キクの育て方を徹底解説!成長後のお手入れ方法や人気品種まで紹介

キクの育て方
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目次

日本の皇室の象徴でもあるキク。花壇や切り花、野菜としても、様々な場所で活躍しています。キクを育てたくても、育て方がわからないと不安だと思います。キクの育て方について気になりませんか。 そこでこちらの記事では
  • キクはどんな植物なのか
  • キクの育て方における置き場所・水やり・土
  • キクに多い病害虫と対処法
  • キクの増やし方
について解説しています。 この記事を読んでいただければ、キクの育て方について知識が身に付きます。キクを育てるときに管理方法や育て方について詳しくなるでしょう。最後にはキクの仕立て方について紹介しているので、ぜひご覧ください。

菊(キク)とはどんな植物?

菊(キク)とはどんな植物?
日本人になじみ深い花の一つにキクがあります。しかし、キクについて詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。キクについて見ていきましょう。

園芸にも人気な東アジア原産の多年草

キクは園芸にも人気な東アジア原産の多年草です。キクは漢字では「菊」と書きます。菊(キク)は、皇室の紋にも使われている日本を象徴する花の一つです。キクは奈良時代に中国から伝わり、江戸時代に品種改良が盛んにおこなわれ栽培されてきた歴史があります。

一輪菊、スプレー菊、出菊などの形

キクには、「一輪菊」「スプレー菊」「出菊」などのさまざまな形があります。品種改良によって、園芸でのキクの花姿は多種多様です。

開花時期により夏菊、夏秋菊、秋菊、寒菊の4タイプ

キクは開花時期によって、「夏菊」「夏秋菊」「秋菊」「寒菊」の4タイプに分かれます。季節によって、それぞれ特徴があり、育て方にも違いが出てきます。

丈夫で寒さに強く育てやすい

キクは丈夫で寒さに強く育てやすいです。耐寒性のある多年草なので、日本の寒い冬にも耐えることができます。育てやすい性質から、花壇や鉢植えでも楽しむことが可能です。

切り花や盆栽としても人気

キクは切り花や盆栽としても人気です。切り花としては、日本ではお供え花としての利用が多いです。しかし、海外ではお供え花としてではなく、お祝い花として使うことが一般的です。日本では、お葬式やお墓に飾るイメージが強すぎて、驚くかもしれません。また、キクは盆栽としても非常に人気があります。初心者でも剪定によって、新芽や花芽をコントロールしやすく、丈夫な多年草であるためです。キクの盆栽は歴史があるため、様々なコンクールや展覧会も各地で行われています。

菊(キク)の育て方①:置き場所

菊(キク)の育て方①:置き場所
菊の育て方における置き場所について解説します。

日の当たる場所で管理

キクは日の当たる場所で管理してください。日差しが差し込まないような日当たりの悪い場所では、うまく育ちません。間延びしてひょろひょろの姿になり、花も咲かない可能性があります。観葉植物と違って、屋内では育たないので、屋外で育ててください。

紫外線が強い場所は要注意!

キクは基本的に屋外の日当たりの良い場所で育てますが、紫外線が強い場所には要注意です。紫外線が強すぎると、キクの生育に悪い影響を及ぼすためです。開花への障害や葉焼けの危険があるので、紫外線が強い時期は、遮光して育ててください。

菊(キク)の育て方②:水やり

菊(キク)の育て方②:水やり
キクの育て方における水やりについて解説します。

鉢植えの場合:土の表面が乾いてから水やり

キクを鉢植えにしている場合は、土の表面が乾いてから水やりしてください。土が乾いていない状態で水やりすると、土が湿りすぎて根腐れする可能性が高いです。また、水やり不足でも、根痛みによって枯れる可能性があるので、土の乾燥具合を確認して水やりすることは重要です。

地植えの場合:乾燥が続いた時のみ

キクを地植えしている場合は、基本的には水やりは不要です。雨が降らず、土の乾燥が続く夏時期だけ水やりします。または、地植えした直後です。根付けば、自然の雨で十分に育つので安心してください。

菊(キク)の育て方③:土作り

菊(キク)の育て方③:土作り
キクの育て方における土作りについて解説します。

水捌けの良い土が適している

キクの土は水はけのよい土が適しています。水持ちがよすぎる土では、根が張らず生育に悪影響です。また、土の乾燥が遅いため、根腐れする危険も。キクを育てるときは、水はけがよい土を使って育ててください。

市販の草花用培養土でも育てられる

キクは、市販の草花用培養土でも育てられます。キクは多年草の一般草花に分類されるので、草花用培養土でも問題ありません。しかし、キクにとって、やや水持ちがよいので、水はけのよい草花用培養土を選んで育てるか、小粒の軽石を1割混ぜて水はけを改善させるとよいでしょう。

