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皆さんはセンニチコウ(千日紅)という植物を知っていますか?センニチコウは切り花をはじめ、庭や花壇、鉢植えに寄せ植えといろんな用途で利用されている植物です。また、日本の環境に適した花ですので、初心者でも育てやすい植物です。 しかし、センニチコウってどんな植物か知らないし、育て方なんてわからないからどうしたら…という人もいらっしゃると思います。そこで、この記事ではセンニチコウってどんな植物か・育て方のポイント、また人気のある品種やインテリアとしてどのようなものがあるか紹介したいと思います! 最後まで読んでいただければ、センニチコウの育て方などについてどんなものかわかっていただけると思いますので、どうぞご覧ください!
センニチコウとはどんな植物?
まず、センニチコウってどんな植物かを知ってもらいたいので、解説していきたいと思います!「千日紅」は花の色が長く持つことが由来
センニチコウはヒユ科センニチコウ属に分類される植物で、1年草と多年草の品種が存在します。漢字では「千日紅」とも書きます。また、センニチコウの名前の由来は、開花期が長く花の色が変わらないためとされ、「千日草」とも言われます。花のように見える色がついた部分は「苞」と呼ばれる
センニチコウの花のように見える丸い部分は「苞」と呼ばれており、葉っぱの一部が変化したものとなっています。センニチコウの花はこの苞のすき間にたくさん存在していて、小さな花を咲かせます。苞の色はたくさんあり、赤・ピンク・黄・紫と豊富ですよ! ガーデニングにも最適の植物です。暑さと乾燥に強く初心者でも育てやすい
センニチコウは暑さと乾燥に強い品種で、初心者の方でも栽培しやすい植物となります。そのため、咲く花が少なくなる真夏でもきれいにたくさん花を咲かせてくれますよ!それでは次の項目から育て方を紹介します!センニチコウの育て方①:置き場所
さて、センニチコウがどのような植物かある程度分かっていただけたと思います。ここからはセンニチコウの育て方についてポイントを分けて解説していきたいと思います!まずは、育て方ポイント「置き場所」について解説します。日当たりと風通しの良い場所で管理
センニチコウの育て方として、日当たりと風通しの良い場所が大好きです。あまり日当たりの悪い場所に置いてしまうと花付きが悪くなってしまいますので、注意しましょう。水はけの良い場所が適している
センニチコウは暑さにはとても強い植物ですが、水はけが悪く湿気が多い土壌は大嫌いです。地植えでも鉢植えでも栽培するときは、水はけの良い土を用意してあげてから植えてあげましょう。もし、育て方で水はけの悪い場所に地植えしようと思ってる場合は、盛り土か腐葉土を混ぜ込んであげてください。センニチコウの育て方②:水やり
センニチコウの育て方ポイント、次は「水やり」について解説します。鉢植えやプランターの場合は土の表面が乾いたら水やり
センニチコウの育て方で、やや乾燥気味の土を好みます。鉢植えやプランターで育てている場合は、土の表面が乾いてから水やりをしましょう。ただし、常に土が湿っている状態を作ってしまうと、根っこが腐ってしまい枯れる原因となりますので、しっかりと観察してあげましょう。目安は春と秋は午前中に、真夏は早朝と夕方に水やり
水やりをしてあげる目安として、春と秋は早朝に1回、夏は早朝と夕方の2回を目安に水やりをしてあげましょう。土の表面が乾燥したら水やりしましょう。また、センニチコウは過湿を嫌いますので、雨の日は軒下などに移動させてくださいね。地植えの場合は基本不要
基本的に地植えで育てている場合は、水やりは必要ありません。しかし、近年のように猛暑が続いているときは土の状態を確認しながら早朝に水やりしてあげてください。センニチコウの育て方③:土作り
