フィロデンドロン・セロームの育て方を紹介!成長したらすることまで

フィロデンドロン・セロームの育て方を紹介!成長したらすることまで
記事内に商品プロモーションを含む場合があります  #PR

目次

切れ込みの入ったグリーンの葉っぱと茶色い幹が涼し気なセロームは、お部屋に飾るだけで南国の雰囲気が漂う人気の観葉植物です。おしゃれなセロームは育て方が簡単な一方で、土選びや植え替え時には根を傷めないようにするポイントがあります。 そこで今回は
  • セロームの置き場所
  • セロームの水やり方法
  • セロームに適した用土
  • セロームの肥料の与え方
  • セロームの植え替え方法
  • セロームの剪定方法
について詳しく解説していきます。 セロームはケアがしやすく、土栽培以外にもさまざまな育て方ができる植物です。基本の育て方からトラブルの対処法もご紹介しているため、大きく成長させたいときもこれから育てる予定の方もぜひ参考にしてみてくださいね。

セロームはどんな観葉植物なの?

 

大きな葉っぱに切れ込みが入っているのが特徴のセローム。インパクトがある一方で、涼し気な印象もありお部屋のインテリア植物としても人気です。観葉植物は種類によって育て方や特徴が異なるため、管理方法を知っておく必要があります。適切な管理をするためには、セロームの原産地や種類の特徴も知っておくと理解しやすいでしょう。まずはセロームの特徴や花言葉などをご紹介します。

セロームの特徴

セロームは熱帯地域が原産の観葉植物です。特徴的な切れ込みの葉には理由があり、セロームには表面から露出した気根(きこん)と呼ばれる部分で立つものもあります。ここではセロームの3つの特徴から解説します。

熱帯アメリカ原産のサトイモ科フィロデンドロン属の一種

セロームは熱帯アメリカ原産のサトイモ科フィロデンドロン属の一種で、正式名称は「フィロデンドロン・セロウム」。フィロデンドロン属はサトイモ科の中でも品種が多い属で、900種類近くあるとされています。そのため同じセロームでも種類によって、葉の色などデザインが異なるのも特徴です。暖かい環境で育つ一方で、ある程度の耐陰性もあるため育てやすく人気があります。

南国ムード漂う大きな葉と突起の生えた幹が特徴的

セロームの特徴は切れ込みの入った大きな葉で、飾るだけで南国の雰囲気もあります。大きな葉は濃いグリーンで光沢もあるため、お部屋を明るくしてくれるでしょう。セロームの大きな葉は成長とともに横へと広がっていき、幹には突起のようなものが生えているのも特徴です。

気根で立つ「根上りセローム」も

セロームには表面に飛び出てきた気根で立つものもあり「根上りセローム」とも呼ばれています。セロームが気根を出す理由は太い幹を支え、空気中の水分を吸収するためです。根上がりセロームは伸びた気根だけで立つため、幹は土についていないのが特徴。同じ気根で立つ植物には、ガジュマルなどがあります。

セロームの花言葉は【用心深い人】

セロームには「用心深い人」という花言葉があります。セロームの樹液には有毒な成分が含まれており、食べると呼吸器障害を引き起こすこともある危険な面も。涼し気な印象の一方で、危険な部分も兼ね備えるセロームらしい花言葉です。簡単に心を許さないというイメージもあるため、贈り物をする際はメッセージを添えるなどの工夫をしておくと誤解なく喜ばれるでしょう。

セロームの別名

セロームには2つの別名があります。セロームの別名は「ヒトデカズラ」と「愛の木」です。それぞれの名前の由来をご紹介します。

セロームの和名は「ヒトデカズラ」

セロームの別名「ヒトデカズラ」は和名で、深い切れ込みの入った葉がヒトデのように見えることから付けられました。店頭ではヒトデカズラで販売されていることもあるため、どちらの名前も覚えておくといいでしょう。

「愛の木」と呼ばれることも!

