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ユキワリソウ(雪割草)は日本に自生する観葉植物です。小さくかわいらしい見た目をしており「育ててみたい!」と思う方も多いでしょう。ですが、ユキワリソウは育て方こそ難しくないですが、簡単に栽培できる観葉植物とはいえません。そこで、今回は、ユキワリソウの育て方について解説します。本記事を読めば、以下のことが分かりますよ。
- ユキワリソウの栽培難易度
- 注意するべき季節
- 病気のなり易さ
そもそもユキワリソウ(雪割草)ってどんな植物なの?
そもそもユキワリソウ(雪割草)はどんな植物なのかご存じですか?名前や育て方を知っている方は、大勢いらっしゃいますが、生態や詳細を知っている方は多くありません。では、育て方を解説する前に、どのような植物なのか見ていきましょう。日本を原産とするキンポウゲ科ミスミソウ属の多年草
ユキワリソウは日本を原産とするキンポウゲ科ミスミソウ属の多年草です。ミスミソウとも呼ばれています。 名前の由来は春が訪れると、雪をかき分けて現れる姿から付けられました。日本を原産とするため、日本の環境に適した観葉植物です。 しかし、元々の栽培難易度は決して低いとは言えず、並程度の栽培難易度になります。そのため、観葉植物初心者が手を出すと、育て方を学んでも育成が上手にいかない場合もあるでしょう。温かい日光があるときだけ花を開く
ユキワリソウは、2~4月の暖かい日光があるときだけ花を咲かせます。そのため、暖冬の場合は多く花を見る機会があるでしょう。逆に、寒さの厳しい冬の場合はユキワリソウの花を見る機会は少なくなる場合もあります。春の訪れを告げることから名づけられた
先述しましたが、ユキワリソウは春の訪れを告げることから名づけられた観葉植物です。寒い冬の時期が過ぎ、暖かくなると雪をかき分けてユキワリソウが姿を現します。 その姿から春の訪れを告げる『ユキワリソウ』という名前が付けられました。ユキワリソウの育て方のポイント①置き場所
では、ユキワリソウの育て方について見ていきましょう。まず、育て方のポイント①置き場所について解説します。ユキワリソウは、鉢植えでの育て方と地植えでの育て方の2種類があるので、順番に見ていきましょう。地植えの場合
最初に地植えの場所について解説します。地植えは名前の通り、地面に植えるので間違えた場所に植えると、枯れる可能性が高くなります。では、詳しく見ていきましょう。落葉樹の下がよい
ユキワリソウを地植えするなら、落葉樹の下がおすすめです。夏場は良い感じに明るい日陰になるので、ユキワリソウに適した置き場所になります。自然界と同じ環境になるので、ユキワリソウに優しい環境ですよ。凍結する地域では落ち葉などをかけて防寒する
凍結する地域では、凍結防止として落ち葉などをかけて防寒しましょう。雪の下から生えてくるユキワリソウですが、凍結するほど厳しい環境は耐えられません。そのため、落ち葉をかけるなどして、凍結しないように工夫する必要があるでしょう。鉢植えの場合
鉢植えでの育て方の場合は、季節によって移動させることができます。時期ごとに細かく動かす必要があります。では、鉢植えの置き場所について詳しく見ていきましょう。晩冬~春:明るく日当たりのよい場所で管理する
晩冬~春の時期は明るく日当たりの良い場所で管理します。明るく日当たりの良い場所で管理することで、ユキワリソウのお花を楽しむことができますよ。可愛らしい花をぜひ、楽しんでくださいね。花後:風通しの良い明るい日陰に
花後は風通しの良い明るい日陰で管理します。ユキワリソウは、風通しの悪い場所は苦手としています。そのため、風通しに注意した場所に置きましょう。明るい日陰も忘れないでくださいね。梅雨頃~翌春の開花期:日陰で管理する
梅雨頃~翌春の開花期は、日陰で管理をおこないます。元々落葉樹の下に自生しているため、日陰が自然環境に近くベストな状態です。日陰になっている場所を確認して、ユキワリソウを置いてあげましょう。ユキワリソウの育て方のポイント②水やり
次に、ユキワリソウの育て方のポイント②として、水やりを解説します。ユキワリソウの水やりは注意点が多いので、必ず確認してくださいね。多湿や停滞水を嫌う
