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ハーブティーでおなじみのカモミール。昔から薬用のハーブとして利用され、安眠やリラックス効果があります。自宅で育てることができたら、もっとカモミールを手軽に楽しむことができますよね。ただ、育て方がわからなくて悩んでいる方も多いと思います。 そこで今回の記事では、
- カモミールの基本情報、花言葉、風水効果
- カモミールの基本的な育て方
- カモミールの植え替え、株分け、剪定の方法
- よくあるトラブルとその対処法
- カモミールの増やし方
- カモミールの収穫、活用法
- カモミールの代表品種を紹介
カモミールってどんな植物なの?
カモミールを育てる前に、まずはカモミールがどのような植物なのか確認しておきましょう。ここでは、カモミールの基本情報、花言葉、風水効果について紹介していきます。地中海沿岸原産のキク科のハーブ
カモミールは地中海沿岸原産のキク科のハーブです。代表的な品種は、ジャーマンカモミール、ローマンカモミールです。カモミールティーでおなじみなのは、ジャーマンカモミールです。また、八重咲種のダブルフラワーカモミールもあります。カモミールは、寒さに強いですが、暑さに弱い性質を持っています。また品種によって、一年草と多年草に分かれます。北海道で大人気!
カモミールは、北海道で大人気の植物です。カモミールは、耐寒性が強いですが、耐暑性は弱いです。北海道の気候がカモミールを栽培するのに適していることも、人気がある理由の一つなのではないでしょうか。白い小花とさわやかな甘い香りが特徴
カモミールは、マーガレットのような白い小花と、りんごのような甘い香りが特徴です。その香りにはリラックス効果があります。そのため、ハーブティー以外にもアロマの製油、ポプリなどにも活用されています。ミントやラベンダーと並ぶ三大ハーブのひとつ
カモミールは、ミントやラベンダーと並ぶ三大ハーブの一つです。カモミールの歴史は古く、約4000年前から既に薬草として利用されていました。また、クレオパトラも利用していたとの記録が残っています。 特に鎮痛薬、婦人病の薬として活用されていました。ミントは、爽やかな香りが特徴で、ミントティーとしてよく飲まれています。ラベンダーは、「ハーブの女王」と呼ばれており、様々な効能があり人気の高いハーブです。ラベンダーの香りにも、カモミール同様にリラックス効果があります。カモミールの花言葉
カモミールが持つ花言葉を4つ紹介していきます。カモミールが好きな家族や友人に、カモミールを贈りたいと思われている方も多いと思います。花を贈るときに、意識するのが花言葉です。カモミールがどんな花言葉をもっているのか、確認しておきましょう。逆境に耐える
一つ目の花言葉は「逆境に耐える」です。カモミールは可憐な見た目とは違い、寒さに強い性質を持っています。また、ローマンカモミールは横に広がるタイプのカモミールで、踏みつけに強く丈夫です。その姿から「逆境に耐える」という花言葉がつけられたようです。親交
二つ目の花言葉は「親交」です。また「仲直り」という花言葉もあります。大切な人とケンカしてしまった時に、なかなか謝罪の言葉を口にするのは勇気がいることです。そんなときに、カモミールがあなたの勇気の手助けをしてくれるかもしれません。清楚
三つ目の花言葉は「清楚」です。カモミールの白い花びらから由来しています。「清楚」とは、飾り気がなく清らかなこと。決して派手ではないけれど、今いる場所で可憐に咲くカモミールにぴったりな花言葉です。あなたを癒す
四つ目の花言葉は「あなたを癒す」です。これは、カモミールの効能から由来しています。カモミールは、古くから薬草として利用されてきました。安眠、リラックス効果、鎮痛効果があるといわれているハーブです。
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カモミールの風水効果
カモミールがポジティブな花言葉をたくさん持っていることがわかりましたが、風水上はどんな効果があるのでしょうか。風水効果を知って、家に植えるときの参考にしてください。西の方角において金運アップ
カモミールは、西の方角に置くと金運アップの効果があります。もし、西側の花壇に植えることが難しい場合は、摘んだ花を室内の西の方角に飾るのもよいでしょう。花の白さにより浄化運アップ
