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ツワブキ(石蕗)という名前の植物を知っていますか?あまりメジャーではないものの、花壇や乾燥した岩場などで見かけることのある黄色い花を咲かせる植物です。そのため、ツワブキという名前は知っていなくても目にしたことはあるという方も多いかもしれません。
そのようなツワブキを庭などで育ててみたいと思っている方も多いのではないでしょうか。この記事ではツワブキの基本的な知識のほか、育て方のポイントやお手入れの方法について解説していきます。
今回は、
- そもそもツワブキとはどのような植物なのか
- ツワブキの基本的な育て方のポイント
- ツワブキに必要なお手入れ
- ツワブキの人気・おすすめ品種
- ツワブキをおいしく食べる方法と注意点
そもそもツワブキ(石蕗)ってどんな植物なの?
ツワブキ(石蕗)の育て方を解説する前に、まずはそもそもツワブキがどのような植物なのかについて解説いたします。どのような特性を持つ植物なのか日本や東アジアを原産とするキク科ツワブキ属の多年草
ツワブキは日本や東アジアが原産地のキク科ツワブキ属の多年草です。黄色い可憐なかわいらしいお花を10月頃に咲かせ、丸みを帯びた葉っぱもかわいらしく長い間楽しむことができるでしょう。日本では岩場などで自生している姿が見かけられています。盆栽としても人気
日本原産で、さらに見た目もおしとやかな印象があるツワブキは盆栽として育てられることもあります。和風のお庭にもピッタリなお花で、人気が高い植物ですよ。フキと似た見た目をしている
ツワブキの葉っぱはフキにとてもよく似ており、一見すると全く違いがないように思ってしまうでしょう。両方とも同じキク科の植物
フキとツワブキはどちらもキク科の植物です。また、フキと同様ツワブキもしっかりとした処理をすることで食べることができる植物です。見分け方は葉の厚みなど
フキとツワブキを見分けるにはどうすればよいのでしょうか。実は見分けるのはそこまで難しくなく、葉っぱの様子を見ることでしっかりと見分けることが可能です。ツワブキの葉っぱはフキに比べると分厚く、さらに葉っぱの表面に光沢があります。このような特徴からフキとツワブキを見分けてみましょう。ツワブキの育て方のポイント①置き場所
それでは早速ツワブキの育て方について解説いたします。まずツワブキの育て方のポイントとして開設するのは置き場所や栽培環境です。ツワブキが好む環境を知り、それに近づけることでツワブキをより元気に育てることに繋がります。日向~明るい日陰で管理する
ツワブキは日当たりの良い場所を好むものの耐陰性もあるため、日向~木漏れ日が当たるような明るい日陰で管理すると良いでしょう。斑入り葉の品種は日照不足だと薄くなることも
葉っぱに白や黄色の斑が入る斑入り葉をつける品種の場合、日照不足をおこすと斑が薄くなるという症状が現れることがあります。しかし、あまりにも強い日光に当たると今度は葉やけを起こすこともあるため葉っぱの様子をこまめに観察するようにしましょう。均等に日が当たるようにするとよい
ツワブキは葉っぱが大きく、長く育てていると下の方の葉っぱが隠れてしまい光合成ができなくなってしまうことがあります。また、鉢植えで育てている場合日が当たる方向と陰になる場所で生育に違いが現れることがあります。そのため、できるだけ均等に日が当たるようにするためにときどき鉢を回転させると良いでしょう。均等に日を当てることでバランスよく育てることができます。直射日光が当たりすぎると葉焼けすることがあるため注意
ツワブキは日向を好む植物ではあるものの、夏場の強い直射日光に長時間当てたり、暗い場所で管理していたツワブキにいきなり直射日光を当てたりすると葉焼けを起こすことがあります。夏場は遮光を行う、日陰に移動させる、徐々に日当たりの良い場所に慣らしていくなどの対策を行いましょう。ツワブキの育て方のポイント②水やり
ツワブキの育て方のポイントとして2つ目に解説するのは水やりの方法です。水やりは植物を育てていく中でかなり頻繁に行うお手入れかもしれません。だからこそ、正しい水やりの方法を知っておかないと枯れてしまう可能性があります。必ず確認しておきましょう。ツワブキはそれほど水を必要としない
ツワブキはあまり水を必要としない植物です。反対に頻繁に水を与えすぎてしまうと根腐れを起こして枯れてしまうこともあるため注意してください。地植えの場合:基本的に水やりは不要
地植えでツワブキを育てている場合、基本的に水やりを行う必要はなく自然の降雨のみで育てることができます。夏場など、極端な日照りが起こった時にのみ水を与える程度で十分です。鉢植えの場合:表土が乾いたら