セロームは「愛の木」と呼ばれることもあり、花言葉の一つでもあります。愛の木は属名の「フィロデンドロン」からきており、ギリシャ語でフィレオは「愛する」、デンドロンは「木」という意味が由来。フィロデンドロン属は成長とともに周囲の木に這う特性を持つため、寄り添うようなシルエットが愛する人を想う姿に見えることも愛の木と呼ばれる理由です。「用心深い人」という花言葉がある一方で愛の木とも呼ばれるセロームは、二面性も感じられる不思議な植物ですね。

セロームの風水

セロームの風水効果にはリラックス効果がある一方で、活力を与えてくれる一面もあります。

「陰の気」によるリラックス効果

セロームには「陰の気」によるリラックス効果があるとされています。陰の気は葉が下向きに伸びる植物が発するとされている風水効果です。セロームの大きな葉は横に広がるため、気を落ち着かせリラックスさせると言われています。毎日仕事を頑張る人や忙しく過ごす方の心を癒して、再び前に進めるように気持ちを保ってくれるのかもしれませんね。

常識にとらわれない自由な発想力を与える

セロームは生育スピードが速く、気根と茎が伸びると同時に葉も大きく成長します。そのため常識にとらわれない自由な発想力を与える植物とも言われており、新しい挑戦をしたいときやアイデアをどんどん生み出したい場合におすすめです。生育が活発なセロームは仕事で成果を出したいときに、活力を与えてくれるでしょう。より運気を上げたい場合は、気の入口である玄関や南側に置くと効果的です。

セロームとよく間違われるクッカバラ

セロームとよく似た植物に「クッカバラ」という観葉植物があります。育て方も似ているため、間違いに気づかないことも。セロームとクッカバラを見分けるポイントをご紹介します。

両方ともサトイモ科フィロデンドロンに属する

セロームもクッカバラも同じサトイモ科フィロデンドロン属の植物です。クッカバラも南アメリカが原産で、熱帯地域に生息します。クッカバラも気根が伸びる植物で、生育する姿もセロームとほぼ同じです。

葉の色や大きさが見分けるポイント

セロームとクッカバラを見分けるポイントは、葉の色や大きさです。クッカバラはセロームより葉が小さく、より濃い緑色の葉っぱが特徴。葉は硬めで初めから切れ込みが入っています。一方でセロームは葉が柔らかく、生育とともに切れ込みが深くなるのが特徴です。

育て方は基本的にセロームと同じ

クッカバラは原産地がセロームと同じ熱帯地域のため、育て方は基本的に同じです。日当たりのよい環境を好み、寒さには弱いため5℃以下にならないように気をつけます。

セロームの育て方のポイント①:置き場所

セロームの育て方のポイント①:置き場所
セロームの育て方のポイント1つ目は置き場所です。セロームは暖かい地域が原産のため寒さに弱い一方で、暑すぎる環境にも注意が必要。元気なセロームを育てるために適切な置き場所を解説します。

春~秋の場合

セロームは室内でも育てられる植物。しかし暖かい地域が原産地のため、季節に合わせて屋外で育てることをおすすめします。

暖かい季節は屋外で育てましょう

セロームは原産地に近い環境で育てるために、春~秋の暖かい季節は屋外に置きましょう。暖かい季節に屋外で育てることで、生育も活発になり、丈夫な気根が育ちます。ただし気根が伸びすぎると壁や他の植物にくっついて離れなくなることもあるため、注意しましょう。

風通しのよいところが◎

セロームは風通しのよいところで育てましょう。壁に囲まれた場所など通気性が悪いと鉢の中が過湿状態になります。鉢の中が過湿状態になると根が腐る根腐れを起こしたり害虫が寄ってくる原因になるため、セロームを弱らせないためにも風通しのよい環境を整えましょう

明るく直射日光に当たりすぎない半日陰がすすめ

セロームは明るい風通しのよい場所を好みます。ただし直射日光に長時間当たると葉が変色し、葉焼けを起こすため注意が必要です。そのためセロームは半日陰で育てるのがベスト。室内ではレースカーテン越しの窓辺に起き、屋外では直射日光の当たらない軒下もおすすめです。

遮光ネットなどで直射日光に当たりすぎないようにするとよい

セロームを直射日光に当たらないよう屋外に置く場合は、遮光ネットを利用すると便利です。暑い夏場は日中だけでなく、西日でも葉焼けする可能性があります。そのためいちいち置き場所を変える必要がないように、遮光ネットを張った場所だと安心。遮光ネットはホームセンターでも購入可能です。

気温40度を超える夏場は室内に移動させる

熱帯地域が原産のセロームも気温が40℃を越える場合は、室内に移動させましょう。気温が高すぎると水を含んだ土が高温になり、鉢内が煮えてしまいます。土が煮えると根が傷むため、真夏はとくに注意しましょう。