センニチコウの育て方ポイント、次は「土づくり」について解説します。乾燥気味でやせた土地を好む
センニチコウの育て方として、適した土を作ってあげることが重要です。植物の中でもとても丈夫で、暑さや乾燥に強い植物ですから、乾燥気味の土を好みますよ。 プランターや鉢植えで育てる場合は、市販で売っている草花用培養土で十分ですし、地植えするときは、腐葉土やたい肥を混ぜ込んでおくとよいでしょう。水はけの良い土が適している
センニチコウは水はけがよい土を好みます。もし、地植えで水はけが悪ければ、解消するために盛り土をしたり、川砂を混ぜてあげて深く耕したりしてあげます。センニチコウの育て方④:肥料
センニチコウの育て方ポイント、次は「肥料」について解説します。多肥になると花つきが悪くなるため注意
センニチコウの育て方で、肥料はそこまで必要になりません。あらかじめ土にゆっくりと効くタイプの肥料を混ぜておきましょう。 あまり多く肥料をあげてしまうと、葉っぱが生い茂ってしまい、花付きが悪くなりますので注意しましょう。生育が良くない場合は月1回ほど肥料を与える
それでも葉っぱの色が少し薄い場合などは、月1回ほどで大丈夫ですので、薄めた液体肥料を与えてあげてください。ここでもあげすぎてしまうと、花付きが悪くなりますので注意してください。 花壇など地植えで育てていて、周囲の花などがたくさん開花していたら肥料は特にいらないです。鉢植えは、花付きの様子をみて判断しましょう。また、最近の培養土は元々肥料が混ぜ込まれている場合もありますので、肥料が含まれているか確認してから、元肥を入れるか判断しましょう。センニチコウの育て方⑤:冬越し
センニチコウの育て方ポイント、次は「冬越し」について解説します。多年草タイプの品種は冬越し可能
一般的にセンニチコウは1年草なので、花が枯れたら抜き取ります。 ただし、栽培した品種が多年草タイプの場合は冬越しが可能ですので、暖かい場所で冬越しさせてあげましょう。そして、5~6月ごろになったら再び植え付けてあげますが、古い土を使わずに新しい用土を用意してあげてくださいね。全体が枯れたら3分の1ほど切り戻す
多年草タイプの品種を育てているときは、全体が枯れてきたら3分の1ほど切り戻しておきます。株元から切り戻したら、マルチングなどをしておくとなお良しですよ。種類によっては室内に移動させる必要がある
育てている品種によっては、冬越しするときに室内へ移動させておく必要があります。そのタイプを育てているときは、最初から鉢植えなどで育てておくか、秋に掘り上げ鉢に移しておく必要があります。センニチコウに多い病害虫と対処法
どんな育て方をしていても、植物に害虫や病気はつきものです。そんな害虫や病気の対処法を解説していきましょう。立ち枯れ病
植え付ける際、深く埋めすぎたり過湿が多かったり、ぐらつきが出てきてしまうと「立ち枯れ病」になる場合があります。 立ち枯れ病は葉っぱが黄色くなったり、茎の下側が腐って枯れてきたりする病気で、風通しが悪いと感染する可能性が高くなります。病気になった部分はすぐに株を抜いてあげ、殺菌剤を希釈して散布しましょう。放置してしまうと、土壌で菌が繁殖し、周りに感染していき枯れる原因となりますので、しっかり殺菌剤を散布するようにしてください。 また、梅雨の時期になると斑点のようなものがでてきますが、このように斑点が出てくる「斑葉病」にも注意が必要です。ハダニ
高温多湿の環境が続くと、「ハダニ」が発生します。ハダニは葉裏について葉っぱから吸汁していき、放置すると葉っぱが枯れていき、生育が衰えてしまいます。見つけたら、早めに殺虫剤を散布して駆除しましょう。風通しの良い場所で管理し、こまめに葉っぱの裏に霧吹きなどで水をかけてあげると予防になります。ナメクジ
