまな園芸品種が作り出されて、中でも人気なのが、アリゾナシリーズのガイラルディアです。一般的なテンニンギクよりも草丈が低くコンパクトに咲くので寄せ植えにもおすすめです。ガイラルディアの育て方のポイント①置き場所
それでは、ガイラルディアの基本的な育て方についてみていきましょう。まずは置き場所です。元気に咲き続けるのも、病気になるのも、置き場所がとっても重要なんですよ。日当たりと風通しの良い場所を好む
ガイラルディアは、日光が大好きです。そのため日当たりと風通しのよい場所へ置いて栽培しましょう。日陰の場所へ置くと、花付きが悪くなるばかりか、株がひょろひょろと徒長してしまうんです。屋外なら日当たりの良い南側の場所、室内で育てる場合は一日中日が当たる窓辺がいいでしょう。地植えでも鉢植えでも育てることができる
ガイラルディアは真夏の暑さにも強いことからもよく知られています。原産地の南北アメリカは乾燥した灼熱の暑さなので、日本のうだるような暑さにも安心して植えられますよ。地植えでも、鉢植えでもあまり手がかからず成長しますので、草花を育てる初心者や多忙でマメにお手入れできないという方にもおすすめなんです。鉢植えの場合でも1年中戸外で管理できる
植物を育てる上で一番大切なのは原産地の環境に近づけた育て方をすることです。それが健康に栽培するコツでもあります。特にガイラルディアは湿気の多い環境が苦手なので、多年草の場合は日向の場所へ植えたら植えっぱなしでOK。鉢植えの場合も可能な限り一年を通して戸外で栽培しましょう。ガイラルディアの育て方のポイント②水やり
次の基本的な育て方のポイントは、水やりです。水やりのポイントは植物それぞれで違います。ガイラルディアの水やりのポイントについてまとめました。地植えの場合:根付いたら水やりの必要は無い
ガイラルディアを地植えで栽培している場合、根付いたら特に水やりの必要はありません。雨のみで十分なんです。これはガイラルディアが乾燥気味の土を好むから。暑いからといって毎日水やりして、ずっと土が濡れているような状態はNG。根が水分を吸収しきれず、根腐れの原因になりますよ。ただし雨が長期間降らない時や猛暑が続くような時は、朝夕の涼しい時間帯にたっぷりと水やりしてくださいね。鉢植えの場合
鉢植えでガイラルディアを育てている場合も基本的には乾燥気味に水やりしましょう。しかしポイントが3点ありますよ。土の表面が乾燥したらたっぷりと水やりすること、茎葉ではなく根元に水やりすること、多湿を嫌うので少し乾燥気味にすることの3点です。土の表面が乾燥したらたっぷり水やりを行う
まず1点目、土の表面が乾燥したらたっぷりと水やりを行うこと。地植えと同じように鉢植えのガイラルディアも、乾燥気味に育てる方が元気に生長します。水やりする場合は土の表面が乾燥していることを確認してから、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりしてください。鉢皿に溜まった水は病気の原因にもなるので、こまめに捨てましょう。茎葉ではなく根本に水やりを行う
お庭で育てている場合は特にホースで他の植物とまとめて水やりするかもしれません。葉や茎に水滴が流れ落ちる様子は見ていて気持ちがいいですよね。でもここでポイントがあるんです。水やりは、葉や茎ではなく根元へすること。特に初夏からは水をどんどん根が吸い上げ成長しますから、葉や茎へ水をかけてしまうと水切れしやすくなります。しっかりとジョウロの先を根元へ向けて水やりするようにしましょう。多湿を嫌うので少し乾燥気味にする
夏の間中咲き続けるガイラルディア。真夏の暑さが苦手な植物が多い中、貴重な庭を彩る夏の花です。乾燥した場所に好んで育つため、水やりは少し乾燥気味に与えるようにしてください。しかも真夏は日中の猛暑で土の中の温度も上がりやすく、ゆで上がってしまいやすいため、朝夕の涼しい時間帯に水やりするようにしてくださいね。ガイラルディアの育て方のポイント③用土
ガイラルディアの基本的な育て方のうち、苗と一緒に用土を合わせて覚えておきたいものです。苗を購入する際に一緒にどんな用土を購入すればよいのか、再度確認しましょう。水はけが良い土を好む
