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皆様はセンリョウ(千両)という植物をご存知でしょうか?センリョウ(千両)は、日本や朝鮮半島などで自生する植物で、特に日本ではお正月などの縁起物として利用されることもある、非常に縁起の良い植物として人気があります。 そんなセンリョウ(千両)ですが、基本的にはフラワーショップでお買い求める方が大半かと思いますが、実は「お正月の縁起物」として楽しまれるのではなく、鉢植えや庭木として、鑑賞用として育てて楽しむことができますよ。 そこで、今回の記事では、センリョウ(千両)の育て方を知りたい方に向けて、以下の流れで「基本のセンリョウ(千両)の育て方」を解説していきます。
- そもそもセンリョウ(千両)はどんな植物なのかを解説
- センリョウの育て方「置き場所」を解説
- センリョウの育て方「水やり」を解説
- センリョウの育て方「土作り」を解説
- センリョウの育て方「肥料」を解説
- センリョウに多い病害虫とその対処法とは?
- センリョウの育て方「日々のお手入れのポイント」を解説
- センリョウ育て方「植え付けのポイント」を解説
- センリョウの育て方「増やし方のポイント」を解説
- センリョウの実がなるまで実質何年かかるのか、実がなるコツをご紹介
- まとめ
センリョウ(千両)とはどんな植物?
それではまずは、センリョウ(千両)の育て方を解説する前に、そもそもセンリョウ(千両)とはどんな植物なのかについて解説していきます。どんな植物なのかを知ることで、より愛着を持って栽培することができるようになりますよ。それではセンリョウ(千両)の特徴をみていきましょう。縁起の良い植物として古くから親しまれてきた
センリョウは、センリョウ科センリョウ属の低木になります。そのため、ご自宅の庭木としても管理のしやすい植物であり、そのため、観賞用としても親しまれています。 また、センリョウは、古くから縁起の良い植物として親しまれてきた背景を持った特別な植物でもあります。そのため、お正月のシーズンになると、必ずといって良いほどこのセンリョウはフラワーショップなどで購入することができます。赤い実が特徴
センリョウの最も特徴的な部分は、その綺麗な赤い実と言えるでしょう。美しい赤い実は、小さな花が咲いた後の秋から冬にかけて実っていきます。この赤い実が実る時期にお正月がくることから、実は赤い実の方がセンリョウの花よりも目立って知られているのは非常に興味深いことですよね。6月~9月に花びらのない花を咲かせる
センリョウの花は開花してもあまり目立たないことで知られています。色合いも淡い色で、サイズもなかなか小さいのであまり鑑賞には向いていません。この花の開花時期は、センリョウの綺麗な赤い実が実る前の6月~9月に花びらのない花を咲かせます。赤以外にも白や金色の実をつける品種もある
また、センリョウは品種によっては赤以外にも白や金色の実をつける品種もあることで知られています。例えば白い実が実る「シロミノセンリョウ」や、「ムラサキセンリョウ」という葉っぱが紫色のセンリョウも存在します。お好みの品種を栽培することが最もおすすめですが、品種によっては入手難易度が異なるので、まずは園芸店やフラワーショップなどに在庫を確認してみることがおすすめです。特にセンリョウが流通しやすい晩夏〜初秋以降に探してみるのが良いでしょう。センリョウの育て方①:置き場所
続いてはこの記事の本題でもある、「センリョウの育て方」において重要な各ポイントを分けて解説していきます。「センリョウの育て方」は合わせて4つのポイントに分けて解説していくので、それぞれ参考にしながら栽培してみてくださいね。それではまずは、センリョウに適した置き場所について解説していきます。明るい日陰が適している
センリョウは半日陰のような置き場所を好む植物です。明るい半日陰や散らばる光を受けやすい、直接的に日当たりが良すぎない場所が最適になります。そのため、特に直射日光は避け、午後の強い西日や日差しから守れる置き場所を選ぶ必要があります。屋外で栽培する場合は、低木のためそこまで大きくならないので、サンルーフの下に植えたり、鉢を日陰のある場所において育てるなどの工夫が必要です。夏の直射日光と冬の寒風は避ける
センリョウは特に夏の暑い直射日光に弱い傾向があります。したがって、夏の時期には日中の暑い時間帯から遮光し、風通しの良い場所に置いてあげましょう。また、冬の寒さや冷たい冷気から苗を守るため、霜の降りる地域では寒さを感じない室内に移動させることも検討しましょう。温度管理が適切でないと、根腐れや花付きが悪くなるなどの病気にかかりやすくなります。センリョウの育て方②:水やり
続いてのセンリョウの育て方のポイントは「水やり」になります。センリョウの水やりは、地植えなのか鉢植えなのかによって大きく異なります。どのような場所で管理したいのかによって水やりのやり方は異なるので、注意する必要のあることと合わせて、それぞれのポイントを解説していきます。地植えの場合は基本不要
