エニシダの育て方を徹底解説!成長後のお手入れ方法まで紹介

エニシダの育て方を徹底解説!成長後のお手入れ方法まで紹介
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目次

エニシダという名前の植物を聞いたことや見たことはありますか?庭木や鉢花として園芸店でも時々見かけることがある植物ではあるものの、実はあまり詳しくは知らないと考えている方も多いのではないでしょうか。 特に、植物についてあまり詳しく知らない園芸初心者の方の場合植物の名前や性質が分からないと育てるのが不安になってしまったり、トラブルが発生した時に対処ができずに枯らしたりしてしまうことがあるでしょう。 今回は、
  • エニシダとはいったいどのような性質を持つ植物なのか
  • エニシダを上手に育てるための育て方とポイント
  • 育て方の他に知っておくべきエニシダに必要なお手入れの方法
について解説いたします。 この記事ではガーデニング初心者の方でもわかるように、エニシダとはどのような植物なのかといった基本的な情報からエニシダの上手な育て方について解説していきます。エニシダを育ててみたいと考えている方はもちろんのこと、庭に植物を植えたいもののそもそもどのような植物が良いのか分からず悩んでいるという方にもおすすめの記事です。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

エニシダってどんな植物?

はじめに、エニシダとはどのような植物なのかを知っておきましょう。エニシダが持つ特徴や性質を知ることで格段に上手に育てやすくなります。

エニシダの基本情報

エニシダは地中海沿岸が原産のマメ科の低木です。夏場に乾燥する地中海沿岸の気候に適応するために葉っぱを小さくしたと考えられており、茎でも光合成を行うように進化をした面白い植物です。アブラムシなどの害虫も発生しにくくとても育てやすい植物です。 ヒメエニシダという室内でも育てやすい小さめな品種やシロバナエニシダといった白い花を咲かせる品種も人気です。いずれも育て方に大きな違いはないためこの記事を参考に育てることができますよ。
植物名 エニシダ
学名 Cytisus scoparius
草丈 1.5~3m
耐寒性 普通
耐暑性 強い

黄色い小さな花が枝いっぱいに咲く華やかな植物

エニシダは黄色い小さな花を開花期の5月~6月に枝一杯につけ咲かせます。とても明るい花色で、パッと明るい雰囲気を演出してくれることから庭木や鉢花としても人気が高い植物ですよ。

エニシダは漢字で「金雀枝」や「金雀児」と書く

エニシダは漢字で書くと「金雀枝」や「金雀児」と書きます。どちらも金という感じが入っているのは、鮮やかな黄色い花によるものでしょう。

蝶が木に止っているように見えることから「蝶形花」とも呼ばれる

エニシダの花は遠目から見ると黄色い小さな蝶のように見えることがあります。蝶が気にたくさん枝にとまっているように見えることからエニシダは「蝶形花」と呼ばれることもあります。春のお花らしい素敵な名前ですよね。

公園の植木や家庭での園芸など幅広い人気をもつ植物

エニシダは庭木や鉢植えなど園芸植物としても幅広い人気を持つ低木です。また、花がとても美しいことから公園の植木としてもエニシダは植えられることがあります。中部以南では公園の植木としてエニシダを見かけることがあるかもしれませんね。

エニシダには木全体に毒性があるので注意する

エニシダを育てる上で注意するべきことが1つあります。それはエニシダには木全体に毒性があるということです。アルカロイドという植物に多い成分を持ち、摂取することで神経麻痺、血圧降下、呼吸麻痺、心臓麻痺などの症状が現れる場合があります。小さなお子様やペットがいる家庭では注意して管理を行いましょう。

痩せ地でも花を咲かせるほど強健で初心者でも簡単に育てられる

エニシダはマメ科の植物のため、比較的瘦せ地でも花を咲かせることができます。性質も強健で、初心者の方でも特に苦労することなくかわいらしいお花を楽しむことができるでしょう。

ー5度まで耐えるので越冬することもできる

エニシダの耐寒温度は-5℃までとされています。そのため、地域によっては屋外で越冬させることもできます。東北地方など寒さが厳しい地域の場合でも、-5℃までであれば耐えることができるため室内で十分に越冬させることができますよ。

エニシダの育て方【用土】

エニシダの育て方として1つ目にご紹介するのは用土です。エニシダはどのような性質を持つ用土を好むのかを知ることで元気にエニシダを育てやすくなりますよ。管理もしやすくなるためしっかり確認しておきましょう。