ガイラルディアは特に土の質を選ばない、どんな用土でも育つ植物ですが、やはり一番は水はけの良い土を好みます。乾燥気味に水を与えても、湿地帯のような保水性の高い土では根腐れや病気の原因に。通気性と水はけの良い土にガイラルディアを植えれば、長期間健康に育ち、株も大きくなるでしょう。市販の「草花用培養土」が便利
おすすめは、ホームセンターや100均ショップで市販されている草花用培養土です。あらかじめ保水性と水はけの良さを調整し、元肥に肥料が入っているものが多いので、地植えならば、植え付ける場所の土と混ぜ合わせて数日なじませておくといいでしょう。鉢植えの場合は購入した草花用培養土をそのまま使用すればOKです。自分で配合する場合は赤玉土6:腐葉土4の配合土が良い
もし自分で用土を配合する際は、水はけと保水力のある赤玉土6、高い養分の腐葉土4の割合で配合するといいでしょう。地植えならば植え付けの2週間前に、これらと堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んでよく耕しておきます。鉢植えの場合は、赤玉土小粒6、腐葉土4の割合が管理しやすく適しています。ぜひ挑戦してみてくださいね。ガイラルディアの育て方のポイント④肥料
次は基本的な育て方の中で肥料について解説します。ガイラルディアは丈夫で育てやすい草花ですが、根を張る時期や開花時期は体力を消耗します。適切な肥料の与え方をおさえて、元気に咲く姿を楽しみたいですね。元肥:植え付け時に緩効性の肥料を与えて土に混ぜる
まずは用土にあらかじめ混ぜ込んでおく元肥についてご紹介します。元肥に適しているのはタブレットや粒状の緩効性肥料です。これらは効果の持続期間が長く、じっくりと株の成長を助けてくれます。市販されている草花用培養土はたいてい元肥入りのものが多いので、自分で配合する場合のみ注意しましょう。追肥
追肥は、ガイラルディアが成長し花茎が伸びてくる3月、開花の終盤にあたる9月頃に与えると効果的です。追肥で与える肥料は緩効性肥料のほかに、持続期間は短いけれど即効性のある液体肥料もあります。追肥時期:春と秋(3月頃と9月頃)に様子を見て行う
先ほどお伝えしたように、追肥時期は春と秋に様子を見て行うようにしましょう。春は主に成長するための体力維持、秋は開花が終盤に差し掛かって消耗したエネルギーを補充するためです。特に春から夏にかけては花を咲かせるため多くのエネルギーを使いますから、即効性のある液体肥料を10日~2週間ごとの目安で与えてください。秋の追肥は効果が長続きする緩効性肥料を株元に置いて、株の体力を回復してくださいね。元肥同様緩効性の肥料を与えて土に混ぜる
肥料切れを起こしやすい鉢植えの場合、元肥と同じ緩効性の肥料を土に混ぜることもおすすめです。この場合、根を傷めないよう注意しながら鉢の開いている場所をシャベルで掘り、緩効性肥料を少量土と混ぜ合わせます。終わったら元通りに用土の表面をならして、肥料の効果が出てくるのを待ちましょう。ガイラルディアの植え替え・植え付け
ガイラルディアが順調に育ってくると、鉢が窮屈になってきますね。宿根草とはいえ短命植物なので通常2年~3年で枯れてしまいます。その前に挿し木や株分けで株を更新する必要がありますよ。次はガイラルディアの応用の育て方のなかで植え替えと植え付けについて確認していきましょう。植え替え・植え付け時期:春と秋(3~4月と9~10月)
植え替えと植え付けに適した時期は、暖かくなる春と秋の2回あります。春の3月~4月は、ガイラルディアの苗が出回り始めるので購入したら早めに植え付けるといいでしょう。秋の9月~10月はだんだん気温が下がり成長がゆっくりになるので、冬越しへ向けて株を充実させるためにも気温15℃以上になる日中に行うようにしてください。植え替え
まずは植え替えです。ガイラルディアの品種や植える場所によって、植え替えが必要かどうか変わってきますよ。手順についても解説していきます。地植えの場合:植え替えの必要は無い
