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"アガパンサスという植物をご存じですか?アガパンサスは水色や紫色の爽やかで落ち着いた色合いをした花をつける園芸植物です。正しい育て方で育てることで毎年花を咲かせる多年草のため、管理が簡単な植物としてよく栽培されています。 しかし、育て方を知らないと花が咲かない、枯れてしまうといったトラブルに遭遇してしまうかもしれません。せっかくアガパンサスを育てるのであれば上手に育てて綺麗なお花を楽しみたいですよね。 アガパンサスを上手に育てるにはどのような育て方を行う必要があるのか、気になる方も多いかと思います。 この記事では、
- そもそもアガパンサスとはどのような植物なのか
- アガパンサスの上手な育て方やお手入れの方法
- アガパンサスの花が咲かない時の原因と対処方法、見直すべき育て方
アガパンサスとはどんな植物?
そもそもアガパンサスとはどのような植物なのでしょうか。育て方を解説する前にアガパンサスについての基本的な情報について解説いたします。ここでアガパンサスについてしっかりと知っておきましょう。南アフリカ原産の多年草
アガパンサスはユリ(ヒガンバナ)科アガパンサス属の植物です。学名はAgapanthusで、この学名であるAgapanthusをそのまま日本語として発音した「アガパンサス」が植物名として流通しています。 アガパンサスは南アフリカが原産とされ、何年にもわたって生育を続ける多年草として知られています。地中には球根の様に肥大化した根である根茎を形成するという性質も持ちます。冬の間常緑のタイプと落葉タイプがあり、常緑タイプよりも落葉タイプの方が耐寒性が高いと言われています。初夏に花を咲かせる
アガパンサスの開花期は環境や地域、品種によって前後するもののおおよそ6月~9月の初夏から夏の終わりとされています。そのため、ペチュニアやカリブラコアなどと言った花とならんで夏の庭や花壇を彩る植物としても重宝されています。寒さや乾燥に強く丈夫で育てやすい植物
アガパンサスは様々な環境に適応する植物です。寒さや乾燥にも強く、初心者の方でも育てやすい植物と言えるでしょう。また、寒さや乾燥だけでなく半日陰や肥料の少ない土地でも育てることができるほど丈夫な植物でもあります。白や青など様々な色を持つ品種がある
アガパンサスの花色は青、青紫、白が一般的です。しかし、品種によってピンク色やいくつかの色が混ざり合った花をつけるものがあります。ダブル咲き、大輪種、ミニサイズなど、品種によって花も異なるため好みのアガパンサスを見つける楽しさもあります。四季咲きの「サマーラブ」などが人気品種
さきほどアガパンサスの開花期は6月~9月の初夏から夏の終わりと解説いたしました。しかし、アガパンサスの品種の一つである「サマーラブ」は四季咲きの性質を持ち、上手に育てることで春~秋の長い間花を楽しむことができると言われています。 サマーラブの他にもはかなげな花色が魅力のオリンピックスカイブルー、ミニサイズのピーターパン、花が密集して美しいファイヤーワークス、白花のダブル咲きのダブルダイヤモンドなど多くの品種があるため、インターネットなどを駆使してアガパンサスの品種について調べてみるのも面白そうですね。アガパンサスの育て方①:置き場所
アガパンサスの育て方として1つ目に置き場所について解説いたします。アガパンサスは様々な環境に適応することができる植物として知られています。しかし、綺麗な花を毎年楽しむためには適切な環境で育てる必要があります。アガパンサスを育てるのに適した置き場所を知り、綺麗なお花を楽しみましょう。日当たりと水はけの良い場所で管理
アガパンサスは日当たりと水はけのよい場所を好みます。そのため、花壇にアガパンサスを植える場合北向きの場所はできるかぎり避け、水はけが悪い場合パーライトやもみ殻くん炭、バーク堆肥といった土壌改良材を加え水はけをよくする必要があります。 鉢植えで育てる場合も赤玉土や軽石を土に配合し、水はけのよい土を作ることがポイントです。半日陰でも育てられる
できる限り日当たりの良い場所で育てた方が良いものの、耐陰性を持つため半日陰になる場所でも育てることができます。しかし、花が咲きにくい、花の数が少ないなどのトラブルが発生することがあるため注意が必要です。アガパンサスの育て方②:水やり
アガパンサスの育て方として2つ目に水やりの方法について解説いたします。アガパンサスの水やりはコツやルールさえ知っておけば特に難しいものではありません。しかし、適当に水を与えていると根腐れなどを起こす原因になるためしっかりと確認しておくことが大切です。土の表面が乾いたらたっぷりと水やり
