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"甘い香りが人気のクチナシ。花壇やお庭の花以外にも鉢植えとしても活躍する花木です。クチナシを育てたくても、育て方がわからないと不安だと思います。そんな素敵なクチナシの育て方について気になりませんか。 そこでこちらの記事では
- クチナシはどんな植物なのか
- クチナシの育て方における置き場所・水やり・土
- クチナシに多い病害虫と対処法
- クチナシの増やし方
クチナシとはどんな植物?
香りがよい花として知られるクチナシは、どんな花なのかご存じでしょうか。クチナシについて解説します。東アジア原産のアカネ科の常緑低木
クチナシは東アジア原産のアカネ科の常緑低木です。日本の本州、四国、九州、沖縄に自生します。草丈は1~2mほどで、低木の垣根に使用されることが多いです。6月〜7月に白い花を咲かせる
クチナシは、6月~7月に白い花を咲かせます。梅雨の時期に大型で純白の6弁花を咲かせることが特徴です。ただし、庭木としてよく栽培されているクチナシは、さらに大型の花であり八重咲きのオオヤエクチナシであることが多いです。そのほかにも、樹高30~40㎝の低木で地表を這うように枝が横に広がるコクチナシや葉が丸いマルバクチナシなどの種類があります。開花時期には甘い香りを楽しむことができる
クチナシは6月~7月の開花時期には甘い香りを楽しむことができる植物です。甘い香りは、香水やシャンプーなどさまざまな商品の香り付けに利用されています。秋になると実をつける
クチナシは秋になると実を付ける植物です。秋には橙~赤色の果実を付けます。この果実は黄色の染料としても利用され、また漢方では山梔子(さんしし)として用いられています。果実は、熟しても裂開しない特徴があるため、「クチナシ」の和名が付けられたそうです。庭木として利用されることの多いオオヤエクチナシは実を付けないので注意しましょう。盆栽にして楽しむことができる観葉植物
クチナシは盆栽にして楽しむことができる観葉植物でもあります。庭木や鉢花としてだけでなく、和風の盆栽仕立ても非常に似合います。盆栽としての栽培も人気もあり、小さな姿で香りのよい花を咲かせる姿はおすすめです。クチナシの育て方①:置き場所
クチナシの育て方における置き場所について紹介します。日当たりと風通しの良い日陰で管理
クチナシは日当たりと風通しの良い日陰で管理してください。日陰でも育ちますが、花付きをよくするためには、に当たりがよい場所がおすすめです。風通しが悪い場合は、病害虫の発生につながるので、風が通る橋に置くことも重要です。真夏の直射日光は避ける
クチナシは真夏の食者日光は避けてください。強すぎる直射日光は葉焼けの原因になります。また、クチナシは乾燥する場所を嫌うので、強い西日にも気を付けて育てましょう。クチナシの育て方②:水やり
クチナシの育て方における水やりについて解説します。クチナシは乾燥に弱い
クチナシは、前出した通り乾燥に弱い植物です。そのため、庭植え・鉢植えともに水切れさせないようにすることがポイント。水切れしないようにこまめに水やりをする
庭植えは植えつけ時や夏の雨が降らない時期は、土が乾燥しないようにしっかり水やりしてください。鉢植えはどの季節でも、水切れしないようにこまめに水やりすることが重要です。乾燥しやすい夏は特に注意
乾燥しやすい夏は特に注意してください。鉢植えの場合は、朝晩2回水やりをするようにします。地植えであっても、1日1回は水やりした方がよいでしょう。土が乾燥すると、クチナシは枯れる可能性が高いので気を付けてください。クチナシの育て方③:土作り
クチナシの育て方における土作りについて解説します。通気性と水もちの良い土が適している
クチナシの土作りは通気性と水持ちのよい土壌が適しています。通気性がない粘土質の土壌では、根が窒息して成長がよくありません。水はけがよすぎると乾燥しやすいので、注意が必要です。赤玉土と腐葉土を配合した土がおすすめ
通気性と水持ちがよい土を作るためには、赤玉土と腐葉土を配合した土がおすすめです。赤玉土:腐葉土=6:4の基本培土がよいでしょう。オリジナルで作るのが大変な場合は、市販の庭木の土や基本培土を購入して育てるとよく育ちます。地植えの場合は腐葉土を混ぜる
地植えの場合は腐葉土をしっかりと混ぜ込んでください。土が砂っぽいや粘土っぽいなど、様々な状況があると思います。砂っぽい場合は、赤玉土と腐葉土を6:4に混ぜ合わした土をしっかりと混ぜ合わせてあげることが重要です。粘土ぽっい土には、腐葉土を混ぜ合わせてあげましょう。水持ちの良いふかふかな土を作ることがポイントです。クチナシの育て方④:肥料