ガイラルディアを地植えにしている場合、植え替えの必要はありません。多年草の品種は何事もなければ株を大きくしながら数年は栽培できますから、そのままで大丈夫です。日当たりや風通しが悪い場合は、周囲の落ち葉や枯れ葉を取り除いたり、不要な枝を切ったりしてください。鉢植えの場合:2~3年に1度一回り大きな鉢植えに植え替える
ガイラルディアを鉢植えで育てている場合、植え替えが必要です。特に2~3年経っている鉢植えは、根鉢が回って水切れを起こしやすくなっています。一回り大きな鉢植えへ植え替えてください。用土は新しい清潔なものを準備し、鉢底ネットや軽石があればさらに水はけがよくなりますよ。 準備するもの- ガイラルディアの苗
- 一回り大きな鉢
- 市販の草花用培養土
- 鉢底ネット
- 軽石
- 割り箸
植え替えの手順
植え替えの手順は次の通りです。- 一回り大きな鉢へ鉢底ネット、軽石(鉢の1割の高さ)の順に入れる
- 大きな鉢の5分目まで新しい草花用培養土を入れる
- ガイラルディアの株を古い鉢からそっと取り出す
- 根から古い土を軽く落とし、黒ずんだ根や傷んだ根は取り除く
- 新しい鉢の中心へ株を入れる
- 株の周りに少しずつ土を入れて、割りばしで土の隙間を埋める
- 鉢ふちから2~3㎝下まで用土を入れる
- 鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりする
植え付け
次は植え付けです。ガイラルディアの苗を選ぶときのポイントや植え付けのコツなどをまとめました。苗の選び方
苗を購入する時は、葉がつやつやと充実していて花茎がいくつかある苗を選びましょう。ひょろひょろと徒長している苗や株元が黒ずんでいる苗は、病気になりやすく体力もないため植え付けても育たない場合があります。またポットを持ち上げてみて、株がぐらぐらしないものは根が十分に伸びていますから植え付け後も順調に育ちますよ。苗の根鉢よりも一回り大きな穴をあけて植え付ける
苗を選んだらさあ植え付けてみましょう。地植え、鉢植えどちらでもポイントは苗の根鉢よりも一回り大きな穴をあけて植え付けることです。鉢植えなら苗の周りは約10cmから20㎝開けた大きさの鉢へ。地植えなら、日当たりと風通しの良い場所を選んで土づくりしておき、株間を20㎝あけて植え付けます。植え付け後は根と土を密着させるために、たっぷりと水を与えてください。 ここでは鉢植えの場合の植え付け方法について説明します。 準備するもの- ガイラルディアの苗
- 鉢
- 移植ゴテ
- 草花用培養土
- 鉢底ネット
- 軽石
- 割り箸
植え付けの手順
植え付けの手順は次の通りです。- 鉢の底に鉢底ネット、軽石の順に入れる
- 草花用培養土を5分目の高さまで入れる
- 苗をポットからそっと取り出す
- 軽く根をほぐす
- 用土の中心に苗を置き、周囲に培養土を足していく
- 割り箸で土の間にある空間をつぶす
- 鉢ふちから2~3㎝下まで土を入れたら、苗と用土をぐっと手で押さえる
- 鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりとみずやりする
ガイラルディアの増やし方
お気に入りの品種を翌年も楽しみたい、枯れる前に株を増やしておきたい時はどうしたらいんでしょうか。増やし方は、種まき、株分け、挿し木の3通りあります。ガイラルディアの増やし方についてご紹介します。種まき
まずは種まきで増やす方法です。ガイラルディアの一年草品種は主に種まきで増やしましょう。種まき用のポットや育苗トレイはホームセンターや100均ショップで販売されていますから、使いやすいものを準備してください。種まきの時期:春と秋(4~5月と9~10月)
種まきに適した時期は春の4月~5月と秋の9月~10月です。春まきは早ければ初夏の6月には花が咲き始めます。秋まきは東北から北の寒冷地に向いています。冬越しさせて株を大きくすれば、翌年の5月辺りから花を楽しめるでしょう。 発芽の適温は約20℃、約14日~20日くらいで発芽します。光で発芽のスイッチが入る好光性種子なので、土を被せないか、軽く土を被せればOKです。種まきの手順
種まきの手順は次の通りです。- 発芽用ポットや育苗トレイに赤玉土小粒を入れる
