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コーヒーかすはインスタントコーヒーでなく、コーヒー豆から挽いたコーヒーやインスタントのドリップーコーヒーを抽出際に出てくるゴミです。何かに再利用できそうな抽出後のコーヒーかすですが、再利用せず処分している方がほとんどではないでしょうか?
処分する人が多いコーヒーかすですが、実は肥料として利用できることを知っていましたか?
そこで今回は、コーヒーかすを肥料として使用する方法を解説します。本記事を最後まで読めば以下のことが分かりますよ。
- コーヒーかすで肥料の作り方
- コーヒーかすはそのまま使ってもOK?
- コーヒーかすの肥料以外の利用方法
コーヒーかす肥料が作りたい方はぜひ、最後まで読んでみてくださいね。
コーヒーかすは肥料に使える?
そもそもコーヒーかすは肥料に使えるのか気になりますよね。普通ならゴミになるコーヒーかすが肥料になったら、節約にもなって嬉しいですよね。では、コーヒーかすが肥料になるのか詳しく見ていきましょう。
コーヒーかすは肥料に使うことが出来る!
結論からいうと、コーヒーかすは肥料として使うことができます。コーヒーにこだわりがある方は嬉しい情報ですね。詳しくは後述しますが、肥料効果以外にも嬉しい効果もあります。ぜひ、コーヒーかすを肥料として活用してみてくださいね。
水分や悪臭物質を取り込んでくれる
コーヒーかすは肥料としてだけでなく、水分や悪臭物質を取り込んでくれる効果があります。コーヒーかすは細かくて肉眼では分かりにくいですが、多孔質なので脱臭効果が期待できます。肥料だけでなく、水分や悪臭物質を取り込んでくれるのがコーヒーかすなんですね。
肥料として使うには発酵が必要でそのまま使うのはNG
コーヒーかすは肥料として使うには発酵が必要になります。そのため、コーヒーかすをそのまま使うのはNGです。詳しくは後述しますが、コーヒーかすはそのまま使うと植物に良くない成分が含まれているため、コーヒーかすをそのまま使うと、植物が枯れる恐れがあります。なので、コーヒーかすを肥料として使うならひと工夫必要になります。
肥料を安価に作って家庭菜園やガーデニングに使おう
先述した通り、コーヒーかすは肥料として使用できます。ひと工夫必要ですが、家庭菜園やガーデニングなどで手軽に使えるのでぜひ、チャレンジしてみてくださいね。
コーヒーかすをそのまま使ってはいけない理由
【コーヒーかすは肥料に使える?】で触れましたが、コーヒーかすはそのまま使ってはいけません。なぜなら、植物や土壌にとって好ましくない成分が含まれているからです。詳しく解説しますね。
コーヒーに含まれている成分が土壌に良くない
先述しましたが、コーヒーかすに含まれる成分が土壌によくありません。何もせずコーヒーかすを肥料として使ってしまうと、植物の栄養摂取を阻害してしまい上手に植物が育たなくなります。良かれと思った行為で植物が枯れてしまったら悲しいですよね。植物や土壌に悪影響を与えないためにも、コーヒーかすをそのまま肥料として使うのは避けましょう。
カフェイン
ご存じの方も多いと思いますが、コーヒーかすには『カフェイン』が含まれています。私たち人間にとっては集中力を高めたり、眠気覚ましに使われるカフェインですが、動物にとっては毒にもなる成分です。人間でも過剰摂取すれば中毒症状がでるほどです。
カフェインを土壌に撒くと土壌の窒素が減少します。土壌の窒素が減少する現象を窒素飢餓と呼び、植物の生長を抑制してしまいます。
そのため、コーヒーかすに限らずカフェイン成分を含む物質を肥料として使用するのは避けた方がよいでしょう。
タンニン
コーヒーかすには『タンニン』が含まれています。タンニンとはポリフェノールの一種でコーヒーかす以外にも赤ワインや茶葉にも含まれています。タンニンは強い抗菌作用があり、柿の葉寿司にも利用されるほどです。
抗菌作用が強いため、土壌に撒いてしまうと土壌中の有益な微生物も滅菌してしまいます。土壌環境バランスの崩壊に繋がるのでタンニンが豊富なコーヒーかすをそのまま使うのは避けたほうが無難でしょう。
クロロゲン酸
