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皆さんは植物を庭やお部屋で育てていますか?植物を育てるのは大変ですが、徐々に成長していく様が見ててとても楽しいものです。 今回紹介する植物はわさび。わさびは主に食用で知られていますが、つやのある深緑の葉っぱがとても美しい植物です。 本記事では「自分でわさびを栽培してみたい!」「わさびってどうやったらおいしく育つの?」と悩んでいる方に向けて以下の内容をまとめました!
- わさびの基本情報と特徴
- 畑(陸)わさびの育て方
- 沢わさびの育て方
- それぞれの育て方のポイント
- わさびの収穫時期と方法
- 育てたわさびの注意ポイント
わさび(山葵)の基本情報
わさびの育て方を解説する前にわさびの基本情報と特徴について軽く触れておこうと思います。興味のある方は是非ご覧になってくださいね。わさびの特徴
日本原産で静岡県と長野県が名産地であるわさびは、アブラナ科ワサビ属の香辛野菜として知られています。主に寿司や刺身の薬味として用いられることが多く、現在では世界にも知れ渡っています。わさびは30℃以下の直射日光の当たらない排水性の高い環境を好み、4~6月の間には花を咲かせてくれます。わさびの種類による2通りの栽培方法
わさびの種類には大きく分けて2種類。それぞれの違いについて解説していきます。畑の土で栽培する「畑(陸)わさび」
畑わさびは名前の通り、畑の土を使って栽培するわさびのことを言います。沢わさびは大量に水を使いますが、そこまでの水を必要としないので育てやすく、畑やハウスで栽培することができるワサビになっています。ただし温度や日差しなどの環境管理は重要となってくるので注意しましょう。 なお、広大な土地は必要なく、自宅でプランターを使った家庭菜園が可能です。きれいな水が流れる川の浅瀬で栽培する「沢わさび」
育てるのに水が命といわれている沢ワサビ。水がおいしい静岡県と長野県が2大産地として有名です。育てるのに大量の水を使うため育てられる地域は限定されています。最適温度が12~13℃で直射日光の当たらない涼しい環境が必要となるため栽培が難しいわさびです。わさびの育て方①「畑(陸)わさび」
まずは畑(陸)わさびの育て方について解説していきます。陸わさびを育てようと考えている方はぜひ参考に見ていってくださいね。栽培場所
育て方において重要な要素の1つが栽培場所。栽培場所は環境そのものであるため慎重に選ばなければなりません。温度環境は目安として夏期の平均気温が25℃以下、冬期は3℃以上であることが条件です。 夏は暑すぎず、冬は寒すぎない地域であるか確認しておきましょう。広大な土地は必要なく、プランターなどでも栽培できます。パイプハウスやビニールハウスなどで育てる場合は多少の温度変化は問題ありません。畑わさびは約3年かけて育てるため栽培環境には注意しましょう。準備物
畑わさびを育てるのに必要な準備物を紹介します。苗
育てるわさびの苗。みずみずしく元気なものを選ぶようにしましょう。プランター
わさびを複数育てる場合は25~30cmの間隔をあけることが理想とされています。最低でもプランターは横幅が60cm以上のものを選びましょう。土
土は園芸店やホームセンターにある野菜用の培養土で問題ありません。自作する場合は赤玉土6:腐葉土3:緩効性肥料1の割合で混ぜたものがオススメです。わさびは排水性の高い環境を好みます。スコップ
植えつけ作業には土を混ぜたり掘り起こすのにスコップが欠かせません。作業環境の規模に合ったサイズのスコップを用意しておきましょう。植え付け方法
植えつけ時期は秋の9~10月ごろ。25cm~30cmの間隔で畑わさびの苗を植えてください。畑わさびは30℃以上の熱に耐えられないので、風通しが良く直射日光の当たらない明るい日陰に置くようにしてください。わさびの育て方②「沢わさび」
続いて水わさびとも呼ばれる沢わさびの育て方について解説していきます。沢わさびの育て方は限定的な条件が多く大変ですが、興味のある方はぜひ見ていってくださいね。栽培場所