ユキワリソウは多湿や停滞水を嫌う性質があります。多湿と停滞水は水やりや土の種類で対策ができます。片方だけでなく、両方対策して、ユキワリソウの過ごしやすい環境を作ってあげましょう。花に水がかからないよう注意
ユキワリソウに水を与える場合は、花に水がかからないように注意してください。花に水がかかってしまうと花がしぼみやすくなります。 せっかく可愛らしい花を咲かせるので、しぼませては勿体ないですよね。そのため、水をやる場合は、花に水がかからないようにしましょう。地植えの場合:乾燥が続くときは水やりを
地植えの場合は、乾燥が長く続く場合は水やりをおこないましょう。比較的乾燥しにくい地植えですが、土の状況や気候によっては乾燥する場合も。そのため、乾燥が激しいなら水やりをおこないましょう。鉢植えの場合:土が乾いたらたっぷりと
鉢植えの場合は、土が乾燥したらたっぷりと水を与えてください。鉢植えは地植えに比べて乾燥しやすいです。なので、土の乾燥具合を触って確認し、乾燥していたらたっぷりと水を与えてください。ユキワリソウの育て方のポイント③土
ユキワリソウの育て方ポイント③として土について解説します。ユキワリソウは、多湿や停滞水を嫌う性質があるので、土選びは重要な要素です。詳しく見ていきましょう。保水性がありくずれにくいものを好む
ユキワリソウに使用する土は、保水性があり崩れにくい土を選びましょう。詳しくは後述しますが、難しければ山野草用の土や雪割草専用の培養土を使用するのがおすすめですよ。鉢植えの場合
鉢植えの場合は地植えより土選びが重要になります。鉢植えという小さな環境で育てるので、用土の影響は大きいです。詳しく解説しますね。鹿沼土1:日光砂か日向土1と軽石の配合土など
鉢植えで育てるなら、鹿沼土1:日光砂or向日土1と軽石などを配合した土がおすすめです。配合した土は水はけと保水性に優れており、雪割草に適した用土といえるでしょう。ただ、酸性に偏っているので、余った土を他の植物に利用する場合は注意してください。日向土4:桐生砂4:赤玉土2でもよい
先述した土もおすすめですが、日向土4:桐生砂4:赤玉土2の配合もおすすめです。赤玉土を使うので、日ごろから観葉植物を育てている方は、余っている人も多いでしょう。どちらでもよいので、土を手作りするのは愛着もできておすすめですよ。山野草用や雪割草専用の培養土が便利
自分で土を配合するのが難しい場合は、山野草用の土や雪割草専用の培養土を使用するのがおすすめです。配合の手間もなく、購入したらすぐに使えますよ。ユキワリソウの育て方のポイント④肥料
最後の育て方のポイントは肥料です。肥料の有無や与え方は、観葉植物ごとにさまざまです。ユキワリソウに適した肥料を与えて元気に育ててあげましょう。元肥:植え付け時に置き肥する
元肥として植え付け時に置き肥をしてあげましょう。元肥には、即効性ではなく遅効性の遅く長い間効果があるものが適しています。そのため、与える肥料は遅効性や緩効性の肥料を与えるようにしましょう。花後:お礼肥を施す
花後にお礼肥を施しましょう。お礼肥とは、花が終わった後に与える肥料です。お花を咲かせてくれてありがとう、お疲れ様という意味で付けられて言葉でしょう。お礼肥をすることで、来年も綺麗な花を開花させてくれますよ。葉の展開する頃:窒素分が多めの肥料を与える
葉っぱの展開する頃には窒素分が多めの肥料を与えます。成分は肥料の裏側に記載してあるので、肥料を良く見比べて購入し与えてくださいね。花芽形成期:リン酸分の多い肥料に
花芽形成期にはリン酸分の多い肥料を与えます。窒素成分と同じように肥料を選ぶ際は、パッケージの裏側を確認しましょう。リン酸分の多い肥料を与えればOKですよ。梅雨明け~夏場は肥料を与えない
梅雨明け~夏場は肥料を与えなくてOKです。ユキワリソウの休眠期は7月や8月などの暑い時期です。休眠期は栄養を必要とする量が少ないので、肥料は不要です。肥料を与えると肥料焼けして、枯れることもあるので肥料は避けましょう。秋~冬:三要素等量の液体肥料を与える
