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アセビ(馬酔木)という植物をご存じでしょうか。名前だけを聞いたことがあるものの、実際にはどのような見た目をした植物なのかをはっきりと想像できる方は意外と多くないかもしれませんね。 アセビは日本では葉を鑑賞する観葉植物のように楽しまれ、小さな花を咲かせるため庭木や盆栽としても愛されています。そのようなアセビを育ててみたいと思っている方も多いでしょう。 しかし、植物を育てるには育て方を知っていなければすぐに枯らしてしまうのではないかと不安になってしまいますよね。もちろん、植物は生き物です。そのため、間違った育て方で育てていると病気や害虫によって弱ってしまったり、最悪の場合は枯れてしまったりする可能性があります。 この記事では、
アセビの育て方について解説する前に、まずはそもそもアセビがどのような植物なのかについて解説いたします。アセビがどのような特徴を持つのかを知ることでアセビを育てる時の注意点やポイントを知ることができるほか、より深い愛情をもってアセビを育てることができるようになりますよ。
それでは早速アセビの育て方のポイントについて解説いたします。アセビの育て方のポイントとして1つ目に解説するのは置き場所についてです。アセビがどのような環境を好むのかを意識しながら育てる場所を選ぶことで元気に育てることができるようになりますよ。
アセビの育て方のポイントとして2つ目に解説するのは水やりの方法についてです。水やりと言ってもただ水を与えればよいというわけではなくアセビにはアセビに適した水やりの方法があります。育て方の中でも特にコツが重要となるため必ず確認しておきましょう。
アセビの育て方のポイントとして3つ目に解説するのは用土についてです。アセビを植えつける時や植え替えをする時には用土もしっかりと意識しておきましょう。アセビが好む土質を知ることでより丈夫にアセビを育てることができるようになるはずです。
アセビは美しい葉っぱだけでなく、開花時期である2月~4月には花を楽しむこともできます。しかし、花を咲かせるにはたくさんのエネルギーが必要となります。また、葉っぱをより美しくするためにも肥料を与えるようにしましょう。
アセビには先ほどまで解説していた育て方以外にも育てていくうちに必要となっていくお手入れがあります。長くアセビを楽しむためにも以下のようなお手入れをしっかりと確認しておきましょう。
アセビにはいくつかの品種があります。それぞれの品種によって見た目や特性が異なるためぜひお気に入りの品種を探して育ててみてはいかがでしょうか。今回は特に人気が高くおすすめな品種をご紹介いたします。育て方に大きな違いはないためこの記事を参考にそだてることができますよ。
アセビは盆栽としても育てることができる植物です。開花時期になると花を咲かせ、常緑のため一年を通して楽しむことができるため人気の高い植物ですよ。ここではアセビを盆栽として楽しむためのポイントについて解説いたします。
アセビの育て方を知ったはいいものの、そもそもどこでアセビの苗を手に入れればよいのでしょうか?特に初心者の方の場合アセビがどこで入手できるのかや流通する時期が分からないという場合が多いでしょう。ここでは苗の流通時期や入手方法について解説いたします。
- アセビについての基本的な情報と特徴
- アセビの育て方や管理のポイント
- アセビに必要なお手入れとその方法
そもそもアセビ(馬酔木)ってどんな植物なの?

日本などを原産とするツツジ科アセビ属の常緑低木
アセビ(馬酔木)は日本などを原産とするツツジ科アセビ属の常緑低木です。日本の宮城県以西の山地で見かけるため、そのような地域であれば簡単に育てることができるでしょう。ドウダンツツジによく似た小さなかわいらしい花を咲かせます。庭木や街路樹として人気がある
アセビは常緑低木のため、冬の間でも葉が落ちることなく葉を鑑賞することができます。その上白い花を開花時期の初春に咲かせます。そのため庭木や街路樹、観葉植物としてとても人気が高いです。毒性があるため口に入らないよう注意
アセビには全体に毒性がある有毒植物です。そのため特に小さなお子様やペットの口に入らないように注意して管理する必要があります。アセビという名前は「足がしびれる」という症状からつけられたと言われており、具体的には吐き気や腹痛、呼吸困難など重篤な症状を引き起こす場合もあります。アセビの育て方のポイント①置き場所

午前中に日が当たる半日陰~日向が適している
アセビは日当たりの良い場所を好む植物です。しかし、あまりにも強い直射日光が当たるような場所は苦手なため、午前中にのみ日が当たる半日陰~日向が適しています。日当たりの良い東向きのお庭は特にこの条件を満たしやすいためおすすめです。西日や冬に乾いた風が当たらない場所がよい
西日は日光が強く、アセビが浴びると葉焼けを起こしてしまうことがあります。特に夏場の西日は非常に強力なため遮光などをして対策を行いましょう。また、乾いた風が良く当たるような場所も葉っぱが傷みやすいため避けるようにします。アセビの育て方のポイント②水やり

