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アルストロメリアという植物を皆さんは知っていますか?アルストロメリアはユリ科の植物で、育て方は鉢植えでも地植えでもどちらでも育てられて、たくさんの色の種類がある植物です。 しかし、アルストロメリアってどんな植物なのか、また育て方なんてわからないな、という人もたくさんいると思います。 そこでこの記事では、
- アルストロメリアの基本情報
- アルストロメリアの育て方
- アルストロメリアがかかる病気や病害虫
- アルストロメリアの品種
アルストロメリアはどんな植物?
まずは、アルストロメリアとはどんな植物なのかを解説していこうと思います。アルストロメリアの基本情報
アルストロメリアは南アメリカ原産の球根植物であり、育て方は鉢植え・地植えどちらでも可能です。 原産地であるペルー、チリからブラジルにかけて広大な地域に50~100種類ほど分布していると言われています。原種は、常緑性・落葉性・四季咲き性・一季咲き性など、多種多様で栽培が難しいとされてきましたが、カラフルで四季咲き性が強く育てやすい園芸品種が生み出され人気となりました。 原種によっては高地から低地、乾燥地から湿地と生育環境は様々です。 また、和名ではユリに似ていることからユリズイセン、ユメユリソウ、インカノユリともいいます。植物名 | アルストロメリア |
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学名 | Alstroemeria |
草丈 | 30cm~1m |
耐寒性 | あまり強くない |
耐暑性 | あまり強くない |
特徴的な花形が人気
アルストロメリアは特徴的な花形が人気で、花弁は6枚あり、外側・内側で3枚ずつ形が違っています。外側は大きく丸みを帯びた花びら、外側より一回り小さい花びらが内側に3枚あります。花びらにはまだら模様や縞模様がついているのが特徴です。一季咲きや四季咲きなど多くの品種が存在する
アルストロメリアは花の寿命が長く、開花したら1か月以上も耐える品種も存在します。ほとんどの種類は年に一回、春から夏に咲く一季咲きですが、四季咲きの品種だと春から晩秋にかけて花を咲かせてくれるので、園芸として長く楽しむことができます。切り花や植えっぱなしなど様々な飾り方ができる
アルストロメリアはたくさんの花色や姿が豊富にありますので、フラワーアレンジメントによく利用されます。 切り花にしても日持ちが良いので、育て方をしっかり管理すると約5日~2週間は持つと言われています。植えっぱなしにしてもしっかりと環境が良ければきれいな花を咲かせてくれますよ。また切り花にしたつぼみもよく開花するようです。アルストロメリアの育て方【植え付け】
アルストロメリアがどのような植物かわかってきたところで、ここからはアルストロメリアの育て方を分けて解説していきたいと思います。まずは、植え付けの解説からしていきましょう。アルストロメリアの球根は春と秋に販売されている
アルストロメリアの球根は主に春と秋に販売されています。品種によって植える時期が変わりますので育て方を間違えないように注意しましょう。植え付けの適期は3~4月もしくは9月の早い時期
植え付けの適切な時期は3~4月がよいでしょう。秋は9月の早い時期に植えれば、寒さで生育が止まる前に、いい感じに根っこを張ることができるでしょう。アルストロメリアの植え付け手順
では、アルストロメリアの植え付けの手順を鉢植え、地植えと分けて説明します。鉢植えの場合
鉢植えの場合、深めの鉢を用意しましょう(18cm鉢なら深さ約20cmのもの) 球根を植える深さは5cm程度にします。これより浅いと根っこをしっかり張ることができません。深すぎてしまうと、根が出てこれなくなりますのでこちらも注意が必要です。地植えの場合
地植えの場合も、基本的には埋め方と育て方は同じとなります。水が溜まらないようにするために10cmほど高く盛り上げてあげるとなお良いでしょう。 他にもアルストロメリアを植える場合は、大きくなるものは50cm、小さくなるものは20~30cmほど間隔を開けて植えましょう。アルストロメリアの育て方【置き場所】
アルストロメリアの育て方、次は「置き場所」について解説していきます。基本的に日当たりと水はけの良い場所に置く
品種によって多少は変わりますが、野菜と一緒で基本的にアルストロメリアの育て方は日当たりと水はけの良い場所に置いてあげましょう。用土は水はけのよいものを使うといいですよ。室内に置く場合はできるだけ風通しの良い場所に置く
鉢植えだと室内に置くこともできますが、室内で育てる場合はできるだけ風通しの良い場所に置くとよいでしょう。特に真夏は風通しの良い日陰に置くことを心がけましょう。成長期の春と秋は日なたで管理する