配合する場合は赤玉土3:腐葉土4:パーライト2:くん炭1がおすすめ

キクの土を配合する場合は、赤玉土3:腐葉土4:パーライト2:くん炭1がおすすめです。パーライトは、真珠岩などのガラス質の火山岩を、高温処理して作る非常に軽い粒状の石。パーライトを混ぜることで、水はけがよくなります。くん炭はもみ殻を炭化させたもので、多孔性で通気性がよく、微生物が住み着きやすい土になる土壌改良材です。。

菊(キク)の育て方④:肥料

菊(キク)の育て方④:肥料
キクの育て方における肥料について紹介します。

リン酸成分を含む肥料を与える

キクには、リン酸成分を含む肥料を与えてください。リン酸は、花を咲かせる栄養といわれています。キクの美しい花を楽しむためにも、肥料時期は効果的にリン酸を与えるとよいでしょう。

9月頃までは2週間に1回ほど乾燥肥料を施す

キクには9月頃までは2週間に1回ほど、国華園のキク専門肥料「乾燥肥料」を与えます。国華園の乾燥肥料は、各種アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどを豊富に含んだ肥料です。キク栽培には欠かせない肥料なので、これからキクを本格的に育てる方は準備しておきましょう。

9月以降は液肥を1週間に1~2回ほど施す

キクに9月まで乾燥肥料を与えて育てたら、9月以降は液肥を1週間に1~2回ほど与えて育てます。固形肥料と違い、液肥には、速効性の効果があります。花芽が付きやすくなるので、乾燥肥料で体を大きくしたキクに、液肥で花が咲くようにしてあげるとよいでしょう。

菊(キク)の育て方⑤:冬越し

菊(キク)の育て方⑤:冬越し
キクの育て方における冬越しについて解説します。

地植えの場合は腐葉土や藁で根元を保護する

キクを地植えで育てている場合は、腐葉土や藁で根元を保護するとよいです。寒さに強い耐寒性多年草といえども、土の中の根が凍結すると枯れてしまいます。凍結から守るためにも、株の根元を腐葉土や藁で覆う方法で、冬越しで枯れることを防ぐことが可能です。

鉢やプランターは日当たりの良い場所に置く

鉢やプランターは日当たりの良い場所に置いてください。冬に日当たりの悪い場所に、鉢やプランターを置いておくと、土や鉢には太陽光が当たらず、温められることはありません。結果的に凍結しやすくなるので、冬でもしっかりと日当たりがよい場所に置きます。冬は地上部が枯れているから、ほったらかしになりやすいですが、土の中ではキクは生きているので、忘れずに日当たりの良い場所に置きましょう。

菊(キク)に多い病害虫と対処法

菊(キク)に多い病害虫と対処法
キクの育て方における病害虫と対処法について解説します。

白さび病

白さび病は最も発生しやすく、被害も大きい病気です。葉の表面に直径1㎜の乳白色の小さな点が現れます。この小さな白点はやや黄色味を帯びながら2~5㎜くらいまで大きくなり、葉裏に肌色~淡褐色、イボ状の隆起ができてきます。白さび病は、カビの一種であり、ほかの植物に胞子が移ることはなく、キクのみで生活します。白さび病を見つけ次第、効果のある薬剤を散布して対処することがおすすめです。また、湿度が高いと、白さび病にかかっていないキクに伝染する可能性があるので、湿度に注意してください。

灰色かび病

灰色かび病は、葉や茎、花に灰色のカビが発生する病気です。初期症状は葉の先端などが淡褐色に変色します。カビの一種で、元気のないキクや傷んだ葉や茎などから侵入。腐敗をもたらします。肥料として、窒素を与えすぎると発生しやすくなるので、注意してください。高温多湿の環境で発生しやすいので、梅雨の時期は多湿環境にならないように、気を付けて育ててください。初期症状であれば、効果のある薬剤を散布して症状を治しましょう。症状の出ている基部は取り除くことが肝心です。

アブラムシ

キクはアブラムシの被害もあります。アブラムシは、樹木や草花、多くの植物に発生する吸汁性害虫です。樹液を吸収されて、キクは徐々に弱っていきます。繁殖サイクルも速く、短時間で増える可能性があるので、気を付けてください。ウィルスを媒介しやすいので、見つけ次第、捕殺したり殺虫剤で対処したりしてください。多くの殺虫剤がアブラムシに有効なので、繁殖する前に早めに最低でも1回は対処することが必要です。