まずは地植えの場合を解説していきます。センリョウは地植えで栽培する場合は、自然な雨水や地下水から必要な水分を吸収することができるため、普段は雨量が充分であれば追加の水やりは必要ありません。ただし、極端に乾燥した期間が続く場合や、強い日差しの続く暑い時期などは、センリョウの状態を見て少量の追加の水やりを与えることも検討してみてください。鉢植えの場合は土の表面が乾いたら水やり
続いては鉢植えの場合を解説していきます。センリョウを鉢に植えた場合は、土の表面が乾いたら水を与えましょう。センリョウは過湿に弱いため、土が乾いた状態を目安に水やりをすることが重要なポイントです。そのため、水を与える際は、一度に過剰な水をためないよう、鉢の底には穴が開けいているものを選び、排水性の高い鉢やプランターで栽培することも重要です。過湿に注意する
特にセンリョウは過湿に注意をするべき植物です。過湿は根腐れや株の腐敗の原因となりやすいので、水やりの際には適量で止めておくことが大切です。特に冷涼な季節や雨の多い期間には、過湿に注意し排水の確保が絶対になります。センリョウの育て方③:土作り
続いてのセンリョウの育て方のポイントは「土作り」になります。どのような用土に植え付けをして栽培するとよく育つのか、特におすすめの用土の配合などをここでは解説していきます。水はけと水持ちの良い土が適している
センリョウは先ほどもお話しした通り、非常に過湿に弱い植物のため、根腐れや腐敗を防ぐためにも水はけの良い土壌が必要不可欠です。そのため、用土には水はけ良い土を選んであげることが重要です。また、排水性だけではなく、成長に必要な水分を土壌が保持できることも大切になってくるので、水持ちの良い土であることも重要です。水はけと水保持能力のバランスが取れた土壌が最適です。赤玉土3:腐葉土1がおすすめ
もしセンリョウに適した土壌を一からて作りで配合したい場合のおすすめの配合として一般的なものは、赤玉土3と腐葉土1を混ぜることがおすすめです。赤玉土は基本の土で、主に水はけを確保してくれます。また腐葉土は水分を保持する役目と栄養分を豊富に持っており、土壌の保水力と保肥力を高めてくれます。この割合で混ぜた土を使用すると、センリョウが根をしっかり張り、健康的に成長することができます。センリョウの育て方④:肥料
最後のセンリョウの育て方のポイントは「肥料」になります。そもそも肥料はセンリョウにとって必要なものなのか、鉢植えと地植えでは違いがあるのかないのか、肥料を与える適期はいつなのかについてここからは解説していきます。鉢植えも地植えも肥料は基本不要
結論からお伝えすると、センリョウは一般的に肥料を必要としない植物です。そのため、元肥や追肥は基本的に不要になります。むしろ、肥料を与えなくとも成長する丈夫な植物として気楽に栽培できるのは、初心者さんや忙しい方には非常に助かりますよね。 また、地植えの場合は自然の土壌から必要な栄養を吸収することもできますし、鉢植えであれば腐葉土から十分に栄養を確保できます。むしろ過剰な肥料を与えると、茎が伸びすぎたり、花が少なくなるなどの病気になる可能性もあるため、注意が必要です。苗を大きくしたい場合は5月~6月に緩効性肥料を施す
しかしながら、センリョウの苗の成長を促したいシチュエーションに限っては、5月から6月にかけての時期が適期になり、このタイミングで緩効性の肥料を与えることが考えられます。これは特に苗を大きく成長させるために行うもので、永続的に必要なものではありません。この緩効性肥料はゆっくりと栄養分を供給することができ、液体肥料などと比べて過剰な栄養を避けるのにも役立ちます。センリョウに多い病害虫と対処法
続いては、センリョウに多い病害虫とその対処法についてお話ししていきます。センリョウに多い病害虫は立ち枯れ病とカイガラムシがありますが、ここではこれらの病害虫の特徴や原因と、その対処法を解説していきます。立ち枯れ病
立ち枯れ病は、多くの植物に発生しやすい病気になります。初期症状としては、健康的ではない状態を伺えます。そこから状態が悪化すると、黄色く変色していき、名前の通り立ち枯れてしまいます。立ち枯れ病にならないようにするためには、日々清潔に栽培することを意識して育てることや、基本的な育て方を見つめ直してみることです。状態が悪化する前に、見つけ次第患部を剪定して対処することが良いでしょう。カイガラムシ
カイガラムシは非常に硬い殻を持つ肉眼では確認しづらいほど小さな害虫になります。多湿な環境で栽培を続けると発生しやすい植物のため、適度な乾燥ができる風通しの良い場所で栽培するようにしましょう。カイガラムシは硬い殻に覆われているので、市販の殺虫剤が効きづらい害虫です。そのため、物理的に駆除するしかないので、歯ブラシなどで優しく密集している箇所を撫でて落とすか、ひどい場合は患部を剪定をして駆除してあげましょう。センリョウの日々の手入れのポイント
続いては、センリョウの日々の手入れのポイントについて解説していきます。センリョウを上記のような育て方で正しく健康的に育てていても、この「センリョウの日々の手入れ」は欠かせないものです。園芸好きな方はむしろこういったお手入れの方が好きな方もいるかと思いますが、初心者さんはわからないことも多いでしょう。ここでは、代表的なお手入れの、「剪定」と「植え替え」を解説していきます。剪定