- 霧吹きして軽く湿らせておく
- 土の深さ1㎝くらい穴をあけ、そこへ種を2~3粒入れる
- 周囲の土を軽くよせ、軽く土をかぶせる
- 日光のよく当たる場所で管理
- 発芽するまで土が乾かないよう、霧吹きで水やりする
- 発芽し、本葉が4~5枚になったら庭や鉢へ植え替える
地植えの場合はこぼれ種から発芽する場合もある
ガイラルディアを地植えしていると、自然と種がこぼれて発芽している場合があります。こんな風にこぼれ種でガイラルディアを増やしたい時は、真夏の7月下旬辺りから花がら摘みをやめてそのままにしてみましょう。球状の種ができたら花茎ごと切って、お好みの場所へ蒔くのもいいですね。株分け
ガイラルディアの多年草品種は、2~3年経つと株が大きく成長して周囲に子株ができます。親株から根を介して新芽が出来てきたらぜひ株分けに挑戦してみましょう。株分けの時期:春と秋(3~4月と9月)
株分けに適した時期は気温が約20℃になる3~4月と9月頃。いずれにしろ急激な温度変化がない季節に行ってください。鉢植えでも植え替えのタイミングですれば、株へのダメージも少なく、回復も早くなります。株分けする際に、黒く傷んだ根があれば取り除いておきます。株分けの手順
株分けで準備するもの- 大きなスコップ
- ゴム手袋、軍手
- 新しい水はけのよい土
- 清潔な園芸バサミ
- 株分けする前日の夜にしっかり水やりする
- 株をスコップで掘り上げる
- 土をやさしく落としながら、2~3芽で1株になるよう手で分ける
- 傷んだ根をハサミで切り落とす
- すぐにそれぞれの株を植え付ける
- たっぷりと水やりする
挿し穂(挿し木)
ガイラルディアの多年草品種を挿し穂で増やす方法もおすすめです。アリスタータ種などは丈夫でほおっておいても元気に生長するのでぜひ挑戦してみましょう。挿し穂(挿し木)の時期:いつでも行える
挿し穂(挿し木)に適した時期は成長期であればいつでも可能です。最も適しているのは5月~6月。新しく成長した健康な茎を選び、挿し穂にしましょう。切り口を斜めにすると吸水力が上がって成功しやすくなりますよ。挿し穂用の苗床には無菌の赤玉土小粒、ピートモスやバーミキュライトにしてください。肥料分があると病気になりやすいので、清潔な環境を維持しましょう。挿し穂(挿し木)の手順
挿し穂で準備するものと手順について解説します。 準備するもの- 新しく成長した健康な茎
- 園芸用ハサミ
- 癒合剤
- 挿し穂用苗床
- 清潔な用土(赤玉土、バーミキュライトやピートモス)
- 若芽がついている茎を剪定バサミで10cm程度カットする
- 切り口を斜めに切り、茎の下半分についている葉を落とす
- 切り口の方を半日水につけて水揚げする
- 赤玉土小粒を入れた育苗ポットに挿し、水やりをして管理していく
- 発根して根がしっかりと生えたら、庭や鉢に植え付ける
ガイラルディアのお手入れ
そのままでも丈夫で育てやすいガイラルディアですが、育て方の中でもいくつかおさえておきたいお手入れがあります。育ちすぎてちょっとすっきりしたい、咲き終わった後の花はどうしたら? といった疑問や冬越しの方法についてまとめました。切り戻し剪定
ガイラルディアが順調に成長すると夏頃には山のような大きな塊になることもあります。風通しや日当たりが悪くなって病気になってしまったり、もっと長く花を咲かせたりしたい時には切り戻し剪定をして株をさっぱりさせてください。開花が終わり徒長した部分を切り戻しをする
6月頃からたくさんの花茎を伸ばして花を咲かせるガイラルディアは、開花が終わると種を作ります。開花前半に姿が乱れやすいため、少し切り戻して仕立て直すことも可能ですよ。方法は、開花が終わってひょろひょろと徒長した花茎だけをハサミで摘み取ります。大幅に切り戻すと秋の開花に間に合わないので、あくまで咲き終わったものだけにしてください。根元から半分ほどの高さを目安に行う
特に多年草品種の1年目は株そのものが小さく、開花し続ける体力があまりありません。そのため翌年たくさん花を咲かせるために切り戻して体力温存させておくのもおすすめです。開花時期後半の9月頃に、根元から半分ほどの高さを目安にして剪定ハサミで大幅に切り戻して下さい。花柄摘み