鉢植えでツワブキを育てている場合、表土が乾燥したら鉢底から水が流れ出すまで十分に水を与えます。土が乾いていないうちは水を与える必要がないため必ず土が乾燥しているかどうかを確認してから水を与えてください。ツワブキの育て方のポイント③土
ツワブキの育て方のポイントとして3つ目に解説するのは用土の配合方法についてです。ツワブキがどのような用土を好むのかを知って植え付けや株分けを行うことでとても育てやすくなりますよ。反対に、不適な用土を使用すると正しい育て方をしていてもあまり元気に育てることができません。栄養豊富で水はけの良い土を好む
ツワブキは栄養が豊富で水はけのよい土を好みます。水はけの悪い土では根腐れをおこしやすく、枯れてしまう可能性もあるため軽石や赤玉土などを混ぜ込んで水はけを良くすると良いでしょう。花壇用の草花培養土で育てられる
初心者の方の場合、市販されている花壇用の草花培養土を使用すると良いでしょう。市販されているものの中にはすでに元肥として肥料が配合されているものもあるためすぐにツワブキを植えつけることができます。堆肥や腐葉土を混ぜ込むとよい
ツワブキは栄養豊富な土を好むため堆肥や腐葉土と言った有機質の用土を混ぜ込むと良いでしょう。加えて元肥として化成肥料を混ぜ込んでおくことで生育をサポートすることができます。ただし、有機質が多いとコガネムシの幼虫が集まりやすいためご注意ください。自作する場合は赤玉土7:腐葉土3の割合で
ツワブキの用土を自作する場合は赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜたものを利用します。この割合は植えつける鉢の種類などによって少しずつ変えても良いでしょう。ツワブキの育て方のポイント④肥料
ツワブキの育て方のポイントとして4つ目に解説するのは肥料の与え方です。ツワブキは花を咲かせる植物です。しかし、花を咲かせるには多くのエネルギーを必要とします。花をしっかりと楽しむためにも肥料の正しい与え方を知っておくと良いでしょう。地植えの場合:元肥のみでも問題なく育つ
地植えで育てる場合、元肥として緩効性の化成肥料などを最初に混ぜ込んだ後は普通の育て方で育てている限りは特に肥料を与えることなく育てることができます。時々開花時期に合わせて薄めの液体肥料を与える程度で十分でしょう。鉢植えの場合
鉢植えの場合、元肥と追肥を行う必要があります。肥料の与え方をしっかりと確認しておきましょう。元肥:草花用の三要素等量肥料や油かすと骨粉の配合肥料など
元肥として草花用の三要素を含んだ肥料や油かす、骨粉を混ぜた配合肥料などを土に混ぜ込んで植え付けを行いましょう。追肥:4月~9月に元肥と同様の肥料を施す
追肥は4月~9月に元肥と同様の肥料を施すと良いでしょう。特に開花時期の10月前に肥料が切れると花が咲かなくなるためしっかりと肥料を与えます。斑入り品種は肥料が効きすぎると斑が現れにくくなることも
斑入り品種の場合、肥料が効きすぎると斑が現れにくくなることがあります。葉の様子を時々観察して適量の肥料を与えるようにしましょう。ツワブキのお手入れ
ツワブキの基本的な育て方についてはすべて解説いたしました。しかし、先ほどまで解説していた育て方以外にもツワブキを育てていく過程で必要となるお手入れがあります。定期的に行う必要があるツワブキのお手入れ方法について解説いたします。植え付け
ツワブキの植え付け方法について解説いたします。新しくツワブキを育ててみたい方は確認しておきましょう。小さく育てたい場合は小さい鉢で育てる
スペースが限られるなどの理由があってツワブキを小さく育てたい場合は小さい鉢で育てることであまり大きくさせずに育てることができます。反対に大きく育てたい場合は広いスペースを用意しましょう。植え付けのしかた
植え付けの方法は以下の通りです。- 元肥を均等になるようにしっかりと土に混ぜ込みます
- 植穴を開けておきます
- ツワブキの苗を取り出し、根を軽くほぐしてから植えつけます
- たっぷりと水を与え、根付くまでは水切れを起こさないように注意します
- 根付いた後は基本的な育て方に倣って栽培します
植え替え
ツワブキの植え替え方法について解説いたします。長くツワブキを育てていると植え替えを行う必要があります。植え替えのタイミング:1~2年に1回
ツワブキは成長が早く、植え替えのタイミングは1~2年に1回です。また、鉢底から根が出ているなどのサインも植え替えのタイミングとなっています。芽出し前の4月頃に植え替えを行うと成功しやすいです。 また、土は古いものを使用すると害虫の幼虫や病気が伝染することがあるため必ず新しいものを用意するようにしましょう。植え替えのしかた