アガパンサスは乾燥した環境を好みます。そのため鉢植えで育てている場合、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出すくらいたっぷりと水を与えるようにします。この時、鉢底皿に水がたまったままにしておくと根腐れを起こす原因になるため鉢底皿に溜まった水は必ず捨てるようにしましょう。地植えの場合は基本不要
アガパンサスは乾燥に強く、あまり多くの水を好みません。そのため地植えの場合は基本的に水やりを行わなくても良く、降雨のみで十分成長することができます。真夏に日照りが続き元気がなくなっている場合は気温の高い昼間を避け朝か夕方に水を与えるようにしましょう。湿度に弱いため水やりのし過ぎには注意
アガパンサスは乾燥には強い一方湿度には弱いという性質を持ちます。そのため水やりのし過ぎによって弱ってしまうことが多いです。アガパンサスを育てる時には水やりを控えめにすることを心掛けるようにしましょう。アガパンサスの育て方③:土作り
アガパンサスの育て方として3つ目に土作りについて解説いたします。アガパンサスが好む土を上手に作ることでアガパンサスを上手に育てることができますよ。特に水はけの悪い粘土質の花壇で育てる場合や鉢でアガパンサスを育てる時にはアガパンサスが好む土を調べておく必要があります。水はけの良い土が適している
アガパンサスは水はけのよい土を好む植物です。多湿環境や水はけの悪い場所ではうまく育てることができないため栽培する場所の土質をよく知っておくことがポイントになります。市販の草花用培養土でも育つ
市販されている草花用培養土は様々な草花が栽培できるように適度な水はけを持っています。アガパンサスを育てる時にももちろん使用することができるため市販の草花用培養土を使用するのも良いでしょう。配合する場合は赤玉土7:腐葉土3がおすすめ
用土を配合して作る場合は赤玉土と腐葉土をそれぞれ7:3の割合で混ぜ込んだものを使用することをおすすめします。また、必要に応じて元肥を加えても良いでしょう。軽石や鹿沼土を加えると水はけが良くなる
赤玉土がない場合は軽石や鹿沼土を加えることでも水はけをよくすることができます。また、軽石を鉢底に敷き詰めることでも水はけを良くすることができるため参考にしてみてくださいね。アガパンサスの育て方④:肥料
アガパンサスの育て方として4つ目に肥料の与え方を解説いたします。アガパンサスの美しい花をより楽しみたい時やアガパンサスをより大きく育てたいと考えている方はアガパンサスに肥料を与えてみましょう。しかし、正しく肥料を与えないとかえって弱る原因になるため肥料の与え方をしっかりと知っておきましょう。春と秋に緩効性肥料を与える
アガパンサスはあまり肥料を必要とはしない植物ではあるものの、鉢植えで育てている場合は肥料不足になってしまうことがあります。そのため、アガパンサスには気候が穏やかな春と秋に緩効性の肥料を与えると良いでしょう。また、適期外の肥料は根を傷める原因になるため避けましょう。地植えの場合は肥料が無くても良く育つ
地植えの場合は鉢植えの様に肥料分が欠乏することが少ないため、肥料がなくても育てることができます。与える場合も少量を株本に与える程度で十分です。なお、四季咲き性の強い品種に関しては肥料を与えることで花が咲きやすくなります。アガパンサスの育て方⑤:冬越し
アガパンサスは耐寒性に優れ、寒さには強い植物です。しかし、東北地方など寒さの厳しい地域では寒さに耐えられずアガパンサスが弱ってしまったり枯れてしまったりすることがあります。下記ではアガパンサスの耐寒性や冬越しの方法について解説いたします。毎年同じアガパンサスを育てていきたいと考える方は特にご覧くださいね。0℃までの耐寒性がある
アガパンサスは0℃までの耐寒性があると言われています。土が凍ってしまうほどの寒い場所を除けば様々な場所で育てることができそうですね。腐葉土を被せて寒さから保護する
寒い地域でアガパンサスを育てる場合、腐葉土を株本に被せることで冬の寒さから保護することができます。霜柱や風の影響を防ぐことができるため不安がある方は腐葉土を株本に 被せてあげてくださいね。アガパンサスに多い病害虫と対処法
植物を育てていくと病気や害虫が発生してしまうことがあります。一般的に植物に発生する病気や害虫を放置しておくと花が付きにくくなる、見た目が悪くなる、最悪の場合枯れてしまうことがあります。それでは、アガパンサスにはどのような病害虫が発生しやすいのでしょうか。アガパンサスに多い病害虫とその対処法について解説いたします。アガパンサスは病気に強い
アガパンサスは病気に強く、特にかかりやすい病気はないと言われています。しかし、間違った育て方をしていると普通は発生しない病気にかかることもあるため注意しましょう。正しい育て方を知っておくことが一番の病気の予防方法です。アブラムシがつくことがある