『クロロゲン酸』は聞いたことが無い方も多いと思いますが、ポリフェノールの一種です。つまり、先述した『タンニン』の仲間になります。私たち人間の間では抗酸化作用や脂肪の蓄積抑える効果があるとされており、サプリメントとして幅広く活用されています。
しかし、土壌や植物にとっては好ましい成分とはいえません。そのため、クロロゲン酸を含むコーヒーかすをそのまま肥料として利用するのは避けたほうが無難です。
コーヒーかす肥料の作り方
コーヒーかすを肥料としてそのまま使うのは避けたほうが無難でしたね。では、コーヒーかすを肥料として扱うにはどのようにすればよいのでしょうか。コーヒーかすを肥料にする方法を詳しく解説するのでぜひ、参考にしてくださいね。
必要なもの
まず、コーヒーかす肥料を作るのに必要な物を紹介します。珍しい道具などは必要ありません。しかし、必要な物の中にははご家庭にない方が多いものがあります。予め必要なものをチェックして、スムーズに入手できるようにしてくださいね。
コーヒーかす
前提としてコーヒーかすが必要です。コーヒーかすで肥料を作るので当たり前なのですが、コーヒーにこだわりがない人はご家庭にない方も多いはず。通販やコーヒーショップなどで安い価格で手に入ります。コーヒーかすが手元ない方は手に入れてみてくださいね。
腐葉土
コーヒーかす肥料を作るには『腐葉土』が必要です。観葉植物を育てている読者の方は、既に手元に腐葉土を持っている方も多いでしょう。通販やホームセンターでも購入できるので手元にない方は用意してくださいね。
ダンボール
コーヒーかすで肥料を作る場合は『ダンボール』が必要になります。段ボールはお手頃価格で販売もしていますが、スーパーなどで無料で配布している場所も多いです。手元にダンボールがない場合は、スーパーなどでもらってくるのがおすすめです。
なお、だけでなくくず野菜を入れるコンポストや蓋のあるバケツでも利用可能です。ただ、発酵させるためには微生物による分解が必須です。そのため、通気性に問題のない容器を選ぶようにしましょう。
新聞紙
『新聞紙』もコーヒーかすで肥料を作るのに必要になります。とはいえ、新聞紙はありふれたものです。入手難易度も高くないので、簡単に入手できるでしょう。新聞を定期購読している場合は、既に手元にある方も多いはず。
簡単に手に入るので、手元にない場合は入手しましょう。
布(段ボールを覆える大きさ)
用意した段ボールを覆える程度の『布』を用意しましょう。布に関しては大きさが重要なので、実際に現物を見て購入した方が安心です。布屋さんやホームセンターで購入できるので、現物を見ながら「この程度の大きさがあればダンボールを覆えるな」と判断して購入しましょう。
近くにホームセンターや布屋さんがない場合は通販で購入しましょう。ただ、購入した布が小さいと使用できません。そのため、大きめな布を購入するのがおすすめですよ。
米ぬか
コーヒーかすで肥料を作る際に『米ぬか』が必要になります。米ぬかがご家庭にある方は少数なので、基本的に購入する必要があるでしょう。大手ECショップなどで簡単に入手でき、お値段もお手頃です。
ただ、注意点としては容量が多いこと。少ない容量でも500g~の販売が多いため、それなりの量のコーヒーかす肥料を作らないと米ぬかが余る可能性が高いです。
米ぬかはコーヒーかすと同等の量あれば問題ないので、多すぎる量を購入しないように注意してくださいね。
作り方の手順
必要なものが用意出来たら、早速コーヒーかす肥料を作っていきましょう。前提として、コーヒーかすを堆肥化させるには時間がかかります。そのため、余裕をもって肥料づくりをおこなってくださいね。
では、作り方を詳しく解説します。
①:ダンボールの底に新聞紙を敷く
最初に段ボールの底に新聞紙を敷きます。とくに難しい作業ではないので、問題なく作業できるでしょう。
②:腐葉土3:コーヒーかす1の割合で混ぜ合わせる
次に、腐葉土とコーヒーかすを3:1の割合で混ぜ合わせます。大量のコーヒーかす肥料を作る場合、かなりの量の腐葉土が必要になります。そのため、手元にある腐葉土の量を確認してから作業に取り掛かりましょう。