冬の場合

セロームは寒さに弱い植物のため、冬越しできるように季節に合わせて環境を整えましょう。寒さをしのぐために室内へ移動したあとも、注意するべきことがあります。

肌寒くなってきたら暖かい室内に移動させる

セロームは熱帯地域に自生する植物のため、寒さが苦手。そのため日本の冬は室内で育てる必要があります。ただし冬に移動すると急激な温度変化に適応できないこともあるため、肌寒くなってきたら早めに室内へ移しましょう。

室温を5℃以上に保つ

室内へ移動したあとも5℃以下にならないように注意しましょう。セロームは気温が10℃以下になると生育スピードが緩やかになり、5℃を下回ると弱ります。5℃以下の環境に長時間さらされると、枯れることも。そのため室内でも窓際や玄関の冷気にさらされないように注意してください。

窓辺など風通しのよい明るい日向がおすすめ

冬でもセロームはまどべなどの風通しのよい明るい日向に置きましょう。ただし先ほどもお伝えしたように、気温が一気に下がる夜間の窓辺は冷気が入るため窓から少し離した場所に置いておくと安心です。

エアコンや直射日光に注意!

室内でセロームを育てる場合は、エアコンの風にも注意が必要です。暖房の風が直接セロームの葉に当たると乾燥し、傷めてしまいます。乾燥し葉が傷むと艶がなくなり色が変色するため、見た目も悪くなります。また室内でも直射日光が当たる場所に長時間置くと冬でも葉焼けを起こすため、レースカーテンを使用しておきましょう。

セロームの育て方のポイント②:水やり

セロームの育て方のポイント②:水やり
セロームの育て方のポイント2つ目は水やりです。セロームの水やりは夏と冬で異なるため、適切な量やタイミングで与えないと根腐れを起こします。根が傷むとどんどん弱ってしまうため、水やりの適切な量とタイミングを季節ごとに把握しておきましょう。

夏の水やりのポイント

夏の水やりのポイントは土の乾燥状態を確認することが大切です。

水やりのタイミング:土の表面が乾燥したら

セロームは夏の水やりは土の表面が乾燥したタイミングで与えます。土が湿っている状態でさらに水を与えると、根が水分を吸収しきれず弱ってしまうため注意しましょう。土の表面を触ってみてサラっとしていれば、水やりをするタイミングです。

鉢から水があふれるくらいたっぷりと

土の表面が乾燥しているのを確認できたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。このとき鉢底に流れ出た水は毎回捨てておきましょう。そのままにしていると土の通気性が悪くなり根腐れを起こすだけでなく、害虫も寄ってくるため受け皿も清潔にしておきます。

根を弱らせないために日中の水やりは避ける

夏場の水やりは気温が低い朝か夕方にしましょう。もっとも気温が高い日中に水やりをすると一気に水が煮えてしまい、根にダメージを与えます。そのため夏場は日中の水やりは避けて、気温が落ち着いた時間帯に与えましょう。

冬の水やりのポイント

冬場は生育が止まる「休眠期」になるため、水やりの頻度は控えます。

生長が止まる寒い時期は1週間に1~2回程度に抑える

セロームは気温が10℃以下になると生育が緩やかになり、真冬は休眠期になります。休眠期に入ると生育が止まるため、水分を吸収する力もほとんどありません。そのため1週間に1回程度の水やりで十分です。休眠期に必要以上の水やりをすると、水分を吸収しきれず根腐れを起こし、冬越しできずに枯れてしまうため注意が必要です

気温が低い冬は乾燥させた方が寒さに強くなる

気温が低い冬は水やりを控えて乾燥気味を維持しましょう。セロームは乾燥にも強い植物です。そのため乾燥させた方が寒さに強くなり、元気に冬越しできます。目安としては土が完全に乾燥してから4~5日後に、控えめに水やりをするといいでしょう。セロームの鉢を持ち上げて軽くなっていれば、土が乾燥している証拠です。

葉水を定期的に行うのがポイント!