クチナシの育て方における肥料について紹介します。植え付け時に元肥として緩効性肥料を与える
クチナシには植え付け時に元肥として緩効性肥料を与えてください。植えつけて、根が徐々に伸びるにつれて、肥料効果が出てくるので、生育が徐々に良くなってくるでしょう。2〜3月と7〜8月に追肥をする
クチナシには2月~3月と7月~8月に追肥をします。生育が活発になる前に追肥することで、春の新芽が綺麗に噴き出してくれます。花が終わる7月~8月に肥料を与えることで、弱ったクチナシの体力を回復することが可能です。いずれも重要な肥料時期なので、しっかりと与えてあげてください。肥料としては、効果がゆっくりな緩効性肥料の油粕がおすすめです。クチナシの育て方⑤:冬越し
クチナシの育て方における冬越しについて解説します。鉢植えの場合は室内に移動させる
クチナシの耐寒性は、そこまで強くありません。関東以西であれば、冬の温度に慣らせば耐えることはできますが、関東以北では寒さで枯れます。そのため、鉢植えの場合は室内に移動させて育てると安心です。関東以西であっても、雪や霜に当たり続けると枯れる恐れが高いため、大切に育てたい場合は、気温に気を付けて冬は室内に移動させましょう。寒冷地では地植えでの冬越しは難しい
関東以北の寒冷地び気温では地植えでの冬越しは難しいです。最低温度0℃以下の寒さでは凍結する恐れがあります。地植えしている場合は、秋には掘り上げて鉢植えにして、室内に移動させる必要があるでしょう。もし地植えしたまま冬越しする場合は、クチナシを囲うようにハウスを建てて適切に保温する必要があります。凍結が原因で枯れたクチナシは、回復できないので気を付けましょう。クチナシに多い病害虫と対処法
クチナシの育て方における病害虫と対処法について解説します。褐色円星病
褐色円星病(かっしょくまるほしびょう)は、葉の裏表に、茶色の油がにじんだような斑点ができる病気です。6月ごろの開花時期にこの症状が発生します。病原菌はカビの一種であり、冬の間も病斑として越冬するため、厄介な病気です。 カビは風通しが悪く湿度の高い環境で発生しやすいので、適切な剪定をしておくとよいでしょう。症状が出た葉はなるべく切り落として、殺菌剤で対処する方法をおすすめします。オオスカシバ
クチナシにはオオスカシバと呼ばれるチョウ目スズメガ科の昆虫です。北海道以外の日本全国に生息しており、発生時期は5月~10月。オオスカシバの幼虫はクチナシを丸坊主にするほどの被害を与えます。成長すると、非常に大きな幼虫になり、葉を食べるスピードも速いです。発見が遅れると、クチナシはボロボロになります。見つけ次第、捕殺してください。 また、オルトラン粒剤やベニカなど浸透移行性の薬剤をあらかじめ撒いておくことで、食害を最小限にする方法も可能です。カイガラムシ
クチナシはカイガラムシの被害もあります。カイガラムシは、樹木や草花、多くの植物に発生する吸汁性害虫です。樹液を吸収されて、クチナシは徐々に弱っていきます。繁殖サイクルも速いので、あっという間に増える可能性があるので、気を付けてください。 また、薬剤が効きにくい性質があるので、見つけたら柔らかいブラシや布でこすり落として対処するとよいでしょう。クチナシの剪定のポイント
クチナシの育て方における剪定のポイントを解説します。開花が終わった直後が適期
クチナシの剪定は、開花が終わった直後が適期です。開花後に伸びた枝の先端に花芽ができるので、秋以降に強い剪定を行うと翌年に花が咲かなくなる可能性があります。そのため、開花が終わった直後に、しっかりと枝を切り戻しておくことが重要です。クチナシの剪定のやり方
クチナシの剪定のやり方は、開花後に全体のバランスを見ながら、風通しがよくなるように切ることです。秋以降は剪定が難しい時期なので、秋に再び剪定を施す必要がないように、短く切っておくことがポイント。剪定が弱いと、秋に再び選定しなければなりません。秋に剪定しすぎると、翌年に花が咲かないので、気を付けましょう。剪定するはさみは、切れ味の良いものを準備してください。太い枝を剪定する場合は、トップジンMペーストのような癒合剤を塗りましょう。クチナシの植え替えのポイント
クチナシの育て方における植え替えのポイントについて解説します。根詰まりを防ぐために植え替えが必要
クチナシは根詰まりを防ぐために植え替えが必要です。植え替えをせずに育て続けると、鉢の中で根詰まりして生育に悪影響を与えます。そのため、定期的に植え替えを行って、根が固まらないようにしてください。4月〜5月が適期
植え替えの適期は4月~5月です。4月~5月は、季節的にも暖かさが安定してくる春。この時期は、クチナシの生育が活発になってくるので、十分に植え替えに適した時期です。この時期であれば、植え替えの時に傷んだ根も回復しやすいので、安心して植え替えができます。一回り大きい鉢を用意して植え替えをする