ハダニ

ハダニとは、クモのように糸を吐くダニです。乾燥した環境で発生しやすく、葉の裏に生息します。アブラムシと同様に吸汁性害虫です。初期症状は、葉がカスリ状になって、徐々に元気がなくなります。その後、繁殖すると植物に糸を張り始めて枯らしてしまいます。ハダニ被害が大きくなると、ほかの植物にも映る可能性があるため、早めの対処が必要です。ダニ専用の殺ダニ剤を使うのがおすすめ。湿度が高い環境を嫌うので、シャワーなどで洗い流すなどの方法も有効です。

菊(キク)の剪定のポイント

菊(キク)の剪定のポイント
キクの育て方における剪定のポイントについて解説します。

本葉が6~8枚になったら摘心をする

キクは本葉が6~8枚になったら摘心します。摘心とは先端の芽を摘み取ることです。摘心することによって、下の葉6~8枚の部分から新芽が伸びやすくなり、枝分かれします。枝数が増えるほど、多くの花が咲くので、花をたくさん咲かせたい方は、摘心をこまめに行うとよいでしょう。

枝に5~6枚葉がついたら芽先を摘み取る

そして、新芽が伸びて枝になりますが、その枝に5~6枚葉が付いたら芽先を摘み取ります。再び摘心を行います。そうすることで、さらに枝数が増えて、たくさんの花が咲くでしょう。

花が咲き終わったら切り戻しをする

キクの花が咲き終わったら切り戻しをします。そのままでは、枯れた花が種を作ったり、病気になったりして株が弱る可能性があるためです。また、短めに剪定しないと、切り戻した位置から、新しい新芽が伸びてくるので形が不格好になりやすいです。剪定後の姿を想像しながら切り戻すとよいでしょう。

菊(キク)の苗の選び方

菊(キク)の苗選び方
キクの育て方は、キクの苗の選び方がポイント。苗選びから、育て方は始まります。キクの選び方について見ていきましょう。

初心者にはポピュラーな秋咲きの菊がおすすめ

初心者にはポピュラーな秋咲きのキクがおすすめです。キクには、夏咲き・夏秋咲き・秋咲き・冬咲きがあります。キクは、秋咲きの種類が一般的で育てやすいです。そのため、キクを初めて育てる方は秋咲きを選んで育てましょう。

葉の色が濃いもの

キクの苗は、葉の色が濃いものを選びます。葉の色が薄いものは、苗の時点で栄養不足や日当たり不足、根痛みしている可能性があります。植えつけても育ちますが、葉の色が濃いものと比べると、生育が悪い可能性が高いです。植えつけて元気に育てるためにも、キクの苗は葉の色が濃いものを選んでください。

茎がしっかりしているもの

キクは茎がしっかりしているものを選ぶこともポイント。葉の色が濃くても、茎がひょろひょろだったり頼りなかったりしたら、今後の生育が不安です。太い茎にしっかりした枝が出てきて、花が咲きます。頼りない茎だと、花が小さい可能性も。そのため、葉の色以外に茎の太さや頑丈さなどに注目してしっかりしたものを選びましょう。

菊(キク)の植え付けのポイント

菊(キク)の植え付けのポイント
キクの育て方における植え付けのポイントについて解説します。

株の間を10~15cm空けて植えつける

キクは株の間を10~15㎝開けて植えつけるとよいです。植えつけのことを定植とも呼びます。株の間が近すぎると、葉と葉が重なり合って、十分に光合成ができなかったり、風通しが悪くなったりします。結果的に病害虫が発生するかもしれません。花が綺麗に咲かない可能性もあるので、キクを複数植えるときは、近づけ過ぎない程度に10~15㎝程の間を取って植えてください。

鉢植えの場合5~7号に1本、8~10号に2~3本が目安

鉢植えの場合は5~7号にキクの苗1本、8~10号にキクの苗2~3本が目安です。1号は直径3㎝なので、5号だと直径15㎝ほどの植木鉢になります。10号だと直径30㎝です。

植え付け後はたっぷり水を与える

キクの植えつけ後はたっぷりと水を与えてください。根が新しい土に馴染むようにします。植えつけに自がんがかかると、根が乾燥して痛むので、早めに植えつけることが重要です。植えつけ後に根が伸びるようにしっかりと水やりしてください。これは、鉢植えでも地植えでも同様です。