カモミールの花の白には、浄化の作用があります。玄関の西側に置くことで、金運と浄化運と両方の運気アップが期待できます。健康・家族運がアップ
カモミールは、健康・家族運のアップにも効果があります。心をまろやかにするといわれていて、東の方向に置くと家族関係を円滑にできます。カモミールの育て方のポイント①:置き場所
ここからは、カモミールの基本的な育て方について説明していきます。まずは、置き場所です。カモミールは、どのような環境を好むのでしょうか。最適な置き場所を知って、自宅で育てるイメージを作っていきましょう。日当たりと風通しのよい場所を好む
カモミールは、地中海沿岸原産のため日当たりと風通しのよい場所を好みます。日陰で育てると、徒長したり株が貧弱になります。また、蒸れに弱いので風通しのよい場所で育てます。鉢植えの場合
カモミールを育てたいけど、外に植えるスペースがないという方もおられると思います。カモミールは、鉢植えでも育てることができます。鉢植えで育てる場合の置き場所を確認していきます。ベランダなどに置くのがおすすめ
カモミールは、先ほど説明しましたが日当たりと風通しのよい環境を好みます。鉢植えで育てる場合は、日当たりと風通しのよいベランダなどに置くのがおすすめです。ベランダに置く際は、葉が傷む原因になるので室外機の風が直接当たらない場所に置きます。夏は半日陰の涼しい場所に移動させる
カモミールは、寒さには強いですが夏の暑さには弱いです。夏は午前中だけ日が当たる半日陰の涼しい場所に移動させます。冬は寒風や霜の避けられる軒下に置く
ジャーマンカモミールの種まきを秋に行った場合、苗が小さいうちに冬を迎えることになります。その場合は、寒風や霜の避けられる軒下に置きます。そうすることで、葉を傷めずに冬を越すことができます。ローマンカモミールは耐寒性は強いですが、苗が小さい場合は同様に軒下に置いて管理します。地植えの場合
外の花壇などに植える場合は、どこに植え付けるのがベストなのでしょうか。植え付ける場所のポイントと注意点を確認していきます。夏の直射日光が当たらない場所に植える
鉢植えの場合と同様、夏の暑さを避けるため、直射日光の当たらない場所に植えます。難しい場合は、周りに他の植物を置いて影を作ったり、寒冷紗などを利用するとよいでしょう。苗と苗の間隔は20㎝~30㎝ほどあける
植え付けるときは、苗と苗の間隔を20cm~30cmほどあけるようにします。成長して株が大きくなると葉っぱ同士が重なってきます。風通しが悪くなると、蒸れや病害虫の発生の原因になります。植え付ける段階であらかじめ間隔をあけて植え付けるようにしましょう。カモミールの育て方のポイント②:水やり
次にカモミールの水やりについて説明していきます。水やりは、簡単なようで難しいです。植物を枯らす原因にも挙げられます。カモミールの水やりのポイントをしっかりおさえておきましょう。蒸れに弱いため乾燥気味に管理するとよい
カモミールは、蒸れに弱いので乾燥気味に管理します。水やりのしすぎは、根腐れの原因になります。鉢植えで育てている場合、鉢受皿に水が溜まっていると、絶えず根が水分を吸収して過湿の状態になります。鉢受皿の水はその都度捨てるようにします。土の表面が乾いて数日たったらたっぷり水をやる
水やりをするときは、土の表面が乾いて数日経ってからたっぷりと与えます。夏に水やりをする場合、気温が高くなる午後に水を与えると、鉢の温度が急激にあがり根を傷める原因になります。朝か夕方の涼しい時間帯に水やりをするのがベストです。地植えの場合は植え付け時以外の水やりは不要
地植えの場合は、植え付け時以外の水やりは不要です。ただ、夏場に雨が降らない日が続いて乾燥しすぎているときは水やりをします。また、水が溜まる環境だと根腐れを起こすので、植え付けるときは周りよりも植える高さを高くして水が抜けるようにします。カモミールの育て方のポイント③:土
次はカモミールを育てるときの土について説明していきます。カモミールを育てるときにどのような土が適しているのでしょうか。地植えの場合、鉢植えの場合とそれぞれチェックしていきます。水はけのよい土を好む
カモミールは、蒸れに弱いので水はけのよい土に植えます。市販のハーブ用の土か、自分でブレンドした土を使用します。自分で作る場合は、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:パーライト(小粒)1程度の割合でブレンドするのがおすすめです。ホームセンターや園芸店で購入して準備しましょう。地植えの場合
