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園芸やガーデニングには欠かせない赤玉土。赤玉土は保水性と保肥性、排水性に優れており、家庭菜園やプランターでの草花の栽培など幅広い使い方をされる基本用土です。ところで、赤玉土は粒の大きさによって種類が分かれており、種類によって使い方が変わることを知っていますか? また、赤玉土には意外な使い方もあります。 この記事では、
- 赤玉土という土の特徴
- 赤玉土はどのような使い方が向いている?
- 赤玉土の種類による使い方の違い
- 水槽での赤玉土を使い方
- 赤玉土の入手方法
赤玉土とはどのような土?
まずは、使い方について解説する前に、赤玉土という土の特徴について解説します。赤玉土とはどのような特徴をもった土なのでしょうか。関東ローム層の赤土からつくられる
赤玉土は、関東ローム層の赤土からつくられます。関東ローム層は関東平野を広く覆う火山灰を起源とする地層群で、赤褐色をした土壌です。赤土を乾燥させてふるいにかけて、粒の大きさごとに分けたものが赤玉土
赤玉土は、- 採取した赤土を乾燥させる
- 乾燥させた赤土をふるいにかけて、粒の大きさごとに分ける
関東ロームとは関東平野に広がる火山灰が降り積もってできた土壌
関東ロームとは、関東平野に広がる火山灰が降り積もってできた土壌です。砂、シルト、粘土が混じり合っており、粘性質が高い土壌です。赤玉土はpH6.0程度の弱酸性の土
赤玉土は弱酸性の土で、pH6.0程度です。植物によっては中性やアルカリ性の土を好む場合がありますから、その場合は石灰などを混ぜて調整するとよいでしょう。よく似た特徴のある鹿沼土と両者の違い
鹿沼土も赤玉土と同じようにガーデニングでよく使われる基本的な土です。鹿沼土と赤玉土はよく似た特徴をもっていますが、それぞれに違いがあります。使い方に応じて鹿沼土と赤玉土を使い分けしましょう。鹿沼土も火山の噴出物が堆積してできた土で、通気性や排水性に優れる
赤玉土は関東平野に広がる火山灰が降り積もってできた土壌ですが、鹿沼土も火山の噴出物が堆積してできた土です。関東ローム層の中でも栃木県鹿沼市周辺で採取され、軽石を主成分としており通気性や排水性に優れます。鹿沼土はpHが4から5で酸性の土であり、赤玉土のほうが汎用性が高い
赤玉土はpH6.0程度の弱酸性の土ですが、鹿沼土はpH4〜5の酸性の土です。鹿沼土よりも酸性が強くない赤玉土の方が、汎用性は高いと言えます。赤玉土はどのような使い方向きの土?
ここでは、赤玉土がどのような使い方に向いているのかを解説します。鹿沼土よりも汎用性が高いとはいえ、どんな使い方にも向いているわけではありません。赤玉土はどのような使い方に向いているのでしょうか。赤玉土は無機質な用土であり、雑菌が繁殖しにくく挿し木用に使える
赤玉土は無機質な用土ですから、雑菌や虫が繁殖しにくい特徴をもっています。雑菌や虫が寄り付かないため、赤玉土は雑菌の繁殖を抑えたいときの使用が向いています。挿し木では雑菌は大敵ですから、赤玉土は挿し木用の用土として適しています。なお、赤玉土は肥料となる成分を含んでいないため、挿し木用に使う場合以外は肥料や培養土などを配合して使います。鉢植えの観葉植物等の用土の表面に敷くと、害虫繁殖を予防できる
赤玉土は、鉢植えの観葉植物等の用土の表面に敷いて使われることがよくあります。赤玉土を表面に敷き詰めることによって、コバエなどの害虫繁殖を予防する効果が期待できます。赤玉土は保水性と保肥性、排水性に優れている
赤玉土の特徴は、保水性と保肥性、排水性に優れていることです。水はけの良さと水もちの良さのバランスがよく、植物にとって必要な適度な水分だけを保ちます。草花や野菜のプランター栽培の培養土として使われる
赤玉土は、ガーデニングや家庭菜園をはじめ草花や野菜を栽培するための培養土として使われることが多い土です。赤玉土は無機質で肥料の成分を含みませんから、赤玉土を草花や野菜の栽培に用いる場合には腐葉土やピートモスを配合して使います。植物によって配合は変わりますが、基本用土の鹿沼土に腐葉土やピートモスを3〜4割ほどの配合が基本となります。園芸初心者のうちは肥料が含まれている市販の培養土が便利ですが、慣れてきたら自分で用土を配合するのも楽しいものです。赤玉土の種類ごとの使い方
