目次
最近土を使わず衛生的な栽培方法としてハイドロカルチャーが注目されています。キッチンの隅で野菜を育てることができる方法としても知られていますね。 しかし、ハイドロカルチャーとはどのようなものなのかを知らないという方も多いのではないでしょうか。 ハイドロカルチャーにはいくつかの種類が存在し、それぞれに特徴があることはあまり知られていません。 今回は、
- ハイドロカルチャーとはどんな栽培方法か
- ハイドロカルチャーの種類
- 種類ごとによる特徴
ハイドロカルチャーって何のこと?
はじめにハイドロカルチャーとはどのようなものなのかを説明します。はじめてこの言葉を聞いた方でもわかるように簡単に説明します。ハイドロカルチャーは水耕栽培の1種
ハイドロカルチャーとは、水耕栽培の一種です。水耕栽培は、土を使わずに植物を育てる栽培方法を指します。剪定した後の枝を水に浸けて育てる水挿し、肥料分を含んだ水でレタスなどの葉物野菜をLED照明で育てる野菜工場も水耕栽培の一つです。 その定義から外れず、ハイドロカルチャーも土を使用することなく植物を育てる栽培方法です。近年、観葉植物をハイドロカルチャーで育てることが大人気
近年ではお部屋に飾る観葉植物をハイドロカルチャーで育てることが多くなっています。また、ハイドロカルチャーで野菜を室内で育てている方もいます。その理由として、ハイドロカルチャーには多くのメリットが存在することが挙げられます。土栽培では問題となってしまいがちないくつかの問題を、ハイドロカルチャーでは解決することができます。まずはハイドロカルチャーのメリットについて解説します。土を使わないハイドロカルチャーのメリット
土を使わないハイドロカルチャーにはどのようなメリットがあるのでしょうか。大きく5つに分けて紹介します。虫がよってきにくいので清潔
ハイドロカルチャーでは土を使用しません。それによって土を餌や住処にする害虫の発生を防ぐことができます。特にコバエはジメジメとした土によく発生する害虫です。インテリアとして飾っている観葉植物からコバエが発生するのは不快ですよね。コバエ以外にも土栽培では線虫などの害虫が発生することによって植物が枯れてしまうことがあります。 野菜を育てている時には特に害虫の発生は気になってしまいますよね。口に入れる野菜に対して農薬を使うのは抵抗があるといった方も多いでしょう。 また、害虫以外にも土栽培ではカビが発生することがあります。これは土に含まれる有機物をカビが栄養源として利用することによるものです。しかし、ハイドロカルチャーは有機物を含まない植え込み材を利用するためカビの発生を防ぐことができます。 カビは見た目が悪くなるだけでなく、胞子を飛ばすことによって私たちにアレルギー反応を引き起こすなど健康を害する可能性があります。 土と比べると清潔に植物を育てることができ、害虫やカビの心配をなくしてくれるのがハイドロカルチャーの一つ目のメリットとなります。匂いが全くしない
ハイドロカルチャーでは土の代わりに植え込み材と呼ばれる無機質を利用します。そのため土にはある独特な匂いがありません。お部屋の中でも匂いを気にすることなく観葉植物を育てることができるため、鼻が敏感な方にもおすすめです。お世話がとても簡単
ハイドロカルチャーは土栽培の観葉植物とは管理が異なります。しかし、お世話の難易度が特別難しいというわけではなくポイントを知ることで簡単に行うことができます。基本的には水やりがメインのお手入れとなり、時々植え替えや剪定といったお世話が必要になる程度です。 また、土栽培よりも成長がゆっくりであるため置き場所に余裕がない棚や机でも長く飾ることができます。土栽培では剪定や根の切り詰めによって維持する必要がある観賞植物の大きさを簡単に維持することができるのもメリットと言えるでしょう。100均や無印などでも販売されているので安価
ハイドロカルチャーは様々な場所で販売されています。園芸店や花屋はもちろんのこと、無印良品やダイソーなどの100均でも販売されていることがあります。 また、ハイドロカルチャーそのもの以外にも、ハイドロカルチャーで育てるために必要なものもほとんど100均で簡単にそろえることができます。例えば、ダイソーではハイドロカルチャーで人気なガラス製の容器や植え込み材の一つであるジェルポリマーが販売されています。 そのため、意外と土栽培の観葉植物と変わらず比較的手に届きやすいものとなっています。インテリア性もありとてもおしゃれ