鉢植えで管理する場合は、成長期となる春と秋は日向に置いてあげましょう。日光を良く好むので、開花期がくるまでは日なたに置くことをオススメします。夏の強い直射日光を避ける
アルストロメリアは夏の直射日光が嫌いですので、夏の直射日光を避ける育て方をしてあげましょう。日陰の涼しいとこに置いてあげて管理します。耐寒性は悪くはないが株が凍結すると枯れるので冬は暖かい所に置く
アルストロメリアは耐寒性はそこまで悪いわけではないのですが、株が凍結してしまうと枯れてしまう原因となってしまいますので、冬は寒さで凍らないように温かいところで育て方の管理をするほうがよいでしょう。高温多湿になるような場所には植えてはいけない
アルストロメリアは高温多湿が苦手です。この環境下に植えたり置いてしまうと、根腐れを起こす原因にもなりますので、植える場所と育て方には十分注意が必要です。酸性土壌に植えると枯れる
アルストロメリアは野菜と同じで酸性の土壌に植えると枯れてしまいます。そのため地植えする場合は、石灰を撒いて用土を調整しましょう。pHは6~6.5ほどが最適ですよ。地植えの場合は連作地を避ける
アルストロメリアを地植えする場合、連作地を避けて植えるようにしましょう。日当たりと水はけのよい場所を選ぶのがいいですよ。アルストロメリアの育て方【水やり】
アルストロメリアの育て方、次は「水やり」について解説していきます。地植えの場合
アルストロメリアを地植えしている場合から説明していきます。基本的に降雨に任せても元気に育つ
地植えしている場合、基本的に水やりは必要ありません。雨だけで十分育ちますよ。夏の暑い日や乾燥が続いた日は水を少々あげる
夏の暑い日や乾燥が続いた日は水をあげましょう。このときも、水をたっぷりやる必要はなく、ある程度、乾燥気味に管理することを心がけます。たっぷり水を上げてしまうと、根腐れの原因となりますので注意しましょう。鉢植えの場合
続いては鉢植えで育てるときの水やりの解説です。春の伸長・開花期は土の表面が乾燥したらたっぷり水をあげる
鉢植えの場合、春の伸長~開花時期は、水切れをしないよう土が乾燥してきたらたっぷりと水やりをしましょう。開花後は乾燥気味にして管理する
花が開花した後は、乾燥気味にしてあげて管理します。葉っぱの茂り模様によって水やりをするようにします。葉が枯れて休眠状態に入ったら水やりをストップする
アルストロメリアは、花が終わって葉っぱが枯れると休眠状態に入ります。この状態になったらたとえ真夏でも水やりをストップしましょう。水をあげてしまうと腐る原因となりますから、注意しましょう。アルストロメリアの育て方【肥料】
アルストロメリアの育て方、次は「肥料」について解説していきます。地植えの場合
まずは地植えの場合の肥料のあげ方について解説しましょう。肥料を与える必要はない
地植えの場合、肥料をあげる必要はありません。アルストロメリアは一般的に多肥を好みませんので、肥料は必要ないですよ。与える場合は元肥として根を傷つけにくい緩効性化成肥料を土に混ぜておく
もし、肥料を与える場合は元肥のみあげましょう。あげるとしても根っこを傷つけにくい緩効性肥料を土に混ぜる程度で大丈です。追肥はいりません。鉢植えの場合
続いては鉢植えでの肥料のあげ方です。肥料を与える時期は春の芽出しの頃から開花まで
鉢植えの場合、肥料をあげる時期は春の芽出しごろから開花するまでの期間で十分です。発芽したら、追肥として化成肥料を置肥します。月に1回の置き肥か月に3~4回の液体肥料を施す
肥料をあげる場合は、月に1回置き肥をするか、週に1回液体肥料を施すかのどちらかで大丈夫です。四季咲き性の品種は秋頃にも同程度追肥をする
四季咲きの品種や秋にも葉っぱが茂る品種の場合は、10月から11月に同程度の追肥をしてあげましょう。休眠期や生育が鈍い時期に肥料を与えるのは鉢植え・地植えどちらの場合も必要ありませんよ。アルストロメリアの見た目を整えよう
アルストロメリアも他の植物のように、見た目を整えてあげるとよい植物です。ここではそのやり方について解説していきましょう。花茎の整理
アルストロメリアの花が咲いている間は、花茎を整理してあげましょう。すぐに種ができるので、枯れた花はそのままにしないですぐに摘み取りましょう。 咲き終わった花茎は、引っ張るだけでスポっと簡単に抜けてくれますよ。また花の咲かない細い茎は抜き取って太い茎を伸ばすようにします。支柱立て
アルストロメリアは、品種によって草丈の高さがまちまちです。背の高い品種だと、風が吹いてしまうと倒れる可能性があります。 そうならないためにも、支柱を立てて日当たり、風通しを良くして徒長しないようしっかり育ててあげることが一番重要です。アルストロメリアのよくある病気と害虫
