目次
自宅に庭を作ったけれどどんな樹木を植えたらいいか分からない、シンボルツリーを探している方はいませんか? 特にシンボルツリーを植えるにはあまり場所もないし、大きくなりすぎると管理が大変そうだとなかなか植えられない方も多いと思います。たくさん迷った挙句、業者へ依頼したものの費用が高かったなんてこともよく伺います。
中低木サイズの庭木は、大きくならないため比較的コンパクトな庭にもぴったりで、ガーデニング初心者にも管理がしやすいと人気ですよ。具体的にどんなメリットがあって、樹木があるのか、どのくらい大きくなるのか、植える前に知りたいことがありますね。
この記事では
- シンボルツリーとは
- 大きくならないシンボルツリーのメリット
- 大きくならないおすすめのシンボルツリー:常緑樹
- 大きくならないおすすめのシンボルツリー:落葉樹
についてくわしく解説します。最後まで読めばあなたも小さいスペースへシンボルツリーを植え、お気に入りの庭にすることができます。ぜひ最後までお読みください。
小さいスペースでもシンボルツリーを植えたい
シンボルツリーをお探しの方に向けて、小さいスペースでも植えられる、大きくならない庭木について改めて確認しましょう。自分で植栽するにしても、業者に依頼するにしても樹木についてくわしく知っておけば、将来のお悩みを防げるでしょう。
シンボルツリーとは建物を象徴する庭木のこと
シンボルツリーとは、言葉の通りそのお庭や庭園、建物を象徴する庭木のことをさします。建物や庭園などの空間の中で視線を集めたり、人々が集まる中心になったりする場所へ植え付けます。記念樹だったり、お気に入りの花木だったりとシンボルツリーにルールはありません。
しかし注意点がひとつ。落葉や成長により、予想以上に大きくなりすぎて管理できず抜いてしまったという方もいらっしゃいます。大きくなったら人力で抜くのは大変で、重機を使うことがほとんど。草花と違って一度植えたら簡単に植え替えするわけにもいきませんから、よく考えて好きな庭木を選ぶようにしましょう。
周囲の環境上小さい樹木を植えたい方におすすめな中木
とはいえ、住宅地や工事の都合、周囲の環境上大きくなる樹木を植え付けるわけにはいかない場合もあるでしょう。そこで中木サイズの樹木はそこまで大きくならない上、存在感もしっかり出せて、シンボルツリーの役割を果たしてくれますよ。おすすめな理由を具体的にご紹介します。
3から5メートル程度の樹木で存在感がありつつ、大きすぎない
中木といわれている樹木は、成長しても3~5m程度の樹高で比較的コンパクトな大きさです。代表的な中木は、オリーブ、ハナミズキや木蓮など。いずれも大きすぎず、遠くからでも目印に見つけやすい高さと枝ぶりですね。低木のアジサイやつつじは花が美しいものの高さが足りず、高木の桜やキンモクセイは大きくなりすぎて管理がしにくいため、個人のお宅にはあまりおすすめできません。
高木は5-10m、低木は3m以下
高木や低木は具体的にどこまで高くなるのでしょう。桜などの樹高は約5~10mまで高くなり、枝も広範囲に広がります。オリーブも同じように枝が広がりますが、比較的コンパクトでしょう。これではお隣さんの敷地にはみ出てしまうかもしれませんし、狭いスペースには向きませんね。狭いスペースだからといって低木もあまりおすすめじゃありません。
低木は3m以下の高さで生育が止まり、成長が遅く時間がかかるものが多くあります。数年かけて10cm伸びる品種もあるため、シンボルツリーには向きません。
大きくならないおすすめのシンボルツリーやそのメリットを紹介
しかし桜やあじさいが悪いわけではありません。大きくならないシンボルツリーをお探しの方の多くは、目隠しやお隣との境界、工事の都合や土の中にある配管への影響を心配してのことでしょう。今は自分で伸びた枝や刈り込みができても、将来できるか分からないという不安もありますよね。庭の主役にもなるシンボルツリーですから、できるだけ長い間自分の手でお手入れや管理をしていきたいものです。
そこで狭いスペースや周囲の環境に配慮しながら、小さいスペースでもシンボルツリーを植えたい方へ向けて、おすすめの品種やメリットについて、くわしく解説します。
大きくならないシンボルツリーのメリット
大きくならないシンボルツリーのメリットとして、大きく3点挙げられます。それぞれくわしく確認していきましょう。
- 狭いスペースでもシンボルツリーを植えられる
- お隣の敷地への枝の伸びや落ち葉によるトラブルを防げる
- 成長が遅く、剪定などの管理や手入れが楽
狭いスペースでもシンボルツリーを植えられる