土植えの植物は排水のための穴をあける関係でガラス製の器をあまり使用することがありません。しかし、ハイドロカルチャーでは穴をあける必要がないため様々な容器で観葉植物を育てることができます。コップや空き瓶、側面から水位を確認することができない陶器であっても水位計を用いることで育てることができます。 特に人気が高いのは涼しげでスタイリッシュな印象もあるガラス製の容器が人気となっています。水面や根の様子を側面から観察できるため栽培にも適していると言えるでしょう。 野菜を育てる場合でも、オシャレに飾ることができるためインテリアとして楽しく育てることができますよ。ハイドロカルチャーは大きく分けて3種ある
ハイドロカルチャーには大きく分けて3つの種類があります。これらは使用する植え込み材によって種類が異なっています。それぞれの違いを中心に解説していきます。①:ハイドロボール
もっとも一般的なハイドロカルチャーの植え込み材です。色の種類はあまり多くなく、主に茶色です。粘土を高温で焼いたボール状の植え込み材で、多孔質です。小さな穴の中に空気や水分、肥料分をため込むことができます。水を含むと色が変化するため水やりのタイミングも分かりやすいです。 また、洗って何度も使用することができるため清潔なうえお財布にも優しい植え込み材です。②:ゼオライト
ゼオライトは根から排出される老廃物を吸着するといった特徴を持つ植え込み材です。これによってハイドロカルチャーで問題となる根腐れの防止が可能になります。色は白や茶色など複数の種類があるためお部屋の雰囲気やインテリアによって変更させると良いでしょう。③:ジェルポリマー
プルプルとした感触の植え込み材です。色は種類が多くカラフルで、透き通った色合いがとても綺麗で人気が高い植え込み材です。そのため側面を観察することができる透明なガラス容器で使用するとよく映えるでしょう。ただし、ジェルポリマーの水分が少なくなって縮むと植物のバランスが崩れ倒れる危険があるため大きな観葉植物は向きません。ハイドロボールのについて解説
ハイドロボールについての詳しい説明をしていきます。特徴や種類などを知り、適したハイドロボールを選ぶようにしましょう。ハイドロボールの種類
ハイドロボールは粒の大きさによって種類が分けられます。大粒のものは根が太い観葉植物やサイズが大きい観葉植物に。小粒のものは根が細い観葉植物やサイズが小さい観葉植物に使用すると良いでしょう。ハイドロボールの特徴
ハイドロボールの表面には無数の小さな穴が開いており、そこに空気や水分、肥料をため込むことができます。これは土栽培と似たような環境を作ることに役立ち、野菜や観葉植物はハイドロボールに吸収された水分や肥料を吸収して生きていきます。 また、とても固く洗っても崩れることがないため何回も利用することができます。しかし、あまりにも繰り返していると穴に汚れや老廃物が蓄積され観葉植物が元気に育たなくなってしまうことがあるため注意しましょう。ゼオライトについて解説
根腐れ防止剤としても利用されるゼオライトは植え込み材としても利用できます。その特徴について解説していきます。ゼオライトの種類
ゼオライトもハイドロカルチャーと同様粒のサイズによって分けられます。 それに加えて様々な色があるためインテリアに合わせて色を変えるといった楽しみ方が可能です。お部屋やインテリアとマッチした色のゼオライトを選んで使用してみましょう。ゼオライトの特徴
ゼオライトの特徴として、根からの老廃物を吸着するという特徴があります。根腐れはハイドロカルチャーで育てている観葉植物が枯れてしまう原因にもなります。これによって根腐れの防止が可能となり、ハイドロカルチャー初心者の方におすすめです。 しかし、微粉が多くハイドロボールよりも脆いため水が濁ってしまうことがあります。また、ハイドロボールやジェルポリマーよりも水の量の変化が分かりにくいため少しだけ注意が必要です。ジェルポリマーについて解説
ジェルポリマーは100均などでも販売されている手軽な植え込み材です。特徴や種類について解説していきます。ジェルポリマーの種類
ジェルポリマーには粒の大きさ以外に色にも種類があります。 様々な色の種類がミックスされたものから同系色のジェルポリマーがまとめられたものなど、好みに応じて購入するジェルポリマーを変えても良いでしょう。色が淡いものや濃いものなど雰囲気にも種類があります。ジェルポリマーの特徴
ジェルポリマーの特徴は、透明感のある涼しげな見た目です。特に光が当たるとキラキラとして綺麗に見えます。その上水分が少なくなると粒が縮むため水やりのタイミングが分かりやすいです。 しかし、この特徴によって観葉植物がバランスを崩し倒れてしまうことがあるため大きい観葉植物や野菜を育てる時にはハイドロボールやゼオライトを使用するようにしましょう。ハイドロカルチャーの3種とも育て方は同じ
