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春の初めに小さくカラフルな花を咲かせるクロッカス。クロッカスは耐寒性があり、雪の下でも冬越しができるので昔から多くの方に愛されてきました。また、球根で夏越しをするのである程度ほったらかしでもクロッカスはどんどん増えていくのです。そんな育てやすいクロッカスですが、育て方のポイントをおさえていないと絶えてしまったり枯らしてしまう危険性もあります。 そこでこの記事では、
- クロッカスはどんな植物?
- クロッカスの育て方【植え付け】
- クロッカスの育て方【用土】
- クロッカスの育て方【置き場所】
- クロッカスの育て方【水やり】
- クロッカスの育て方【肥料】
- クロッカスの育て方【植え替え】
- クロッカスの花が終わったらどうする?
- クロッカスの増やし方
クロッカスってどんな植物?
クロッカスは、まだ早い春の時期に小さく可愛らしい花を咲かせる植物です。主に紫色や黄色、白の花を咲かせるクロッカスが園芸品種として販売されています。まずは、そんなクロッカスの基本的な情報についてご紹介していきましょう。クロッカスの基本情報
地中海沿岸地方が原産のクロッカスは、アヤメ科サフラン属に分類される球根植物です。和名では花サフランと呼ばれているクロッカスは球根で育つので、多年草として毎年花を楽しむことができるのも魅力のひとつでしょう。植物名 | クロッカス |
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学名 | Crocus |
草丈 | 10cm~20cm |
耐寒性 | 高い(-5℃) |
耐暑性 | 高い |
早春の日を受けて一斉に花開く球根植物
クロッカスはまだ雪の残る2月~4月に開花時期を迎えるため、他の植物よりも一足早く花を楽しむことができます。いくつかの集まった球根が一斉に花開くので、一つずつは小さくても陽だまりの中で華やかな存在感を発揮してくれるのが特徴です。霜や凍結にも負けず元気に咲く花で古くから親しまれてきた
クロッカスは霜や凍結にも負けることなく、雪の下からでも芽が出るため古くから楽しまれてきた球根植物です。14世紀からヨーロッパで栽培が始まったクロッカスは、日本には江戸時代に入ってきたと言われています。地植えでも元気に咲くので、昔から多くの方に愛されてきました。小スペースでも手軽に花を楽しめる
クロッカスのメリットのひとつとして、小さなスペースでも手軽に花を楽しむことができるという点が挙げられます。花壇やお庭の一角に植えても良いですし、プランターや鉢植えでも楽しむことができます。小さなスペースにギュッと咲くクロッカスは、ブーケのようにも見えるので若い方にも人気の植物なのです。水栽培もできてオシャレに飾れる
クロッカスは、ヒヤシンスなどと同じように水栽培を行うことができます。ガラスなどの透明容器にクロッカスの球根を乗せるだけで発根することがあるので、おしゃれに飾ることのできるインテリアアイテムとしても人気が高いのです。クロッカスの育て方【植え付け】
クロッカスの育て方として、まずは植え付けの方法についてご紹介します。クロッカスの球根を植え付ける時には、間隔や深さにちょっとしたコツがあるので覚えておきましょう。クロッカスの植え付けの時期は10月から11月が適期
クロッカスの球根は園芸店やホームセンターなどで9月ごろから販売されています。植え付けに適した時期は10月~11月なので、タイミングをあわせて購入するようにしましょう。秋口から寒くなる寒冷地では少し早めに植え付けます。水耕栽培をするなら植え付ける2ヶ月前から球根を冷蔵庫で保管する
クロッカスはある程度の寒さに当たらないと発芽しないと言われています。そのため、球根をそのまま使う水耕栽培を行う時は、植え付ける2カ月前を目途に冷蔵庫で球根を保管しておきましょう。低温下におくことによって、室内で水耕栽培する場合もクロッカスが芽を出してくれるはずです。球根2個分の間隔と深さに植えつける
クロッカスを植え付ける時は、球根2個分の間隔を取って深さも同じくらいの深さまで掘り下げてから植えましょう。クロッカスは古い球根の上側に新しい子球根ができるので、深さがないと地面から露出して傷んでしまうのです。また、霜などで地面が押し上げられて球根が出てしまうこともあるので注意しましょう。鉢やプランター、花壇ではあえて浅く植えるマッス植えもできる