アガパンサスにはときときアブラムシが付くことがあります。特に花茎の先や蕾にはとてもアブラムシがつきやすいため牛乳スプレーや農薬を用いて駆除しましょう。アガパンサスのお手入れのポイント
アガパンサスを正しい育て方をしていると花を咲かせます。花が咲き終わった後放置せず、とあるお手入れを行うことによって来年度以降のアガパンサスの生育が良くなります。アガパンサスの開花後に行うお手入れについて解説いたします。育て方と併せて覚えておきましょう。花が咲き終わったら花茎をカット
アガパンサスの花が咲き終わって放置しておくと種を作ってしまいます。種を作るとエネルギーを多く消費するため、基本的には花が終わったら花茎をカットしてしまうようにします。種を採りたい場合は残しておく
しかし、種を採って増やしたい場合は花茎をそのままにして種子が熟するのを待ちましょう。アガパンサスの種での増やし方については後ほど解説いたします。アガパンサスの植え替え・植え付けのポイント
アガパンサスを植えつける時期として相応しいのはいつなのでしょうか?適切な時期に植え付けを行うことで枯れるリスクを抑えることができます。また、同じ鉢植えで育てていくと鉢が窮屈になってしまい生育が抑制されたり、花付が悪くなったりしてしまうことがあります。それを防ぐためには植え替えと呼ばれる作業を行う必要があります。下記では植え替えや植え付けの方法について解説いたします。適期は春と秋
アガパンサスの植え替え・植え付けの適期は春と秋です。夏や冬は植え付けや植え替えを行っても定着しない可能性があるためできるだけ避けるようにしましょう。鉢植えの場合は生育の様子を見て植え替えをする
アガパンサスを鉢植えで育てている場合、年々株が大きくなっていきます。株に対して鉢が小さすぎる、鉢底から根が見え出したなどのサインがあれば植え替えのタイミングです。1~2年に1回を目安に、適期に植え替えを行うと良いでしょう。地植えの場合は必要ない場合が多い
地植えの場合は1回植え付けを行った後に植え替えを行う必要はありません。大きくなりすぎなときには株を分けて同じ場所に植えなおすと良いでしょう。アガパンサスの増やし方
アガパンサスはどのように増やすことができるのでしょうか。庭をアガパンサスでいっぱいにしたい方や、枯らしてしまった時の保険としてアガパンサスを増やす方法を知っておきたいという方も多いのではないでしょうか。アガパンサスは主に3つの方法で増やすことができます。それぞれの方法について解説いたします。株分け
株分けは、最も一般的なアガパンサスの増やし方です。春か秋にアガパンサスの株を2~3つ程度に分けてそれぞれ管理を行うと別の株として生育を始めます。成功率も高いおすすめの増やし方です。挿し芽
株分けの際にとれてしまった芽や小さな根茎は挿し芽に使用することができます。芽や塊根を挿し芽用土に挿してしばらく管理し発根させると別の株として生育を始めます。種まき
開花後に花茎を切らずにそのままにしておくと黒い種ができます。実った種をすぐに蒔き管理すると3~4年後に開花します。時間は長くかかるものの珍しい花を作ることができる可能性があります。アガパンサスの花が咲かない原因は?
アガパンサスは非常に丈夫で様々な環境でも育てることができると紹介いたしました。しかし、時々アガパンサスの花が咲かなくなってしまうことがあるようです。アガパンサスの花が咲かないというトラブルの原因について解説いたします。日光不足
アガパンサスは日光を好む植物です。そのため、あまりにも日当たりの悪い場所では花が咲かない、花つきが悪いことがあります。育てる環境を変えてみましょう。根腐れ
水の与えすぎなどで根腐れを起こすと弱ってしまい、花を咲かせることができません。まずは水を与えないようにし、できるだけはやく植え替えを行います。根詰まり
長く同じ鉢で育てていると鉢が根でいっぱいになることがあります。根詰まりも花が咲かなくなる原因になるため植え替えを行うと良いでしょう。株が小さい
種まきや挿し芽によって増やした株の場合によく発生する原因です。アガパンサスは株が成熟していないと花は咲きません。しばらく育てて大きくなってから花を楽しむことができますよ。【まとめ】アガパンサスの育て方を徹底解説!成長後のお手入れからトラブルの対処法まで
今回はアガパンサスの育て方やお手入れの方法について解説いたしました。アガパンサスを育てる時のポイントについて知ることはできましたか? この記事のポイントは、- アガパンサスは非常に丈夫な植物で、正しい育て方をすると病害虫が少ない
- アガパンサスは半日陰や寒いところでも育てることができる
- アガパンサスは挿し芽や株分け、種まきによって増やすことができる