地植えをする場合も水はけがよくなるようにします。特に庭の土は、雨の影響で酸性に傾きがちです。酸性が強い土は、植物の生育に悪い影響を与えます。植えつける前から酸度の調整を行うなどして土をつくることから始めます。苗を植える1~2週間前から土づくりをする
カモミールを地植えする場合は、苗を植える1~2週間前から土づくりを行います。カモミールは酸性に傾いた土が苦手なので、土の酸度を調整する必要があります。また、水はけのよい土をつくることも大切です。30㎝ほど庭土を掘り起こす
では、実際に土づくりをはじめていきます。まずは、2週間前にカモミールを植える庭の土を直径と深さ30cmほど掘り起こします。掘り起こした土の3割ほどの腐葉土と少量の化成肥料を混ぜる
掘り起こした土の3割ほどの腐葉土と少量の化成肥料を混ぜます。腐葉土は、主に広葉樹などの落ち葉を発酵させた有機質の改良用土です。腐葉土を混ぜることで、土がふっくらし、通気性、排水性などが高まります。また、少量の化成肥料を元肥として混ぜて、しっかりと耕します。植え場所1㎡あたり苦土石灰を50〜100g混ぜて酸性度を弱める
植え場所1㎡あたり苦土石灰を50~100g混ぜて酸性度を弱めます。強い酸性の土は、植物の生育に悪い影響を与えます。苦土石灰を混ぜることで、酸性化した土を中和させることができます。土を2週間寝かせて植穴を掘り、苗を植える
土を2週間寝かせた後、苗を植えます。植えるときには、土の高さに気を付けます。周りの土よりも低くなっていると、水が溜まりやすくなり過湿の状態になります。周りの土の高さよりも高くなるように植え付けます。鉢植えの場合
鉢植えで育てる際の用土について説明していきます。市販の土を購入する場合と自作するときの用土の種類、配合の割合について確認していきます。市販のハーブ専用培養土で育てられる
鉢植えの場合は、市販のハーブ専用培養土で育てられます。園芸店やホームセンターで購入することができます。園芸初心者の方には、専用の土がおすすめです。自作する場合は赤玉土小粒6:腐葉土3:パーライト小粒1程度の割合で
自分で作る場合は、赤玉土の小粒6:腐葉土3:パーライトの小粒1程度の割合でブレンドします。それぞれの用土の特徴は下記のとおりです。- 赤玉土 植物を栽培するときに使われる基本の用土。大粒、中粒、小粒と異なる粒の大き さで販売されている。通気性、排水性などに優れている。
- 腐葉土 主に広葉樹などの落ち葉を発酵させた有機質の改良用土。基本用土に混ぜると、土がふっくらし、通気性、排水性などが高まる。
- パーライト 黒曜石や真珠岩を細かく砕いて高温高圧で処理した無機質の改良用土。軽くて通気性、排水性が高い。
カモミールの育て方のポイント④:肥料
次にカモミールの肥料について確認していきます。鉢植えや地植えで植物を栽培する場合、栄養を補うために肥料は欠かせません。カモミールには、どのような肥料をどのくらの頻度で与えればよいのでしょうか。肥料のポイントを押さえていきましょう。カモミールは肥料を与えすぎないのがよい
カモミールは肥料が控えめでも育ちます。肥料をを与えすぎると、「肥料やけ」を起こす原因になります。肥料焼けとは、土の中の肥料の濃度が濃すぎて、根がうまく栄養や水分を吸収できなくなる状態のことをいいます。場合によっては枯れてしまうことがあります。花付きをよくしたければ3月にリン酸が多い液肥を追肥する
花付きをよくしたければ、3月にリン酸が多い液肥を追肥します。植物を育てるために欠かすことのできない肥料の三大要素は、「窒素」「リン酸」「カリ」です。中でもリン酸は花肥えと呼ばれ、花や実をつけるのに必要な養分です。商品のパッケージを見て、リン酸が多い液肥を追肥として与えます。地植えの場合
先ほど、カモミールは肥料を与えすぎない方がよいと説明しました。地植えの場合、肥料はどれくらいの頻度で与えればよいのでしょうか。肥えた土であれば肥料を与えなくてもよい
地植えの場合、もともと肥えた土であれば肥料を与えなくても大丈夫です。カモミールは肥料が控えめでも育ち、多肥を嫌います。肥料が多いと肥料焼けの原因になります。植え付けの一か月前に有機質肥料をすきこむ
カモミールの植え付けの1か月前に有機質肥料をすきこみます。有機質の肥料は、油かすや鶏ふんなどの原料を混ぜて作られる肥料です。ゆっくりと効いてくるので、植え付けの1か月前にすきこんでおくと、植え付け時にちょうど肥料を吸収できます。また、環境への負担を減らせる肥料です。鉢植えの場合