鉢やプランターなどのスペースが限られた場所では、あえて浅く植えるマッス植えという手法も取り入れることができます。マッス植えは、クロッカスなどの小さい植物をギュッとまとめて植えることで園芸的な演出をさせる植え方です。花壇の小スペースにマッス植えをすると、ワンランク上のガーデニングを楽しむことができます。マッス植えをした時は霜の時期に土をかけて球根の露出を防ぐか、花後に掘り上げて球根だけ管理するようにしましょう。少量の元肥と苦土石灰を用土に混ぜておく
クロッカスの球根を植え付ける前に、少量の元肥と苦土石灰を用土に混ぜ込んでおきましょう。元肥と苦土石灰を混ぜ込んでから一週間~10日ほど空けて球根を植えることができれば土となじむので理想です。クロッカスの植え付け手順
準備が整ったらクロッカスの植え付けを行いましょう。簡単な手順をご紹介します。- 球根を植え付ける前に用土に元肥と苦土石灰を混ぜ込んでおく
- 地植えの場合に排水性が悪い時は腐葉土を混ぜ込む
- 鉢植えにするときは鉢底石をいれた後に用土を半分くらい入れる
- 地植えにする場合はクロッカスの球根を入れる穴を深めに掘る
- 球根のとがった側を上にしてそっと用土に置く
- 土をかけてたっぷりと水を与える
- 鉢植えの場合は発芽するまで外で管理する
発芽温度は約10℃
クロッカスの発芽温度は約10℃です。そのため、植え付けてからずっと室内で管理していると発芽してくれないことがあるので注意しましょう。室内で育てる時も、しっかりと根が張るまでは屋外で管理します。冷蔵庫などで球根を保管して低温にあてた後に植え付けるのも効果的です。クロッカスの育て方【用土】
クロッカスは丈夫で色々な用土で育てることができますが、基本的には水はけの良いものを選ぶようにしましょう。球根類専用の用土に植える
球根類専用の用土があれば、こちらが一番のおすすめです。球根専用に配合されていますので、排水性が良く球根が育ちやすい環境を作ることができます。地植えにする場合も、土壌がやせた所であれば腐葉土や球根類専用土を混ぜ込んで土を肥やしておきましょう。ないときは一般の草花用培養土でも十分元気に育つ
球根専用土は、大きめの園芸店やホームセンターなどでしか販売されていないかもしれません。そんな時は手に入りやすい一般の草花用培養土でも十分に成長してくれるので安心してくださいね。やせた土地に地植えにする時も、草花用培養土を入れてふかふかの土を作っておくとより良いでしょう。鉢底に大粒の鹿沼土などを入れて水はけをよくする
一般の草花用培養土で栽培する時は、鉢底に大粒の鹿沼土などを入れて水はけを良くしておきましょう、また、自分で用土を配合する時は小粒の赤玉土をメインに腐葉土を混ぜ込んだ用土を用います。こちらも鉢底石や鹿沼土を下側に入れて排水性を上げておきましょう。クロッカスの育て方【置き場所】
クロッカスの育て方のポイントのひとつとして、置き場所についてご紹介していきます。クロッカスは日当たりの良い場所を好みますので、鉢植えの場合も日の当たる場所で管理しましょう。水はけのいい場所に置く
水はけが悪いと球根が傷んでしまうことがあるので、鉢植えの場合は水はけの良い場所に置くように心がけましょう。地面が過湿で湿っているような場所では、健康に育ちません。また、鉢皿を使っている時は定期的に排水された水を捨てるように心がけましょう。鉢植えも地植えも半日以上は日光に当たる場所が最適
鉢植えも地植えも、半日以上は日光に当たるような場所がクロッカスには適しています。強い西日には弱いので、できるだけ南側か東側の場所で管理するのがおすすめです。地植えにする場合は、日の当たり具合を選んで場所を考えると良いですね。鉢植えの場合は、日当たりの良い場所に移動させて管理しましょう。日当たりが悪いと葉っぱばかりになり花が付きづらくなる
クロッカスは半日陰でも育つことができますが、日当たりが悪いと葉っぱばかりになり花がつきづらくなってしまいます。鮮やかな花を咲かせるのがクロッカスの最大の魅力ですので、なるべくたくさんの光に当ててあげるようにしましょう。水栽培をはじめ玉砂利やガラス玉など様々な置き方もできる
クロッカスは日を当てるようにすれば比較的、置き場所を選ばない植物です。そのため、水を入れた容器で栽培する水栽培をはじめ、玉砂利やガラス玉などを用土としても飾ることができるのです。クロッカスの球根は気軽に手に入りますので、ぜひ色々な飾り方をチャレンジしてみてはいかがでしょうか。クロッカスの育て方【水やり】