「ナメクジ」は梅雨の時期になると発生します。ナメクジは夜行性のため、あまり見つけづらいですが、日中は鉢の底にいたりしますので、探してみましょう。苗が小さいときにナメクジに食べられてしまうと大ダメージですから、特に注意が必要です。ばらまくタイプの殺虫剤を撒いておくか、コーヒー殻を撒いておいても効果が期待できますよ。センニチコウの日々の手入れのポイント
センニチコウを育てるうえで、日々のお手入れはとても大事ですよ。ここではそのお手入れのポイントについて解説していきましょう。花がら摘み
5月~11月に開花しているときには、花がら摘みをしてあげることが大事です。全体を観察し、花の下側が変色していたら、それを摘み取ってあげます。これをしてあげることで見栄えもよくなりますよ!摘心
草丈が高くなる品種は、植え付けてから2週間後くらいに摘心してあげると、わき芽から芽が伸びてボリュームがでてきます。葉っぱの付け根の節を2つ残して先端をカットします。生長してきたら支柱を立ててあげて、倒れないように固定してあげてくださいね。切り戻し
伸びすぎたときは、対になっている葉っぱを1~2組残し、剪定してあげてわき芽は残します。センニチコウを切り戻しする時期は6月~10月の間に定期的に剪定してあげます。こうすることで花をよくつけてくれますし、花の高さが揃うのでとても美しく見えますよ。センニチコウの種まきのポイント
センニチコウは種まきからでも簡単に育てることができます。種まきからの育て方を解説していきましょう。発芽温度は20℃~25℃
種まきをする季節は暖かい4月~5月ごろにします。センニチコウは暑さに強いですが、寒いのは苦手です。そのため、発芽する温度は20~25℃ほどとなっています。綿毛に覆われているタネは中身を出す
タネは綿毛に覆われていますので、その状態では水を吸いづらいので、中身を出してあげる必要があります。砂を混ぜてもみこんで綿毛をこすり落として中身を出しましょう。市販で売っているタネはすでに取り除いてあることが多いので、その場合は必要ない作業です。5mmほど土を覆う
ポットなどに用土を用意しておき、その中にタネをまきます。ばらばらにタネをまくか、浅い溝を作ってすじまきをします。そして、土で5mmほど覆ってあげ、霧吹きなどで水をあたえて、日陰で発芽まで乾燥させないように管理してあげます。7~10日で発芽する
適温でタネを育てて入れば、大体1週間~10日ほどで発芽してくれます。発芽したら、明るい日陰で苗を育てて、本葉が2~3枚ほどついたら鉢や花壇に移植することもできます。センニチコウの植え付けのポイント
では、センニチコウの植え付けポイントも解説していきましょう。植え付けの適期は5月~8月
センニチコウの苗の植え付けの時期は5月~8月が適しています。日当たりが良い場所に深植えにならないように植え付けましょう。また、品種によっては草丈が高いものもあるため、草丈を確認してから植えつける場所を決めましょう。もし、草丈が高い品種なら支柱立てを忘れないようにしてくださいね!発芽した苗は本葉が2~4枚になったらポットへ移植
発芽したあとは日なたに置き、本葉が2~4枚つけたらポットへ移植してあげます。もしくは、そのまま花壇やプランターへ植え付けることでも大丈夫です。本葉が6枚ほどになったら植えつける
ポットで育てていた苗が本葉6枚ほどになったら植え付けることができます。ポットから植えつける場合は、土を崩さないように注意し、株の間を20~30cmほどあけ、苗の土と土の表面が同じ高さになるように植え付けてあげます。このとき、深く植え付けて過湿気味になったり、茎に傷がつくと「立ち枯れ病」を発症する可能性がありますので、深さには十分注意してください。また、不安定になっている株には早めに支柱を立ててあげることをしてくださいね。センニチコウの増やし方