長く花を楽しみたい方はぜひ花柄摘みをこまめに行ってください。ガイラルディアの花はとげとげしているため、花柄を摘む際はゴム手袋をして手を保護しましょう。咲き終わった花を摘み取る
ガイラルディアの咲き終わった花をこまめに摘み取ると、花数が増えます。摘んだ茎の下部分から新しい花茎が伸びてきて、ボリュームが出ますよ。開花時期が6月~9月までと長いので、綺麗な株姿を維持するためにも花柄摘みは大切です。しかし花弁が落ちたあとの花芯だけの姿も見ごたえがあるので、開花時期後半に差し掛かったらあえて残して楽しむのもおすすめです。花柄を摘むことで長く花を楽しむことができる
花柄摘みには株まわりを清潔に保つ役割もあるんです。花弁が落ちて枯れた花茎をそのままにしておくと、病気や害虫にかかりやすくなるので注意が必要です。また、花柄を残しておくと種子をつけるために株が体力を消耗します。株の老化が早まりますから、長く花を楽しみたい方はまめに花柄摘みをしてくださいね。ガイラルディアの花はトゲトゲしているので注意する
ガイラルディアの花は、花弁の付け根がトゲトゲしているため素手だとケガをする可能性があります。花柄摘みをする場合は、園芸用のゴム手袋をつけて行うようにしてくださいね。またハサミで花柄を切っていくのもおすすめです。種取り
育てているガイラルディアの種を取ることができます。種取りに適した時期や採取するコツ、保存方法についてまとめました。初夏から夏に花色が茶色になったタイミングで行う
種を採取するには、初夏から夏に花弁が茶色くなり、枯れてきたタイミングがおすすめです。開花を楽しんだら咲き終わった花を数本残してください。花が咲き終わり、花茎ごと茶色く変色してきます。そこで花茎を切って風通しの良い場所で、種子が黒く熟すまで待ちましょう。花がらごと種を回収し袋に入れ乾かす
摘んだ花柄ごと袋に入れて乾かす方法もおすすめです。十分に乾燥させたら封筒へ入れ、涼しい日かげの場所でさらに乾燥させてください。このまま春になるまで保管しておけばOKです。また種を一つずつばらしてから袋へ入れて保存するのもいいでしょう。冬越し
ガイラルディアの多年草品種は冬越しすることができますよ。耐寒性が高いためガイラルディアの冬越しはとても簡単です。一年草の品種は寿命が尽き冬を越せない
ガイラルディアの一年草品種は花が咲き終わって種ができると枯れていきます。冬前に寿命が尽きるのが自然なので、一年草品種は冬越ししないと考えておいてOKです。一年草品種の株が枯れたら、土から引き抜いて古い用土をさらい、根やゴミを取りのぞいておきましょう。多年草の品種は秋の終わり頃に刈り込みを行う
一方、多年草品種は秋になって寒くなると地上部が枯れてきます。根元でバッサリと切り戻しておきましょう。鉢植えも同様です。地植え、鉢植えの両方で戸外での越冬が可能で水やりせず乾燥気味に管理しましょう。関東から南の地方は霜対策として軒下へ置いてください。病害虫
丈夫なガイラルディアですが、まれに病害虫の被害に合うことがあります。特に梅雨の時期は害虫や病気が発生しやすく、見つけたらすぐに対処しましょう。アブラムシ
比較的害虫につよいガイラルディアですが、風通しが悪かったり日当たりが悪かったりするとアブラムシがつきます。緑や茶色の小さな虫が葉や茎に密集してつきますので、見つけたら水をかけて洗い流します。さらにホームセンターなどで販売されているスプレータイプの殺虫剤を噴霧して駆除してください。植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。灰色かび病
ガイラルディアのかかりやすい病気に灰色かび病があります。気温が20℃で多湿の環境下にて発生しやすいので置き場所には注意しましょう。空気感染する病気で、花や実、根、茎まで全体的に淡褐色の病斑がでます。放置していると株が弱って枯れてしまうため、広がる前に病気の葉っぱや花を切り落として処分してください。また落ち葉も感染している可能性がありますので一緒に処分しましょう。黒斑病