クロッカスの育て方として、重要な水やりの方法について解説していきます。クロッカスは球根植物ですので、過剰な水やりで球根が腐ってしまう危険性もありますので注意しましょう。秋から春までの生育期は乾燥させないように注意する
秋から春までがクロッカスの生育期にあたりますので、乾燥させないように注意しながら管理しましょう。特に鉢植えは、土中の水分が限られてきてしまいますので土の表面が乾いたら忘れずに水やりを行います。初夏になり、クロッカスの葉が枯れたら休眠期に入りますので水やりは控えめな頻度に変えることが重要です。土が乾き始めたらたっぷり水をあげる
表面の土が乾き始めたら水やりを行うタイミングですので、たっぷりと水をあげるようにしましょう。鉢植えの場合は、鉢底から水が出てくるくらいしっかりと与えると良いですね。鉢底に排水された水は蒸れの原因にもなりますので、定期的に捨てるようにしましょう。花に水がかからないように株元に注ぐ
クロッカスの花は繊細で傷みやすいので、水やりを行う時は花にかからないように水差しなどでそっと株元にそそぐのがポイントです。地植えにしている時も強い雨がかからないように、樹木の下や花壇の軒下などに植えられると良いですね。水やりは午前中に行う
水やりを行うタイミングは、暖かくなって気温が上がる前の午前中に行いましょう。秋から春先にかけての冷え込む時期では、土中に残った水で球根が傷んでしまうことがあるので注意が必要です。また、夏場はクロッカスの球根が休眠状態に入っていますので、過湿によって病気にならないように特別乾燥するとき以外は水やりを行わなくても大丈夫です。クロッカスの育て方【肥料】
クロッカスはたくさんの肥料を必要としない植物ですが、開花時期などのタイミングで適切に肥料を与えることによって球根を太らせるようにするのがテクニックのひとつです。植え付け時に少量の元肥と苦土石灰を用土に混ぜておく
まず、クロッカスの球根を植え付ける時に少量の元肥と苦土石灰を混ぜ込んでおきましょう。このタイミングで与える肥料はあまり多く与えなくて大丈夫です。ゆっくりと効果が表れるような緩効性肥料が適しています。準備として、事前に用土と混ぜ込んでおくのもおすすめです。開花後は早めに追肥を施して球根を太らせる
クロッカスの花が咲いた後は、早めに追肥をして球根を太らせるようにしましょう。それほど多くの肥料は必要としませんが、来年の開花に向けて球根に十分な栄養を与えておくためにも開花後の肥料は忘れないようにしましょう。与える肥料はカリ分の多い粒状の化成肥料や液体肥料が最適
追肥として与える肥料は、花をつきやすくするカリ成分の多く含まれた肥料が適しています。粒状の化成肥料であればゆっくりと効果が表れますし、液体肥料には速効性が期待できます。育てている環境や使い勝手の良さによって、肥料の種類を決めるようにしましょう。クロッカスの育て方【植え替え】
クロッカスの育て方の最後に、植え替えの方法についてご紹介します。クロッカスは毎年、植え替えをする必要がない育てやすい植物ですが、球根が混みあってしまうと花を咲かせにくくなってしまいますので植え替えも重要な作業です。クロッカスは鉢植えや地植えで植えっぱなしでも大丈夫
クロッカスは基本的には地植えの場合も、鉢植えの場合も植えっぱなしで問題ありません。ある程度は群生して咲くのがクロッカスの特徴ですので、少なくとも4年~5年はそのままで大丈夫なのです。6月頃に球根を掘り下げるとより元気に育つ
球根が混みあってきたなと感じたら、6月ぐらいにクロッカスの葉が黄色くなってきたタイミングで、土を掘り下げて球根を整理するとより元気に育つことができます。掘り上げた球根はネットなどに入れて風通しの良い場所で管理して、秋に改めてスペースをとって植え付けや植え替えを行いましょう。クロッカスの球根掘り下げの手順
では、どのようにクロッカスの球根を掘り下げるのか手順を解説していきます。- 6月くらいに葉っぱが黄色くなってきたらクロッカスの球根を掘り下げて取り出す
- ネットや新聞紙などに入れて風通しの良い場所で管理する
- 秋の10月~11月になったら改めて球根の植え付けを行う
- 古い球根の上に子球が出来ていたら手でそっとはがして分球してから植え付ける
クロッカスの花が終わったらどうすればいいの?
