キンセンカの育て方を紹介!種まきのしかたから人気の品種まで解説

キンセンカの育て方
記事内に商品プロモーションを含む場合があります  #PR

目次

黄色やオレンジ色が目に飛び込んでくるキク科のキンセンカをご存じの方も多いかと思います。しかしキンセンカの育て方となると、種まきの時期や育て方の注意点、害虫対策などたくさん知りたいことが出てきますね。 そこでこの記事では
  • キンセンカの基本的な情報
  • 種まきと育苗、定植の仕方
  • 基本的な育て方【置き場所】
  • 基本的な育て方【水やり】
  • 基本的な育て方【肥料】
  • 基本的な育て方【植え替えと剪定】
についてくわしく解説していきます。 キンセンカの増やし方や人気の品種についてもまとめました。この記事を最後まで読めば、キンセンカのことをあまり知らない人でも上手に育てて綺麗な花を楽しむことができますよ。ぜひ最後までご覧ください。

キンセンカってどんな植物?

キンセンカってどんな植物?
まずはキンセンカの基本情報について理解を深めていきましょう。植物の特色や育ちやすい環境を知ることで、自分で育てる時に応用できます。育て方の前にしっかり確認してくださいね。

キンセンカの基本情報

キンセンカはヨーロッパや地中海沿岸が原産のキク科キンセンカ属(カレンデュラ属)で、20種類ほどの原種がある一年草の草花です。園芸品種も多く、草丈や花の大きさ、花弁の数も多種多様で、主に黄色やオレンジ色など暖色系の花が長期間咲き続けます。花の形と色が金色の盃に見えるため金盞花という和名がつけられました。丈夫で育てやすいため初心者にもおすすめの草花です。
植物名 カレンデュラ(キンセンカ)
学名 Calendula
草丈 10~60cm
耐寒性 強い~やや強い
耐暑性 弱い~やや弱い

早春から初夏にかけて次々に花を咲かせる一年草の代表種

暖地では秋ごろに種まきして早春の3月~初夏にかけて、非常に長い期間花を咲かせ続ける代表的な一年草です。キンセンカの明るい黄色は、花が少ない冬の時期からお庭を彩り、ワイルドフラワーとして利用されています。花壇はもちろん、鉢植えやプランターでも育てやすいのでビオラやチューリップと合わせてもいいですね。

鮮やかなオレンジ色の花びらが人気のハーブ

キンセンカはハーブとしても知られています。皮膚や粘膜の修復を促すカロチン、生理不順や月経痛などに有効な効能があるフィトステロール、ほかにも殺菌作用や炎症の抑制などの効果がありますよ。鮮やかなオレンジ色の花びらを乾燥させてハーブティーや、薬用オイルにして使用されます。

開花時期が長く花をたくさん楽しめる

キンセンカの大きな特徴は開花時期が長いことです。関東から南の地域では早ければ12月から咲き始め、5月までずっと咲き続けます。冬知らずという品種は小輪多花声で寒さにも強く、冬中咲き続けることができますよ。また寒地でも7月から9月まで咲き続けることができます。

丈夫で育てやすいのが人気の植物

丈夫で育てやすい理由は、まず寒さに強いことと乾燥に強いことが挙げられます。庭植えで根が張ったものなら水やりはほとんど要りません。また虫よけ効果があるため害虫被害も少なく、コンパニオンプランツとして他の野菜や果樹などの周りに植えて利用されるくらい。管理の手間が少ないところも人気の秘密です。

品種によっては多年草になるが育てるのが難しい

キンセンカはたくさんの品種があります。一年草以外にも品種によっては、数年にわたって育つ多年草の品種もあります。多年草の品種の場合、購入時と大きく育った時に植え替えが必要です。植え替えは秋ごろが適期。しかし多年草の品種は冬越しや剪定などが難しく、注意が必要です。

切り花用に改良された品種がある

キンセンカの中でも切り花用に改良された品種がありますよ。スノープリンセスやゴールドスター、ヒメキンセンカなど草丈が50~60㎝ほどになる高性品種で、耐寒性も高いため通年花屋さんで見かけられるでしょう。切り花用とは反対に、草丈が10~30㎝くらいのオレンジゼムやゴールデンゼムなどは極矮性品種で花壇やプランター向きです。