庭植えの場合は、元々の土が肥えていれば肥料は与えなくても大丈夫でした。鉢植えの場合は、一から土を準備しますが、肥料はどのように与えればよいのでしょうか。植え付けの際元肥を施す
鉢植えにカモミールを植え付ける場合は、植え付けの際に元肥を施します。元肥とは、花を植え付けたり、植え替えたりするときに、あらかじめ土に混ぜる肥料のことです。ゆっくりと長期間効果が持続するように、緩効性の化成肥料を混ぜます。花がたくさん咲き出したら少なめに追肥をする
花がたくさん咲き出したら少なめに追肥をします。土の中の肥料は、植物が成長する際に吸収され、徐々に減っていきます。それを補うために与えるのが追肥です。花を咲かせるために3月に追肥を行いましたが、カモミールは多肥を嫌うので、花がたくさん咲き出したら少なめの追肥を与えるくらいで十分です。窒素過多はアブラムシが発生する原因になるので注意
窒素分の多い肥料を与えすぎると、アブラムシが発生する原因になるので注意が必要です。窒素は、葉肥えとも呼ばれ、葉の生育に欠かせない養分です。窒素分が多い肥料を与えすぎると、葉っぱで作られるアミノ酸が多くなります。アブラムシは、アミノ酸が好物なので、アブラムシが寄ってきてしまう原因になります。【成長したらすること】カモミールの植え替え
鉢植えでカモミールを育てている場合、成長したら行う作業に植え替えがあります。成長してくると、根詰まりを起こすことがあります。根詰まりとは、根が鉢の中に広がって根が伸びるスペースがなくなる状態です。水はけが悪くなると根腐れの原因になります。定期的に植え替えを行うことで、カモミールを元気に育てていくことができます。植え替えのタイミング:多年草のカモミールは1年に1回程度
ローマンカモミールなど、多年草のカモミールは1年に1回程度植え替えを行います。- 鉢底から根が見えてきた
- 水やりの水が表面に溜まって染み込みにくくなった
- 葉っぱが黄色くなってきた
花後に枯れる一年草のジャーマン種は植え替えの必要はない
花後に枯れる一年草のジャーマン種は植え替えの必要はありません。自然と落ちた種から増えていきます。増やしたい場合は、花が咲いた後も収穫せずに、種ができるまでそのまま残しておきます。一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けを行う
植え替える際は、一回り大きな鉢に植えるか、株分けを行います。株分けとは、成長した多年草の植物をいくつかの株に分ける作業のことをいいます。葉が混みあって風通しが悪くなっていたり、根詰まりしている場合は、株分けをすることで生育をよくすることができます。植え替えのしかた
では、植え替えの仕方について説明していきます。植え替えは、カモミールを長く楽しむために必要な作業です。植え替えに適した時期、植え替えの手順についてしっかり確認していきましょう。真夏と真冬を避けた春か秋の暖かい日に行う
植え替えをするときは、真夏と真冬を避けた春か秋の暖かい日に行います。真夏に根をいじると、根にダメージを与えます。生育期に植え替えを行うことで、しっかりと根が付きます。鉢底ネットを入れ、用意した土を鉢の4分の1ほど入れる
鉢底ネットを敷き、その上に鉢底石を入れます。鉢底石を入れることで、空気の通り道をつくり、水はけをよくします。その次に、用意した水はけのよい土を鉢の4分1ほど入れます。カモミールの根についた土を少し崩し、傷んだ根をカットする
カモミールの根についた土を少し崩し、傷んだ根をカットします。元気な根は白く、根腐れを起こしている根は黒ずんでいます。白い元気な根を傷めないように気を付けながら、傷んだ根をカットします。カモミールを鉢に入れ、土を加えたら隙間にも土が入るよう棒でつつく
カモミールを鉢に入れ、土を加えたら隙間にも土が入るように棒でつつきます。この時に、つつき過ぎて根を傷めないように気を付けます。鉢の上部2㎝ほどまで土を入れ、水やりを行う
鉢の上部2cmほどまで土を入れ、水やりを行います。この上部のすきまをウォータースペースといいます。ウォータースペースを確保することで水が留まって、しっかりと根に水分が行き届きます。株分け
