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チョコレートコスモスは名の通り、チョコレートのような色をしたこげ茶色の花が可愛らしいのが特徴的です。またほのかに甘い匂いがする品種もあり人気を集めています。
チョコレートコスモスを育てて見たいけど、栽培が難しいのでは?と思う方も多いのではないでしょうか。しかし育て方のポイントを守ることで、チョコレートコスモスを丈夫に育てることができます。
今回この記事では
- チョコレートコスモスとは。
- チョコレートコスモスの置き場所や土の選び方などの育て方。
- チョコレートコスモスのお手入れ方法。
- さまざまなチョコレートコスモスの品種。
そもそもチョコレートコスモスってどんな植物なの?
まずはじめに、チョコレートコスモスについて解説していきます。チョコレートコスモスを詳しく知らない方はぜひチェックしていきましょう。メキシコを原産とするキク科コスモス属の多年草
チョコレートコスモスはキク科コスモス族の他年草です。メキシコが原産であり、大正時代に日本に渡ってきたと言われています。また、草丈は50-60㎝程度まで成長します。チョコレートのような香りをほのかに放つ
チョコレートコスモスは、まるでチョコレートのような香りを放つことで人気を集めています。チョコレートの香りがする理由には、チョコレートコスモスがもつ成分のバニリンにあります。バニリンはバニラフレーバーの原種であり、アイスクリームやチョコレートにも含まれている成分のため、香りを嗅いだ方に癒しを与えてくれること間違いありません。チョコレートコスモスの育て方のポイント①置き場所
次にチョコレートコスモスの育て方のポイントの1つ、置き場所について解説していきます。4月~11月:日当たりの良い戸外
チョコレートコスモスは風通しが良く日当たりの良い場所を好むため、4~11月の間は基本的に戸外で育てることがおすすめです。直射日光に注意する
コスモスは日当たりの良い場所を好みますが、チョコレートコスモスの場合は、耐暑性が低いため直射日光には注意が必要です。原種は7月~9月まで半日陰で管理する
上記でも申し上げたように、チョコレートコスモスは耐暑性が低いため、原種の場合には7月~9月まで半日陰で管理することをおすすめします。12月~3月の休眠期
チョコレートコスモスは12~3月に休眠期に入るため、地上部が枯れてなくなります。休眠期にも育て方をしっかりと守ることで、春になると再び新芽が出てくるでしょう。地植えの場合:株元をマルチングする
庭植えをしている場合、休眠期にはマルチングを行い凍結しないようにしましょう。乾燥させてしまうと枯れてしまうため、掘り起こさずに管理すると良いです。鉢植えの場合:凍らない場所に移動する
鉢植えの場合には、凍らない場所に移動させましょう。植物が凍ってしまうと春に新芽が出ない可能性があるため充分に注意が必要です。チョコレートコスモスの育て方のポイント②水やり
次にチョコレートコスモスの育て方のポイント、水やりについてお話していきます。地植えの場合:基本的に不要
チョコレートコスモスは湿気を嫌う植物のため、地植えで育てている場合には基本的に水やりを行う必要はありません。しかししばらく雨が降っておらず、植物に元気がなくなってきた場合には水やりしましょう。鉢植えの場合
鉢植えの場合は地植えに比べて水切れが起きやすいため、しっかりと水やりを行うことが育て方のポイントです。4月~11月の生育期:表土が渇いたらたっぷりと
鉢植えで育てているの際、4月~11月頃の生育期には表土が乾いたらたっぷりと行いましょう。特に真夏の暑い時期には、1日1回~2回ほど水やりを行う必要があります。12月~3月:やや乾燥気味に
鉢植えの際の12月~3月頃には、やや乾燥気味にすると良いです。しかし完全に乾燥させてしまうと枯れてしまうため、忘れずに水やりを行いましょう。チョコレートコスモスの育て方のポイント③土
次にチョコレートコスモスの育て方のポイント、土の選び方についてお話していきます。用土選びは育て方を左右する重要なポイントとなるため、しっかりとチェックしていきましょう。水はけの良い有機質に富んだ土を好む
チョコレートコスモスは湿気を嫌う植物のため、水はけの良い土を選ぶことがおすすめです。また有機質を富んだ土を好むため、無機質ではなく有機質の土を選ぶと丈夫に育てることができます。市販の培養土で育てられる
チョコレートコスモスは市販の培養土でも育てることができます。ガーデニング初心者の方や、自作するのが苦手な方におすすめです。園芸店やホームセンターでも販売しているので、是非足を運んでみてはいかがでしょうか。自作する場合は赤玉土5:腐葉土3:ピートモス2の配合土など