花色と盃状に咲く花の形から「金盞花」と名づけられた

さきほど少しお伝えしたように花びらが金色に見えることや盃のような形に咲くことから、「金盞花」と名付けられました。ヨーロッパでは黄色はあまり好かれない色ですが、日本では金色の盃のようだととても好まれました。金は高価で繁栄の象徴でもあり、見ていて元気をもらえるようです。

キンセンカの育て方【種まき】

キンセンカの育て方【種まき】
基本情報を確認したところで、さっそく育て方についてくわしく解説します。種は三日月形をした、長さ約1cmの比較的大きなもの。花屋さんやホームセンターでポット植えを購入するほかに、種まきして育てる方法もありますよ。適期や手順についてまとめました。

キンセンカの種まき時期は秋の彼岸頃が適期

キンセンカの基本的な種まき時期は、秋のお彼岸頃が適期とされています。9月上旬から10月上旬にかけて種まきするようにしましょう。しかしこれは関東より南の冬でも気温が高い地域での適期。開花時期をもっと早めたいのなら、8月下旬に行うようにしましょう。その年に採った種は、その年の内にまく方が発芽率がいいですよ。

寒地では春まきにする

寒地での種まきは、4月下旬から5月の春まきがいいでしょう。何故なら発芽適温が15℃~20℃だから。東北や北陸、北海道では春まきして、7月~9月の開花時期に合わせて育てます。茎が伸びていないロゼット状態の苗なら-15℃ぐらいにも耐えますが、とう立ちして花茎が伸びていると凍結や寒風で傷みやすくなるので注意が必要です。

ポットに直まきして苗を育てる

種まきは花壇やプランターへ直まきして育てることもできますが、ポットや育苗箱などにまいて育てます。発芽までの日数は4日~10日。本葉が4~5枚まで育ったら定植しましょう。大きいものや葉の色が濃いものを選んで、小さい芽やひょろひょろしているもの、葉の色が薄いものは間引きしてください

発芽適温は15~20℃

発芽適温は15℃~20℃です。秋のお彼岸までに種まきすれば土の温度が低くなりにくいのでおすすめです。キンセンカのタネは寿命が長く、5年くらい経ったタネでも発芽するといいますが、その年に採取したものの方が発芽率が高いですよ。寒地の場合は、土の温度が15℃以上になる5月中旬から種まきしましょう

キンセンカの種まき手順

種まきの手順は次の通りです。
  1. キンセンカの花が枯れたあと、ピンセットで種を採取する
  2. 1週間ほど乾燥させる
  3. 乾燥させた種を水の入った容器に入れ、沈んだ種を残す
  4. 種まき用の用土を育苗箱へ入れ、軽く土を湿らせる
  5. 土の表面に種をまく
  6. 種がうすく隠れるくらいに土をかぶせる
  7. 発芽して本葉が4枚以上になればポットへ移し替えていく
もちろん、ポットや花壇へそのまま直まきしても構いませんが、安定して苗を作りたい場合は育苗箱がおすすめです。

キンセンカの育て方【育苗】

キンセンカの育て方【育苗】
前のトピックで種まきについて理解を深めてきました。次は、育て方の中で育苗についてご紹介します。どんどん大きくなる苗に合わせて、置き場所や肥料の与え方、管理方法を確認していきましょう。

子葉が出たら苗が徒長しないようによく日に当てる

まず子葉(しよう)とは、植物が発芽して最初に出てくる葉っぱのことです。本葉が出てくるまでの栄養を子葉から得るため、苗がひょろひょろと徒長しないよう日光の当たる窓辺や軒下へ置き、よく日光に当ててください。ここで十分に当たらないと本葉が出てきても、その後の成長が上手くいかず枯れたり、溶けたりしてしまいます。

夏の育苗は直射日光に当てないようにする

育苗で注意が必要なのは、夏場の育苗です。耐暑性の低いキンセンカは、暑すぎる環境が苦手です。日光に当てるといっても、真夏の厳しい直射日光や西日には当てないでください。午前中に日が当たる場所か、暑い時期は黒の寒冷紗で遮光して、育苗するようにしましょう。

