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みなさまはスターチスという名前の植物を知っていますか?スターチスは世界中に150種類以上の品種があり、自生する場所により多年草や一年草などに分かれる、スタイルが豊富な植物でもあります。美しさも兼ね備えているので、切り花としても人気があります。 そんなスターチスはよくお花屋さんに陳列されているので、名前は聞いたことがある方も多いかと思いますが、詳しいことは知らないという方の方も一定数いらっしゃるのではないでしょうか? 今回の記事では、「あまりスターチスの詳しいことは知らないから知りたい」「特にスターチスの育て方を知りたい」という方に向けて、以下の流れで「正しいスターチスの育て方」を解説していきます。
- そもそもスターチスはどんな植物なのかを解説
- スターチスの育て方「置き場所」を解説
- スターチスの育て方「水やり」を解説
- スターチスの育て方「土作り」を解説
- スターチスの育て方「肥料」を解説
- スターチスに多い病害虫と対処法とは?
- スターチスの育て方「日々のお手入れのポイント」を解説
- スターチスの育て方「植え付けのポイント」を解説
- スターチスの育て方「植え替えのポイント」を解説
- スターチスの育て方「増やし方のポイント」を解説
- スターチスの切り花を長持ちさせるためのポイントをご紹介
- まとめ
スターチスとはどんな植物?
それではまずは、スターチスとはどんな植物なのかについてお話ししていきます。スターチスの特徴を知ることで、より栽培しやすくなるでしょう。学名「リモニウム」
スターチスは、イソマツ科イソマツ属の植物です。スターチスの学名としては「リモニウム」とも呼ばれています。この学名は日本での流通名を指し、正確には「リモニウム・ツアヌツム」と言います。 また、スターチスの花言葉は、「変わらぬ心」「途絶えぬ記憶」「変わらない誓い」などがあります。どれも非常にスターチスのイメージとマッチし、強い信念を象徴する花言葉を持っています。一年草と多年草のものがある
スターチスには一年草と多年草のものがあります。世界各国に幅広く生息していることから、このように咲き方の種類が異なる場合があります。特に日本では暑さ寒さが厳しいので、一年草として栽培され、比較的温暖な気候の原産地付近では、多年草はとして扱われています。一年草なので冬越しの準備もいらないので楽な植物でもあります。5月~7月に開花する
日本では、スターチスの花は5月から7月にかけて開花します。花の色には多様性があり、青、紫、ピンク、白などがあり、その美しい花はプランター栽培や切り花、また以下でもご紹介するドライフラワーとしても人気があります。日持ちが良く切り花やドライフラワーとしても人気
また、スターチスの花は乾燥させても鮮やかな色や形を保つため、ドライフラワーや切り花として広く利用され、非常に人気もあります。また、花束にして大切な方に贈ることもお勧めです。スターチスの育て方①:置き場所
続いてはこの記事の本題でもあるスターチスの育て方についてお話ししていきます。まずはスターチスの育て方、「置き場所」になります。どのような置き場所におくことで、うまく管理することができるのでしょうか?日当たりと風通しの良い場所で管理
スターチスは日当たりを好む植物です。花付きをよくするためにも、日中に多くの日当たりを確保できる場所に置きましょう。これにより、花がより鮮やかに咲き、植物も健康に育ちます。また、風通しの良い場所に置くことも重要です。風通しの良い場所に置くことで、適切に湿気を取り去り、病気を予防できます。冬越しをする場合は霜に当たらないようにする
また、スターチスは霜に弱いため、冬越しをする場合は霜が当たらない場所に移動させるか、適切に保護する必要があります。一般的に霜が降りる地域では、冬の時期に室内や温室に移動させることがお勧めです。雨に長い間当たらないようにする
それに、長時間の雨にさらされることは、スターチスにとってあまり良いものではありません。過剰な湿度や水分は根腐れや病気の原因になり得るため、特に屋外に植える場合、雨が予想されるときには雨よけなどを用意し、植物を保護しましょう。スターチスの育て方②:水やり
続いてのスターチスの育て方のポイントは「水やり」になります。水やりのコツとはなんなのか、何に重視すれば良いのかを解説していきます。鉢植えの場合は土の表面が乾いたら水やり
スターチスを鉢植えで育てる場合の水やりのサインは、「土の表面が乾いたら」になります。基本的に中の土まで乾燥しすぎないように注意し、乾燥し始めたら適量の水を追加します。過剰な水やりは根腐れの原因となるので避けるべきです。地植えの場合は基本不要