水はけが良い土を好む

エニシダは水はけのよい土を好みます園芸店などで市販されている花用の培養土であれば特に問題なくエニシダを育てることができるためおすすめですよ。自分で土を配合する場合赤玉土軽石を混ぜ込み水はけを良くする、水はけの悪い場所に植える時にはバーク堆肥もみ殻によって土壌改良を行うと良いでしょう。

有機質肥料か緩効性化成肥料を元肥として入れておく

エニシダは花を咲かせるときに多くのエネルギーを消費します。株の生育をサポートするためにも有機質肥料、または緩効性の化成肥料を元肥として土に混ぜ込んでおくことですくすくとエニシダが育つためおすすめですよ。

エニシダは用土にこだわらなくても元気に育つ

エニシダはとても強健な植物です。そのため極端に植物を育てるのに向かない土などを除けば用土には特にこだわらなくても育てることができます。しかし、エニシダが好む土を意識することでより簡単に元気にエニシダを育てることができますよ。

エニシダの育て方【植え付け】

エニシダの育て方として2つ目に解説するのは植えつけの方法です。エニシダの苗を購入したら、まずは庭や鉢に植えつける必要があります。エニシダには植え付けの際に注意するべきポイントがあるため、コツについて解説いたします。

地植え・鉢植え共に適期は3月中旬~4月

エニシダの植え付け時期はお住まいの地域によるもののおおよそ地植え、鉢植えともに3月中旬~4月の春先です。適期外に植え付けを行うと根付くことができずにそのまま枯れてしまうリスクが高まるため必ず適期である3月中旬~4月に植え付け作業を行うようにしましょう。

前にエニシダが枯れたことのある場所には植え付けない

また、以前にエニシダが枯れたことのある場所には植えつけないようにしましょう。

土壌伝染性の可能性がある

以前にエニシダが枯れた場所の場合、土壌中にエニシダに対して害を与える微生物や細菌が生息している場合があります。そのような場所にもう一度エニシダを植えたとしても土壌伝染によってすぐに枯れてしまう可能性があります

連作障害を起こす可能性がある

また、エニシダは連作障害が起きやすい植物です。連作障害は同じ場所で同じ植物を育てると起こる、栄養バランスの偏りや病害虫の発生などを原因に起こります。鉢植えの場合でも、エニシダを前に育てていた土を再利用するのは避けた方が良いでしょう。

エニシダの育て方【置き場所】

エニシダの育て方として3つ目に解説するのは置き場所や育てる環境についてです。エニシダはとても丈夫な植物ではあるものの、不適切な置き場所で育てると弱りやすくなってしまいます。元気に育てることができる環境について学びましょう。

水はけと日当たりの良い場所に置く

エニシダは水はけと日当たりの良い場所を好みます。特に地植えを行う場合は一度植えつけてしまうと基本的には移動することが不可能のためしっかりと場所を選ぶことが大切です。

室内で育てる場合はできるだけ窓際の直射日光に当たる場所に置く

室内でエニシダを育てる時には窓際の直射日光に当たる場所に置くようにしましょう。しっかりと日光に当てて光合成をさせることが綺麗な花を咲かせるポイントとなります。

水はけが悪いと梅雨の時期に根を傷めるので注意

水はけが悪い場所でエニシダを育てると雨の多い梅雨の時期に根が呼吸困難を起こし傷めることがあります。また、最悪の場合根腐れによって枯れてしまうこともあるため水はけの悪い場所の場合は土壌改良を行うと良いでしょう。

日当たりが少ないと花が咲かないので注意する

日当たりが少ないとエニシダは花が咲きません。せっかくエニシダを育てるのであれば綺麗なお花を楽しみたいですよね。綺麗な花を咲かせるためにもできる限りよく日が当たる場所を探してあげましょう。

エニシダの育て方【水やり】

エニシダの育て方として4つ目に解説するのは水やりの方法です。水やりは植物を育てていくうえでとても大切なお手入れです。だからこそ奥が深く、難しいお手入れとも言えます。エニシダにおける水やりの方法を確認しておきましょう。

鉢植えで育てる場合の水やり

エニシダを鉢植えで育てる場合の水やりは以下の通りです。育て方の中でもコツがある水やりのポイントを掴みましょう。

基本的には土の表面が乾いたらたっぷり水をあげる

基本的には土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出してくるまでたっぷりと水を与えるようにします。この時に鉢底皿に水がたまったままになっていると根腐れの原因となるため必ず捨てるようにしてください。