本葉が出始めたら間引いて1本にする

順調に育って本葉が出始めたら1回目の間引きを行うタイミング。元気なもの、大きなものを残し、小さいものやひょろひょろと徒長している苗を間引いてください。指で苗をつまみ、そっと引き抜けばOK。残した苗はぐらつかないように指で軽く土寄せしておくと、その後も元気に生長します。

間引き後は週に1度1000倍に希釈した液肥を与える

さらに間引き後は最初の肥料を与えるタイミングでもあります。1週間に1度1000倍に水で希釈した液肥を与えて丈夫な苗に育てていきましょう。液肥を与えている間は水やりもかねているため、重ねて水やりは不要です。じめじめし過ぎないよう注意し、土が乾いているようなら霧吹きなどで土を湿らせるなど苗が育ちやすい環境にしてください

キンセンカの育て方【定植】

キンセンカの育て方【定植】
本葉が出てきたらいよいよ定植(ていしょく)です。鉢植えやプランターへ植え付けたり、花壇にたくさん植え付けたりと楽しみがふくらみますね。定植の際のポイントについて解説します。

定植のタイミングは本葉4~6枚になり、ポットに根が回ったら

本葉が4~6枚になりポットに根が回ったら、定植のタイミングです。ポットをそっと持ち上げて、鉢底穴から白い根が見える、ポットの中の土がぼろぼろ崩れなければ大丈夫です。キンセンカは有機質の多い弱アルカリ性の土を好むため、苗を植える2週間前までに苦土石灰をまき、堆肥と元肥を施してよく耕す必要があります。矮性品種なら15㎝間隔、高性品種なら25㎝以上苗と苗の間隔をあけて植えましょう。

日当たりと水はけのよい場所に定植する

土を耕して置く前に大切なのは、日当たりと水はけの良い場所かどうかを確認すること。キンセンカは日光が当たると花を開き、暗くなると花を閉じます。直射日光や西日を避けた明るく、水はけの良い場所へ植え付けましょう。室内で育てる時もできるだけ窓際に置きます。水はけが悪いと炭疽病やうどんこ病にかかりやすくなります。

キンセンカの定植手順

定植の手順は次の通りです。
  1. 植え付ける場所を決める
  2. 1平方メートルに苦土石灰約200g、堆肥バケツ1杯、化成肥料約200gを施し、よく耕す
  3. 2週間後、植え付けるキンセンカの品種に合わせ、20㎝~25㎝ずつ間隔をあけて穴を掘る
  4. 掘った穴へ、半分くらいの高さまで水をそそぐ
  5. キンセンカの苗をポットから取り出し、土をほぐさず植える
  6. 根元へ軽く土寄せして、固定する
  7. じょうろで水やりして完成
キンセンカは生育が早く、横へ広がりながら育ちます。病気発生予防のためにも風通しを良くして株間はなるべく広く取りましょう。わい性種は株間15~20cm、高性種は25~30cm間隔がおすすめです。

キンセンカの育て方【置き場所】

キンセンカの育て方【置き場所】
キンセンカを育てる方、室内栽培したいという方にもぜひ踏まえておきたい基本的な育て方について、ご紹介します。まずはキンセンカの置き場所です。

直射日光をさけた明るい日陰に置く

一番大切なポイントは、直射日光をさけた明るい日陰に置くことです。明るい日陰というのは、午前中か午後のどちらかに日が当たる場所という意味。キンセンカは日光を好みますが、耐暑性が他の植物に比べて低めです。じりじりと日光が当たると株を傷めてしまいますから、屋外栽培なら木の陰や建物の近くへ、室内栽培ならレースのカーテン越しに日光の当たる窓辺などへ置きましょう。

開花期間になると日光が当たることで花を開く

キンセンカの花は日光が当たって花を開き、暗くなると花を閉じる習性があります。そのため全くの日陰になる場所はNGです。鉢植えの場合は開花時期になったら日の当たる場所へ移動してください。屋外栽培の場合も同様に、日光が当たるよう周囲の枯草や雑草を刈っておくといいでしょう。

日光が足りていないと徒長の原因になるので注意する

花が咲かない時期も日当たりには注意が必要です。何故なら、日光が足りていないと茎がひょろひょろと伸びていく徒長の原因になるから。日光を求めて葉や芽が不格好に伸びてしまいますから、日当たりには十分気をつけましょう。