③:コーヒーかすと同じ量の米ぬかを入れ混ぜ合わせる
コーヒーかすと腐葉土を3:1の割合で混ぜたら、コーヒーかすと同量の米ぬかを混ぜ合わせます。ここで注意したいのが、コーヒーかすと米ぬかを同量にすることです。コーヒーかす+腐葉土と同量ではありません。腐葉土は含めないで純粋なコーヒーかすと同量の米ぬかを混ぜ合わせてください。
比率を間違えると腐敗する可能性もあるので注意してくださいね。
④:水加えて肥料を湿らせる
米ぬかを混ぜ合わせたら、水を加えて肥料を湿らせましょう。水の加えすぎは肥料の腐敗に繋がるのでNGです。目安としては、手で握った時に水が滴るようなら、水分が多すぎです。水分が多い場合は乾燥させる必要があります。
手で握ったと、団子状になる程度がベストな水分量です。
水の加えすぎに注意して、水分を与えてくださいね。
⑤:1日1回を目安に3週間混ぜる
水を加えたら、1日1回を目安に3週間混ぜてください。発酵は微生物の力を借りておこないます。微生物に酸素が届かないと分解が進みません。なので、毎日1回はコーヒーかす肥料をかき混ぜてあげましょう。
⑥:1か月ほど熟成させて完成
季節によりますが、1ヶ月ほど熟成させたら完成です。堆肥化は夏場なら1か月、冬場なら3か月程度が目安。理由としては、気温がは高いほど微生物の活動が活発になるからです。
堆肥が完成すると、堆肥から発酵食品のような匂いがするので、匂いんで判別も可能です。ただ、腐ったような腐敗臭がする場合は堆肥の作製に失敗しているので覚えておくとよいでしょう。
コーヒーかすの乾燥方法
コーヒーかす肥料で肥料を作るときのコツはしっかり『乾燥』させることです。ですが、しっかり乾燥させるのは意外と難しいですよね。では、どのように乾燥させればいいのか見ていきましょう。
天日干し
もっともポピュラーな乾燥方法は『天日干し』です。天気に左右されますが、特別な道具もなく誰でも簡単にコーヒーかすを乾燥できます。注意点としては、粒が肥料に細かいため、風が吹くとコーヒーかすが舞ってしまうこと。何かしらの対策をおこなってから、天日干しをおこなうのがベストですよ。
フライパンで煎る
フライパンで煎ってコーヒーかすを乾燥させる方法もあります。フライパンに油をひかず乾煎りすればOKです。火加減はなかなか難しいです。理由としては、長時間乾煎りすればコーヒーかすが焦げて使用できなくなる可能性もあります。もともと黒くて見分けが難しいので、フライパンで煎る場合は慎重におこないましょう。
電子レンジ
電子レンジで乾燥させる方法も有効です。フライパンより簡単にコーヒーかすを乾燥させることができます。しかし、電子レンジでも長時間の過熱をおこなうとをコーヒーかすが焦げてしまいます。短い時間で複数回電子レンジにかけるのがおすすめです。
コーヒーかすを肥料として使うのに適した植物
コーヒーかす肥料を作ったら、実際に植物に与えてみましょう。なお、コーヒーかす肥料は適した植物がいくつか存在します。例としていくつかの種類を紹介するのでぜひ、参考にしてみてくださいね。
サンスベリア
サンスベリアの肥料にコーヒーかすで作った肥料は適しています。コーヒーかすで作った肥料は若干酸性に寄っているため、弱酸性を好むサンスベリアにピッタリです。サンスベリアを栽培しているならぜひ、コーヒーかすで作った肥料を与えてあげましょう。
バラ
バラにもコーヒーかすで作った肥料は有効です。コーヒーかすで作った肥料にはバラの育成に必要な栄養素が含まれているからです。ガーデニングなどでバラの栽培をおこなっている方はぜひ、コーヒーかす肥料を与えてあげましょう。
ブルーベリー
ブルーベリーもコーヒーかす肥料に適した植物です。『サンスベリア』でも解説しましたが、コーヒーかす肥料は若干酸性に寄っています。ブルーベリーは酸性を好む植物なので、コーヒーかす肥料は最適な肥料といえるでしょう。ただし、肥料のあげすぎには注意してくださいね。
サボテンなどの多肉植物
サボテンなどの多肉植物にもコーヒーかす肥料はおすすめです。先述した植物同様、微酸性の土壌を好む植物だからです。サボテンや多肉植物はお手軽に栽培できる植物なので、栽培している方も多いはず。ぜひ、コーヒーかす肥料を与えてあげてくださいね。