土を自作したいという場合は、赤玉土5:腐葉土3:ピートモス2の配合土にすることがおすすめです。ピートモスの配合率を高くしてしまうと水はけが悪くなってしまい、根腐れや病害虫が発生しやすくなるため注意しましょう。軽石を混ぜて水はけをよくするとよい
用土に軽石を混ぜておくことで水はけがよくなるため、湿気を抑えることができて根腐れや妙害虫の発生を防ぐことができるためおすすめです。湿気の多い場所ではぜひ活用してみてはいかがでしょうか。チョコレートコスモスの育て方のポイント④肥料
次にチョコレートコスモスの育て方のポイント、肥料について解説していきます。元肥としてリン酸分の多い緩効性化成肥料を混ぜると良い
チョコレートコスモスを育てる際、元肥としてリン酸分の多い緩効性化成肥料を混ぜることがおすすめ。緩効性化成肥料は効き目が穏やかですが、効果を長く得ることができます。5月~10月に緩効性化成肥料を施す
元肥を与えた後は、5月~10月に緩効性化成肥料を施すと良いでしょう。また、与える量は少なめでかまいません。過度に与えすぎると、肥料焼けを起こしてしまうため注意が必要です。原種には7月~8月は肥料を与えない
原種のチョコレートコスモスには7月~8月の間肥料を与える必要はありません。しかし花に元気がなくなってきた場合には液肥を与えると良いでしょう。チョコレートコスモスのお手入れ
次にチョコレートコスモスのお手入れ方法について解説していきます。お手入れをしっかりと行うことで元気に育つため、育て方においても重要なポイントといえるでしょう。植え付け
チョコレートコスモスの植え付け時期や方法について説明していきます。植え付けの時期:5月から8月
チョコレートコスモスを植え付ける時期は、5月から8月の生育が盛んな時期に行うと良いでしょう。植え付けのしかた
チョコレートコスモスを植え付ける際、リン酸分の多い緩効性化成肥料を施しておきましょう。また事前にオルトラン粒剤などの殺虫剤を撒いておくことで、害虫予防になるためおすすめ。チョコレートコスモスの苗を2回りほど大きい鉢に植え付けると良いです。植え替え
地植えの場合は植え替えを行う必要はありませんが、鉢植えの場合には1年に1度植え替えを行う必要があります。植え替えの時期:4月~5月
チョコレートコスモスの植え替えは4月~5月の新芽が出てくる時期に行うことが最適です。休眠期に植え替えをしてしまうと、植物に負担がかかってしまうため絶対に避けましょう。植え替えのしかた
チョコレートコスモスを丁寧に鉢から取り出し、古い土を取り除きましょう。この時、割りばしを使うと綺麗に取ることができます。その後、1~2回りほど大きい鉢に植え替えると良いです。剪定
次にチョコレートコスモスの剪定について解説していきます。剪定は育て方には関係ないと思う方も多いかもしれませんが、剪定を行うことで見た目が美しくなることはもちろん、清潔を保つことができ病害虫の発生を防ぐことができます。つまり剪定は、育て方の中でもとても重要なポイントといえるでしょう。花がら摘み
チョコレートコスモスは葉がらをそのままにしておくと、病気にかかる可能性があるため、こまめに取り除く必要があります。切り戻し
8月ごろには、開花に向けてチョコレートコスモスを切り戻しする必要があります。株元から10~20㎝の高さを目安に切り戻しを行いましょう。その際、できるだけ枝に沢山の葉が残るようにすることをおすすめします。病害虫
チョコレートコスモスは病害虫にかかることが多いため、しっかりと対策をする必要があります。うどんこ病
チョコレートコスモスは春~秋にかけて、うどんこ病にかかりやすくなります。うどんこ病はまるでうどんの粉をまぶしたようになるのが特徴です。放っておくと葉の全面が真っ白になり悪影響を及ぼすため早急に対策する必要があります。 出来る限り風通しの良い場所を選んで育てることで対策できます。うどんこ病が発生してしまった際には、症状が出た部分を取り除きます。その後もうどんこ病が広がる場合には、重曹を希釈したスプレーを振りかけると効果を得られることがあるためおすすめです。ハダニ
3月~10月にかけて、ハダニが発生してしまうことが多いため注意が必要です。ハダニは植物の栄養を吸収するため、放っておくと植物全体が弱り最悪の場合には枯れてしまうことも。 ハダニは乾燥した植物に発生しやすいため、こまめに水やりや霧吹きを行うことで予防できます。もしもハダニが発生してしまった場合には、勢いよく水をかけることで簡単に流れていくので是非試してみてください。アブラムシ
チョコレートコスモスはアブラムシが発生しやすいため注意が必要です。アブラムシは放っておくと大量に増える厄介な害虫といえるでしょう。こまめに管理して、見つけた際にはすぐに対処する必要があります。 肥料に窒素が多かったり、湿気が多いとアブラムシが発生しやすいため注意しましょう。発生してしまった際にはデンプンやハーブ、ソルビタン脂肪酸エステルなどの天然由来成分のもので除去できます。さらに身近なものなら、牛乳や石鹼水でも除去することができます。夏越し・冬越し