冬越しをする場合は風の当たらない室内に避難させる

耐寒性の高いキンセンカですが、冬越しで枯れる一番の原因は凍結や寒風にあたること。もし鉢植えで育てている場合は、11月頃に外から風の当たらない室内へ鉢を移動して、避難させましょう。花壇へ植えているなど地植えの場合は、藁やバークチップでマルチングして根元を保護してください。

キンセンカの育て方【水やり】

キンセンカの育て方【水やり】
基本的な育て方でも気になるのは、水やりではないでしょうか。基本的な育て方の中でも、しっかり把握しておきたい水やり。乾燥に強いキンセンカの水やりについてまとめました。

地植えの場合は基本的に水やりをする必要がない

地植えのキンセンカは、基本的に水やりをする必要がありません。雨で十分です。根を十分に張り巡らせますから土中の水分を上手に吸水して元気に育つでしょう。水やりの代わりに、枯れ葉を取り除いたり、木酢液や防虫スプレーを噴霧したりと病害虫予防を行うようにしてください。

鉢植えの場合は土が乾いたらたっぷり与える

鉢植えの場合は、どうしても乾燥しやすいため土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。鉢底から水が流れるくらいが目安。土の中のゴミや菌を洗い流し、根が張りやすくなりますよ。春から夏にかけては土が乾いたらすぐ、秋から冬にかけては土が乾いて2、3日経ってから水やりするようにしてください。

過湿の状態が長く続くと根腐れの原因になるので注意する

キンセンカは加湿な環境がとても苦手です。乾燥している方が元気に育ちます。そのため水の与えすぎには注意してください。土がずっと湿っている過湿の状態が続くと、根が呼吸できず黒ずんで腐ってしまう根腐れの原因になってしまいます。判断がつきにくい時は、水やりチェッカーなどを使うと、目で確認できるのでおすすめです。

キンセンカの育て方【肥料】

キンセンカの育て方【肥料】
キンセンカの育て方で水やりと合わせて覚えておきたいのが、肥料の与え方です。肥料を与えすぎてもよくないし、逆に与えなくても育ちが悪くなるなどお悩みはつきませんね。このトピックでは、おすすめの肥料や地植え鉢植えの場合について、くわしく解説していきます。

花壇や地植えでは元肥をすれば基本的に肥料を与える必要はない

花壇や地植えにしたキンセンカには、基本的に肥料を与える必要はありません。理由は、植え付ける前に元肥として堆肥と緩効性肥料を混ぜているから。じっくりと根から養分を吸収できる状態ですから、約1年ほどの長期間の栽培期間でも追肥をあまりしなくてOK。生育が遅い時、本葉が伸びている時期に液肥を1週間に1度与えるくらいにしましょう。

鉢植えの場合は元肥と月に1回液体肥料を追肥する

鉢植えで育てる場合は、地植えと少し違います。弱アルカリ性の土を好むキンセンカ。堆肥、緩効性肥料の元肥と苦土石灰を用土によく混ぜて酸度調整をしてください。その上で長期間咲き続ける体力維持のために1ヶ月に1回液体肥料を追肥として与えましょう。期間は10~4月までの秋から春にかけて。開花時期の追肥は不要です。

肥料のやり過ぎは肥料焼けを起こす可能性があるので注意する

気をつけておきたいのは、肥料の与えすぎによる肥料焼けを起こすことです。育て方をしっかりしようとし過ぎて逆に枯らす可能性があります。葉が縁から黒ずんでいたら、それが肥料焼けのサイン。肥料が多すぎて根が傷み、上手に吸水できず最悪枯れてしまう可能性もあります。元肥と追肥の両方とも、規定量をきちんと確認して適切な量を与えるようにしてください。

キンセンカの植え替え方法

キンセンカの植え替え方法
キンセンカは多くの品種が一年草です。育て方の中でも鉢増しはあまりしませんが、多年草の品種やポット苗を購入した場合に植え替えの作業が必要になります。植え替えについて再度理解を深めていきましょう。

基本的に一度植え付けたら植え替えをする必要はない

先ほどもお伝えしたように、キンセンカは基本的に一度植え付けたら植え替えをする必要がありません。開花後に枯れてしまうためです。苗の植え付け適期が秋ですから、ポット苗の流通も秋から冬にかけてが多くなります。寒さの厳しい地域ではポット苗から鉢植えに植え付けて、室内栽培で育てましょう。