センニチコウは1年草のため、種で増やすことが一般的。ですが、品種によっては挿し木で増やすことも可能です!ここでは、その増やし方について解説していきましょう。挿し木
挿し木は品種によっては増やすことが可能で、適した時期は5~6月です。- 若い茎を10cmほどにカットし、下側の葉っぱを取り30分ほど水を吸わせます
- 挿し木用の用土を用意しておき、そこに茎を挿します
- 霧吹きなどで水を与えて管理してあげると、新芽がでてきます
種まき
センニチコウは基本的に種まきで増やします。 開花時期の5月~11月、花が枯れてから収穫ができますよ。- 育苗用のトレイに種まき用土を入れる
- タネを重ならないようにまくか、指で溝を作りそこにまく
- 5mmほど土をかぶせ、タネが隠れるようにする
- 発芽するまでは日陰で管理し、土を乾かさないように霧吹きで水やりをしてあげる
センニチコウの人気品種一覧
センニチコウはたくさん品種があり、育て方もまちまちです。ここではその中でも人気のある品種を紹介していきましょう!ファイヤーワークス
「ファイヤーワークス」はスパイシーな香りを醸し出す花が特徴的な品種です。枝分かれもよくし、横に広がっていく大株な性質を持っています。またファイヤーワークスの開花時期は5月~11月ですので、長く楽しむことができますよ。ストロベリーフィールド
「ストロベリーフィールド」はセンニチコウの中でも人気のある品種です!イチゴのような花姿をしており、赤色とまさに名前の通りです。草丈も50cmほどと少し高めで、分岐もたくさんするので花付きもよいです。ストロベリーフィールドはドライフラワーとして人気もありますよ!バディ
「バディ」はシリーズとなっている品種で、バディーレッド・バディーピンクなどがあります。草丈は小さめの30cm以下ほどですが、これよりも低い20cm以下のバディードワーフという品種もありますよ!栽培しやすい大きさですので、寄せ植えに向いた品種と言えます。ローズネオン
「ローズネオン」は草丈は50cmほどの品種です。切り花に適した茎のかたさが自慢となっています。ローズネオンの他にも、ネオンラベンダー・ネオンホワイトと組み合わせたネオンミックスというシリーズとして楽しまれていますよ!センニチコウはドライフラワーにするのがおすすめ
センニチコウはドライフラワーとして楽しまれている植物です。どうしてセンニチコウはドライフラワーがオススメなのか、解説しましょう。ドライフラワーにしても花色が変化しにくい
センニチコウはドライフラワーにアレンジしやすい特徴を持っている花です。センニチコウには苞がありますが、この部分は生花の状態でも硬くカサカサしているので、乾燥しても花色や花の状態が変化しにくいのです。そのため、ドライフラワーにしやすいのですね。センニチコウのドライフラワーの作り方
ドライフラワーの作り方については2種類あり、分けて紹介しましょう。ハンギング法
準備するものは- 摘み取ったセンニチコウ
- 麻ひもなど束ねて縛る紐類
- 摘み取ったセンニチコウは洗って、葉っぱは取り除きます
- 花茎を束ね根元を強く縛り、直射日光が当たらず風通しのよい場所で管理します
- 2週間ほど経つと乾燥が進み、花球がさらに硬くなります(目安は触ると指に刺さるくらいの状態)
シリカゲル法
準備するものは- 切り花のセンニチコウ(苞の部分)
- ドライフラワー用のシリカゲル
- シリカゲルを入れる容器(深さがあって、蓋つきが良い)
- 切り花のセンニチコウは、余分な葉っぱを取り、茎も切り落とし苞だけにします
- 容器にシリカゲルを1cmほど入れ、平らにならす
- 苞を適当な間隔でならべ、さらに上から苞が隠れるまでシリカゲルをかけ、平らにする
- 蓋を閉めて、直射日光や湿気を避けて管理する
- 1週間か2週間すると、乾燥してドライフラワーになります
- 容器から取り出し、苞のスキマに入り込んだドライフラワーを取り除いて完成