開花時期と花芽形成時期の夏は水切れに注意する

エニシダの開花時期と花芽形成時期の夏の間はよく水を吸収します。この時期に水切れを起こしてしまうと花が落ちてしまったり花数が少なくなってしまうため極端に水切れを起こさないように注意してくださいね。

冬は休眠期で成長しないので乾燥気味に管理する

反対に、冬はエニシダの休眠期にあたりほとんど成長しません。そのためたくさん水を与えると根を傷めてしまいます。土が乾いてから2~3日後に水を与える程度で十分でしょう。乾燥気味に育てることで耐寒性を高め越冬しやすくすることもできます。

地植えで育てる場合の水やり

地植えでエニシダを育てる時の水やりのポイントは以下の通りです。

植え付けて2年未満の株は土の表面が乾いたらたっぷり水をあげる

植えつけて二年未満の株はまだ根が十分に張っておらず、降水だけでは水切れを起こすことがあるため、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。特に夏場は水切れを起こしやすいためこまめに様子を見てあげると良いでしょう。

植え付けて2年以上の株は基本的に降雨に任せるだけで元気に育つ

植えつけてから二年以上経過した株の場合は株がすでに成熟しているため基本的には降雨に任せるだけで問題なく育ちます。

乾燥が続いた日などはたっぷり水をあげる

その場合でも乾燥が続いた日などにはたっぷりと水を与えるようにしてください。夏場の乾燥は花芽形成に大きな影響があるため特にご注意ください。

エニシダの育て方【肥料】

エニシダの育て方として5つ目に解説するのは肥料の与え方です。エニシダは黄色や白の美しい花を沢山咲かせます。しかし、与えすぎるとアブラムシなどの害虫を呼び寄せる原因にもなってしまいます。エニシダに正しく肥料を与えて綺麗なお花を楽しみましょう。

鉢植えで育てている場合の肥料のあげ方

鉢植えで育てているエニシダへの肥料の与え方は以下の通りです。

肥料を与えるタイミングは3月

鉢植えのエニシダの場合、肥料は3月頃に与えるようにします。花が咲く前に肥料を与えることで開花後の生育をサポートすることができます。

化成肥料を株元に追肥する

与える肥料は一般的な化成肥料で十分です。多すぎることのないように、株本に適量をパラパラと撒くと良いでしょう。

地植えで育てている場合の肥料のあげ方

地植えで育てているエニシダへの肥料の与え方は以下の通りです。

肥料を与えるタイミングは2月

地植えのエニシダの場合、育て方にもよるものの肥料は2月頃に与えるようにします。鉢植えのエニシダと比べると1か月早く与えることがポイントです。

有機質肥料を寒肥として株元の周辺に埋めておく

有機質肥料を寒肥として株本周辺の土に埋める、または混ぜ込んでおくと良いでしょう。しかし、雪があって作業ができない場合は3月頃でも構いません。

エニシダの剪定方法

エニシダの育て方について一通り解説を終えました。しかし、エニシダには先ほどまで解説していた育て方以外にも必要なお手入れがあります。お手入れの1つであるエニシダの剪定方法について解説いたします。

基本的に高頻度な剪定は必要ない

エニシダは樹形が崩れにくいため高頻度な剪定は不要です。植物のお手入れがあまりできない方でも綺麗に育てることができますよ。

大きくなりすぎた枝が気になる時や太い枝を間引くときに剪定する

エニシダの剪定は大きくなりすぎた枝が気になる時、または太すぎる枝が通気性を悪くしている時に間引き剪定を行います。時期は花芽形成が起こる前の開花後すぐが良いでしょう。

エニシダの剪定手順

エニシダの剪定は以下のように行います。
  1. 切りたい太い枝や邪魔な枝を選びます
  2. 他の枝と間違えることのないように切断したい枝の根元を確認します
  3. よく切れるハサミやノコギリで根元から切断します
  4. 太い枝の場合は癒合材を切り口に塗ることで病気を防ぐことができます

エニシダの増やし方

エニシダを育てていくと、もっと増やしてみたいと思うことがあるかもしれません。そのようなときにはエニシダを増やしてみましょう。下記ではエニシダの増やし方についてご紹介いたします。