秋~冬は三要素等量の液体肥料を与えます。三要素等量とは、植物の育成に非常に需要な要素である窒素・リン酸・カリウムの比率が同じ肥料のことです。 栄養素の比率はパッケージ裏に記載してあるので、確認して与えてあげましょう。ただし、希釈率は非常に重要なので、必ず守ってくださいね。濃すぎる液体肥料は、ユキワリソウが枯れる原因ですよ。ユキワリソウのお手入れ
ユキワリソウの育て方の次は、お手入れについて解説します。お手入れは水やりなどの毎日おこなう育て方とは違い、頻度は高くありません。しかし、必ずおこなう必要があるので、ぜひチェックしてみてください。植え付け・植え替え
まず、植え付け・植え替えについて見ていきましょう。ユキワリソウを購入した場合必ずおこなう必要があるので、ぜひチェックしてくださいね。時期:春の花後、秋
植え付け・植え替えは、春の花が咲き終わった後、もしくは秋におこないます。夏場は休眠期に入るので、植え付け・植え替えに適した時期ではありません。 そのため、花が咲き終わった後や秋ごろの気温が穏やかな季節に、植え付け・植え替えをおこないましょう。植え替えの頻度:2年に1回が目安
植え替えの頻度は2年に1回程度の植え替えが目安です。他の観葉植物と同じ程度の植え替え頻度なので、間違えることは少ないでしょう。植え付け・植え替えのしかた
ユキワリソウの植え付け・植え替え方法は他の植物と変わりません。一回り大きな鉢に植え替えてあげましょう。ただし、春は脱水・秋は乾燥に注意する必要があるので、たっぷりの水やりをおこなってあげましょう。剪定
ユキワリソウも剪定をおこないます。とはいえ、大きくなっても20cm程度の小さな観葉植物なので、大きな剪定はおこないません。誰でもできるので、ぜひチャレンジしてくださいね。花がら摘み
ユキワリソウの花が終わったら、花がらを摘みとりましょう。花がらをそのままにしておくと、灰色カビ病にかかりやすくなります。元々灰色カビ病にかかりやすい性質があるので、咲き終わった花はすぐに取り除きましょう。古葉切り
古葉切りは、蒸れ防止や病気防止のためにおこないます。古くて傷んだ葉っぱは葉元から切り取って大丈夫です。葉の切り取りは不安になることも多いですが、思い切って切り取って大丈夫ですよ。室内で育てる場合は腐らせないよう特にしっかり行う
室内で育成する場合は、葉や花がらを腐らせないようにしっかりおこないましょう。室内は蒸れやすく風通しが良くない場合が多いので、屋外に比べ病気が発生しやすいです。そのため、剪定をしっかり行って病気の予防をおこないましょう。夏越し
ユキワリソウにとって夏越しは難しい課題です。夏場に休眠期を迎えるため、暑い時期をどのように越させる重要になります。具体的な方法を解説するので、ぜひ参考にしてください。80%ほど遮光をするか日陰で管理する
ユキワリソウの夏越しは80%ほどの遮光をするか日陰で管理します。遮光で管理する場合は、遮光ネットの遮光率を確認してください。遮光率が低いものを使用すると、夏越しの失敗に繋がりますよ。水のあげすぎによる根腐れに注意
夏場の水のあげすぎは、根腐れを起こすので注意してください。ユキワリソウは休眠期は夏なので、水分を多く必要としません。そのため、水をあげすぎると根腐れを起こすので注意してくださいね。冬越し
ユキワリソウの冬越しは、夏越しに比べて簡単です。難しいポイントもないので、誰でもおこなえますよ。詳しく見ていきましょう。耐寒性が強くマイナス5℃くらいまでは耐えられる
ユキワリソウは耐寒性が強く、マイナス5℃くらいまで耐えられます。そのため、よほど寒い地域でない限り冬越しに失敗することはないでしょう。冷たい風が当たらないように注意
寒さに強いユキワリソウですが、ひとつだけ注意点があります。それは「冷たい風に当てない」ことです。冷たい風に当たると葉っぱが傷みやすくなります。そのため、冷たい風が当たらないように、工夫する必要があるでしょう。増やし方
最後に増やし方について解説します。ユキワリソウは3種類の方法で増やせるので、自分好みの増やし方で増やしてみてください。株分け
ユキワリソウは株分けで簡単に増やせます。株を手でほぐして植え付ければ簡単に増やせますよ。注意点としては、あまり細かく株分けしないこと。なるべく大きな状態で分けるようにしてくださいね。種まき