ポット苗をプランターに植え替える場合

ポット苗をプランターに植え変える場合、ポイントが2点あります。株間を十分に開けることと、風通しを良くすることです。それぞれくわしく解説していきます。ぜひ植え替える場合の参考にしてください。

65cmのプランターでおよそ4株を目安に植え替える

1つ目は、株間を十分に開けることです。例えば65㎝のプランターに植え替えるのなら、およそ4株を目安にしましょう。苗と苗の間が10~15㎝くらいずつ間隔を開ければOKです。もう少しボリュームが欲しい時や寄せ植えに仕立てたい時は、6株くらいまでなら大丈夫でしょう。

ぎゅうぎゅうに詰めすぎると風通しが悪くなるので注意

2つ目は、風通しをよくすること。キンセンカは加湿に弱い植物です。生育して葉が混み合っていたり、ぎゅうぎゅうに寄せ植えしたりする状態は病気や害虫が発生しやすい環境です。4月以降アブラムシや炭疽病やうどんこ病が出やすくなりますので、株と株の間を広げて風通しを良くし、健康に育つよう管理してください。

キンセンカの植え替え手順

植え替えの手順は次の通りです。
  1. 用土を酸度調整して、堆肥、元肥を混ぜる
  2. 植え付けるキンセンカの品種に合わせ、10㎝~15㎝ずつ間隔をあけて穴を掘る
  3. キンセンカの苗をポットから取り出し、土をほぐさず植える
  4. 根元へ軽く土寄せして、固定する
  5. じょうろで水やりして完成
 

キンセンカの剪定方法

キンセンカの剪定方法
元気に育ってきたら葉が混み合ってきます。また花数を増やしたい時、適切な剪定を行うことでより長くキンセンカを楽しむことができますよ。基本的な育て方から、応用編の育て方として剪定もマスターしましょう。

花数を増やしたいときは摘心を行う

キンセンカは、基本的に剪定を必要としない植物です。ただしもっと花数を増やせばボリュームが出て、見た目もよくなりますよ。摘芯すれば脇芽が増えてたくさん花が咲くようになります。蕾がつかないうちに茎の先端を切っておきましょう。

摘心のタイミングは本葉が10枚ほどつくまで育ったら

摘芯のタイミングは、本葉が10枚ほどついて大きくなってきたら。蕾がつく前がいいでしょう。季節は秋まきのキンセンカなら4月~5月、春まきなら6月頃がおすすめです。切る時は勇気がいりますが、切れ味のいいハサミでカットするとダメージも少なくて済みますよ。しばらく経つと少し下の節から脇芽がたくさん伸びてきます。

キンセンカの摘心手順

摘芯の手順は次の通りです
  1. 中心に伸びている一番大きな茎を選ぶ
  2. 切れ味のいいハサミで新芽のすぐ下をカットする
簡単なのでぜひ試してみてください。

キンセンカを夏越しさせたい場合は切り戻し剪定を行う

キンセンカは夏バテしやすい植物でもあります。花の数が少なくなった、または咲き終わったタイミングで切り戻して株の体力を温存し、夏越えできるようにしてください。キンセンカの形が乱れた時にもおすすめです。夏の間は直射日光を避けた涼しい場所に置いておくのがおすすめです。こまめに様子を見ながらお手入れしてあげましょう。

切り戻し剪定は梅雨が来るまでに終える

キンセンカは初夏を過ぎると枯れてしまうのが基本です。夏越しさせたい場合、梅雨が来るまでに切り戻し剪定を終えましょう。切り戻しは、茎の1/3くらいから半分くらいを目安に切ります。鉢植えならはみ出た茎や葉は思い切ってカットしてください。蒸れを防ぎ、暑い夏を乗り越えやすくなります。

キンセンカの切り戻し手順

切り戻しの手順は次の通りです。
  1. 草姿の崩れた葉や茎、花が咲き終わった苗を準備する
  2. 切れ味のいいハサミで、咲き終わった花のすぐ下をカットする
  3. 混み合った葉を選んでカットする
  4. 鉢の縁からはみ出した脇芽や葉は思い切ってカットする
あまりにカットし過ぎて大丈夫かな? と心配になるかもしれません。しかし茎の根元に葉が残っていれば新しい葉が伸びてきますから安心してください。

