目次
色鮮やかな花を咲かせるデュランタ。房状に咲く花が枝垂れるように咲く姿は、夏に涼を感じさせてくれます。華やかな花を一度見ると、「育て方を知りたい」と思うことでしょう。美しいデュランタの育て方について気になりませんか。
そこでこちらの記事では
- デュランタはどんな植物なのか
- デュランタの育て方における置き場所・水やり・肥料
- デュランタの育て方における剪定
- デュランタの育て方における冬越し
そもそもデュランタってどんな植物なの?
デュランタと聞いて、どんな花なのか思い浮かぶ方は少ないかもしれません。ここではデュランタがどんな植物なのか解説します。アメリカを原産とするクマツヅラ科デュランタ属の熱帯花木
デュランタはアメリカを原産とするクマツヅラ科デュランタ属の熱帯花木です。草丈は0.3~2mほどの低木に分類され、アメリカのフロリダ地方~ブラジルで自生しています。常緑性で初心者にも育てやすい植物です。熱帯花木なので、寒さには弱いです。暖かい環境で育ててください。青や白の小花が集まって房になっている
デュランタは青や白の小花が集まって房になっている植物です。花が房状に垂れ下がって咲く人気の熱帯花木で、夏の鉢物としてよく流通しています。また、春~夏に小さな苗として、草花としても流通しているため、寄せ植えにも活躍します。葉を楽しむ品種にはあまり花は咲かない
デュランタにはさまざまな品種がありますが、葉を楽しむ品種にはあまり花は咲かない特徴があります。もとは観葉植物として流通していた
デュランタは、もともと観葉植物として人気があり流通していました。沖縄や熱帯地域では生垣としても利用されています。品種改良により花付きのよいものが生まれた
観葉植物として流通していた中で、品種改良により花付きの良いものが生まれました。その結果、鉢花や花苗としての流通が増えています。現在では、主に鉢物・花木がメインで、観葉植物としてのデュランタはあまり見かけません。デュランタの育て方のポイント①置き場所
デュランタの育て方における置き場所のポイントについて解説します。日光のよく当たる場所を好む
デュランタは日光のよく当たる場所を好む植物です。日光不足になると花付きが悪くなるので、注意してください。鉢物として室内で観賞する場合は、日当たりの良い窓際に置くことがポイントです。しっかり日光に当てて育ててください。斑入りや黄金葉の品種は真夏の直射日光に注意
斑入りや黄金葉のデュランタの品種は真夏の直射日光に注意してください。通常の緑葉のデュランタに比べると、葉緑素が少ないため、真夏の強すぎる直射日光に当たると葉焼けしやすいです。葉焼けした葉っぱは元には戻らず、観賞価値を下げます。また、生育に悪影響を与えて枯れる恐れもあるので、気を付けましょう。斑入りや黄金葉の品種は、真夏は明るい日陰で管理してください。地植えの場合
デュランタを地植えする場合の育て方を紹介します。水はけの悪い場所を避ける
デュランタを地植えする場合は、水はけの悪い場所を避けてください。水持ちがよすぎる土では、根腐れする危険があるためです。また、地植えする場合は、土を耕して土壌改良しておきましょう。暖地では地植えで越冬できる
暖地では地植えで越冬できる可能性が高いです。ただし、冬に急激な寒さで5℃以下が続くような場合は枯れるかもしれません。ビニールを被せるなどの霜雪や寒風対策が日利用です。デュランタは熱帯花木なので、寒い環境では枯れます。最低気温が5℃以下では枯れる可能性が高いので、東京以北では地植えでの冬越しは難しいでしょう。鉢植えの場合
デュランタの鉢植えの場合での育て方について紹介します。真夏は明るい日陰に移動させる
鉢植えの場合、真夏は明るい日陰に移動させてください。強すぎる直射日光に当たると葉焼けしやすいためです。斑入りや黄金葉でなくとも、真夏の直射日光は避けた方が安心です。冬は寒風や霜の避けられる場所に移動する
冬は寒風や霜の避けられる場所に移動させましょう。デュランタは寒さに弱いので、気温が下がり始める秋には、室内に移動させるとよいでしょう。室内に移動できない場合は、ビニールを被せたり、簡易的な温室に入れて、寒風や霜雪をよけるようにして冬越しさせてください。室内に入れる、屋外に出す場合は急激に環境を変化させない
