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"花が鮮やかな色合いで、花びらも特徴的な形状をしていることから、シャクナゲは園芸をする方々にとって人気のある植物となっています。シャクナゲは日本を含む世界中で栽培されているので「名前は聞いたことがある」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ただ、シャクナゲは美しい花を楽しむことができますが、適切な育て方をしないと枯れてしまう可能性もあります。 そこで今回は、
シャクナゲは美しい花を持ち、花びらは互いに重なり合って球状もしくは鐘形を形成しています。日本でも庭園や公園などで見かけることも多く、美しい花を楽しむために様々な場所で栽培されています。 ここからは、シャクナゲ(石楠花、石南花)とはどのような植物か、特徴について説明していきます。
シャクナゲの育て方のポイントとして「置き場所」が重要となります。ここからシャクナゲを育てるための適切な置き場所について説明します。 適切な環境を提供することによって、シャクナゲの健康的な成長と美しい花をより長く楽しむことができます。
次にシャクナゲの育て方でポイントとなるのが「水やり」です。適切に水やりをすることで健全な成長を促すことができます。
次にシャクナゲの育て方のポイントとなるのが「土」です。健康な生育のためには適切な土壌が必要となり、DE(病気や害虫)の発生も防ぐことができます。
最後にシャクナゲの育て方のポイントとなるのが「肥料」です。植え付けから1年以内のシャクナゲは根が弱りやすいため肥料は控え、しっかりと根付いたら肥料を与えるようにしていきます。
ここからは、成長した後のシャクナゲのお手入れ方法について解説していきます。花木の育て方を押さえておくことで、よりシャクナゲの健康を保ちやすくなります。
シャクナゲには多種多様な種類があります。ここからは、その一部を紹介していきます。好みの品種を見つけることで、園芸が更に楽しくなることでしょう。
- そもそもシャクナゲ(石楠花、石南花)とはどんな植物?
- シャクナゲの育て方のポイント
- 成長した後のシャクナゲのお手入れ方法
- シャクナゲの種類
そもそもシャクナゲ(石楠花、石南花)とはどんな植物?

ヨーロッパなどを原産とするツツジ科ツツジ属の植物
シャクナゲはヨーロッパなどを原産とするツツジ科ツツジ属の植物です。一般的にシャクナゲの多くの種はアジアを中心に分布していて、一部は北アメリカやヨーロッパに分布しています。シャクナゲには多種多少な種類があり、名称登録や新たな品種登録が今も進められています。寒さに強いが暑さは苦手
シャクナゲは高山といった涼しい場所に自生していることが多く、寒さには強いけれども暑さは苦手という特徴があります。そのため、基本的には暑さに弱い植物として育て方を考えていくことをおすすめします。 実際にAF(熱帯雨林気候)では育てるのが難しく、AF気候の場所にはあまり分布していません。北海道などの寒冷地でも育てられる
シャクナゲは耐寒性が強く、北海道などの寒冷地でも育てることができます。適切な育て方をすれば美しい花を長く楽しむことが可能です。 ただ、中には寒冷地に適していないシャクナゲの品種もあるため、事前にどのような特徴を持った品種なのか調べておくことが重要です。寒風に当てすぎると枯れることも
シャクナゲは北海道などの寒冷地でも育てることができますが、寒風に当てすぎると枯れてしまうことがあります。寒冷地で地植えをする場合は風よけの覆いを作ったり、ビニール等でマルチングするのが良いでしょう。 鉢植えの育て方の場合、寒風の当たらない屋内等へ移動させるのが効果的です。カルミア(アメリカシャクナゲ)とは別物
カルミア(アメリカシャクナゲ)は北アメリカが原産となっています。ただ、こちらはツツジ科カルミア属となっているので、シャクナゲとは別物です。 ただ、育て方はシャクナゲに準じており、夏の暑さと乾燥に注意が必要となります。盆栽仕立てのものも人気がある
シャクナゲは盆栽仕立てのものも人気があります。盆栽にする場合でも、シャクナゲは古い枝から芽が出にくく、剪定は不要です。たくさん枝を出させて、こんもりした樹形を作るには芽かきを行うことが重要となります。シャクナゲの育て方のポイント①置き場所

鉢植えでも地植えでも育てられる
シャクナゲは鉢植えでも地植えでも育てることが可能です。育て方は基本的に同様なので、ご自身の好みに合ったシャクナゲの育て方をしていきましょう。直射日光を避け、根元をマルチングするとよい
シャクナゲは品種によって日当たりを好むものもあります。ただ、基本的には直射日光を避けて、根元をマルチングすることをおすすめします。 直射日光が強すぎると、葉や花が焼けてしまうことがあり、美しさが損なわれてしまう可能性があるため注意が必要です。春~秋の場合:半日陰で管理する
春~秋の場合は半日陰で管理しましょう。特に夏の暑さと直射日光に弱いので注意が必要です。風通しが良く、涼しい半日陰の場所に植え付けしてあげるのが育て方のポイントです。冬~春の場合:寒風の当たらない日向で管理する
冬~春の場合は、寒風の当たらない日向で管理しましょう。地植えをする際は風よけの覆いをし、鉢植えの場合は家の中などで管理することをおすすめします。シャクナゲの育て方のポイント②:水やり