次にチョコレートコスモスの夏越し・冬越しについてお話していきます。夏越し・冬越しも大事な育て方のポイントですので、しっかりチェックしていきましょう。夏越し:涼しい場所に移動するか、遮光する
チョコレートコスモスは耐暑性が高いですが、猛暑に耐えることは難しいといえるでしょう。そのため夏には涼しい場所へ移動するか、遮光することをおすすめします。夏越しを成功させると秋にはたくさんのお花を咲かせることができます。冬越し:花が終わったら切り戻す
冬越の際は地上に見えている部分は枯れてしまいますが、根っこの部分は生きているため春先には復活していきます。チョコレートコスモスの枯れている部分を切り戻ししていきましょう。増やし方
次にチョコレートコスモスの増やし方について解説していきます。育て方が上手だった際、丈夫に育ったチョコレートコスモスを増やすことができます。増やしたい方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。挿し芽
挿し芽で増やす場合には、5月~8月に行うと良いです。気温が上がりすぎる前に行いましょう。- 新しい芽を選び、7~10cmの長さでカットする。
- 下の部分の葉を取り除き、1~2時間ほど水に挿しておく。
- 挿し穂を湿らせた培養土に挿す。
- 明るい日陰で管理し、土が乾燥しないように水やりをする。
分球
チョコレートコスモスは球根植物のため、分球することができます。分球する場合、4月ごろが最適です。ナイフやハサミを使って行います。- 球根をスコップで傷つけないように取り出す。
- 2~3芽ずつになるように、ナイフまたはハサミを使って切り分けていく。
- それぞれを新しい土を使い植え替えていく。
チョコレートコスモスの人気の品種を紹介
これまでチョコレートコスモスの育て方について詳しく解説していきましたが、最後に人気の品種について解説していきます。品種によって見た目はもちろん、育て方の難しさも異なるためしっかりとチェックしていきましょう。チョカモカ:耐暑性がありチョコレートの香りが他の品種より強い
チョカモカは一般的なものと比べるとチョコレートの香りが強く人気があります。またコンパクトなため、切り戻しをする必要がないことも嬉しいポイント。さらにチョカモカは耐暑性があるため、他の品種に比べて育てやすい品種といえます。ショコラ:黒のようなこげ茶色の花を咲かせる
ショコラは黒のこげ茶色の花を咲かせる、個性的な姿が人気を集めています。また、かすかに甘い香りがするのが特徴的です。ショコラの耐寒性は-5℃までと冬越しさせやすいため、ガーデニング初心者の方にもおすすめ。ノエルルージュ:赤色の花が咲く育てやすい品種
ノエルルージュは秋咲きのチョコレートコスモスで、キバナコスモスとの交配種です。ノエルルージュは赤みが強い花色が美しく、うどんこ病にかかりにくく育てやすい品種といえるでしょう。クッキー:ライムグリーンの葉が特徴
クッキーは、2012年に品種改善されたチョコレートコスモスです。ほのかに甘いチョコレートの香りがして、ライムグリーンの葉が特徴的で人気を集めています。クッキーは丈夫な品種で、開花しやすいためガーデニング初心者の方にもおすすめ。ブラウンルージュ:赤みがかったこげ茶色の花を咲かせる
ブラウンルージュは赤みがかったこげ茶色の花を咲かせる、まさにチョコレートの色合いといえるでしょう。ブラウンルージュは春と秋に花を咲かせ、とても育てやすい品種で大人気です。【まとめ】チョコレートコスモスの育て方を紹介!お手入れ方法や人気の品種まで
今回チョコレートコスモスの育て方や品種について解説いたしましたが、いかがでしょうか。 この記事のポイントは- チョコレートコスモスはメキシコを原産とするキク科コスモス属の他年草である。
- 4月~11月には日当たりの良い戸外で管理し、12~3月の休眠期には地植えの場合はマルチングを行い鉢植えの場合には凍らない場所へ移動させると良い。
- 水やりは地植えの場合は基本的に必要なく、鉢植えの場合には4月~11月頃の生育期には表土が乾いたらたっぷりと行う。
- 土は水はけの良い有機質を富んだものが良いが、市販の培養土でも育てられる。
- 肥料は元肥としてリン酸分の多い緩効性化成肥料を混ぜると良い。
- 5月~10月に緩効性化成肥料を施すことがおすすめ。
- 花がら摘みや切り戻しを行うことで、見た目も美しく丈夫なチョコレートコスモスを育てることができる。
- チョコレートコスモスはうどんこ病・ハダニ・アブラムシといった病害虫が発生しやすいため、こまめに手入れをする必要がある。
- チョコレートコスモスにはさまざまな種類があり、見た目はもちろん育て方の難しさも異なるため、購入前にご自身に合ったものを選ぶ必要がある。