タネを入手できれば、タネまきでもユキワリソウを増やせます。ただし、発芽まで1年以上期間が必要なため、すぐに増やせる方法ではありません。自分で1から育てたい場合以外は、おすすめできない増やし方です。根伏せ
根伏せでもユキワリソウは増やせます。ただし、栽培で増やされたユキワリソウは、根伏せで増やしにくい傾向があります。そのため、特に事情がない場合は株分けで増やすのがおすすめですよ。ユキワリソウによくあるトラブルと対処法
本記事ではユキワリソウの育て方について解説しましたが、本記事通りの育て方で育成してもトラブルは起きるものです。どのようなトラブルが起きるのか事前に確認しておけば、対処はしやすいですよ。詳しく見ていきましょう。病気
まず、病気について解説します。ユキワリソウはやや病気になり易い観葉植物です。そのため、気がついたら病気になってることも。どのような病気になるのか詳しく見ていきましょう。灰色かび病
灰色かび病はユキワリソウがかかりやすい病気です。花弁の変色から始まりカビが発生します。そのため、花がらは見つけ次第取り除いてください。 予防としては多湿を避けるようにしましょう。水のやりすぎや風通しを意識して管理しましょう。炭疽病
炭疽病は、点々模様の変色が発生し進行すると最悪ユキワリソウが枯れる場合もある病気です。効果的な薬剤もないので、日ごろから対策が重要になります。多湿環境で活性になる性質があるので、水分の与えすぎや風通しを意識して予防に努めましょう。ウイルス病
ウイルス病という何かしらウイルスが原因で発症する病気があります。主な感染路はアブラムシなどの害虫からです。そのため、日ごろから害虫予防に努めるのが要望に繋がりますよ。害虫
次に害虫について解説します。害虫は植物への被害だけでなく、外観を損ないます。意外に分かりにくい場合もあるので、日頃のチェックが重要になります。詳しく見ていきましょう。ナメクジ
ナメクジは害虫の1種です。新芽などを食い荒らすため、気がついたころにはボロボロになっていることも。薬剤で駆除するのも有効です。 また、割りばしなどで摘まんで、取り除いてもOKです。ただし、病原菌まみれなので、絶対に手で触らないようにしてくださいね。アブラムシ
アブラムシは多くの植物に付く害虫です。植物の樹液を吸うので、大量のアブラムシがつくと、植物が弱ってしまいます。また、アブラムシからウイルス病などの原因にも繋がるので見つけ次第駆除しましょう。薬剤を使用するのが簡単ですよ。ネコブセンチュウ
ネコブセンチュウは名前の通り、根っこに多数のコブが現れる病気です。そのため、ぱっと見でネコブセンチュウを発見するのは難しいです。対策方法としては、マリーゴールドなどの抵抗性植物と一緒に植えるのが最適です。万が一発生した場合は、米ぬかを使うなどの予防が有効です。ハダニ
ハダニはメジャーな害虫の一種です。ダニという名前ですが、実際はダニではなく蜘蛛の仲間になります。植物の樹液を吸うため、大量発生すると植物が弱ります。 駆除方法は、薬剤が手軽かつ簡単です。大量発生する前に迅速に処理しましょう。解決策がわからない場合は相談してみましょう
解決方法が分からない場合は、相談するのがおすすめです。ネット上には、読者の方が相談できる園芸サイトがあるで1回チェックしてみてください。『みんなの趣味の園芸』などの情報サイト
『みんなの趣味の園芸』などの情報サイトを除いて見るのも有効です。多くに人が写真付きで投稿しているので、対策方法を見つけやすいです。単純に見ていても楽しいサイトになっていますよ。園芸相談ができる『緑の相談所』
緑の相談所に連絡することで、園芸の相談ができます。連絡先は都道府県ごとに違うので、利用するなら事前に確認する必要があります。対応時間もそれぞれ違うので、注意してくださいね。【まとめ】ユキワリソウの育て方を紹介!お手入れ方法やトラブルの解決策まで
本記事ではユキワリソウの育て方について解説しました。ユキワリソウは、観葉植物の中でも中程度の難易度なので、観葉植物の脱初心者の方に向いている植物でしたね。また、元々日本に自生しているため、夏以外は管理しやすい植物といえるでしょう。 本記事のポイントは- ユキワリソウの育て方は難しくないが、初心者向きではない
- 冬の寒さには強いが夏の暑さには弱い
- やや病気になり易いので日頃のチェックが重要