鉢植えを室内に入れる、屋外に出す場合は急激に環境を変化させないことが重要です。特に温度変化や日当たりが急に変化すると、生育が悪くなりやすいので注意しましょう。移動させる場合は、徐々に慣らすように明るさや温度を段階的に慣らして移動させます。急に明るい場所から暗い場所に移動させたり、温度8℃から温度18℃の環境に移動させないようにしてください。デュランタの育て方のポイント②水やり
デュランタの育て方における水やりのポイントについて解説します。地植えの場合:根付いた後は基本的に不要
地植えの場合、根付いたデュランタには基本的に水やりは不要です。植え付けたばかりの時は、根付くまで土が乾いたら、水やりします。その後は、自然の雨で十分に生育するので安心してください。鉢植えの場合
デュランタの鉢植えの場合の育て方における水やりを解説します。土の表面が乾いたら水をやる
鉢植えでは、土の表面が乾いたら水をやります。基本的には、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるくらいたっぷりと水やりしましょう。開花期や成長期は必要に応じて1日2回水をやる
開花期や成長期は、必要に応じて1日2回水やりします。デュランタは夏が生育期や開花期の植物です。この時期は特に土が乾きやすいので、水切れに注意してください。朝晩の2回の水やりがおすすめです。冬は乾かし気味に管理する
デュランタの水やりは、冬は乾かし気味に管理するのがポイントです。冬はデュランタにとって生育が緩慢になる時期なので、土が湿っていると根腐れしやすいので注意します。また、寒い時期に土が常に湿っていると、根が凍結する恐れもあるので、気を付けてください。冬に水やりする場合は、温度がしっかり上がったタイミングで与えることが重要です。デュランタの育て方のポイント③土
デュランタの育て方における土のポイントを解説します。水はけのよい土を好む
デュランタは水はけのよい用土を好む植物です。粘土質な水持ちがよすぎる土では、根腐れして枯れるので注意してください。地植えの場合:水はけをよくするため腐葉土を混ぜ込む
地植えでデュランタを育てる場合は、水はけをよくするために腐葉土を混ぜ込んでください。腐葉土を混ぜ込むことで、土の中に空気の層が生まれ、通気性や排水性が良くなります。ただし、腐葉土を入れすぎると、腐植質が増えすぎるので、小粒の軽石や鹿沼土も一緒に混ぜ込んでおくと安心です。鉢植えの場合
鉢植えの育て方における用土のポイントを解説します。市販の園芸用培養土で育てられる
鉢植えの場合、デュランタは市販の園芸用培養土で育てることが可能です。花木用の土や観葉植物用の土でも安心して育てられます。自作する場合は赤玉土7:腐葉土3の配合土など
もし土を自作する場合は、赤玉土7:腐葉土3の配合の土が良いでしょう。赤玉土7:腐葉土3の配合割合は基本培土と呼ばれ、植木を育てるのに向いています。デュランタは花木なので、育てやすい配合と言えるでしょう。より水はけを良くしたい場合は川砂を混ぜる
デュランタの土には、水はけが重要です。より水はけを良くしたい場合は、川砂を混ぜるとよいでしょう。川砂以外にも、小粒の軽石や鹿沼土もおすすめです。デュランタの育て方のポイント④肥料
デュランタの育て方における肥料のポイントについて解説します。肥料を与えるタイミング
デュランタに肥料を与えるタイミングを見ていきましょう。- 地植えの場合は4月と9月に固形油かすを施す
- 春から秋の成長期
- 夏に窒素分の多い肥料を与えると花付が悪くなる
- 10月以降の休眠期は肥料を与えない
地植えの場合は4月と9月に固形油かすを施す
地植えの場合は、4月と9月に固形油かすを施します。油粕は、窒素分が多い肥料です。窒素は葉を茂らせ、デュランタの樹勢をよくする効果があります。4月の新芽が出てくる時期と花終わりのタイミングで与えることで、デュランタがよく育つでしょう。春から秋の成長期
デュランタの肥料やりは、春から秋の成長期に与えます。基本的には、2か月に1回の置き肥または2週間に1回の液肥がおすすめです。夏に窒素分の多い肥料を与えると花付きが悪くなる
夏に窒素分の多い肥料をデュランタに与えると花付きが悪くなります。窒素は葉を茂らせる肥料であるためです。夏の開花時期に葉ばかり茂ると、花が咲かなくなるので注意してください。夏の開花期は、窒素をなるべく与えないことがポイントです。花を咲かせたい場合は、花を咲かせる栄養素であるリン酸を多めに与えるとよいでしょう。10月以降の休眠期は肥料を与えない