地植えの場合:乾燥する時期以外は基本的に不要
地植えでアセビを育てている場合、乾燥する時期以外の水やりは基本的には不要です。植え付け直後など、水切れを起こしやすい場合を除いて自然の降雨で十分でしょう。鉢植えの場合
鉢植えでアセビを育てている場合には水やりが必要になります。土が乾いたらたっぷりと
アセビの水やりは土が乾いたら鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと与えるということを必ず守るようにします。土が乾燥しないうちに水を与えてしまうと根腐れを起こして枯れることがあるため注意しましょう。また、鉢底皿を使用している場合水を溜めたままにしておくと同様に根腐れの原因となるため必ず捨てましょう。花に水をかけないようにする
花穂に水をかけてしまうと花に水が溜まりそこから傷んでしまうことがあります。花がすぐに終わってしまいもったいないため花穂には水をかけないようにして、土に水を注ぐようにしましょう。アセビの育て方のポイント③土

水持ち・水はけがよく腐植質に富んだ土を好む
アセビは水持ち・水はけ共に良い土を好みます。特に腐植質に富んだ土を好むため腐葉土などを混ぜ込んであげると良いでしょう。弱酸性の土を好むため苦土石灰や消石灰を混ぜるとよい
また、アセビは弱酸性の土壌を好みます。そのためあまりにも強い酸性の土壌の場合は苦土石灰や消石灰を混ぜて少しだけ中和すると良いでしょう。地植えの場合:土に川砂、パーライトなどを混ぜる
地植えでアセビを育てる場合、川砂やパーライトを混ぜて植え付けを行います。腐植質が少ない場合には腐葉土などを混ぜ込んでも良いでしょう。鉢植えの場合
鉢植えでアセビを育てる時のおすすめ用土について解説いたします。市販の花木用培養土で育てられる
アセビは市販されている花木用培養土で栽培することができます。肥料がすでに配合されているものの場合元肥を後から混ぜる必要もないため初心者の方に特におすすめです。赤玉土1:鹿沼土:腐葉土1の配合土(4:3:3でもよい)
用土を1から配合する場合、赤玉土と鹿沼土、腐葉土を1:1:1または4:3:3の割合で配合したものを使用すると良いでしょう。水はけを良くしたい場合は赤玉土や鹿沼土の割合を増やし、水持ちを良くしたい場合は腐葉土の割合を増やしましょう。割合は環境によって変えるようにします。アセビの育て方のポイント④肥料

元肥として植え付け時に緩効性肥料を施す
アセビを植えつける時には元肥として緩効性の肥料を土に混ぜ込んでおくことでその後の生育をサポートすることができます。年に2回緩効性肥料を与える
また、下記の時期には追肥として緩効性の肥料を与えるようにします。花後、新芽が伸びる前の3月下旬~4月上旬
花後、新芽が伸びる前の3月下旬~4月上旬に緩効性の肥料を追肥をすることで開花によって失ったエネルギーの補給と夏の生育をサポートすることができます。花芽分化後の9月下旬~10月上旬に春の半量を与える
花芽文化後の9月下旬~10月上旬に春の半量の緩効性の肥料を追肥することで、花芽の十分な成熟を促すことができます。アセビのお手入れ