菊(キク)の増やし方

菊(キク)の増やし方
キクの育て方における増やし方について解説します。

挿し木

キクは挿し木で増やすことができます。挿し木時期は、4~6月です。比較的、簡単に増やせるため、キクを育てている方は、ぜひ挿し木で増やすことに挑戦してみてはいかがでしょうか。キクの挿し木のやり方は以下の通りです。
  1. キクの枝先から10~15㎝の長さで剪定する
  2. 剪定した枝を挿し穂として、水に1時間ほど浸し吸水させる
  3. 挿し木挿し芽用の土に穂木を優しく植える
  4. 明るい日陰に置く
  5. 水切れしないように管理する
その後、2~3週間ほどすると、新芽と根が出てくれば、挿し木が成功です。本葉は3枚ほど出てきたら、一鉢ずつ植え替えるとよいでしょう。土は赤玉土や観葉植物の土などでも代用できますが、専用の挿し木挿し芽の土だと、根が出やすいです。剪定した親株もそのまま育てると花が咲くので、枯らさずに育てましょう。親株が生きている限りは、枝を増やせば何度でも挿し木が行えます。

種まき

キクは種まきでも増やすことができます。日本小菊や除虫菊、野菜の春菊などの種が販売されています。大輪のキクや珍しいキクは、苗での販売が一般的です。野菜や花としてのキクでも手に入れた種は、一晩、水に浸けて吸水して、種まき用の土に撒きます。土が乾かないように明るい日陰で管理しておくと、1週間ほどして芽が出てくるので、本葉が3枚ほどになるまで育ててください。

菊(キク)の種類

菊(キク)の種類
キクの種類について解説します。

大輪の花を咲かせる大菊

キクには、大輪の花を咲かせる「大菊」と呼ばれる種類があります。大菊は、花の直径が18㎝以上のもので、花の形によって「厚物」「厚走り」「大掴み」に分けられます。

小ぶりなサイズの小菊

小ぶりなサイズの小菊もあります。キクの小菊の大きさは、花の直径が9㎝未満です。主に盆栽として楽しむ品種に小菊が多いです。

アメリカ生まれの西洋菊(ポットマム)

キクは世界中に愛されている花であるため、アメリカやヨーロッパでも品種改良は盛んです。日本でも逆輸入によって、人気のあるポットマムットマムとはアメリカ生まれの西洋菊です。主に、スプレーギクやガーデンマムなども西洋菊(ポットマム)の仲間とされています。

菊(キク)の様々な仕立て方

キクの様々な仕立て方を紹介します。

三本仕立て

三本仕立ては大菊での基本的な仕立て方の一つです。1本の苗を摘心して、3本の枝を伸ばし、1本だけわずかに高く伸ばします。残り2本は同じ大きさに育てて、三角形を描くように咲かせる仕立て方です。

一本仕立て

1本仕立ても大菊での仕立て方になります。一鉢に1本の茎を伸ばし一花だけを咲かせる仕立て方です。

七本仕立て

七本仕立ても大菊での仕立て方の一つです。1本の苗を2回摘心して7本の枝を伸ばし、中央の花を高く、外側の花が低くなるように仕立てます。七本仕立ては大きな丸の形を菊の花で描くように咲かせる仕立て方です。

福助作り

福助作りとは、三本仕立てより2か月遅く7月上旬に挿し芽して5号鉢に植え付け、矮化剤を使って草丈を40㎝以内に仕立てる1本仕立てのことです。福助作りの開花は大鉢と同時期に、満開の巨大輪の花が咲きます。

ダルマ作り

ダルマ作りとは、大菊での仕立て方の一つです。三本仕立てより一か月遅く挿し芽して7号鉢に定植し、矮化剤を使って草丈を60㎝以内に仕立てる小型の三本仕立てのこと。満開になると全体的に丸いダルマのような見た目になることから、ダルマ作りと呼ばれています。

【まとめ】キクの育て方を徹底解説!成長後のお手入れ方法や人気品種まで紹介

ここまでキクの育て方について解説してきましたがいかがですか。 この記事のポイントは
  • キクは東アジア原産の寒さに強い多年草で、夏・夏秋・秋・冬に花を咲かせる種類がある
  • キクの育て方は、「置き場所:日当たり良い場所」「水やり:水切れがないように育てる」「土:水はけがよい土を作る」が重要
  • キクに多い病害虫は、「白さび病」「灰色かび病」「アブラムシ」「ハダニ」であり、基本的には風通しの良い剪定と殺菌殺虫剤による予防と対策が重要
  • キクは、挿し木で簡単に増やすことができるので、育て方が上手になったら、挿し木にチャレンジがおすすめ
です。 キクの育て方について詳しく知ることができたのではないでしょうか。この記事を参考に、キクを育ててみてはいかがでしょうか。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENにはほかにもたくさんの記事を用意しておりますので、ぜひご覧ください。