地植えは乾燥期以外の水やりは必要ない
地植えの場合は乾燥期以外の水やりは必要ありません。ただ、夏であれば高温期に土壌が乾燥し過ぎないよう、朝か夕方に葉水を兼ねて適宜水やりを行いましょう。 シャクナゲに水やりをするのは通常は朝がベストです。これによって、植物が日中に十分に乾燥する時間が確保されるため、夜間の湿度が高まり、病気等のリスクを減らすことができます。鉢植えの場合
鉢植えの育て方をする場合、水やりの方法は少し異なります。水は適当に与えたら良いわけではないので、ポイントをしっかり押さえておきましょう。夏以外は基本的に渇いたらたっぷりと
夏以外は、基本的に乾いたらたっぷりと水やりを行います。鉢植えの場合であれば、毎日水やりをしても構いません。そのため、定期的にシャクナゲの状態を確認する習慣を付けておくと良いでしょう。夏は朝夕の涼しい時間に与える
夏は朝夕の涼しい時間に水を与えましょう。朝は気温が比較的低く、風が穏やかであることが多いためです。夕方に水やりをしても良いですが、夜間に水分が残ることでカビや病気のリスクが高まる可能性があるため注意は必要です。葉水も行うとよい
夏にシャクナゲに葉水を行うことによって、葉表面の乾燥や葉焼けを防ぐことができます。健康な状態を保つために効果的な方法なので是非行いましょう。 ただ、夕方の葉水は葉の湿度を夕方から夜間に高めることになり、細菌の成長が促進されてしまうリスクがあります。そのため、葉水は朝の時間帯に行うようにすると良いでしょう。朝は気温が上昇して、日中の日差しで葉が十分に乾燥する時間が確保できるため、細菌の成長等のリスクを抑えることができます。シャクナゲの育て方のポイント③:土

腐植質に富んだ水はけの良い酸性土壌を好む
シャクナゲは腐植質に富んだ水はけの良い酸性土壌を好みます。通常の庭の土壌は中性もしくはアルカリ性なので、シャクナゲに適した土壌を作るためには水はけの良い酸性土壌を作る必要があります。赤玉土4:ピートモス3:鹿沼土2:バーミキュライト1の配合土など
たとえば、「赤玉土4:ピートモス3:鹿沼土2:バーミキュライト1の配合土」などが良いでしょう。鹿沼土とは、関東ローム層と呼ばれる地層で採取される火山灰の一つです。この配合にすることで、シャクナゲのために適した土壌にすることができます。市販の山野草用土と赤玉土小粒の配合土でもよい
市販の山野草用土と赤玉土小粒の配合土でも問題ありません。こちらでもシャクナゲの生育に適した、DEの発生も防ぐことができる土壌を作ることが可能です。初心者の方であればこちらの方が手軽に行えるのでおすすめです。シャクナゲの育て方のポイント④:肥料

有機肥料や緩効性化成肥料を施す
シャクナゲには有機肥料や暖効性化成肥料を施しましょう。これらの肥料には植物に必要な栄養素が含まれており、シャクナゲの生長と健康に不可欠となります。また、土壌の生態系にも好影響をもたらし、土壌を健康に保つことができます。 ただ、肥料は絶えず与えなければならないわけではなく、適切な時期に適切な量を与えることが重要です。また、肥料を与えた後は十分な水を与えて、根に肥料を浸透させることもポイントとなります。お礼肥:花後の4月中旬~6月
開花後の4月中旬~6月にお礼肥として肥料を与えましょう。花が終わって消耗しているシャクナゲに肥料を与えることで成長のサポートをすることができます。 肥料を与えることで新しい枝がすくすくと生長し、夏に蕾を付けて来年の開花に備えることになります。秋の肥料:9月~10月
9月~10月に秋の肥料を与えます。こちらは花芽を育てるために行い、チッソ分ではなく、リン酸とカリ分を主体の成分としたものを与えるのがポイントです。寒肥:2月頃
2月頃には寒肥を与えます。シャクナゲに美しい花を咲かせてもらうためと、新梢を伸ばすために行います。 庭植えの場合は、有期肥料や暖効性化成肥料を軽く植え込みます。そして鉢植えであれば、固形有機肥料か暖効性化成肥料を置き肥します。【成長したらすること】シャクナゲのお手入れ