株分けとは、成長した多年草の植物をいくつかの株に分ける作業のことをいいます。葉が混みあって風通しが悪くなっていたり、根詰まりしている場合は、株分けをすることで生育をよくすることができます。ここでは、株分けの適期と手順について説明していきます。植え替えと同時に行うのがおすすめ
株分けは、植え替えと同時に行うのがおすすめです。株分けをすることで、株の元気を取り戻すことができ、カモミールをさらに増やすこともできます。株分けした株は、新しい用土に植え付けます。根がついている状態で植え付けるので、根付きやすいです。カモミールの株についた土を半分ほど落とす
カモミールを鉢から抜き、カモミールの株についた土を半分ほど落とします。古い土をなるべく落とし、新しい用土に植え付けます。手かハサミを使って株を根っこから2~3に分ける
手かハサミを使って根っこから株を2~3に分けます。根っこをほぐしながら丁寧に作業を行います。ハサミを使う場合は、消毒した清潔なハサミを使います。植え替えと同様に植える
株分けしたカモミールは、植え替えと同様の手順で植え付けます。先ほどの植え替えの手順を参照してください。【成長したらすること】カモミールの剪定
カモミールが成長したらする作業に剪定の作業があります。葉っぱが混みあって風通しが悪くなると病害虫の発生の原因になります。適宜剪定を行う必要があります。花の収穫を終え、夏前に刈り込む
カモミールは蒸れに弱いので、刈り込みを行います。ローマンカモミールは、花の収穫を終えたら、夏が来る前に草丈10センチほどに刈り込みます。このとき、必ず下葉を残すように刈り込みます。株の間隔をつめすぎると蒸れて病害虫のリスクが高まる
株の間隔を詰めすぎると蒸れて病害虫の発生のリスクが高まります。株同士が混みあわないように、植え付ける段階で、あらかじめ20cm~30cmの間隔をあけて植え付けるようにします。適度に切り戻しを行い、葉が重なっていたら茎や葉を切り取る
適度に切り戻しを行い、葉が重なっていたら茎や葉を切り取ります。切り戻しとは、伸びすぎた茎や葉を短く切る作業のことです。切り戻しは特に夏を乗り切るのに大切な作業です。重なっている葉や茎を切り取ることで風通しがよくなり、病害虫の発生のリスクをおさえることができます。カモミールによくあるトラブルと対処方法
カモミールによくあるトラブルとその対処法について説明していきます。主なトラブルに挙げられるのが、病気と害虫です。発生する原因と対処法をあらかじめ理解し、起きた時に慌てないようにしましょう。病気
カモミールに発生する代表的な病気はうどんこ病です。うどんこ病にかかると、生育不良になり、枯れることもあります。特徴と対処法を説明していきます。うどんこ病
葉っぱがまるでうどんの粉をまぶしたように白くなります。新芽や若い葉につきやすいです。葉っぱの表面が白く覆われることで、葉っぱが光合成できなくなります。生育不要になり、枯れることもあります。発生を事前に予防し、かかったときに早期に対処することが必要です。対処法:初期に専用の薬剤で処置する
うどんこ病の発生を確認したら、初期に専用の薬剤で処置します。使う際は、説明書をしっかり読みます。カモミールに使って効果が出る薬剤なのか、効果が出やすい時期などを確認して使用します。また、発生を予防するために風通しをよくすることも大切です。適宜剪定を行います。害虫
次にカモミールによくつく害虫について説明していきます。代表的な害虫は- アブラムシ
- ハダニ
アブラムシ
カモミールは、アブラムシがつきやすいです。特に風通しが悪い環境に置いたり、窒素分の多い肥料を与えすぎると発生するリスクが高まります。発生すると、植物の汁を吸います。対処法:殺虫剤を散布する
アブラムシを見つけたら市販の殺虫剤を散布します。使う際は、説明書をしっかり読みます。カモミールに使って効果が出る薬剤なのか、効果が出やすい時期などを確認して使用します。また、発生を予防するために窒素分の多い肥料を控え、風通しをよくすることも大切です。葉が混みあってきたら、適宜剪定を行います。手づくりの牛乳スプレーも効果的
殺虫剤などの科学的な薬剤を使うのに抵抗がある方は、牛乳スプレーなどの殺虫スプレーを手作りしてみてはいかがでしょう。牛乳は乾燥すると収縮するので、中にいるアブラムシを窒息死させることができて効果的です。自分の体にかかっても害がないので、安心して使うことがきます。ただ、そのままにしておくと悪臭になるので、乾燥したら水で洗い流します。ハダニ