ハイドロカルチャーは大きく分けて三種類あります。しかし、どれも育て方は同じです。ポイントを掴むことでどの種類のハイドロカルチャーでも観葉植物を元気に育てることができますよ。ハイドロカルチャーの育て方
ハイドロカルチャーは水やりが最も基本的なお手入れとなります。容器の底に水がなくなってから2日~3日経ってから容器の1/4~1/5の高さまで水を与えましょう。 また、置き場所はレースカーテン越しの明るい場所が最も適しています。日陰で育てると、観葉植物がもやしのようにひょろひょろになってしまいます。見た目が悪くなるだけでなく、病気などにもかかりやすくなるため適度に日光を当てましょう。 しかし、強い直射日光に当ててしまうと葉焼けと呼ばれる現象が起きる可能性があります。小さな観葉植物の場合、葉焼けは枯れてしまう原因にもなるため注意しましょう。特に夏は観葉植物にとって強すぎる直射日光となるため遮光を行う必要があります。 また、冬になると低音に弱い植物は屋外で育てることができなくなります。そのため冬には温かい室内に取り込む必要があります。ハイドロカルチャーの植え替え方法
ハイドロカルチャーは1年に1回程度植え替えが必要となります。根が伸びるスペースを確保するのに加え、根が排出する老廃物を取り除くためにも植え替えが必要となります。 植物の種類によって植え替えの適期は異なります。しかし、多くの種類の観葉植物において植え替えは5月~6月の暖かい時期が適しています。- 容器から植物を優しく抜き取ります。
- 植え込み材を軽く洗う。
- 新しい容器の底に根腐れ防止剤を敷き詰め、水位計を設置する。
- 1/3~1/2まで植え込み材を入れる。
- 植物を固定するように植え込み材を容器に入れる。
- 竹串などで優しく根を刺して植え込み材をなじませる。
Q&A
ここではハイドロカルチャーに関する質問に答えていきます。疑問点などを解決することができる可能性があるため確認してみてくださいね。Q,ハイドロカルチャーに炭は入らないのですか?
炭を植え込み材にしたハイドロカルチャーも存在します。 多くの観葉植物は中性や弱酸性を好みます。しかし、普通の炭は強いアルカリ性である灰分が残っており観葉植物の根を傷めます。そのため、灰分を除去したハイドロカルチャー用の炭を使用する必要があります。 炭はハイドロボールと同様に多孔質で保水性や通気性に優れた植え込み材です。部屋の匂いも吸収してくれるためお洒落な消臭剤としても飾ることができます。Q,ハイドロカルチャーで多肉植物を育てたいです。どの種類が適していますか?
育てやすいセダム類がおすすめです。 セダムは多肉植物の中でも生育旺盛でとても頑丈な性質を持ちます。そのためほかの観葉植物よりも育てやすいと考えられます。 多肉植物は水があまり多く必要としない植物です。通常の観葉植物よりも頻度を少なくして管理をするとより上手にに育てられるでしょう。Q,ハイドロカルチャーのデメリットを教えてください。
ハイドロカルチャーは大きな観葉植物には向きません。 ハイドロカルチャーには多くのメリットがあります。しかし、しいてデメリットをあげるとするならば大きな観葉植物を育てるのにハイドロカルチャーは向きません。 ハイドロカルチャーでは基本的に手のひらサイズ程度の観葉植物を育てます。土栽培よりも成長がゆっくりでなかなか大きくならないといった特徴があるため、早く観葉植物を育てたい人にとってはデメリットとなるでしょう。 しかし、スペースや置き場所に限りがある場合には成長がゆっくりである方が長く育てることができる上、植え替えや剪定の頻度も抑えることができます。 すぐに観葉植物を大きくしたい時や、大きな観葉植物を育てたい時には土で育てるようにしましょう。Q,ハイドロカルチャーで野菜を育てることできますか?
ミントやバジルなどのハーブやリーフレタスを育てることができます。 葉物野菜であるリーフレタスや、とても丈夫なハーブであるミントやバジルはハイドロカルチャーで育てることができます。キッチンなどで育てるとつまんで料理に使用することができます。 しかし、果菜類や根菜類は基本的に収穫することができないため注意が必要です。ハイドロカルチャーは何種類あるの?種類ごとの育成方法を徹底解説のまとめ
この記事ではハイドロカルチャーの育て方や種類について解説しました。 この記事のポイントは- ハイドロカルチャーには主に3つの種類がある
- 植え込み材によってそれぞれ特徴がある
- 3つとも、育て方は同じ