キンセンカを増やす方法

キンセンカを増やす方法
育て方のポイントについてまとめてきましたが、いかがでしょうか? 花が咲いた後は次の季節へ向けて種を採取してみましょう。育て方の応用編として増やし方についてまとめました。

キンセンカは種まきで増やせる

キンセンカは種まきで増やせます。花が咲き終わると種ができます。7月を過ぎるまでは株の体力を持たせるために、花柄をどんどん摘んでいきますが、7月中旬を過ぎたら花が咲き終わった後もそのままにしましょう。花の中心でふくらみ、半月状の種が茶色くなったら取り頃です。

キンセンカの種とり手順

種とりの手順は次の通りです。
  1. 花の中心でふくらんだ種を軽くゆする
  2. 緑色ではなく茶色く変色した種のみを拾う
  3. 摘み取った種を新聞紙などに包み、乾燥させる
  4. 空き瓶などに乾燥剤と一緒に入れ、冷蔵庫で保存
ピンセットで種を採取するのもおすすめです。保存期間は2~3年ですが、5年以上保存しても発芽することがあります。

キンセンカの種類

キンセンカの種類
たくさんあるキンセンカの品種の中でも、特に育てやすく見た目も楽しめる品種をご紹介します。黄色やオレンジ色のほかにも白い花が咲く品種、切り花用にもなる茎が長く育つ品種がありますよ。ぜひ参考にしてくださいね。

ヒメキンセンカ

ヒメキンセンカは、カレンデュラ・アルベンシスという品種の和名です。江戸時代に日本へ渡ってきたキンセンカで、日本全国で広く自生しています。花の大きさが2㎝程度で、ほかのキンセンカに比べて小さいのが特徴です。一株にたくさんの花を咲かせ、適切に管理すれば冬から春にかけて長く開花し続けるのも魅力です

スノープリンセス

スノープリンセスは草丈の高い高性品種で、寒さに強く早咲きなのが特徴です。黄色やオレンジ色の多いキンセンカの中でも珍しい、温かみのあるクリームイエロー色の花を咲かせます。しべが黄色く、豪華なセミダブルの花びらで見ごたえがあります。切り花用としても非常に人気の高い品種です。

カレン

カレンという品種は、ヒメキンセンカと同じく花の大きさが3㎝ほどの小輪品種で草丈が高いのが特徴です。花が小さいながらも、たくさんの花芽をつけるため花壇やプランターでボリュームを出したい時や、一株で楽しみたい時にぴったり。切り花にも向いていますので、黄色の鮮やかな花が見るたびに元気をくれるでしょう。

冬知らず

冬知らずという品種は、キンセンカの中でも開花時期が長く、耐寒性が非常に強いのが特徴です。積雪地域でなければ、冬の寒い中でも濃い黄色の花を咲かせ続けます。花は2㎝前後の小輪で、海外では「野原の」という意味でフィールドマリーゴールドという名前を付けられています。

【まとめ】キンセンカの育て方を紹介!種まきのしかたから人気の品種まで解説

最後まで読んでみていかがでしたか? キンセンカは冬の花が少なくなる時期に花を咲かせる植物で、とても重宝されています。種まきや植え替え、日当たりや水やりなど、キンセンカが好む環境を知り、育て方の基本や応用を踏まえておけば、室内や屋外でも上手に咲かせて楽しむことができますよ。 この記事のポイントは
  • キンセンカは耐寒性の高いキク科の草花
  • 開花時期が長く花をたくさん楽しめる
  • キンセンカの種まき時期は秋の彼岸頃が適期、寒地では春まきする
  • 発芽適温は15~20℃
  • 子葉が出たら苗が徒長しないようによく日に当てる
  • 定植のタイミングは本葉4~6枚になり、ポットに根が回ったら
  • 直射日光をさけた明るい日陰に置く
  • 地植えの場合は基本的に水やりをする必要がない
  • 鉢植えの場合は土が乾いたらたっぷり与える
  • 鉢植えの場合は元肥と月に1回液体肥料を追肥する
  • 花数を増やしたいときは摘心を行う
  • 切り戻し剪定は梅雨が来るまでに終わらす
について紹介しました。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。