植え替えには、一回り大きい鉢を用意して植え替えしてください。鉢が大きすぎると、水やり後に土が乾かず、根腐れする可能性があります。元の鉢が5号(直径15㎝)であれば、6号鉢(直径18㎝)という感じです。クチナシの増やし方
クチナシの育て方における増やし方について解説します。クチナシは挿し木で増やすことができる
クチナシは挿し木で増やすことができます。挿し木時期は、4~6月です。比較的、簡単に増やせるため、クチナシを育てている方は、ぜひ挿し木で増やすことに挑戦してみてはいかがでしょうか。挿し木のやり方
クチナシの挿し木のやり方は以下の通りです。- クチナシの枝先から10~15㎝の長さで剪定する
- 剪定した枝を穂木として、水に1時間ほど浸し吸水させる
- 挿し木挿し芽用の土に穂木を優しく植える
- 明るい日陰に置く
- 水切れしないように管理する
その後、3週間ほどすると、新芽と根が出てくれば、挿し木が成功です。本葉は3枚ほど出てきたら、一鉢ずつ植え替えるとよいでしょう。土は赤玉土や観葉植物の土などでも代用できますが、専用の挿し木挿し芽の土だと、根が出やすいです。
クチナシの苗木の選び方
クチナシの育て方における苗木の選び方について解説します。色が鮮やかで茂っている葉のものを選ぶ
クチナシの苗木を園芸店やホームセンターで購入するときは、色が鮮やかで茂っている葉のものを選んでください。葉色が悪かったり、茂っていなかったりするものは株が弱っている可能性があります。購入して植えつけて、元気に育てるためにも、状態の良いものを選ぶことがポイントです。ひょろひょろしているものは避ける
園芸店やホームセンターで、クチナシがひょろひょろしているものは購入しないようにします。ひょろひょろしている場合は、クチナシの管理が悪いのか、生産時点で生育が悪い可能性が高いです。購入して植えつけても、十分に生育をしないかもしれません。 また、元気になるまでに時間がかかるので、購入は控えた方が安心です。日当たり不足のまま育っていると考えられます。剪定して、日当たりの良い場所で育てることで、がっしりした株になりますが、それまでに枯れる可能性もあります。なるべく始めたかがっしりした株を購入しましょう。クチナシの植え付けのポイント
クチナシの育て方における植え付けのポイントについて解説します。クチナシの植え付けの適期は春と秋
クチナシの植え付け適期は春と秋です。春と秋はクチナシにとって生育が活発な時期なので、植え付けに最も適しています。この時期であれば、植え傷みも少なく、傷んでも回復が早いので安心してください。植え付けのやり方
植え付けのやり方は以下の通りです。- ポットや鉢からクチナシを優しく取り出す
- 根をほぐす
- 新しい土や地面に穴を掘る
- クチナシを植えつける
クチナシは縁起が悪いってホント?
クチナシにはさまざまな吉凶の説があります。縁起が割るととも言われますし、その逆に縁起が良い植物ともいわれています。どの説を信じるかですが、縁起が悪い説とよい説を見ていきましょう。「嫁にもらうくちなし」という言い伝え
クチナシには「嫁にもらうくちなし」という言い伝えがあります。完全な語呂合わせですが、昔から不思議といわれている言い伝えです。女の子がいる家庭に、クチナシを植えると、嫁に嫁ぐことができないといわれています。西洋では縁起の良い花とされている
クチナシは西洋では縁起の良い花とされています。クチナシは実が熟しても割れないことから、黙々と目標に向かって努力することを象徴する花とし、西および南西に植えるとよいと信じられています。また、クチナシは非常に香りのよい花です。キンモクセイやジンチョウゲと並ぶ香りのよい花とされ、初夏に咲く白い花は魅力的。玄関周りに植える木としては、風水的に吉とされ、ボタンやハイビスカスのように恋愛運を高めるともされています。【まとめ】クチナシの育て方を徹底解説!成長後のケア方法から苗の選び方まで
ここまでクチナシの育て方について解説してきましたがいかがですか。 この記事のポイントは- クチナシは東アジア原産の常緑低木で、6月~7月に白い花を咲かせ、甘い香りを漂わせる
- クチナシの育て方は、「置き場所:日当たりと風通しの良い場所」「水やり:水切れが内容に育てる」「土:水持ちと通気性の良い土で腐葉土に富んでいる」が重要
- クチナシに多い病害虫は、「褐色円星病」「オオスカシバ」「カイガラムシ」であり、基本的には風通しの良い剪定と殺菌殺虫剤による予防と対策が重要
- クチナシは、挿し木で簡単に増やすことができるので、育て方が上手になったら、挿し木にチャレンジがおすすめ