増やし方は挿し木と種まきの2通りある

エニシダには挿し木と種まきの2通りの増やし方があります。それぞれにメリットとデメリットがあるため確認しておきましょう。

挿し木で増やす方法

エニシダを挿し木で増やす方法について確認しましょう。

3月から4月または6月下旬から7月上旬の梅雨時期に行う

エニシダの挿し木の適期は3月~4月、または6月下旬~7月上旬の梅雨の時期です。特に梅雨の時期は湿度が高いため挿し木が特に成功しやすいと言われていますよ。

エニシダの挿し木手順

エニシダの挿し木の手順は以下の通りです。
  1. 3月~4月に行う場合は前年に伸びた枝を、6月下旬~7月上旬に行う場合は新しく伸びた枝の中からよく育った枝を選びます
  2. 5~10cmの長さに切断し、水をしっかりと吸わせます
  3. 清潔な挿し木用の土に挿します
  4. 根付くまで乾燥させないようにしっかりと水を与えます

挿し木後は直射日光の当たらない明るい場所で管理する

挿し木を行った後は乾燥を避けるために直射日光を避けた明るい日陰で管理を行いましょう。根付いた後はポットなどに植え替えて、通常の育て方に基づき管理してください。

種まきで増やす方法

種まきでエニシダを増やす方法について解説いたします。

10月に黒く熟したさやからタネを採取する

花がら摘みを行わずにそのままにしておくと、10月頃に黒く熟したさやからタネを採取することができます。それを地面に落ちてしまう前に集めておきましょう。

翌年3月中旬から下旬に種をまく

採取した種を3月中旬から下旬にポットなどに蒔きます。花が咲くまではおよそ3年ほどかかるため大きくなるまで気長に育てましょう。

80℃のお湯に約30分浸してからまくと発芽しやすくなる

タネを蒔く前に80℃のお湯に約30分ほど浸してから蒔くことで柔らかくなり発芽しやすくなります。是非お試しくださいね。

エニシダの種まき手順

エニシダの種まきの手順は以下の通りです。
  1. 採取した種を80℃のお湯に30分ほど浸します
  2. 清潔な土を入れたポットに種を埋めます
  3. 発芽まで水を切らさないように管理します
  4. 発芽後は通常の育て方に基づいた管理を行います

エニシダは移植が苦手なので増やした苗は早めに鉢あげする

エニシダは移植が苦手な植物です。そのため挿し木や種まきで増やした苗は早めに鉢上げや植え替え、植え付けを行いましょう。古い苗の場合根付きが悪くなってしまうことがあります。

エニシダの花が終わったらどうすれば良いの?

エニシダの花を楽しんだ後、エニシダは花を落として夏に備えます。その時期に必要なお手入れについて解説いたします。花を咲かせた後のエニシダは体力を多く消費しているため、しっかりとお手入れをしてケアしましょう。

咲き終わった花は早めに摘む

咲き終わった花は早めに摘むことで種を作ることを防ぎエネルギーの消耗を防ぐことができます。種まきをする予定がないのであればできる限りこまめに花がら摘みを行いましょう。

太い枝を剪定して通気性をよくする

また、花後は剪定の適期でもあります。通気性を悪くしてしまうような太い枝などがあれば間引き剪定を行っても良いでしょう。先ほども解説したように枝を切る時には根元から切るようにしてくださいね。

【まとめ】エニシダの育て方を徹底解説!成長後のお手入れ方法まで紹介

今回はエニシダの育て方や必要なお手入れについて解説いたしました。エニシダを上手に育てるための育て方のポイントを確認することはできましたか? この記事のポイントは、
  • エニシダは日当たりが良く水はけのよい場所を好む
  • エニシダの水やりは開花期や植え付け直後の乾燥に注意する
  • エニシダは剪定は必要ないものの、開花後に軽く枝を切ると良い
  • エニシダにはたくさん花を咲かせるために春先に肥料を与える
です。 病気や害虫も少なく、ヒメエニシダなど鉢花としても栽培することができる品種もあるため様々なお庭で育てることができますよ。この記事で育て方を確認してエニシダの栽培に挑戦してみてくださいね。 最後になりましたがここまで読んでいただきありがとうございました。東京寿園では植物の育て方に関する記事を多く掲載しています。植物の育て方などで分からないことがあった時にはきっと役に立つはずです。ぜひほかの記事も読んでみてくださいね。