セロームの水やりは夏と冬で異なる一方で、葉水は定期的に行いましょう。葉水をすることで、ハダニなどの害虫予防になります。冬場も空気が乾燥するため葉水は必要です。葉水をするときは葉裏までしっかり濡らしましょう。

葉っぱから水がでてくることも

セロームに水やりをした際、葉っぱ自体から水が出てくることがあります。葉っぱから水が出てきたときは、セロームが水分を吸収する力が強いときです。これは「蒸散」と言い、水を植物全体に行き渡らせるように流れを作る仕組み。つまり葉っぱから水滴が出ている場合は水分バランスが悪く弱り、回復させようと必死になっている状態です。葉から水が出てきたときは、置き場所や水やりの頻度が適しているか再確認してみましょう。

セロームの育て方のポイント③:土

セロームの育て方のポイント③:土
セロームの育て方のポイント3つ目は土です。土は植物を育てるときの土台となる重要な部分。土の選び方を間違えると、水やりや置き場所がよくても枯れてしまう可能性も。セロームに適した土を選ぶことで、根が丈夫に育ちます。

セロームを育てるには水はけのよい土がおすすめ

セロームを育てるときには水はけのよい土を使用しましょう。水はけが悪いと余分な水分が鉢内に溜まってしまい、土が過湿状態になります。過湿状態が続くと根腐れを起こし、枯れてしまうため注意が必要です。ホームセンターや園芸店でも販売されている「観葉植物用の土」は通気性と水はけがよく、そのまま使えるため初心者にもおすすめです。

コバエの発生を防ぐには土の表面を無機質の用土で覆う

室内でセロームを育てるときにコバエの発生を防ぎたいときは、土の表面を無機質の用土で覆うと効果的です。土には有機質と無機質のものがあり、それぞれ特徴が異なります。有機質の土は微生物などを分解して作られており、代表的なものには腐葉土やピートモスなどがあります。 一方、無機質の土は鉱物や火山灰が原料で赤玉土や鹿沼土などがあり、微生物を含んでいないため匂いも少なく虫が湧きにくいのがメリット。そのためお部屋のインテリアとしてセロームを飾る場合は、無機質の用土で土の表面を覆うと虫の発生を防ぎます。土の表面を覆う場合は、5㎝程度を目安にしましょう。

自宅でブレンドする場合:観葉植物用の土4:赤玉土1:鹿沼土1

セロームの土を自分でブレンドする場合の割合は「観葉植物用の土4:赤玉土1:鹿沼土1」がおすすめです。赤玉土は通気性と保水性、保肥性があり、鹿沼土は高い排水性を持ちます。

育て方のポイント④:肥料

育て方のポイント④:肥料
セロームの育て方のポイント4つ目は肥料の与え方です。肥料は植物の生育を促すために必要な一方で、与え方を間違えると根を傷めてしまいます。植物によっては肥料を必要としないものもあるため、与える前には確認しておきましょう。セロームに肥料を与えるときのポイントをご紹介します。

基本的にセロームに肥料を与える必要はない

基本的にセロームは肥料がなくても十分育つ植物です。セロームを大きく育てたい場合や生育スピードを上げたいときのみ肥料を使用しましょう。肥料を与えるときは必ず、タイミングと量を守ってくださいね。

与えるタイミング:春~秋

セロームに肥料を与えるタイミングは生育期の春~秋です。肥料には固形タイプの緩効性肥料と、水で希釈して与える液体肥料があります。緩効性肥料は2ヵ月に1回土に置いたり混ぜ込んで使うもので、液体肥料は2週間に1回水やりと一緒に与えます。液体肥料にはすでに水で希釈してあるものが販売されているため、初心者にもおすすめです。どちらも与えるときには肥料が直接根に触れないようにしましょう。

冬に肥料を与えると枯れることもあるので注意

セロームは休眠期である冬に肥料は必要ありません。休眠期は生育が止まるため、肥料を与えてしまうと根が吸収できずダメージを受けて枯れることがあります。また休眠期でなくても肥料を必要以上に与えると、根の水分が奪われて肥料焼けを起こし枯れることがあるため必ずタイミングと量は守りましょう。

コバエの発生を防ぐには有機肥料でなく化成肥料を

先ほどコバエを防ぐには土の表面に無機質の用土を使用することをおすすめしましたが、肥料も有機肥料ではなく化成肥料を使うと虫が発生しにくくなります。化成肥料も無機物を原料に作られており、窒素やリン酸、カリが含まれているのが特徴です。