育て方において重要な栽培場所ですが、沢ワサビの最適温度は12~13℃で最適発芽温度も15℃程度です。さらに沢わさびは直射日光を嫌うため日光の当たらない日陰で育てるようにしてください。大量の水が必要なため日本でも育てられる場所は限定されると言われますが、実はプランターを使った家庭菜園でも育てることができます。準備物
沢わさびを育てるために必要な準備物を紹介します。準備が悪いと快適な育成どころか枯らしてしまう原因になりかねないので確認しておきましょう。苗
育てる沢ワサビの苗。みずみずしく元気に発芽したものを選んでください。プランター
プランターは水が溜められるものを選んでください。鉢底穴から水が抜けるようなものはNGです。水をためられるのであれば水槽やペットボトルでも育てることができますよ。土
土は園芸店やホームセンターで販売されている野菜用の培養土で問題ありません。自作で作成する場合は赤玉土6:腐葉土2:川砂1:緩効性肥料1の組み合わせで排水性を良くしてください。水
水は土の表面から2cm程度上まで貯めて水耕栽培にして育てます。沢わさびは熱に弱いため直射日光が当たらないようにするのはもちろん、気温・水温を12~13℃付近に保つようにしてくださいね。時間の経過に伴って水が汚れてくるので小まめな交換も忘れないようにしてください。植え付け方法
複数植え付ける場合は30cm間隔で苗を植え付けてください。排水性の高い川砂を容器の底に敷き、根茎が隠れる程度まで土を被せます。その後水を土の表面から2cmほど上の高さまで張ってください。水やり
張った水は時間で濁ったり汚れてしまいます。汚れる前に小まめな交換をしてあげましょう。汚れがあまりにも多いとわさびが病気にかかりやすくなってしまうので注意してください。肥料
畑わさび・沢ワサビそれぞれの肥料での育て方について解説します。肥料も適度にあげなければ元気に育たず、あげすぎると返って逆効果になるので参考にみていってくださいね。畑わさびの場合
畑わさびは植え付け時に与える元肥と年に2回のペースで肥料を与えてください。与える肥料は緩効性・液体肥料どちらでも構いませんが分量を守って与えてください。沢わさびの場合
畑わさびは植え付けのタイミングで元肥として窒素分の少ない肥料を混ぜ込んでください。1年目は植え付けの元肥と12月、4~5月、9~10月にそれぞれ1回ずつの追肥を与えるようにしてください。 沢ワサビの場合は水耕栽培であるため肥料が水に流れてしまうことがあります。ネットやガーゼなどで肥料を沈めて水に溶け込ませるようにしてください。育てたわさびの収穫時期と方法
育て方の次はわさびの収穫時期と方法について解説していきます。わさびを収穫したい方はぜひご覧になってください。沢わさびの植え付けから収穫までは2年ほどかかる
沢わさびは生育期間が約15か月と、植え付けや株分けから収穫まで1~2年ほどかかります。植え付け・株分け後は少なくとも1年以上はかかるので育てる環境には十分気を配っておきましょう。沢わさび収穫のポイントを説明していきます。大きく育てば一年中収穫もできる
沢わさびは多年草で何度も収穫することができます。上手に大きく育てることができれば1年中何度も収穫することができますよ。花は摘み取るのがポイント
わさびは4~6月が開花時期で白い小さなお花をたくさん咲かせてくれます。しかし収穫という観点に置いてはこの花にわさびの栄養が行ってしまうため、摘み取ったほうがより大きなわさびを収穫することができます。畑わさびの葉や茎の部分を収穫する時期は
畑わさびは秋の9~10月ごろに植えて翌年の4~6月が収穫時期です。約1年ほどの管理が大変ですが沢わさびよりも環境管理が簡単なのでオススメですよ。山葵の育て方で注意すること
山葵(わさび)の育て方で注意しなければならないポイントがいくつかあります。山葵(わさび)の育て方に不安がある方は参考に見ていってください。①病気