ハダニは、特に梅雨明けから繁殖が旺盛になります。葉っぱの裏について、汁を吸います。対処法:シャワーなどの水流で駆除するか、専用殺虫剤を散布する
ハダニは水を嫌うので、シャワーなどの水流で駆除するか、専用の殺虫剤を散布します。使う際は、説明書をしっかり読みます。カモミールに使って効果が出る薬剤なのか、効果が出やすい時期などを確認して使用します。予防法:定期的に霧吹きで葉水をする
ハダニは水を嫌うので予防法として、定期的に霧吹きで葉水を行います。また、気温が高く風通しが悪いと発生しやすいので、適宜剪定を行い風通しをよくします。カモミールの増やし方
カモミールを育てていて、もっと増やしたいと思ったときにどのような増やし方があるのでしょうか。カモミールはタネを採って増やすことができます。種まきの方法を中心に説明していきます。地植えの場合は自然に種が落ちる「こぼれ種」で増やすことも
花後に枯れる一年草のジャーマンカモミールは、自然に種が落ちる「こぼれ種」で増やすことができます。増やしたい場合は、花が咲いた後も収穫せずに、種ができるまでそのまま残しておきます。カモミールは種からも簡単に育てられる
カモミールは、種からでも簡単に育てることができます。地植えの場合は、「こぼれ種」で増えますが、鉢植えで育てている場合は、花後にタネを収穫してまきます。発芽率は高いので、挑戦してみてはいかがでしょう。土を使わない水耕栽培で発芽させられることも
カモミールは、土を使わない水耕栽培で発芽させられることもあります。水を含ませた脱脂綿を容器に入れ、その上にカモミールの種を蒔きます。カモミールの種は、好光性種子で発芽するときに光を必要とします。上に何もかぶせなくても発芽します。水を切らさないように注意しながら管理します。水耕栽培は土を使わないので手軽にできます。種まきのしかた
次に種まきのしかたについて説明していきます。種まきの適期と手順を確認して、しっかり発芽するようにポイントを押さえていきましょう。直まきでもよいが、育苗ポットから育てて植え替えた方が丈夫に育ちやすい
カモミールの種をまくときは、直接プランターや花壇にまくこともできます。ただ、育苗ポットから育てて植え替えた方が病害虫の被害にあいにくく、丈夫に育ちやすいのでおすすめです。3月~4月、9月~10月に種まきを行う
カモミールは気温が15℃~20℃のときに種をまくと、発芽しやすいです。よって、種まきの適期は、3月~4月、9月~10月です。ただ、まくなら秋まきがおすすめです。秋にまくことで開花するまでの期間が長いので株を大きく育てることができます。種まき用の土の上に重ならないよう種をまき、土を数ミリかぶせる
種まき用の土の上に重ならいように種をまき、土を数ミリかぶせます。カモミールの種は好光性の種なので、土をかぶせすぎないように注意します。土を指で軽く押して固め、霧吹きなどでやさしく水をかける
土を指で軽く押し固め、霧吹きなどでやさしく水をかけます。水やりをしたときに種が流れないように慎重に水やりをします。一回り大きい容器に入れて、底面給水させるか霧吹きで水をかけます。日の当たる場所で乾燥しないよう管理し、葉がふれあったら成長の遅い芽を取り除く
土が乾燥しないように注意し、日当たりのよい場所で管理します。葉と葉が触れ合うようになったら、成長の遅い芽を取り除きます。本葉が5,6枚になったらプランターや地面に植え替える
本葉が5、6枚になったらプランターや地面に植え替えます。植え付けるときは、株の間を15cmから20cmはあけるようにします。カモミールの植え付けの仕方
カモミールの植え付けるときの苗選びのコツから、植え付けの仕方まで説明していきます。苗選びは、カモミールを育てるために重要なポイントです。どのような所を見て選べばいいのかポイントを確認していきます。苗選びのコツ
まずは、カモミールの苗選びのコツを紹介します。せっかく購入しても、苗が弱っていたり、病気にかかっていたらうまく育てることができません。見るべきポイントを押さえていきましょう。葉がきれいな緑で茎がしっかりしているものを
葉がきれいな緑で茎がしっかりしているものを選びます。黄色に変色した葉がある場合は、病気の可能性があります。葉の色つやがよいものが良い苗です。未開花のものを選ぶとたくさんの花を楽しめる
花がたくさん咲いていても蕾の少ない苗は、買って帰ってから花を楽しめる期間が短くなります。購入するときには。蕾のたくさんついている苗を選びましょう。葉が変色していたり根がぐらついているものは避ける
