ヒャクニチソウの育て方を紹介!お手入れのコツから増やし方まで解説

ヒャクニチソウの育て方
記事内に商品プロモーションを含む場合があります  #PR

目次

ヒャクニチソウは夏から秋にかけて咲く、鮮やかな色合いの花を咲かせる植物です。その名の通り、100日以上も花を咲かせることから長寿の花として親しまれています。最近では品種改良が進み、花の大きさや形、色など、さまざまなバリエーションがあるため、園芸として楽しめるほかに、切り花としても人気があります。カラフルで周囲を華やかに彩るヒャクニチソウ、ご自宅で育ててみたい方も多いのではないでしょうか?この記事では、ヒャクニチソウの育て方について、基本的な手順をわかりやすく解説します。
  • ヒャクニチソウとはどんな植物?
  • ヒャクニチソウの育て方のポイント4つ
  • ヒャクニチソウのお手入れ方法
「ヒャクニチソウを育ててみたいけど、初心者にもちゃんと育てられるか不安…」「ヒャクニチソウのくわしい育て方が知りたい」という方はぜひご覧ください。

そもそもヒャクニチソウ(百日草・ジニア)ってどんな植物なの?

そもそもヒャクニチソウ(百日草・ジニア)ってどんな植物なの?
ヒャクニチソウはどんな植物なのか、基本的な情報をご紹介します。育て方のヒントになるため、ぜひご覧ください。

中央メキシコを原産とするキク科ヒャクニチソウ属の一年草

ヒャクニチソウ(百日草・ジニア)は、中央メキシコを原産とするキク科ヒャクニチソウ属の一年草です。学名は「Zinnia elegans」で、属名の「Zinnia」は18世紀ドイツのヨハン・ゴットフリート・ジン(Johann Gottfried Zinn)という植物学者にちなんで名付けられました。別名の「ジニア」はヒャクニチソウの英名「zinnia」の音訳から来ています。初夏から晩秋にかけて長い期間花を咲かせることから「百日草」と呼ばれています。

暑さに強く花期が長い

ヒャクニチソウは原産地がメキシコということもあり、夏の暑い時期でも次々と花を咲かせ続けます。開花の期間は5月~10月頃ですが、品種によっては11月まで咲き続けるものもあります。初夏から晩秋にかけて100日間咲き続けることから「百日草」とつけられましたが、実際には、100日以上も咲き続けることができる植物です。

初心者でも種から簡単に育てられる

ヒャクニチソウは種が大きくて扱いやすく、発芽率も高いため、初心者でも種から簡単に育てることができます。日当たりと水はけの良い場所で適切に水やりをすれば、元気に花を咲かせてくれます。

さまざまな咲き方がある

ヒャクニチソウには品種によってさまざまな咲き方があります。代表的な咲き方のダリア咲き・カクタス咲き・ポンポン咲きについてご紹介します。

ダリア咲き

花弁が多く重なってふっくらとした丸い花形のダリア咲きは、豪華で華やかな印象を与えてくれます。園芸や切り花としても美しく楽しめる品種です。

カクタス咲き

カクタス咲きは、花弁が細くねじれたような形の花を咲かせる品種のこと。カクタス咲きは、変わった咲き方がユニークで人気があります。

ポンポン咲き

ポンポン咲きは、花弁が重なり合った半球形の花を咲かせる品種。こんもりと花弁が重なり、まるっとしたポンポン咲きは、可愛らしい印象を与えてくれます。

ヒャクニチソウの育て方のポイント①置き場所

ヒャクニチソウの育て方のポイント①置き場所
育て方のポイント1つ目の置き場所について解説します。適切な置き場所に置くことで、植物の生育に影響するため、ぜひご覧ください。

日当たりと風通しのよい場所を好む

ヒャクニチソウは日当たり風通しのよい場所を好む植物です。日光をたくさん浴びることで花つきが良くなります。また、風通しの良さは病害虫の発生を妨げる効果があります。

雨を嫌う品種はプランターや鉢に植え、軒下で管理するとよい

ヒャクニチソウは、梅雨や長雨の時期にうどんこ病や灰色かび病などの病気にかかりやすい植物です。雨に弱い品種はプランターや鉢で育てて、軒下で管理してあげるとよいでしょう。