10月以降の休眠期には肥料を与えないでください。休眠期は生育が緩慢なので、肥料を必要としていません。そんな時期に肥料を与えると、根が傷んで枯れてしまう原因に。10月以降は肥料は与えず、置き肥も取り除きましょう。肥料の与え方
肥料の与え方を解説します。液肥を与える
液肥を与える場合は、春~秋に2週間に1回与えます。液肥によって薄める量は異なりますが、必ず薄める割合や量は規定を守ってください。薄い分には問題ありませんが、濃く作ると根痛みするので注意しましょう。置き肥をする
置き肥を与える場合は、春~秋に2か月に1回与えます。置き肥によっては、肥料が溶けてなくなるタイプや形が残るタイプなどさまざま。効果期間も異なる場合があります。形が残る場合は、効果期間が切れたら、取り除き新しいものを与えてください。溶けてなくなるタイプは、なくなぅったら与えます。肥料の与えすぎに注意
肥料の与えすぎに注意してください。花をたくさん咲かせようと肥料を与えすぎると、逆効果になります。土の中で肥料成分の濃度が高まり、根焼けして枯れる恐れがあります。与える肥料は規定量与えることがポイントです。肥料の与えすぎに注意してデュランタを育ててください。デュランタの植え替え・植え付け
デュランタの育て方における植え替え・植え付けについて見ていきましょう。植え付け
デュランタの植え付けについては以下の通りです。植え付けの時期:春
デュランタの植え付けの時期は春です。新芽が出始める春に植え付けしましょう。この時期であれば、根が少し傷んでもすぐに新しい根が伸びるので、回復が早いです。植え付けの手順
植え付けの手順は以下の通りです。- デュランタの根鉢を鉢から取り出す
- 土が固まっていたり、根詰まりしていたりしたら土をほぐす
- 状態の悪い根を取り外す
- 新しい土に植え付ける
- たっぷりと水を与える
植え替え
デュランタの植え替えについて見ていきましょう。鉢植えの植え替えのタイミング:1~2年に1回
デュランタの鉢植えの植え替えタイミングは1~2年に1回です。ただし、鉢底から根が出ていたり水やり後に吸水が悪かったりした場合も植え替えタイミングになります。植え替えを長年していないと、根詰まりによって成長が著しく悪くなるので注意しましょう。植え替えの手順
植え替えの手順は以下の通りです。- デュランタの根鉢を鉢から取り出す
- 土が固まっていたり、根詰まりしていたりしたら土をほぐす
- 状態の悪い根を取り外す
- 新しい鉢に土を入れて植え付ける
- たっぷりと水を与える
デュランタの挿し木での増やし方
デュランタの育て方における挿し木での増やし方について解説します。挿し木の適期:春から夏
デュランタの挿し木の適期は春から夏です。新芽が出始める春以降に行いましょう。夏以降は気温が下がるので、挿し木で増やすことには向いていません。気温が上がり続ける春~夏に行うことが重要です。挿し木のしかた
挿し木の仕方は以下の通りです。- 枝の先端から10~15㎝の長さで切り取る
- 切り取った枝を挿し穂として、1時間吸水させる
- 挿し芽・挿し木用の土にやさしく植える
- 明るい日陰で、水切れがないように水やりして管理する
挿し木を成功させるコツ
挿し木を成功させるコツを見ていきましょう。水切れさせない
挿し木を成功させるコツは、水切れさせないことです。根が出るまでは、土を乾燥させないようにしてください。切り口部分が乾燥すると、根が出てくることはありません。土を乾燥させないためにも、水切れをしないように水やり管理をしてください。根が出るまで明るい日陰に置く
挿し木を成功させるコツは、根が出るまで明るい日陰に置くことです。根が出ていない状態で、直射日光に当たると、枝葉からあっという間に水分が抜けてしまい、枯れてしまいます。根がないので、水分を補給できないためです。根が出るまでは、直射日光は避けて、明るい日陰で管理してください。デュランタのお手入れ
デュランタの育て方におけるお手入れを見ていきましょう。剪定
デュランタの剪定のポイントは以下の3点です。- 花後に枝先を切ると再び開花する
- シュートを早めに処理する
- 強剪定は春先か冬前に
花後に枝先を切ると再び開花する
デュランタは夏に房状の花を咲かせますが、花後に枝先を切ると再び開花します。剪定した後に、リン酸の多い肥料を与えると、さらに花が咲き戻りやすくなります。再び花を咲かせたい場合は、枯れた花はそのままにせず、早めに切り戻してください。シュートを早めに処理する