一番の大きなメリットは、狭いスペースでもシンボルツリーを植えられることです。お庭の雰囲気を決めるには、ある程度高さがあって、見る人の視線を集めるフォーカルポイントが必要。フォーカルポイントに植栽すればお庭全体の雰囲気がまとまって統一感が生まれます。成長がゆっくりであまり大きくならない樹木なら、狭いスペースでも十分お庭の雰囲気がまとまりますよ。
また玄関アプローチやスモールガーデンでは周囲からの目隠しや生垣として植えるのであれば、成長がゆっくりで枝の広がりがある品種がおすすめです。
お隣の敷地への枝の伸びや落ち葉によるトラブルを防げる
2つ目のメリットは、お隣の敷地へ枝が伸びてしまったり、落ち葉が降り積もって迷惑をかけていたりといった庭木のよくあるトラブルを防げることです。植えた当初はそこまで大きくなくても、気づいたら数年で敷地を飛び出してしまうこともあります。
自分の敷地内で管理できる落ち葉や枝の剪定を続けるためにも、大きくならない品種を選べば安心ですね。コンパクトな樹形を保つシンボルツリーならば、極力トラブルを避けられますよ。
隣接する土地とのスペースも考えよう
お隣や道路に面した土地に植える場合、大きくなる範囲を想定して植えるようにしてください。なぜかというと、枝が大きく広がったり、風で落ち葉が飛ばされたりと隣接する土地へはみ出してしまうから。特に落ち葉は、お隣の家の敷地内に想像以上に溜まってしまいます。敷地内に入って掃除するのも失礼な気がしますし、そのまま放置するのもなんだかよくありませんね。
コンパクトな品種と説明されても、隣接する土地とのスペースを考え、十分に離れたご自宅の敷地内へ植栽しましょう。
落ち葉は常緑樹を植えることで対処することも可能
落ち葉を掃除するのが面倒くさいなと感じたら、落葉樹ではなく大きくならない常緑樹を植えることで対処することも可能です。落葉樹は秋になると風でどんどん落ちていきます。成長すれば枝だけでなく、落ち葉だけでゴミ袋が何袋にもなることも。
風向きによっては隣接する土地にどんどん溜まって、ご近所トラブルに発展する可能性もありますよ。もし道路やお隣に面した場所へ植える場合は、冬も葉の落ちない常緑樹を植えてみましょう。落ち葉からくるトラブルや心配を避けることができるでしょう。
成長が遅く、剪定などの管理や手入れが楽
中木にあたる品種は、家の目印として存在感がありながら圧迫感がありません。さらに、成長速度も遅く大きくなるにも時間がかかるため、間引き剪定や刈り込み剪定などの管理や手入れが楽です。ローメンテナンスであることもメリットのひとつでしょう。
そうは言っても、最低限の剪定は必要ですから庭の方角、環境に合った生育に合わせて大きくならないよう手入れをしてください。
大きくならないおすすめのシンボルツリー:常緑樹
それではおすすめの大きくならないシンボルツリーをご紹介します。シンボルツリーの中でも冬に葉の落ちない常緑樹は、管理や手入れが少なくローメンテナンスで済みます。花や実、樹形を楽しめるハイノキ、ギンバイカ、フェイジョアの3種類はいかがでしょうか。
ハイノキ
関東から西の地域に広く自生するハイノキは、スッキリした樹形が人気の常緑樹です。樹高は4mほどになり、全体的に葉や枝が細く、成長が遅いため管理が楽なのも魅力です。他の常緑樹に比べて価格が高く、生垣や目隠しにも使われています。
ハイノキの枝や葉は細く、剪定しやすいのが特徴です。繊細な形の葉がゆらゆらと揺れる様子がなんとも風情があります。4月5月には枝先にたくさんの真っ白な花を咲かせ、長いおしべがぴょんと飛び出しているのがかわいらしいですよ。あまり大きくならない種類で、幹や枝が細いため、花が木全体を覆っているように見えます。8月9月にはブルーベリーのような濃い紫色の実がなり、鳥がついばみにやってきます。病気や害虫の発生がほとんどない反面、複数植栽すると実を食べにくる鳥害の可能性もありますので、こまめに掃除するといいでしょう。
ギンバイカ
おすすめの大きくならない植木の中でも、ギンバイカは香りがよくて有名です。中東、地中海原産のフトモモ科ギンバイカ属の常緑樹で、主に洋風なお庭へ植栽されることが多いですよ。「祝いの木」と呼ばれて結婚式の花飾りにされる植木です。樹高は2~3m、6~7月の開花時期には銀色にも見える美しい花が見事。別名マートルといい、葉を揉むとユーカリに似た爽やかな香りがします。
枝葉が密集するため生垣に仕立てることもできます。生垣にする場合、約30㎝の間隔で列植してください。希望の樹高になったら幹の先端をカットし、横から枝葉が出るよう促しましょう。1年に1度は樹高を整える剪定して形を整えてください。
外構工事であまり勧められない理由は、根付くまで強風で倒れやすい心配があるからといわれています。ご自分で植え付ける場合は、それらの特徴をよく考えて植える場所を選び、根付いてからも枝が細いため、雪の重みで枝が折れやすく小まめに雪払いしてあげましょう。害虫、病気にも強く、春から初夏の時期にかけて花を楽しめる植物です。