まずは剪定です。センリョウは実はあまり剪定を必要とする植物ではありませんが、成長しすぎてしまい枝が密集している箇所や、今後の成長に妨げが出そうな箇所があれば間引くように剪定をしてあげてください。また、古くなった枝、特に3年が経過した枝は新たな実をつけることはないため、3月になったら切り取ってあげましょう。植え替え
続いては植え替えになります。植え替えは、鉢植えのセンリョウにのみ必要なお手入れになります。鉢植えで栽培している方は、2年に一度のペースで植え替えをしてあげましょう。その際は、現在の鉢と比べて一回り大きな鉢に植え替えをすることで、根っこの成長を妨げることなく、すくすくと成長していきます。植え替えの際、用土も新しいものにする必要があります。また小さめに育てたい方や、一つの株を複数に分ける以下でもご紹介する「株分け」をしたい方は、株を分けて植え替えることで小さな鉢で栽培することもできますよ。センリョウの植え付けのポイント
続いてはセンリョウの植え付けのポイントを解説していきます。植え付けには以下の3つのポイントがあるので、ぜひ参考にしてみてください。植えつけの適期は4月~5月と9月~10月
センリョウの植えつけに最適な時期は、春と秋です。これらの温暖な季節に植えつけることで、植物が根をしっかりと張り、健康的に成長することができます。特に春と秋は気温と湿度が安定しており、苗が根付きやすい条件が整います。鉢植えの場合は苗より一回り大きい鉢を用意
またセンリョウを鉢植する場合は、苗のサイズに比べて一回り大きめの鉢を選びます。これにより、根が広がりやすく、植物が安定して成長できます。地植えの場合は根鉢の2倍の深さの穴を掘って植えつける
それにセンリョウを地植えにする場合は、苗の根鉢の2倍の深さの穴を掘ります。適切な深さの穴を掘ることで、根がしっかりと伸びることができます。大きくなりそうな場合は、支柱などの支えを用意してあげることもおすすめです。センリョウの増やし方
続いてはセンリョウの増やし方について解説していきます。センリョウの増やし方は主に3種類あり、挿し木・株分け・種まきになります。それぞれの特徴ややり方を解説していきます。挿し木
挿し木は3月の春ごろ、新芽が出る前に行います。挿し木に使いたい挿し穂はおおよそ3節くらいの大きさで構いません。挿し木用の土に挿し、発根するまで水やりをして待ちます。株分け
株分けは、まずセンリョウを引き抜いて、地下茎を複数に分けます。コンパクトなセンリョウになるだけなので、小さくなったセンリョウを新しい鉢に植え替えれば株分け成功です。種まき
種まきはセンリョウの増やし方の中でも醍醐味と言って良いでしょう。まずは赤い実を秋頃に収穫し、種を取るために実は洗い流していきます。その後一般的には乾燥させますが、センリョウは乾燥させると発芽率が下がるため、すぐに培養土にまくことで発芽しやすくなります。秋冬にまいた種も春には発芽しますよ。センリョウの実がなるまで何年かかる?
最後はセンリョウの実がなるまで何年かかるのか気になる方に向けて、どれくらいの日数がかかるのかを解説していきます。苗から育てた場合4~5年で実をつける
苗から育てた場合はおおよそ、4~5年で実をつけると言われています。かなりの時間がかかると思う方もいるかと思いますが、一般的だという方もいるでしょう。植物も生物であるため、成熟した実をつけるまでにこれくらいの時間がかかると思っておくのが良いでしょう。センリョウの実がならない原因の多くは置き場所
しかし、約5年もの間育ててみても実がならないとかなりショックですよね。センリョウの実がならない原因は置き場所であることが多く、特に日当たりが悪すぎると実の月が悪くなることもしばしばあります。そのため、基本的な育て方を実践するとともに、特に置き場所には徹底することをおすすめします。【まとめ】センリョウの育て方を徹底解説!お手入れから実がならない原因まで
いかがだったでしょうか?センリョウは縁起物の植物というだけではなく、育てて楽しむことのできる植物であることもご理解いただけたのではないでしょうか? 今回の記事のポイントは以下になります。- センリョウはセンリョウ科センリョウ属の低木で、赤い実が特徴な縁起の良い植物
- センリョウは半日陰のような置き場所を好む植物のため、特に夏の直射日光と冬の寒風は避けることが重要
- センリョウは過湿に注意をしながら水やりをすることがポイント
- 赤玉土3:腐葉土1などの排水性と保水性の高い培養土がおすすめ
- 苗を大きくしたい場合は5月~6月に緩効性肥料を施すこと
- センリョウの日々の手入れは「剪定」と「植え替え」が重要で、特に大きくなりすぎて過密しているなどの場合はお手入れをする必要がある
- センリョウの増やし方は主に「挿し木」・「株分け」・「種まき」があり、特に簡単なのは株分や挿し木だが、実をつける植物なので醍醐味なのは種まきになる
- センリョウの実がなるまでおおよそ4~5年かかる
- 実がならない原因の多くは置き場所であるため、基本的な育て方を実践するとともに、日当たりが適度に確保できる場所で育てること