地植えや花壇に植える場合はマルチングなどで泥はねを防ぐ

ヒャクニチソウは雨や水やりの際の泥はねによって病気にかかりやすい植物です。地植えや花壇で育てる場合は、土の表面に腐葉土やバークチップなどの有機物を敷き詰める「マルチング」などで泥はねを防いであげるとよいでしょう。

ヒャクニチソウの育て方のポイント②水やり

ヒャクニチソウの育て方のポイント②水やり
育て方のポイント2つ目の水やりについて解説します。地植えと鉢植えでの水やり方法が異なるため、ぜひご覧ください。

地植えの場合

地植えで育てる場合の水やりについて解説します。育て方の参考になりますので、ぜひご覧ください。

基本的に水やりは不要

地植えで育てる場合、基本的に水やりは不要です。ヒャクニチソウは乾燥に強い植物のため、地中から水分を得ることができる性質を持っています。

乾燥が続くとき、葉がしおれるときは水を与える

ヒャクニチソウは乾燥に強い植物ですが、土が乾燥しすぎて枯れてしまう可能性があります。夏場などの乾燥が続く時期に葉がしおれている場合は、水を与えましょう。

鉢植えの場合

鉢植えの水やり方法について解説します。適切な水やりをすることで、元気な株に育ってくれます。

土の表面が乾いたらたっぷりと

土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えるようにします。土の下まで水が浸透するように意識するとよいでしょう。

茎葉でなく株元に水をかけるのがポイント

茎葉に水をかけると、土の表面だけが湿ってしまい、根まで水分が行き渡らない可能性があります。また、葉や花に水がかかると病気の原因になるため、水やりは茎葉でなく株元に水をかけるのがポイントです。ジョウロやホースを使用するとよいでしょう。

夏は気温の低い時間帯に行う

夏は気温が高く、水分の蒸発が早くなります。気温の高い日中に水やりをすると土中の水がすぐに乾燥してしまい、水不足の原因になります。夏場の水やりは朝か夕方の気温の低い時間帯に行いましょう。

ヒャクニチソウの育て方のポイント③土

ヒャクニチソウの育て方のポイント③土
育て方のポイント3つ目のについての解説です。地植えと鉢植えのそれぞれに適した土をご紹介します。

水はけがよく有機質に富んだ土を好む

有機質は土壌の保水性や通気性を高めて根の発育を促すため、花付きが良くなります。また、ヒャクニチソウは根腐れを起こしやすい植物のため、水はけがよい土を使用しましょう。

地植えの場合:植え付け前に腐葉土や堆肥を混ぜ込んでおく

地植えで育てる場合は、植え付けの前に土に腐葉土堆肥を混ぜ込んで、水はけと有機質をよくしておきましょう。土壌の保水性や通気性を高め、根の発育を促進します。

鉢植えの場合

鉢植えで育てる場合に適した土をご紹介します。適切な土を使った育て方で、元気な株にしましょう。

草花用培養土が便利

鉢植えで育てる場合は、草花用培養土を使うと便利です。草花用培養土は、有機質を多く含み、水はけと保水性に優れているため、ヒャクニチソウの栽培に適しています。

草花用培養土に腐葉土や牛ふんを混ぜ込んでもよい

草花用培養土に腐葉土牛ふんを混ぜ込むことで、より水はけのよい土壌をつくることができます。また、追肥の頻度を減らすことができます。草花用培養土と腐葉土と牛ふんを7:2:1の割合で混ぜます。腐葉土や牛ふんは、あらかじめよくほぐしておき、雑草や虫が混ざっていないことを確認してから使用するようにしましょう。

ヒャクニチソウの育て方のポイント④肥料

ヒャクニチソウの育て方のポイント④肥料
育て方のポイント4つ目の肥料について解説します。ヒャクニチソウに適した肥料を使用することで、株の健康を維持することができます。

元肥として緩効性化成肥料を与える

元肥は植物の初期生長を促すため、苗の活着を早めてより元気な株を育てることができます。緩効性化成肥料は徐々に肥料分が溶け出すため、植物に過剰に肥料を与えてしまうことがなく、安心して使用することができます。ヒャクニチソウの元肥として適した緩効性化成肥料として、マグァンプK(中粒)やオルガニック・ガーデン・ファーティライザーなどがおすすめです。

開花期に定期的に液肥を与える

ヒャクニチソウは開花期が長い植物のため、栄養を与え続けることが必要です。植え付け時に緩効性肥料を元肥として施した後も、開花期に液体肥料を月に3回程度与えることで、花の色や形をよく保つことができます。