またスターチスは地植えで育てる場合は、自然の雨水を受けるだけで十分に育つことができます。そのため、基本的には地植えのスターチスには特別な水やりは必要ありません。ただし、極度の干ばつの期間などには水を与えることも考慮してください。宿根草タイプのスターチスは乾燥に強く過湿に弱い
スターチスには宿根草タイプがあり、この宿根草タイプのスターチスは、乾燥は非常に強いのですが、過湿に弱い傾向があります。地植えの場合は、雨が不足する場合に適量の水を与え、過剰な水分を避けることが重要です。スターチスの育て方③:土作り
続いてのスターチスの育て方のポイントは「土作り」になります。どのような土で栽培することが適しているのか、おすすめの配合比率などをここでは解説していきます。水はけの良い土が適している
結論からお伝えすると、スターチスは水を溜め込まない排水性の高い土壌を好みます。したがって、水はけの良い土壌を選ぶことが重要になります。水はけの悪い土壌では、根腐れが発生しやすくなり、それにより二次的な病気も発生しやすくなります。配合する場合は赤玉土6:腐葉土3:川砂1がおすすめ
スターチスの土をご自身で配合される場合、スターチスに適した土壌の配合比は、赤玉土6:腐葉土3:川砂1がおすすめです。このような比率で土壌を調整することで、十分な通気性と水はけを確保できます。赤玉土と川砂で十分な排水性を確保することができ、腐葉土で赤玉土と川砂では補完できない栄養分を土壌に盛り込むことができます。酸性の土壌を嫌うため苦土石灰を混ぜる
また、スターチスは酸性の土壌を好まないため、土壌が酸性に傾いている場合は、苦土石灰(くどせっかい)を少量混ぜることを検討してください。これにより、土壌のpHを中性から微アルカリ性に調整できます。スターチスの育て方④:肥料
最後のスターチスの育て方のポイントは「肥料」になります。どのような肥料を施すことが重要なのか、鉢植えと地植えではどのような違いがあるのかを解説していきます。緩効性肥料を施す
スターチスは緩効性肥料を与えることで良く成長します。緩効性肥料は根からゆっくりと養分を供給します。肥料により窒素過多になると、逆に成長が遅くなり、花の形成を妨げる可能性があるため、ガイドラインに沿った適量を与えることがおすすめです。鉢植えの場合は10月~11月と3月~5月に
鉢植えのスターチスに対しては、肥料を10月から11月と3月から5月に施しましょう。これらの時期は新しい成長が始まり、花芽が形成される重要な時期です。緩効性肥料を与えることで、根から適切な栄養が供給され、美しい花を楽しむことができます。庭植えの場合は10月~11月
また、庭植えのスターチスに肥料を与える際には、10月から11月が最適です。スターチスに多い病害虫と対処法
続いては、スターチスに多い病害虫とその対処法について解説していきます。あまり聞き馴染みのない植物の病気で戸惑う方も多いかと思いますが、対処法と似た症状を知っておくことで、速やかに対処することができますよ。立ち枯れ病
立ち枯れ病は、ほとんどの植物に起きやすい病気になります。名前の通り立ち枯れしてしまう病気で、糸状の菌の発生が主な原因です。清潔に栽培するとともに、見つけ次第患部を切り取り対処しましょう。灰色かび病
灰色かび病も名前の通り灰色のかびのようなものが発生する病気です。過湿状態が続くと起こりやすい病気なので、プランターや鉢植えやポットでも排水性の高い用土を使用し、適量の水やりをすることがポイントです。アブラムシ
アブラムシもよく発生する食害中です。苗の栄養を吸って生きる害虫で、肉眼では確認できないほど小さいので、黒くなったりした症状を確認することでしか害虫の発生に気づくことはできません。専用の殺虫剤で駆除するか、患部を切り取るかで対処しましょう。スターチスの日々の手入れのポイント
続いてのスターチスの育て方のポイントは、「日々のお手入れ」になります。どのように「日々のお手入れ」をすれば良いのかわからない方はぜひ参考にしてみてください。枯れ葉取り
枯れ葉取りは単純に落ちた枯れ葉を放置しないでしっかりととってあげることです。枯れ葉を放置したままだと警官が損なわれることはもちろん、清潔でもないので見つけたら早めに取ってあげるようにしましょう。支柱立て
支柱立てはスターチスが十分に成長した際に、支柱を立てないと倒れてしまうといった場合にのみ支柱を立てることがおすすめです。自立している場合は支柱は必要ありません。スターチスの植え付けのポイント
続いてはスターチスの植え付けのポイントについて解説していきます。いつ植え付けをするのが良いのか、庭植えと鉢植えの植え付けの違いややり方も合わせて解説していきます。スターチスの苗の植え付けの適期は10月~11月頃
スターチスの苗の植え付けの適期は10月~11月頃と言われています。種まきから育てた苗であれば、ちょうどこの頃には適切なサイズになるので、新しい鉢に植え付けることができます。またこの時期に購入した苗などであれば、すぐに植え付けましょう。根を傷つけないように注意