どんな植物にも病気や害虫がついてしまい、弱る原因となりますが、もちろんアルストロメリアも例外ではありません。ここでは、どんな病気や害虫が付くのか解説していきましょう。灰色かび病
アルストロメリアは高温多湿が苦手な植物です。そのためその環境になると、灰カビ病を発症してしまいます。 発症すると、花びらや葉っぱに斑点ができで、ひどくなると株が腐る原因になります。そうならないためにも、風通しを良くし湿気をためない環境にしてあげることが大切になります。土壌菌
同じ環境にいると、灰カビ病のほか、土壌菌という病気を発症する可能性があります。 こちらも根腐れを起こす原因となりますから、高温多湿にしないように花がらや枯れ葉などは取り除くようにしましょう。アブラムシ
アルストロメリアには生育期を通じてアブラムシが発生しやすいです。 アブラムシなどの病原虫は茎葉から植物の汁を吸って弱らせてしまう害虫です。発生したら早めに対処するようにしましょう。 あらかじめオルトランなどの薬剤を散布しておくか、葉水をこまめに与えることで予防することができますよ。アルストロメリアを株分けで増やそう
アルストロメリアも他の植物のように、株分けをすることで増やすことができますよ。ここではそのやり方を解説していきましょう。9月または3月頃が適期
アルストロメリアを株分けするときは、植え替えの時期と同じ9月または3月ごろが適期となっています。掘り上げるとき、先端の芽を傷つけないように気をつけましょう。芽をよく確認してから株分けする
株分けする際、芽が出てくる部分を良く確認してから株分けするようにしましょう。このとき球根は折れやすいので注意が必要です。太い根だけでは芽が出ないので注意
アルストロメリアの根っこは白くやや太めの根っこが先端で束になった作りとなっています。その束が纏っているそばに新芽がありますので、太い部分だけでは芽が出てきませんから注意しましょう。アルストロメリアの株分け手順
アルストロメリアの株分け手順を説明すると、- 株分けする時期は植え替えと同じ9月か3月
- 切り分ける目安は2~3芽で1株となるようにする
- 根を折らないように周りの土ごと掘り上げる。傷つけないように土を落とす
- 芽のついている地下茎を探して切り分ける。球根が折れないように注意。
- 乾燥を嫌うため、掘り上げたらすぐ植え付けるようにする
- 土を被せるときは地表から2~3cmくらいの深さにする
アルストロメリアの主な種類
ここまで育て方を解説してきましたが、ここではアルストロメリアの主な品種について詳しく解説していきましょう。プルケラ(原種)
アルストロメリアの原種のひとつとして挙げられるのが「プルケラ」です。 ユリのような筒状の花をつけ、赤と緑が混じったカラフルな色や、ピンクと黄色の対比が鮮やかな花が咲きます。アルストロメリアの別名であるユリズイセンはもともと「プルケラ」のことを指していました。インディアンサマー
「インディアンサマー」は、秋になるとオレンジ色と黄色のコントラストが鮮やかな花を咲かせる品種です。 「インディアンサマー」は、白粉がまかれたようなシックな灰紫色の葉っぱを持ち、春と秋に2度開花時期があります。アルストロメリアのなかでも、耐暑性に優れていて、暖地でも栽培がしやすい品種となっています。インティカンチャ
「インティカンチャ」は、鮮やかな真紅の花が咲く品種です。 ボリュームのある花が魅力で、寒さにも強いので、四季咲き性のアルストロメリアを育てたい場合は「インティカンチャ」を選ぶのもよいでしょう。ロックンロール
「ロックンロール」は、オレンジスカーレット色の花と斑入りの葉っぱのコントラストが個性がある園芸品種です。 「ロックンロール」はオーストラリアで10年かけて生み出された品種で、目を引く大輪の花を咲かせます。斑入りの葉っぱは黄色味のある色からクリーム色へ変化していき、成長すれば白くなっていくのが特徴の品種ですよ。アルストロメリアの育て方!基本情報から正しい植え方まで解説のまとめ
今回の記事では、アルストロメリアの育て方や基本情報について解説させていただきました。アルストロメリアは初心者の方には少し難しい育て方をすると思いますが、育てることができれば、キレイな花を咲かせてくれることでしょう。 今回の記事では- アルストロメリアの原種はペルーやチリなどに数多く分布している、和名ではユリズイセンという
- アルストロメリアは高温多湿が苦手で、日当たりや風通しには注意する必要があります
- アルストロメリアの病気には「灰カビ病」「土壌病」があり、害虫は「アブラムシ」に注意すること
- アルストロメリアにはたくさんの園芸品種があり、プルケラは原種のひとつである。それ以外にも園芸品種として人気のあるものが多い
最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。