ヒャクニチソウのお手入れ

ヒャクニチソウのお手入れ
ヒャクニチソウの育て方の中で、お手入れは重要な作業です。くわしいお手入れ方法について解説します。

植え付け

ポット苗から植え付ける方法を解説します。ポット苗は4月頃から販売されます。苗は葉が緑色で茎がぐらついていないもので、蕾が付いたものを選ぶとよいでしょう。

植え付けの適期:5月~6月頃

植え付けの適期は、5月~6月頃です。霜の心配がなくなり気温も安定するため、苗が根付きやすく元気に育ちます。

植え付けのしかた

鉢植えの場合は鉢に鉢底網と鉢底石を敷いて、鉢の高さの1/3まで用土を入れます。苗の根を切らないようにポットから取り出して土を落とします。鉢に苗を入れて、隙間なく土を入れます。 地植えの場合は、植え付けの2週間前に肥料を土に混ぜ込んでおきます。苗の根の高さと同じ深さの穴を掘ります。苗の根を傷つけないようにポットから取り出して土を落としましょう。掘った穴に入れ、土を周りに寄せて軽く押さえます。 植え付け後の育て方として、鉢植え・地植えの場合どちらも、たっぷりと水やりをして管理しましょう。 また、植え付け時に支柱を立てておくことで、株が根を張ってから倒れるのを防ぐことができます。ヒャクニチソウは茎が細く、風に倒れやすいため、竹などを使って支柱を立てて支えてあげるとよいでしょう。

剪定

ヒャクニチソウの育て方の中で重要な剪定について解説します。剪定することで栄養が行き渡り、元気に花を咲かせてくれます。また、風通しが良くなり病害虫の予防にもなるため、定期的に行いましょう。剪定グッズを揃えておくとお手入れがしやすくなります。

摘心

摘心とは、花芽がつく前に茎の先端を摘み取る剪定方法です。新しい枝や葉を増やし、株を茂らせて花付きをよくする効果があります。摘心は本葉が6~7枚になったら行います。摘心する位置は、茎の先端から2~3節目です。ハサミで切り取るようにしましょう。

切り戻し

切り戻しとは、茎や枝を切り落とす剪定方法のこと。株をコンパクトにまとめたり、花付きをよくします。切り戻しは花が咲き終わった後、または夏の暑さが過ぎた頃に行います。切り戻す位置は、全体の丈の半分から三分の一程度をハサミで切り取るようにしましょう。

花がら摘み

花がらを摘み取ることを、花がら摘みと言います。咲き終わった花や傷んだ花(花がら)は放置しておくと、新しい葉や花への栄養が奪われてしまうため、花がら摘みを定期的に行う必要があります。ヒャクニチソウの育て方の重要な要素である花がら摘みについて解説します。

花を長く多く咲かせるため

ヒャクニチソウの花がら摘みは、花を長く多く咲かせるために行います。花がらを早めに摘み取ることで栄養を新しい花に行き渡らせることができるため、長く花を楽しむことができます。

病害虫の予防にも

咲き終わった花や枯れた葉は、病害虫の温床になりやすい環境のため、注意が必要です。花がら摘みを行うことで株内の風通しも良くなるため、病害虫の予防に効果的です。

病害虫

ヒャクニチソウは丈夫で育て方が比較的簡単な植物ですが、病害虫の被害にあう場合があります。ヒャクニチソウがかかりやすい病気と害虫について対処法とあわせてご紹介します。

灰色カビ病

灰色カビ病は、主に野菜などにも多く発生する病気として知られています。ヒャクニチソウに発症した場合は、花や葉に異変が現れます。花弁が褐色になったり斑点ができ、やがて灰色~灰褐色のカビを発生させます。

うどんこ病

うどんこ病は、葉の表面にうどん粉をまぶしたように白いカビが生じる病気です。風に乗って飛散するため、他の植物に感染する恐れがあります。うどんこ病は野菜や

対処法:病変した葉を摘み取り、殺菌剤を散布する

病変した葉を摘み取ることで、病原菌の繁殖を抑えることができます。ハサミで切り取ることがおすすめです。病原菌が入らないように、切り口に消毒をしておくとよいでしょう。また、殺菌剤を散布して、ほかの株に病気が広がらないように対処します。