フェイジョア
同じくフトモモ科に分類されるフェイジョアは近年大きくならないシンボルツリーとして見直されている庭木の1つです。病気や害虫にも強く、樹高は2、3mとコンパクトで、赤褐色の美しい樹皮と肉厚な葉が魅力です。光沢のある緑色の表の葉色と白身を帯びた裏の葉色がオリーブと似ています。花も果実も楽しめる果樹としてもよく知られており、5~6月の開花時期に咲く赤と白の華やかな花はエディブルフラワーにもなりますよ。
フェイジョアの実は別名パイナップルグアバとも呼び、10月下旬から12月に収穫できますが、自家不結実性という性質があり、実を収穫し生食、ジャムにして楽しむのであれば違う品種を近くへ植えましょう。完熟したら緑色のまま甘い香りがしますから、ぜひ試してみてください。
生垣の植栽にも使うことも出来ますが、幅広く成長しますから伸びた枝が風にそよぐよう、広めのスペースへ植え付けてください。フェイジョアは全体が均一に成長し自然に樹形が整いますから、無理な剪定をせずオーナメントの様な雰囲気の庭木として楽しんでください。
大きくならないおすすめのシンボルツリー:落葉樹
大きくならないシンボルツリーとして落葉樹もまたおすすめです。冬に落葉しますが、外構や費用の面がクリアできればぜひとも庭木に迎えたいですね。成長がゆっくりでローメンテナンス、紅葉や果実を楽しめるイロハモミジやブルーベリーの2種類をご紹介します。
イロハモミジ
北半球原産のカエデ科のイロハモミジは、秋の紅葉を楽しめる代表的な庭木です。樹高が5m以上になる落葉高木の中でも比較的大きくならないイロハモミジは、大きくなっても5~7m程度。成長速度がゆっくりなので、苗木は大きいものはあまり見かけません。費用も手に取りやすい価格ですから、どんな植物にしようか外構に悩んだ時はぜひ候補に入れてみましょう。
シンボルツリーにするのなら、地面から3本以上の幹が出ている株立ちがおすすめです。風通しの良く、涼し気な見栄えが良いため春から夏にかけては緑の葉を、秋には真っ赤な紅葉を楽しめます。自然樹形が美しいため、剪定は徒長枝や混み合った枝を整理する程度にしてください。鉢植えや限られたスペースの剪定も、休眠期の11月~2月にかけて大枝に小枝を残して剪定しましょう。テッポウムシの被害にあうこともありますから、木の下におがくずが落ちていたらすぐに対処してください。
ブルーベリー
落葉樹のシンボルツリーの中で人気が高いブルーベリーは、花も実、そして紅葉も楽しめる樹木として有名です。ブルーベリーは最大でも2、3m程度の大きくならない樹高なので、管理もしやすくガーデニング初心者にも育てやすいでしょう。
ブルーベリーをシンボルツリーにする場合、実を収穫かするかどうかで苗木の本数が変わります。フェイジョアと同じように1本では実がなりません。ハイブッシュ系とラビット系というように、系統の違う品種を2本並べて植えてください。ブルーベリーの花は4、5月頃にかけて白くてかわいい花を咲かせます。綿棒で人工授粉すると実がなりますから、青紫色の果実をそのままかジャムにして楽しめますね。ブルーベリーの葉は11月頃になると赤く紅葉します。特にハイブッシュ系の品種は葉だけでなく枝まで赤く変化しますから、見ごたえがあるでしょう。
あまり剪定せずとも自然に樹形が整いますから、基本のお手入れをしっかりしていれば健康に育つおすすめのシンボルツリーです。
まとめ
最後まで読んでみていかがでしたでしょうか。大きくならないシンボルツリーなら、玄関先や敷地内のせまいスペースでも十分景観を作ることができます。特に中低木にあたるハイノキやギンバイカ、イロハモミジなら建物やお庭の雰囲気をまとめながら紅葉や新芽の季節を楽しめるでしょう。周囲の環境に合わせて樹木を選ぶことで、あなたもお気に入りの場所が増えると思います。
この記事のポイントは
- 小さいスペースにおすすめは、3mから5m程度の中木にあたる樹木
- 大きくならないシンボルツリーのメリットは、狭いスペースでも植えられる
- 隣接する敷地や道路への落ち葉や枝の伸びによるトラブルが避けられる
- 成長が遅く、剪定などの管理や手入れが楽
- 常緑樹の中でおすすめの樹木は、ハイノキ、ギンバイカ、フェイジョア
- 落葉樹の中でおすすめの樹木は、イロハモミジ、ブルーベリー
- 病害虫の心配もあまりない
- フェイジョアやブルーベリーは、果実の収穫も楽しめる
- ハイノキやギンバイカは存在感がありつつ、大きくならないよう剪定をする
- イロハモミジは株立ちでの植栽がおすすめ
以上のことがわかりました。ぜひお気に入りの樹木を見つけて紅葉や実の収穫など四季折々の変化を楽しんでくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。