ここでは、赤玉土の種類ごとの使い方について解説します。赤玉土は乾燥させた赤土を粒の大きさごとに分けてつくられますから、粒の大きさによって種類が分かれます。赤玉土は大きさによって使い方が変わる
赤玉土は、粒の大きさによって大粒(ゴロ土)、中粒、小粒、細粒、微塵と細かく種類が分かれています。そして、赤玉土は粒の大きさによってそれぞれ適した使い道がありますから、赤玉土を手に入れるときには粒の大きさを意識して種類を選ぶとよいでしょう。大粒(ゴロ土)の使い方
粒が一番大きなサイズが大粒(ゴロ土)です。粒の直径1cm以上のものが大粒(ゴロ土)とされます。大きさがかなり大きく、主に鉢底石として使用する
大粒(ゴロ土)は直径1cm以上と大きさがかなり大きいです。大粒は主に鉢底石として使用されます。植木鉢の底に赤玉土(大粒)を鉢底石として敷き詰めることによって、水はけが良くなり根腐れの発生を予防することができます。なお、大粒(ゴロ土)は粒が大きすぎるため、鉢底石として使用する場合を除いてあまり鉢植えで使われることはありません。土壌改良を目的として、少量を土に混ぜ合わせることもある
大粒の赤玉土の特徴は、粒と粒の隙間が広いことです。つぶ同士の隙間が広いことによって空気や水が通りやすくなり、通気性や水はけがよくなります。そのため、通気性や水はけをよくするために、少量の赤玉土(大粒)を土に混ぜ合わせることがあります。中粒の使い方
大粒の次に大きなサイズが中粒です。粒の直径7mmから1cmほどのものが中粒とされます。果樹等の大きな植物の鉢植えに使われる
大粒と違って、中粒の赤玉土は主に鉢植えに使われます。ただし、粒は直径7mmから1cmほどと大きめですから、果樹などの大きな植物を育てるときに向いています。小さいサイズの植物に中粒の赤玉土を使うと、粒が大きすぎて安定しません。小さい鉢であれば鉢底石に使用することもおすすめ
大粒と同じように鉢底石として使用することもあります。小さいサイズの鉢で植物を育てるときには、大粒の鉢底石では大きすぎます。小さい鉢の鉢底石には中粒の赤玉土が程よいサイズになりますからおすすめです。小粒の使い方
中粒よりやや小さいサイズが小粒です。粒の直径5mmから7mmほどのものが小粒とされます。保水性や排水性がよく、植物の栽培に最もよく使われる赤玉土
粒が大きいほど排水性に優れ、粒が小さいほど保水性に優れます。直径5mmから7mmほどの小粒は保水性や排水性のバランスがよく、植物の栽培に最もよく使われる赤玉土です。植物を植えた際に、中粒や大粒より安定しやすい
中粒や大粒の赤玉土は粒と粒の隙間が広いため、植物を植えたときにやや安定しにくいという性質があります。果樹等の大きな植物には中粒の赤玉土が向いていますが、果樹ほど大きな植物でなければ中粒や大粒より安定しやすい小粒の赤玉土が適しています。細粒の使い方
小粒よりもさらに小さいサイズが細粒です。粒の直径2mmから5mmほどのものが細粒とされます。基本的に挿し木に使用される
赤玉土は無機質で清潔な土ですから、挿し木用の土として使用されることがあります。挿し木では土を湿った状態に保つことが大切ですから、直径2mmから5mmほどと粒が小さくて水もちがよい細粒の赤玉土が適しています。なお、細粒の赤玉土だけを使用すると水はけが悪くなりますから、鉢植えにはあまり使われません。小粒に混ぜて、保水性と保肥性を上げて使うこともある
細粒は粒が小さいため、小粒よりも更に保水性や保肥性が高い性質をもっています。その性質を活かすため、小粒の赤玉土に細粒のものを混ぜて使用することがあります。細粒を混ぜて使用することによって、小粒だけの赤玉土よりも保水性や保肥性を高めることができます。微塵の使い方
一番小さいサイズが微塵です。粒の直径2mm以下のものが微塵とされます。小粒の赤玉土をふるいにかけた時に出る粉状の赤玉土
微塵とは粒の直径が2mm以下のもので、小粒の赤玉土をふるいにかけた時に出る粉状の赤玉土です。粒と粒の間の隙間があることによって水はけや通気性がよくなりますが、粉状の微塵が隙間に残っていると赤玉土の水はけや通気性が悪くなります。特に小粒の赤玉土は使用する前にふるいにかけて、微塵と分離することが大切です。細粒の赤玉土と同様、挿し木等に使う
微塵は水はけや通気性は悪くなりますが、水もちに優れています。挿し木では土を湿った状態に保つことが大切ですから、細粒の赤玉土と同様に微塵の赤玉土も挿し木に使うことができます。赤玉を水槽で使ってみよう