ハーブ類
ハーブ類の肥料としてコーヒーかす肥料を与えるのも有効です。ハーブ類なら幅広く対応しているので、家庭菜園で自家製ハーブを栽培している方はぜひ、与えてみてくださいね。
肥料以外でのコーヒーかすの用途効果
コーヒーかすは肥料に利用する以外にも活用方法があります。詳しく解説しますね。
消臭・脱臭剤
コーヒーかすは消臭や脱臭剤として活用できます。コーヒーかすは多孔質な形状をしているので消臭や脱臭剤として優れています。靴箱や冷蔵庫など、匂いの気になる場所に置いてみてくださいね。
虫よけ・猫除け
虫よけ・猫避けにもコーヒーかすは有効です。コーヒーに含まれる『カフェイン』は虫や猫が嫌う匂いを発生させているからです。夏場や猫の被害に悩まされている方はぜひ、置いてみてくださいね。
除草
コーヒーかすは除草としても使えます。実は除草効果があるというより、雑草の育成を阻害して成長を遅くしているのが正しいです。なので、野菜や観葉植物を栽培している場所で利用するのは好ましくありません。忙しくて除草作業ができない場合に有効な手段といえるでしょう。
入浴剤
コーヒーかすは入浴剤として活用できます。流石にコーヒーかすをそのまま浴槽に入れるのはまずいので、タイツなどに入れてから浴槽に浮かべましょう。また、ご家族がいる場合はコーヒーが大丈夫の方のみの場合にしましょう。
染料
コーヒーかすは染料として利用できます。実際にコーヒー染めという方法があり、実用性もあります。実際にUCCの公式サイトに掲載しているので、気になる方はチェックしてみてください。
味の素が取り組むコーヒー農園のサスティナビリティ
最後に味の素が取り組むコーヒー農園のサスティナビリティを紹介します。「サスティナビリティって最近よく聞けど、どういうこと?」と疑問に思う方も多いでしょう。簡単に説明すると、環境や経済に優しい活動をおこなっているということです。
実際に味の素がおこなっている「AJIFOL」について見ていきましょう。
味の素の生産過程で出来た「AJIFOL」が肥料になる
味の素の生産過程で出来た「AJIFOL」を肥料として販売しています。『アジフォル®アミノガード®』シリーズとして味の素公式サイトで販売しているので気になる方はチェックしてみてください。
コーヒーの木に使える「AJIFOL」でコーヒー農家を支援している
「AJIFOL」はコーヒーの木(コーヒー豆)の栽培で使えるためコーヒー農家を支援しています。詳しくは後述しますが、コーヒーの有名産地で利用されているので実績も抜群です。コーヒーの木を栽培している方はチェックしてみてはどうでしょうか?
ブラジル、インドネシア、ベトナムなで幅広く活動している
「AJIFOL」はコーヒーで有名なブラジル・インドネシア・ベトナムなどさまざまな産地で広く活動しています。味の素の公式ページにも記載されているので、気になる方は読んでみてくださいね。
【まとめ】コーヒーかすには肥料としての使い道がある!作り方や適した植物まで
本記事ではコーヒーかすを肥料にする方法を解説しました。コーヒーかすはそのままでは肥料にすることはできませんでしたね。しかし、腐葉土と米ぬかで熟成させることでコーヒーかすを肥料として利用することができるようになります。
本記事のポイントは以下の通りです。
- コーヒーかすは熟成させることで肥料として利用できる
- コーヒーかすをそのまま肥料として利用するのはNG
- 肥料以外にも脱臭や猫避け・入浴剤としても利用できる
コーヒーかすはコーヒーにこだわりがある方は、手元にあまり余りやすい物です。「もったいないな...」「何かに使えないかな?」と思っていても捨てている方が多いはず。ですが、本記事を読んだ読者の方なら、肥料として出だけでなく、脱臭や猫避けなどさまざまなことに利用できるはず。コーヒー自体を楽しんでだ後にコーヒーかすを利用して、余すことなくコーヒーを楽しんでみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENにはほかにもたくさんの記事を用意しておりますので、ぜひご覧ください。