葉が変色していたり、根がぐらついている株は避けます。葉が黄色く変色している苗は病気の可能性があります。また、根がぐらついている苗は、根がしっかりと張っていない貧弱な苗の可能性があります。葉が緑色で、根がしっかりしている苗を選びます。植え付けの時期:春か秋の暖かい日中
植え付けの時期は、春か秋の暖かい日中がベストです。真夏に根をいじると、根にダメージを与えます。生育期に植え替えを行うことで、しっかりと根付きます。大株に育てるなら秋の植え付けがおすすめ
大株に育てるなら、秋の植え付けがおすすめです。ただ、苗が小さいうちに冬を迎えることになるので、冬の時期は寒風や霜の避けられる軒下に置きます。そうすることで、葉を傷めずに冬を越すことができます。鉢植えの植え付け方法
鉢植えで植え付けるときに必要な道具は、- カモミールの苗
- 鉢
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 用土
鉢穴をふさぐように鉢底ネットを入れ、鉢底石を敷き詰める
鉢穴をふさぐように鉢底ネットを入れ、鉢底石を敷き詰めます。鉢底石を使うことで、空気の通り道を作り、水はけをよくします。鉢底石をみかんのネットなどに入れておくことで、後で植え替えをするときに土と分ける作業の手間が省けます。鉢に用意した土を鉢の半分ほど入れる
鉢に用意した土を鉢の半分ほど入れます。土は、水はけのよい土を使います。市販のハーブ専用の土か、自分でブレンドした土を使います。ビニールポットから抜いた苗は根鉢を崩さずに、植え付け用の鉢に置く
ビニールポットから抜いた苗は、根鉢を崩さずに、植え付け用の鉢に置きます。ポットから抜いて根の状態を見ます。新しく購入した苗で、根がぐるぐるまわっていなければそのまま植え付けます。鉢に土を加え、土を軽く手で押さえながら、鉢の上部2㎝のところまで土を入れる
鉢に土を加え、土を軽く押さえながら、鉢の上部2cmのところまで土を入れます。この上部のすきまをウォータースペースといいます。ウォータースペースを確保することで水が留まって、しっかりと根に水分が行き届きます。株元に土を集め、軽く手で押さえて固める
株元に土を集め、軽く手で押さえて固めます。水やりをしたときに、必要以上に水がたまりすぎないように、軽く手で押さえて表面を平らにします。やさしく水やりを行う
苗がまだ小さいので、やさしく水やりを行います。苗がしっかり根付くように、鉢底の穴から水が抜けるくらいたっぷりと与えます。地植えの植え付け方法
地植えで植え付ける方法を説明していきます。しっかりと根付くようにしっかりとポイントを押さえていきましょう。根鉢を崩さないように苗を取り出す
根鉢を崩さないように苗を取り出します。ポットから抜いて根の状態を見ます。新しく購入した苗で、根がぐるぐるまわっていなければそのまま植え付けます。用意した土に苗を置き、周囲の土の高さよりも高くなるように植え付ける
用意した水はけのよい土に苗を置き、周囲の土の高さよりもたかくなるように植え付けます。カモミールの苗は、水をやりすぎると根腐れを起こします。周囲の土の高さよりも低いと、水が溜まって過湿の状態になります。植え付けるときは、周囲の土の高さよりも高くなるように植え付けます。複数植える場合は株の間隔をあける
複数植える場合は、株の間隔をあけて植え付けます。カモミールは蒸れに弱く、葉が混みあって風通しが悪くなると病害虫が発生しやすくなります。植え付けるときは、あらかじめ20cm~30cm株の間隔をあけるようにします。以降は鉢植えと同様に植える
ここまで、準備ができたら鉢植えの植え付けの手順で植え付けを行います。日当たりのよい場所で管理しますが、真夏は午前中だけ日があたる半日陰になる場所に置くようにします。カモミールの収穫について
カモミールには様々な効能があるので、是非生活に取り入れてみましょう。ここからは、カモミールの収穫の時期、保存方法、活用法について説明していきます。収穫のタイミング
ここでは、ハーブティーに使われることの多い、ジャーマンカモミールの収穫のタイミングについて説明していきます。ベストなタイミングで収穫して、ハーブティーなどで楽しんでみましょう。3月~5月の花後2~3日
収穫の適期は3月~5月です。開花後2~3日経って、花の中央の黄色い部分が盛り上がってきた頃が収穫のタイミングです。晴れた日の午前中に作業を行うと、カモミールの香りが飛びにくいです。黄色い部分が盛り上がり、花びらが反り返る前