植え付ける際は根を傷つけないように注意する必要があります。丁寧な作業を心がけてやりましょう。庭植えの植えつけのやり方
庭植えの場合は、まず植えたい場所に上記でも解説した排水性の高い用土を用意します。植えたい苗をそこに植え、水やりをすれば勝手に育つので非常に簡単です。いくつかの苗を同じタイミングで植え付けたい場合は、30cmほど間隔を空けて植え付けましょう。鉢植えの植えつけのやり方
鉢植えの場合は、まず鉢底に鉢底石と鉢底ネットを敷いて排水性を高めます。次に排水性と栄養が豊富な培養土を半分ほど入れましょう。根を傷つけないようにゆっくりと植え付け、残りの土をかぶせ、水やりをしたら完成です。あまり神経質にならないように丁寧ながらもざっくりとやることが楽しく心穏やかに植え付けをやることがポイントです。スターチスの植え替えのポイント
続いては、スターチスの植え替えのポイントについて解説していきます。スターチスの植え替えのポイントを理解した上で植え替えをすると失敗を防ぐことができますよ。3月頃が植え替えの適期
スターチスの植え替えは、基本3月頃が適しています。この時期は新しい成長の開始に適しており、植物にとってストレスが少ないためです。また、寒さの厳しいエリアでの植え替えは春の適温を過ぎてから植え替えを行いましょう。一回り大きい鉢を用意する
植え替えに使用する鉢は、前回の鉢よりも一回り大きいものを選びましょう。新しい鉢には水捌けをよくするために重要な鉢底穴が必要です。鉢底には鉢底石や鉢底ネットを敷いて、通常よりも水はけを良くすることがポイントになります。スターチスの増やし方
続いては、スターチスの増やし方について解説していきます。スターチスはそもそもどうやって増やすことができるのか、またその手順について詳しく解説いていきます。スターチスは種まきで増やすことができる
結論からお伝えすると、スターチスは種まきで増やすことができます。種まきで増やすことで、発芽するシーンを楽しめたり、純粋にタネの状態から栽培する楽しさも味わうこともできますよ!それではタネから育てる方法について解説していきます。種まきの手順
- 発芽に適した気温は20度前後です。温暖な春や初夏の頃に種まきをすることで、夏本番の頃には花が開花するでしょう。
- タネには細かな毛が生えているため、まずは砂で種をもみ洗いし、毛を落とす作業から始めましょう。
- 苗ポットに排水性の高い土を入れ、種をまき、浅めに覆土させ、水やりをします。
- 数週間後に発芽するので、それまでは乾燥させないようにラップなどをかけて管理します。
スターチスの切り花を長持ちさせるためのポイント
最後は、スターチスの切り花を長持ちさせるためのポイントについて解説していきます。スターチスの切り花を長持ちさせるためのポイントは、実は非常にシンプルなことばかり。以下の3つを意識した育て方を実践するだけで、スターチスの切り花は長持ちさせることができますよ。花瓶の水を毎日変える
スターチスの切り花を新鮮な状態で保つためには、花瓶の水を毎日取り替えることが重要です。水を毎日取り替えることで腐敗や細菌の繁殖を防ぎ、花を元気に保ちます。茎についている葉を切る
スターチスの茎についている葉は水中に浸かることで悪くなりやすく、水の汚れや細菌の原因となります。これにより花が水をより多く吸収しやすくなり、鮮度を保つのに役立ちます。ドライフラワーにする
また切り花は、ドライフラワーとしても活用しても美しいため、長期間楽しむ方法としてドライフラワーにするのもおすすめです。花が十分に開いたら、束ねて吊るして乾燥させることでドライフラワーにすることができます。部屋のインテリアとして使うことで、季節を超えて楽しむことができます。【まとめ】スターチスの育て方を徹底解説!成長後のお手入れから長持ちのポイントまで
いかがだったでしょうか?この記事一つでスターチスの育て方を十分マスターできるようになるのではないでしょうか? 今回の記事のポイントは以下になります。- スターチスはイソマツ科イソマツ属の植物で学名は「リモニウム」と呼ばれている
- スターチスには一年草と多年草のものがあるが、日本では一年草として栽培されることが多い
- 日当たりと風通しの良い場所で管理し、土の表面が乾いたら水やりすること
- 水はけの良い土が適しており、赤玉土6:腐葉土3:川砂1がおすすめの配合になる
- 立ち枯れ病や灰色かび病になりやすいため、なるべく多湿を避けた栽培をすることが重要
- スターチスの苗の植え付けの適期は10月~11月頃で、根を傷つけないように注意する必要がある
- スターチスは種まきで増やすことができるが苗よりも時間がかかる
- スターチスの切り花を長持ちさせるためのポイントは、「花瓶の水を毎日変える」「茎についている葉を切る」「ドライフラワーにする」がある