植え替えの方法は以下の通りです。- 一回り大きな鉢を用意し、鉢底石などを底に敷き詰めます(大きくしたくない場合は同じ大きさの鉢で植え替えします)
- 用土を鉢の半分ほどまで入れます
- ツワブキの苗を取り出し、根を軽くほぐしてから鉢に入れます
- 根が埋まりグラグラしないように土を継ぎ足し、軽く鉢を叩き根と土をなじませます
- たっぷりと水を与えます
- 土の嵩が減ったらもう一度土を継ぎ足し、水を与えます
- 根付いた後はしばらく日陰で管理し、根付いた後は基本的な育て方に倣って栽培します
冬越し
ツワブキの冬越し方法について解説いたします。冬になると地上部が枯れる
ツワブキは冬になると地上部が枯れます。しかし、地中では根茎が残っており生きているため誤って捨てることのないようにしましょう。4月頃になると再び芽が伸びて同じように葉っぱを広げます。寒さが厳しい地域では室内に取り込むのもよい
基本的な育て方で育てている場合、ほとんど冬越しを行う必要はありません。しかし、寒さが厳しい地域で育てている場合、凍結などを防ぎたい場合は室内に取り込むと良いでしょう。または腐葉土などを株にかぶせておくことでも凍結を防ぐことができます。増やし方
ツワブキは主に2つの増やし方で増やすことができます。栽培になれてきたらチャレンジしてみてはいかがでしょうか。株分け
大きく育った株を植え替えの際などに手やハサミで株を分け、それを異なる株として別々に植え付けを行います。初心者の方でも行いやすい増やし方で、成功率も高いもののたくさんの数を増やすことはできません。根伏せ・茎伏せ
根茎を切り分け、それぞれポットなどに植えておくと新しい芽が伸びてきます。株分けよりもたくさん増やしたいという方におすすめの増やし方です。ただし、株分けよりも少し難易度が高まります。ツワブキの人気の品種を紹介
ツワブキにはいくつかの品種があります。それぞれの品種で見た目が大きく異なるためお気に入りのツワブキの品種を探してみるのも面白いかもしれませんね。ここでは特に人気の高いツワブキの品種をご紹介いたします。浮雲錦:伝統的な品種で葉に白い斑が入る
浮雲錦は古くからある伝統的な品種で、葉に白い斑が入ることが特徴の品種です。花が咲かない間でもカラーリーフの様に楽しむことができます。また、浮雲錦の特徴的な見た目を生かして盆栽として育てるのもおすすめです。牡丹獅子:葉の縁が細かく割れて波打っているのが特徴
牡丹獅子は葉の淵が細かく割れ波打つことが特徴です。牡丹獅子という名前の様に、葉っぱが獅子の様に見えることから名前が付けられました。ツワブキは調理して食べることもできる!
先ほど簡単にツワブキについて解説した際に記載したように、ツワブキは下処理を行うことで食べることができます。もしもお庭や鉢植えで育てているツワブキを食べてみようと思った時には下記の点を確認しながらチャレンジしてみてくださいね。茎は食用にされている
ツワブキの茎はフキと同じように食べることができます。下処理を行うことでフキのように茎を食べることができるためツワブキを育てている場合是非食べてみてくださいね。毒性があるため注意
しかし、ツワブキには毒性もあります。アクを抜いてから食べるようにしましょう。また、食べ過ぎも肝臓などに影響があるため注意しましょう。ツワブキの食べ方
ツワブキはアクを抜くことでおいしく食べることができます。以下の様に下処理をしましょう。アク抜きのしかた
ツワブキの茎を鍋に入るように切り、沸かしたお湯に30秒入れます。その後、皮を剥き小さじ1の塩を入れたお湯で2分茹で、その後水気を切り水に3時間晒してアクを抜きます。おすすめの調理法
お肉としょう油でいためたり、シンプルにマヨネーズで和えてもおいしくいただけることができます。フキと同じような調理も相性が良いでしょう。【まとめ】ツワブキの育て方を徹底解説!成長後のお手入れや人気品種、食べ方まで!
今回はツワブキの育て方を中心におすすめの品種や必要なお手入れ、食べ方などについて解説いたしました。この記事を読んでツワブキについてや育て方を知ることができたのではないでしょうか。 この記事のポイントは、- ツワブキは日向を好む植物ではあるが、明るい日陰や室内でも育てることができる
- 水はけのよい土を好み、水の与えすぎに注意する必要がある
- 斑入り葉の品種や葉の形が独特な品種など、多くの品種がある
- ツワブキは処理をすることで食べることができるが、毒性もあるため注意が必要