ここでは、赤玉土の水槽での使い方をご紹介します。意外に思われるかも知れませんが、赤玉土はメダカや淡水魚の飼育用に水槽で使用されることがあります。赤玉土は、淡水魚やメダカの飼育用の低床としてよく使われる
赤玉土は園芸用の用土というイメージが強いですが、実は淡水魚やメダカの飼育用によく使われます。使い方は、赤玉土を水槽に敷き詰めて飼育用の低床として使います。赤玉土を水槽での魚の飼育に使うメリット
水槽での魚の飼育に赤玉土を使うことには理由があります。赤玉土ならではのメリットがあるからです。粒が多孔性でバクテリアを住み着かせ、水質の安定に効果がある
バクテリアには魚のフンや食べカスなどを分解する役割があり、水槽にバクテリアがいないと水槽は汚れが目立つようになります。赤玉土は粒が多孔性ですからバクテリアが住みつきやすく、水質の安定化に効果があります。水槽に赤玉土を敷き詰めることで自然と水の濁りを防いでくれるため、水換えや掃除の手間を減らすことができます。水生植物の根ばりを助ける
水槽には水草など水生植物を植えることがあります。赤玉土はもともと園芸用の土ですから、水生植物の根ばりを助けます。ただし、赤玉土には肥料となる成分が含まれていませんから、肥料を必要とする水生植物には追肥する必要があります。赤玉土を水槽での魚の飼育に使うデメリット
水槽での魚の飼育に赤玉土を使うことには、赤玉土ならではのメリットがあります。しかし、デメリットもありますから使い方には注意が必要です。長く使うと粒の形が崩れる
赤玉土を水槽で使用する場合には、園芸で使用する場合と違って赤玉土が常に水に浸かった状態になります。水に浸かった状態で赤玉土を長く使うと、粒の形が崩れやすくなります。アルカリ性に水質を調整する場合難しい
赤玉土はpH6.0程度の弱酸性の用土です。飼育する魚によっては水質をアルカリ性に保ちたい場合もありますが、弱酸性の赤玉土が悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。水質をアルカリ性に調整する場合には、赤玉土の使用は控えた方がよいでしょう。赤玉土はどこで入手できる?
ここでは、赤玉土を入手することができる場所について解説します。赤玉土はどこで入手することができるのでしょうか。ホームセンター
ホームセンターでは園芸用品を豊富に取り揃えています。赤玉土の種類が豊富なだけではなく、容量が少なめのものから大容量のものまで揃っているのが魅力です。ついでに、ほかの園芸用品も現物を見ながら商品を選ぶことができます。ダイソーなどの100円均一
ダイソーなどの100円均一では園芸用品の品揃えが充実しています。赤玉土は園芸用品の中でもよく使うものですから、赤玉土を取り揃えている店舗は多くあります。ダイソーなどの100円均一では手頃な価格で赤玉土を手に入れることができますから、園芸初心者の方でも気軽に購入できるメリットがあります。ネット
ネット通販で赤玉土を手に入れるのもおすすめです。赤玉土は大容量のものだとかなりの重さになりますから、自分で商品を運ぶのは意外と大変です。ネット通販であれば自宅まで配送してくれますから、赤玉土を自分で運ぶ手間がなく気軽に購入することができます。まとめ
ここまで、赤玉土の特徴や種類ごとに適した使い方から、水槽で赤玉土を使う方法、赤玉土の入手方法まで詳しく解説してきましたがいかがだったでしょうか。 この記事のポイントは、- 関東ローム層の赤土を乾燥させてふるいにかけて、粒の大きさごとに分けたものが赤玉土
- 鹿沼土と似ているが、軽石を主成分とする鹿沼土がpH4〜5の酸性なのに対して、赤玉土はpH6.0程度の弱酸性で鹿沼土よりも汎用性が高い
- 赤玉土が向いている使い方は、①無機質で清潔な土として挿し木用に使う、②鉢植えの用土の表面に敷いて害虫の繁殖を予防する、③保水性、保肥性、排水性に優れた土として草花や野菜のプランター栽培の培養土に使う
- 赤玉土の種類は粒の大きさによって大粒(ゴロ土)、中粒、小粒、細粒、微塵に分かれており、種類によって向いている使い方が変わる
- 水槽で淡水魚やメダカを飼育するときに、低床として赤玉土を使うことがある。赤玉土を使うことによって、水質の安定化や水生植物の根ばりを助けるなどの効果が期待できる
- 赤玉土の入手方法は、ホームセンターや100円均一、ネット通販などがある。ネット通販は自宅まで配送してくれるので、大容量の赤玉土を購入するときは便利