クロッカスを何年も楽しむためのコツは、花後の処理にあると言っても過言ではありません。この項目では、クロッカスの花が終わったらどうすれば良いのかをご紹介していきましょう。花がら摘みをする
花が咲き終わったら、付け根からカットする作業は衛生的にも見栄えを良くするためにもとても重要な作業です。まずは、花が咲き終わったあとの花がら摘みについて解説していきます。咲き終わった花をできるだけ早く花首から摘み取る
クロッカスの花が咲き終わって、茶色く変色したりしおれてきたりしたらできるだけ早く花を首から摘み取るようにしましょう。花をそのままにしておくと、カビが発生したり腐ってしまったりすることもありますので注意が必要です。球根の生長を促進させ、病害虫の予防にもなる
花がら摘みをすることによって、種をつけることがなくなるので球根を充分に太らせることができます。球根の生長を促進させることによって、病害虫の予防にもなりますので花を楽しんだら早めに摘み取るようにしましょう。花がら摘みの手順
花がら摘みの手順はそれほど難しくありませんので、解説しておきましょう。- クロッカスの花がしおれて茶色くなったタイミングで花がら摘みを行う
- 茶色く枯れた部分は手でそっと引っ張ると抜き取れる
- 取れない時は爪や清潔なハサミでカットする
葉が枯れるまでは水やりをする
クロッカスは花が咲き終わった後に葉が伸びてくる植物です。ツンツンとした緑色の葉が枯れて茶色くなってしまうまでは、忘れずに水やりを行うようにしましょう。鉢植えで育てている場合は花が枯れても葉が緑色なら水やりを続ける
鉢植えでクロッカスを育てている場合は、花が枯れた後も葉が生き生きとしていれば水やりを続けましょう。葉が緑色のうちは光合成を行い球根に養分をため込んでくれますので、枯れないように水やりを行います。葉が茶色く枯れたら水やりをストップする
葉が茶色く枯れたら吸水力も下がりますので、水やりをストップしましょう。球根が湿って病気になったり腐ったりしないようにある程度、乾燥させて管理するのが理想です。植木鉢で育てている時は、乾燥しすぎて球根が枯れないように週に一度くらいは水やりを行って夏越しします。地植えの場合は降雨だけで、水やりの必要はありません。地植えの場合は雨に当たらないように注意する
球根だけの状態になってしまえば、降雨に当たっても大丈夫ですが葉や花が咲いているうちはなるべく雨に当たらないように工夫してあげましょう。クロッカスの葉や花はやわらかく傷みやすいので丁寧に扱います。クロッカスの増やし方
最後に、クロッカスの増やし方についてご紹介します。クロッカスは植えっぱなしでも、どんどん増えていく育てやすい植物ですので増やし方も簡単なのです。クロッカスは植えっぱなしでも勝手に分球して増える
クロッカスは分球しやすい球根なので、植えっぱなしでも勝手に増えてくれます。分球が旺盛なので、数年、育てていると球根が混みあってしまうこともあるくらいなのです。花や球根が窮屈になってきたと感じたら、一度掘り上げて別の場所に植え替えるのもおすすめですよ。人工的に分球をさせることもできる
クロッカスは自然に分球して増えていきますが、人工的に分球して増やすこともできます。人工的に、というと少し難しく感じるかもしれませんがクロッカスは分球が旺盛な球根ですのでちょっとした手順で行うことができるのです。分球の時期は9月下旬から10月
分球に適した時期は9月下旬から10月です。この時期に球根を掘り上げても良いのですが、6月くらいに球根を掘り上げて風通しの良い場所で乾燥させていたものを使うとより芽出しが良いでしょう。9月下旬から10月になったら保管していた球根を取り出して、分球を行います。クロッカスの分球手順
クロッカスの分球の手順を簡単に解説していきましょう。- 6月に掘り上げて乾燥させておいた球根を新聞紙の上に出す
- 古い球根の上に子球がついているものを選んで分球を行う
- 手でそっと引きはがすか、清潔なカッターやハサミを用いて切り離す
- 分球した球根の中で小さすぎるものは発芽率が悪いので処分する
- 数日、切り口を乾燥させた後に土づくりをした場所に植え付ける
【まとめ】クロッカスの育て方を徹底解説!成長後のお手入れ方法から分球の方法まで
いかがだったでしょうか。 クロッカスはお庭の片隅に植えても、寄せ植えにしても魅力を存分に発揮してくれる育てやすい植物です。クロッカスの球根は小さく扱いやすいので、水耕栽培として試してみるのもおすすめですよ。今回、ご紹介したクロッカスの育て方を参考に春を告げるクロッカスの花を楽しんでみてはいかがでしょうか。 この記事のポイントは以下の通りです。- クロッカスは地中海沿岸が原産の球根植物で耐寒性や耐暑性が高い
- クロッカスの育て方:植え付けは秋の時期に深めに球根を植える
- クロッカスの育て方:用土は水はけの良い球根専用土か草花培養土を用いる
- クロッカスの育て方:置き場所は日当たりと水はけの良い場所が適している
- クロッカスの育て方:水やりは鉢植えの場合のみ土の表面が乾いたら与える
- クロッカスの育て方:肥料は開花後に球根を太らせるためにカリ成分の高いものを与える
- クロッカスの育て方:球根が混みあってきたら数年に一度、植え替えを行う
- クロッカスの花が終わったら花がら摘みを行い葉が枯れるまでは水やりを続けるのがポイント
- クロッカスは分球が旺盛なので自然に増えていくが人工的に分球することもできる