植え付け・植え替え
シャクナゲには植え付けと植え替えの適切な時期やタイミングがあります。「いつでも行っていい」というわけではないので、しっかりとチェックしておきましょう。適期は3月~5月上旬か9月~10月
シャクナゲの植え付け・植え替えの適期は3月~5月上旬か9月~10月となります。なるべく芽が伸びる前に行いましょう。植え替えのタイミング:2年に1回くらい
シャクナゲの植え替えのタイミングは2年に1回くらいとなります。根が細いシャクナゲを鉢植えしている場合は、根詰まりを防ぐために大きな鉢に植え替えましょう。植え付け・植え替えのしかた
花木の植え付け・植え替えは下記の手順で行います。- 適切な酸性土壌を用意しておく
- 植え付ける穴を掘って、穴の底に砂を敷く
- 酸性土壌を充填する
- 植え付ける穴にシャクナゲを置く
- 土壌で根を覆って軽く踏み固める
剪定を行うと芽が伸びないことがある
シャクナゲは剪定を行うと芽が伸びないことがあります。シャクナゲは剪定に対して比較的敏感な植物であるため、不適切な剪定は避けましょう。芽かき
シャクナゲの芽かきは、成長を調整して、花をより美しく咲かせるために必要です。ここからは、シャクナゲの芽かきを行う際のポイントについて説明していきます。樹形を整えるために行う
芽かきは樹形を整えるために行います。芽かきをすることによって主要な花芽にエネルギーを集中させることができ、花がより多くの蕾を形成するようになります。適期:4月中旬~7月中旬
芽かきの適期は4月中旬~7月中旬となります。4月中旬~7月中旬は新しい芽が出始めるシャクナゲの成長期で、花の咲く前であるためです。芽かきのやり方
花が咲かずに新しい芽が1本しか出ていない場合、なるべく早い時期で芽が柔らかいうちに手で芽をかき取ります。こうすると複数の芽が出るようになり、こんもりとした樹形となります。花がら摘み
花がら摘みとは、植物の花が枯れたり咲き終わったりした場合に取り除くことを指します。花がら摘みをすることで植物の健康と美しさを維持することが可能です。ただ、一回きりで終わらせるのではなく、定期的に行うことが重要です。花芽をつきやすくする
花がら摘みをすることで、新しい花芽がつきやすくなります。これは枯れた花を取り除くことによって、エネルギーが花に集中するためです。摘むべき花がらは色あせたり枯れたりしているので、比較的簡単に判断することができるでしょう。花がら摘みのしかた
花がら摘みでは、花がらを基部から軽くひねって取り除きます。その際は鋭い剪定ばさみを使用しましょう。摘み取る際は、健康な葉や新しい芽を傷付けないよう注意が必要です。シャクナゲの種類

ウェディングブーケ:ほんのり桃色の白い花を咲かせる
ウェディングブーケはほんのり桃色の白い花を咲かせます。ウェディングブーケは「ホールデン」という西洋シャクナゲを掛け合わせて生まれた品種となっています。 この品種はシャクナゲの中でも美しい花を持つとされており、庭園などで美しさを演出するために育てられていることが多いです。貴婦人:大きく豪華な花房が特徴
貴婦人は大きく豪華な花房が特徴です。貴婦人は暑さにも強いため育てやすく、品種や花色が豊富なのが魅力となっています。日本で育成された品種であり、基本的にはラベンダー色の花です。ぼんぼり(西洋シャクナゲ):他のシャクナゲより早く開花する
ぼんぼり(西洋シャクナゲ)は他のシャクナゲより早く開花します。ぼんぼり(西洋シャクナゲ)は花の裂片が浅く、全体的に丸みを帯びた可愛らしい外観をしています。 また、花のふち部分に桃色の覆輪が入り、白色と桃色のツートンカラーの花を楽しむことができます。ミニシャクナゲ:コンパクトな花が咲く
ミニシャクナゲはコンパクトな花が咲くのが特徴です。ミニシャクナゲは主にチベットやヒマラヤの高山に自生するヒカゲツツジの仲間で、小さな株に黄色の花を咲かせるのが特徴です。【まとめ】シャクナゲの育て方を紹介!成長後のケア方法の解説や種類の紹介まで
ここまで、シャクナゲの育て方について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか? この記事のポイントは- シャクナゲは美しい花を持ち、美しい花を楽しむために様々な場所で栽培されている
- シャクナゲの育て方のポイントは「置き場所」「水やり」「土」「肥料」となる
- シャクナゲの適切なお手入れ方法を知っておくことによって健康を維持できる
- シャクナゲには多種多様な種類があり、園芸にも適している