アブラムシ

ヒャクニチソウはアブラムシがつきやすい植物です。特に風通しが悪い場所に植えると、アブラムシが発生しやすくなります。アブラムシは繁殖力が高く、放置すると大量発生する可能性があるため、見つけ次第早めに対処しましょう。

ハダニ

ヒャクニチソウは葉が細かく繊細なため、ハダニが寄り付きやすいと言われています。ハダニは乾燥した環境を好む害虫です。ヒャクニチソウは乾燥気味に育てる植物のため、ハダニの温床になる場合があります。

対処法:見つけ次第落とし、水や薬剤などで防除する

ヒャクニチソウにアブラムシやハダニがついていたら、見つけ次第落とし、水や薬剤などで防除するとよいでしょう。水やぬるま湯で洗い流すか、手でつぶす駆除をします。殺虫剤を散布する際は、アブラムシやハダニの種類や被害の状況に合わせて、適切な殺虫剤を選ぶとよいでしょう。ヒャクニチソウを適切な育て方で管理するため、害虫駆除グッズを揃えておくとすぐに対処できます。

増やし方

ヒャクニチソウを増やしたい場合の方法を解説します。増やし方には種まき挿し木の2つの方法があります。ヒャクニチソウの種は「サカタのタネ」などのオンラインショップで手に入れることができます。サカタのタネでは花や野菜などさまざまな品種の種が多く販売されているため、おすすめです。

種まきのしかた

ヒャクニチソウはプランターや庭に直接種まきをすることで増やせます。種まきの時期は4月以降が一般的ですが、寒冷地では5月以降に行うとよいでしょう。日当たりと風通しのよい場所に種をまきます。種は嫌光性のため、土で5mmほど覆うようにします。 ポットに種をまいて苗にしてから植え付ける場合は、発芽して本葉が2~4枚になったらビニールポットに移して液肥を与えます。その後本葉が5~6枚になり、ポットに根が回ったらプランターや庭など、好きな場所に定植します。

発芽適温は20℃~25℃

ヒャクニチソウの発芽適温は20℃~25℃です。20℃以下になると発芽までに時間がかかり、30℃以上になると、発芽率が低下します。4月~5月頃の気温が20℃~25℃前後になる時期に種まきをして、発芽を促しましょう。

種まき後の管理のしかた

種まき後の育て方として、発芽するまでは土が乾燥しないようにしましょう。土が乾燥すると発芽率が低下するため、こまめに水やりをすることが大切です。発芽したら、日当たりと風通しのよい場所に置いて管理します。

挿し芽で増やすことも可能

ヒャクニチソウは、挿し芽で増やすことも可能です。5月下旬~7月上旬頃に行うとよいでしょう。挿し芽は種まきより早く花を楽しむことができ、親株と同じ性質の植物を増やせるメリットがあります。挿し穂は長さ約5~7cmでカットし、下部の葉を落として上部の葉を2枚ほど残します。挿し穂を湿らせた培養土が入っているポットに挿して明るい日陰で管理し、土壌が乾燥しないように水やりをしましょう。発根して本葉が5~6枚になったら鉢や庭に植え付けましょう。

【まとめ】ヒャクニチソウの育て方を紹介!お手入れのコツから増やし方まで解説

ヒャクニチソウの育て方とお手入れ方法について解説しました。 今回の記事のポイントは
  • ヒャクニチソウは花期が長く、100日以上も花を咲かせることから「百日草」と名付けられた。
  • 日当たりと風通しのよい場所で、水やりと肥料など育て方をきちんとすれば、ヒャクニチソウは初心者でも種から簡単に育てることができる丈夫な植物。
  • 水やりの際は葉や茎に水が当たると病気の原因になるため、株元に水を与えるように注意する。
  • 梅雨の時期など、長雨が続く場合は泥はねをしないようにマルチングなどを施すと病気の予防になる。
  • 植え付けを行う場合は、5月~6月に行うと根付きやすくなる。
  • 定期的に剪定・花がら摘みなどのお手入れを行うことで、たくさん花を咲かせてくれるようになり、病害虫の予防にもなる。
  • 種まき・挿し芽をすることで、ヒャクニチソウを増やすことができる。
でした。 育て方やお手入れ方法についてくわしく知ることができたのではないでしょうか?ヒャクニチソウはカラフルな花色と、可愛らしい花姿が魅力の花です。ぜひ、この記事を参考にしてご自宅の花壇や鉢植えでヒャクニチソウを栽培してみてくださいね。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。