黒斑病は、春や秋の雨の多い時期に発生しやすくなります。カビが原因の病気で広がりやすく、葉に黒や褐色の小さな斑点が見えたらすぐに対処してください。下の葉から上の葉へと病気が広がり、悪化すると枯れてしまいます。 病気の部分はすぐに切り取って処分し、薬剤を株全体へ散布しましょう。株同士の間が狭い場合や、茶葉が密集している場合は、葉を間引いて風通しを良くしてください。ガイラルディアの人気品種を紹介
オレンジと黄色の夏らしいガイラルディアは、育てやすいため品種もたくさん流通しています。その中でも人気品種をいくつかご紹介します。ぜひお気に入りのガイラルディアを見つけてみてくださいね。スピントップ
ガイラルディアと聞いて連想するのがこちらのガイラルディア・スピントップです。花弁の赤い根元から先へ向けて黄色になるバイカラーで小さな花がたくさん咲くのが特徴。スピントップは矮性の多年草品種で、草丈が20~30㎝くらいのコンパクトなロゼット状な草姿になります。晩春の5月頃から秋にかけて非常に開花期間が長く、夏の花が少ない庭に元気と彩りを添えてくれます。グレープセンセーション
赤やオレンジなどはっきりとした色の多いガイラルディアの中で、紫色の落ち着いたタイプなのがガイラルディア・グレープセンセーションです。グレープセンセーションというだけあって、色合いはブドウによく似ています。原種のひとつで、耐寒性と耐暑性ともに高く戸外で冬越しが可能です。草丈は30~50㎝と高めなので、花壇やガーデンの奥へ植えるのがおすすめ。開花期間が非常に長いのも特徴で、5月~11月まで楽しめます。ファイアホイール
ガイラルディア・アリアスタータを改良したのが、ガイラルディア・ファイアホイールです。花弁の根元から先へむけてくびれた特徴的な形をしていて見た目はまさにファイアホイール、火の輪のようです。赤色から黄色のグラデーションが美しい品種です。 開花期間は5月~9月で、草丈が30~60㎝と比較的高めなのが特徴。直射日光と高温を好みますから、ぜひ日向の風通しの良い場所で栽培してください。ガリア
ガイラルディア・ガリアシリーズは、色違いがいくつかあるシックな雰囲気の品種です。八重咲きの個性的な花形と淡い黄色や赤が魅力で、早春から秋まで長く咲き続けます。ガリアの草丈は30~40㎝とコンパクトにまとまりますから、ガーデニングの脇役にもぴったり。ちょっと草姿が乱れやすいので、まめに花柄摘みや剪定を行いましょう。アリゾナサン
ガイラルディア・アリゾナサンは、グランディフローラから派生した品種です。茶褐色の花芯とビビットな黄色、オレンジの覆輪が目を惹きます。アリゾナサンの大きな特徴は高さよりも横に広がりやすく、ゆるいドーム状の草姿なので株間は広く取ってくださいね。晩春から秋へかけて、長く咲き続ける園芸品種です。【まとめ】ガイラルディアの育て方を紹介!お手入れ方法から人気品種まで
最後まで読んでみていかがでしたか? ガイラルディアというと聞き慣れないかもしれませんが、育てやすく夏にぴったりの花ですから、案外公園や街路樹と一緒に見かけている可能性がありますよ。ご自分で栽培する場合も、かなり簡単な育て方なので、園芸初心者や多忙な方にもおすすめです。 また、真夏の暑さにも強く直射日光が当たる場所でも育てられるため、ひまわりなどと合わせて夏の庭を演出してもいいですね。 この記事のポイントは、- ガイラルディアは南北アメリカを原産とするキク科の宿根草
- 夏ごろから赤やオレンジ、黄色の花を咲かせ、たくさんの人気品種がある
- 育て方のポイント①置き場所は、日当たりの良い場所
- 鉢植えの場合でも1年中戸外で管理できる
- 育て方のポイント②水やりは、地植えと鉢植えで異なる
- 地植えの場合水やりは不要、鉢植えの場合土の表面が乾燥したらたっぷり水やりを行う
- 育て方のポイント③用土は、水はけの良い土を使う
- 育て方のポイント④肥料は、元肥や追肥など用途によって緩効性肥料や液体肥料を使う
- 植え替え・植え付けは、春3月~4月、秋9月~10月が適期
- 増やし方は、種まき、株分け、挿し木の3通り
- 咲き終わった花から種子を採取できる