植え付け
アセビの植え付けのポイントを解説いたします。植え付けの時期:3月~4月、10月~12月上旬
アセビの植え付けの適期は3月~4月、10月~12月上旬です。適期外の植え付けは失敗しやすいため避けるようにしましょう。植え付けのしかた
植え付けは以下のように行います。- アセビの苗を優しく取り出します
- 傷んだ根などを取り除き、根を軽く揉みほぐします
- 植え付け穴にアセビの苗を入れます
- 植え付けを行い、水をたっぷりと与えます
- その後は強風や水切れに注意して、根付いた後は通常の育て方に則して管理します
植え替え
アセビの植え替えのポイントを解説いたします。植え替えの時期:3月~4月、10月~12月上旬
アセビの植え付けの適期は3月~4月、10月~12月上旬です。植え付け同様適期外の植え付けは失敗しやすいため避けるようにしましょう。植え替えのタイミング:2年に1回が目安
アセビは成長がそこまで早い植物ではないため、高頻度に植え替えを行う必要はありません。しかし、2年に1回程度を目安に植え替えを行うと良いでしょう。鉢底穴から根が見えるなどのサインが現れることもあります。植え替えのしかた
- 一回り大きな鉢に鉢底石を敷き詰めます
- 用土を鉢の半分程度まで入れます
- アセビを鉢から優しく取り出します
- 傷んだ根などを取り除き、根を軽く揉みほぐします
- 植え付け穴にアセビを入れます
- 隙間を埋めるように土を入れ、鉢の側面を軽く叩き根と土をなじませます
- たっぷりと水を与え、土の嵩が減ったら土を継ぎ足します
- その後は強風や水切れに注意して、根付いた後は通常の育て方に則して管理します
剪定
剪定のポイントについて解説いたします。開花後に樹形を整える
アセビの剪定は、開花後に樹形を整えるということを主体に考えて行います。生育はそこまで早くないため大きな剪定はあまり必要ありません。同時に花がら摘みを行う
同時に花がら摘みを行うことで来年花を咲かせるためのエネルギーを蓄えることができます。また、花がらを摘むことで病気や害虫の発生も防ぐことができます。太い枝の切り口には癒合剤を塗る
太い枝を切った時には切り口に癒合剤を塗ると良いでしょう。癒合剤を塗ることで切り口から雑菌が侵入することを防ぐことができます。増やし方
アセビは主に挿し木ととり木の2つの方法で増やすことができます。意外と簡単に増やすことができるためチャレンジしてみてくださいね。挿し木のしかた
挿し木は以下のように行います。- 十分に成長した若い枝を選び、10cm程度の長さに切ります
- 葉っぱを2~3枚だけ残し、あとはすべて取り除きます
- 一晩ほど水に浸け、十分に吸水させます
- 小粒の赤玉土などを敷き詰めたバットに穴をあけ、挿し穂を挿します
- 発根するまでは乾燥しないように管理をします
- 生育に応じて植え替えを行い、通常の育て方に則した管理を行います
とり木のしかた
とり木は以下のように行います。- 水苔に水を1~2時間吸水させ、十分に湿らせます
- 十分に成長した枝の樹皮を取り除きます
- 枝に水苔を巻き付け、ビニールシートで覆います
- とり木をした部分は光が当たらないように遮光します
- 水苔が乾燥しないように管理をしましょう
- 1~2ヶ月すると発根します
- 発根部分よりも下で切り取り、土に植えます
- その後は通常の育て方に則した管理を行います
アセビの人気の品種を紹介

スプリングベル:淡いピンク色のボリュームのある花を咲かせる
スプリングベルは淡いピンク色のボリュームのある花を咲かせます。スプリングベルという名前の通り、春らしいかわいらしい色合いのお花です。スカーレットオハラ:アセビのなかでもっとも大きい白い花を咲かせる
スカーレットオハラはアセビの中でもかなり大きな白い花を咲かせる品種です。存在感のあるアセビを育てたい方はスカーレットオハラを選んでみてはいかがでしょうか。アセビを盆栽として楽しみましょう

アセビは盆栽としても人気
アセビは花木のなかでも落ち着いた印象があるため盆栽としても人気が高い植物です。また、比較的日陰でも育てることができるため様々な環境で楽しむことができますよ。盆栽として育てるポイント
盆栽として育てる時は以下のポイントをチェックしましょう。基本的に1日1回水やりを行い、季節によって調整する
盆栽は株の大きさに対して鉢が小さくなりすぎることがあります。そのような場合、土がすぐに乾燥することがあるためこまめに観察する必要があります。季節によって変動するものの、土が乾燥したら水を与えるようにしましょう。剪定は花後~6月の花芽の分化前まで
剪定は花後~6月の花芽の分化前までに済ませます。花芽分化後に剪定を行うと翌年の花が咲かなくなってしまいます。葉透かしを行う
茂りすぎている部分がある時には葉透かしを行いましょう。見栄えを良くするとともに病気の発生も予防できます。小さく育てたい場合は枝分かれ部分や小枝を切り詰める
コンパクトに育てたい場合、新芽が伸びないように枝分かれをした部分や小枝を切り詰めるように剪定を行うと良いでしょう。アセビの入手方法

11月頃から苗が流通する
アセビは11月頃から苗が流通します。早めに苗を植えつけて、春には花を楽しめるようにすると良いでしょう。苗の販売場所
アセビの苗は様々な場所で購入できます。ホームセンター
ホームセンターでアセビの苗が販売されていることがあります。中には植え付けサービスを行っている場合もあるため大きな苗を購入するときには頼んでも良いかもしれません。園芸店
園芸店でもアセビの苗を購入することができます。育て方など詳しい情報を聞くことができる可能性があります。人工観葉植物(フェイクグリーン)のアセビも売られている
また、人工観葉植物8フェイクグリーン)のレパートリーの中にもアセビが含まれていることがあります。お世話をすることができない方や枯らしたくない方におすすめです。【まとめ】アセビの育て方を徹底解説!成長後のケア方法から入手方法まで紹介
今回はアセビの育て方や基本的な情報について解説いたしました。この記事を読んで、アセビとはどのような植物なのかやアセビの育て方を知ることはできましたか?これからアセビの栽培に挑戦しようと考えている方はぜひ読み返しながら育ててみてくださいね。 この記事のポイントは、- アセビは日本原産の植物でとても育てやすいが、有毒のため管理に注意する
- アセビは水持ちと水はけの両方が良い土を好む
- アセビは剪定などのお手入れによって盆栽として楽しむこともできる