黄色い部分が盛り上がり、花びらが反り返る前が収穫のタイミングです。黄色の部分を収穫します。収穫・保存のしかた
せっかく収穫したカモミールも、保存方法が悪いと利用することができなくなります。ここでは、カモミールのどの部分を収穫するのか、どのようにして保存するのか説明していきます。花の黄色の部分を摘み取る
花びらが反り返って中央の黄色の部分が盛り上がってきたら収穫します。収穫するときは、花の黄色の部分を摘み取ります。花びらが落ちるまで待つと、香りが弱くなるのでそれまでには収穫しましょう。水洗いをし、風通しのよい日陰で1週間ほど乾燥させる
摘み取った花は、水洗いをして軽く水をふき取ります。ザルなどに並べ、風通しがよく直射日光の当たらない日陰で1週間ほど乾燥させます。シリカゲルなどの食品用乾燥剤を入れた密閉できる容器で保存
乾燥させた花は、シリカゲルなどの食器用乾燥剤をいれた密封容器で保存します。空気に触れると酸化したり、湿気でカビが生えやすいのでしっかり密封します。冷蔵庫や紫外線の当たらない冷暗所など、涼しい場所で保管するようにしましょう。収穫したカモミールの活用法
収穫したカモミールは、ハーブティーで楽しむのがよく知られていますがその他にも活用法はあるのでしょうか。手軽に楽しめる活用法を紹介します。ポプリとして室内で香りを楽しむ
ポプリとして室内で香りを楽しむのもおすすめです。りんごのような優しい香りには安眠、リラックスの効果があります。寝室に置いたら、ぐっすり眠れて疲れがとれそうですね。そのままでも乾燥させてもハーブティーとして楽しめる
カモミールをハーブティーとして楽しむ場合、生花でも乾燥させた花でも飲むことができます。生花の方が、乾燥させたものよりもスッキリとしていて香りが濃く感じられます。ただし、「子宮収縮作用」があるので、妊娠中のかたは避けてください。乾燥させた葉はアブラムシよけにもなる
乾燥させた葉はアブラムシよけにもなります。ジャーマンカモミールは、花にしか香りがないので、この場合は葉にも香りがあるローマンカモミールを使うとよいでしょう。カモミールの種類
カモミールは、ジャーマンカモミールとローマンカモミールが代表的な品種ですが、その他にも種類があるのでしょうか。ここでは、ジャーマンカモミール、ローマンカモミールをはじめ他の品種についての特徴を紹介していきます。ジャーマンカモミール:カモミールティーによく使われる
日本でカモミールといえば、ジャーマンカモミールのことを呼ぶことが多いです。花だけに香りがあり、カモミールティーによく使われます。一年草のハーブで、草丈は50cm~60cmほどになります。こぼれ種で増えていきます。ローマンカモミール:葉や茎にも香りがあり、踏みつけに強い
ローマンカモミールは、多年草のハーブです。草丈はジャーマンカモミールに比べて低く、横に広がる性質性があります。踏みつけに強いのでグランドカバーとしておすすめです。ローマンカモミールには、花だけでなく葉や茎にも香りがあります。ノンフラワーカモミール:花が咲きにくく、グランドカバー向きの品種
ローマンカモミールを改良した園芸品種です。名前のとおり、花が咲きにくいという特徴をもっています。ローマンカモミールのように草丈が低く、横に這うように成長するため、グランドカバーに向いています。ダブルフラワーカモミール:花が八重咲きになり、より甘い香り
ダブルフラワーカモミールは、ローマンカモミールの八重咲の品種で、より甘い香りを放ちます。一重のローマンカモミールに比べて花びらが落ちにくいです。また、ローマンカモミールよりもさらに草丈が低いので、よりグランドカバーに向いています。ダイヤーズカモミール:黄色い花が咲くコタ属の常緑多年草
ダイヤーズカモミールは、コタ属の常緑多年草です。花からは黄色の染料が採れるので、草木染に利用されます。花や香りにはほとんど香りがないので、ハーブティーなどの食用には向いていない品種です。カモミールの育て方を紹介!種からの鉢植えから日々のケア方法までのまとめ
いかがでしたでしょうか。今回、この記事では- カモミールは、日当たりと風通しのよい場所を好む
- 水はけのよい土に植える
- 肥料は与えすぎない
- 成長したら、植え替え、株分け、剪定を行う
- 病害虫は予防と早期の処置が大切
- 種まきで簡単に増やせる
- 花を収穫したら、ハーブティーなどに活用しよう