始めに紹介するのはわさびが発症してしまう病気についてです。いずれもかかってしまうとわさびが枯れてしまうので確認しておきましょう。軟腐病
軟腐(なんぷ)病は全国のわさび産地で発生している植物の病気。発症すると腐敗して悪臭を放ちわさびが食べられなくなってしまうため致命的な被害となってしまいます。 発生個所は主に根茎。初期は黒・水浸上の病斑がでてきて急速に広がっていきます。だんだんと白っぽくなり最後には軟化腐敗して枯れてしまう恐ろしい病気です。 病原菌は土壌で冬越しし、暖かくなるにつれて活性化していきます。とくに18~19℃以上になると発生確率が急増するので水温・気温管理を徹底して予防する必要があります。白さび病
白さび病の主な発生個所は葉っぱ。花軸や花びらにも発生し、乳白色の斑点を多数作ります。発症部分は肥大して湾曲してしまい奇形の植物となってしまい健康状態にも良くありません。 白さび病の病原菌は外観的に目に見えない形で冬を越して春になると胞子を作って風などで飛んで近くのワサビに伝染します。若い葉であるほど発病しやすくわさびの場合は5~6月、9~10月が多いです。うどんこ病
うどん粉病とは名前の通り葉っぱにうどんこのような白い粉が付着します。この正体はカビであり、光合成を阻害したり、葉っぱから栄養を吸収したりしてやがて植物を枯らしてしまいます。気温28℃前後、湿度50~80%、日光が当たらない場所で増加するので置き場所は注意してください。 うどん粉病にかかってしまったら抗菌剤を撒いておく、うどん粉病になってしまった部分を取り除くなどで対処してください。②害虫
わさびは当然、害虫被害もあります。害虫を放置すると取り返しのつかない事態になってしまうので注意してください。ここではわさびに発生しやすい害虫について解説していきますね。アオムシ
アオムシは食害虫でよくキャベツの葉っぱに付きますがわさびもキャベツと同じアブラナ科でわさびの葉っぱを良く食べます。放置するとほとんどの葉っぱを食べられてしまい、光合成が阻害されてしまうので早急な対処が必要になります。 発見したら払い落とすか園芸用の殺虫剤(農薬)で対処しましょう。アブラムシ
アブラムシもアオムシ同様に吸汁性の食害虫。植物の茎や葉っぱの汁を吸ってしまうため放置するとワサビの元気がなくなって枯れてしまいます。またアブラムシの排泄物はすす病を誘発してしまうため他の害虫に比べて被害が大きいです。放置すると増殖してしまうため発見次第すぐに対処しましょう。 発見したら払い落とすか園芸用の殺虫剤(農薬)で対処しましょう。栽培キットもおすすめ
わさびの栽培には「栽培キット」を使った方法もあります。道具がキット化されて簡単に栽培できるので初心者の方はぜひ見ていってくださいね。必要なものがすべて同封されていて、説明書付き
栽培キットではわさびの生育に必要なものがすべて揃っており、説明書もついているので自分で色々調べる手間が省けます。説明書の手順を守っていれば誰でも簡単に育てることができるので安心して育てられます。土光栽培用のほか水耕栽培用もある!
栽培キットには土光栽培とは別にわさび専用ではありませんが水耕栽培用のものもあります。栽培キットを使えば簡単ですぐに育て始めることができるので、今すぐにわさびを育てたいという方にもおすすめですよ。【まとめ】わさびの育て方を徹底解説!成長後のお手入れから水耕栽培の方法まで
ここまでわさびの育て方について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?わさびの育て方は注意点が多く難しく感じたかと思いますが、注意点を抑えておけば枯れることはありません。わさびの育て方をまとめると以下の通り。- わさびには畑わさびと沢わさびの2種類がある
- 畑わさび・沢わさびはいずれもプランターで育てることができる
- わさびの植え付け時期は秋ごろ
- わさびの育て方は畑わさびと沢わさびで大きく異なる
- わさびの栽培には温度・水温管理が非常に重要
- わさびが難しそうに感じたら栽培キットでの育成もアリ