デュランタのシュートは早めに処理してください。シュートとは、勢いのある新しい枝のことを指します。シュートを伸ばしっぱなしにしていると、株姿が乱れて、栄養が偏るので、早めに剪定しておくとよいでしょう。ただし、今まで軸にしていた枝が枯れてきた場合は、新しいシュートを軸として代替わりさせるとよいです。強剪定は春先か冬前に
強剪定は春先か冬前に行いましょう。強剪定とは、形を維持するための葉っぱや枝の剪定ではなく、思い切って短く切ったり、太い枝を切ったりする剪定のことです。強剪定を夏に行うと花が咲かなくなるので、春先か冬前に行うのが安心です。気温が暖かくなり新芽が伸び始める春先が、最も強剪定を行いやすいでしょう。冬越し
デュランタの冬越しについて見ていきましょう。暖地以外では鉢を室内に移動させるとよい
デュランタは暖地以外では鉢を室内に移動させるとよいです。暖地であっても、地域によっては急な寒波によって枯れる恐れがあるので、基本的には鉢植えであれば室内に移動させておくと安心です。地植えの場合は霜よけを行う
地植えの場合は霜よけを行いましょう。デュランタをビニールで覆ったり、霜よけカバーをかぶせたりすると安心です。霜雪に当たると枯れるので、地植えは寒風と霜雪対策をしっかり行ってください。葉が落ちても株が生きていれば再生する
デュランタは、葉が落ちても株が生きていれば再生する植物です。葉が全くなくても、根が生きており枝がしっかりしていれば、春に新芽が噴出して元通りになります。葉がなくなったからと言って、あきらめずに春まで大事に育ててみましょう。病害虫
デュランタの育て方における発生しやすい病害虫を見ていきましょう。アブラムシ
デュランタはアブラムシの被害もあります。アブラムシは、樹木や草花、多くの植物に発生する吸汁性害虫です。樹液を吸収されて、デュランタは徐々に弱っていきます。繁殖サイクルも速く、短時間で増える可能性があるので、気を付けてください。ウィルスを媒介しやすいので、見つけ次第、捕殺したり殺虫剤で対処したりしてください。多くの殺虫剤がアブラムシに有効なので、繁殖する前に早めに最低でも1回は対処することが必要です。ハダニ
デュランタにはハダニが付く可能性があります。どの植物にも発生しやすいハダニは、空気が乾燥している時期に発生しやすい害虫です。そのため、普段から霧吹きで葉水をしながら、空気の湿度を高めておくと予防になります。ハダニは小さく見つけにくく、さらに葉の裏にいるため、葉裏にも霧吹きしましょう。ハダニが発生し始めると、葉にカスリが這って観賞価値が下がるので注意してください。さらに大発生すると、植物全体にクモの巣のような糸を付けます。1匹でも見つけたら、大発生する前に殺ダニ剤などで対処することをおすすめします。デュランタの人気の品種を紹介
デュランタの人気の品種を3点紹介します。- 宝塚(タカラヅカ)
- ライム
- アルバ
宝塚
デュランタ・宝塚(タカラヅカ)は、濃紫色に白い縁取りが入る美しい種類です。鉢物としてよく流通しており、デュランタと言えば、宝塚をイメージする方もいらっしゃいます。ライム
デュランタ・ライムは葉が明黄色~黄金色になる種類です。主に観葉植物として流通します。葉を楽しむ種類なので、花は咲きにくいです。アルバ
デュランタ・アルバは、花色が涼しげな白色の種類です。宝塚同様に鉢物として流通します。また、宝塚と一緒に寄せ植えされて、紫と白色の美しい花を一緒に咲かせた状態で販売されていることも。また、花苗として小さな苗でも流通するので、寄せ植えにも活躍します。【まとめ】デュランタの育て方を徹底解説!成長後のお手入れから人気品種まで
ここまでデュランタの育て方について解説してきましたがいかがですか。 この記事のポイントは- デュランタはクマツヅラ科デュランタ属の花木で、アメリカのフロリダ~ブラジルを原産とする植物
- デュランタの育て方は、「置き場所:日当たりと風通しの良い場所」「水やり:鉢植えは土が乾いたら水やりで、地植えは水やり不要」「肥料:春~秋に与えるが、夏は窒素肥料少なめ」が重要
- デュランタの育て方における剪定は「花後に剪定すると再び開花」「シュートは早めに処理する」「強剪定は春先か冬前」
- デュランタの育て方における冬越しは、「鉢植えは室内に移動」「地植えは寒風対策と霜雪対策が重要」