【成長したらすること】植え替えについて

【成長したらすること】植え替えについて
セロームが成長したら適切なタイミングで植え替えをするのも、上手な育て方のポイントです。セロームが大きくなると根も伸びます。そのため2年に1回は植え替えをしましょう。セロームの植え替え時期と手順をご紹介します。

植え替えのタイミング:5月~7月

セロームの植え替えのタイミングは5~7月で、生育期の早い段階で行いましょう。セロームは生育期に活発に成長するため、早めに植え替えをすることで根詰まり予防にもなります。植え替えをするときはひと回り大きい鉢に植え替えることで、成長に合わせた環境に整えられますよ。

植え替えのしかた

セロームの植え替え方法は次のとおりです。
  1. 新しい鉢に鉢底石→新しい土の順に入れる
  2. セロームを鉢から取り出し、新しい鉢の中央に置く
  3. 根のすき間を埋めるように土を追加する
  4. 鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与える
セロームの古い土はできるだけほぐし落としてください。根が黒くなっている部分はカットしても問題ありませんが、それ以外は切らないようにしましょう。新しい鉢に植え替えるときは、割りばしなどを使うと土と根のすき間を埋めやすくなります。

【成長したらすること】剪定について

【成長したらすること】剪定について
セロームが成長したら剪定をすることも上手な育て方のポイントの一つです。ただし剪定にも注意点があるため、植物だけでなく自分の身を守るためにも安全に行いましょう。セロームを剪定する効果とタイミングなど詳しくご紹介します。

剪定の効果

セロームは定期的な剪定をすることで、丈夫に育てられる植物です。剪定をすることで得られる効果をご紹介します。

インテリアとしての見栄えをよくする

セロームを剪定することでスッキリした見た目になり、インテリアとしても見栄えがよくなります。生育スピードが速いセロームの大きな葉が成長とともに重なりあうと全体のバランスが悪くなるため、剪定で整えると管理もしやすくなります。

風通しをよくする

セロームは成長とともに葉が大きくなり古い葉っぱが重なりあっていると、日光に当たらない部分ができて風通しが悪くなります。葉の風通しが悪く日光が当たらないと、光合成がうまくできず生育バランスが崩れ弱ってしまう可能性も。茂った葉を剪定し風通しをよくすることで生育バランスを保ち、健康な状態が維持できます。

病気・害虫を予防する

茂った葉を剪定することで病気や害虫予防にもなります。葉が茂り通気性が悪いと弱ってしまい、害虫も発生しやすくなるため注意が必要です。適切に剪定すると風通しがよくなりセロームも元気になるため、害虫を寄せ付けず元気な状態を維持できますよ。

剪定のタイミングは春~秋のあいだ

剪定のタイミングは春~秋の生育期に行います。伸びた枝や茎を切る剪定は、どうしても植物にダメージを与えてしまう行為です。そのため生育が活発な時期に剪定することで根の回復が早くなるため、ダメージを最小限にできます。休眠期である冬場の剪定は、セロームが枯れる可能性が高いため避けましょう。

セロームの剪定方法と注意点

セロームの正しい剪定方法と剪定時の注意点をご紹介します。セロームの剪定は重なりあった部分や古くなった葉の茎から切り落としましょう。

セロームの樹液が手につかないように注意!

セロームを剪定するときにカットした部分から樹液が出ることがあります。セロームの樹液に触れると皮膚がかぶれて炎症を起こすことがあるため、剪定時はゴム手袋を着用しておくと安心です。

気根が伸びてくる前に整える

セロームは気根が表面に出てくるため、伸びてくる前に整えておくと見栄えがよくなります。気根は湿度が高い時期に活発に伸びるため、梅雨前にカットするのがおすすめです。

火であぶり消毒した剪定ばさみを使う

剪定ばさみは清潔なものを用意しましょう。他の植物を剪定したものをそのまま使用すると、害虫の糞や病気がついてしまい感染することがあります。剪定ばさみは火であぶってアルコール消毒しておきましょう。

剪定の手間が減るコンパクト品種もおすすめ

セロームは大きくなると2mまで成長することもある植物です。大きいサイズほど剪定が必要になりますが、セロームには「スーパーアトム」や「ホープ」など、手軽に育てられるコンパクトな品種もあります。

スーパーアトム

スーパーアトムは大きくなりすぎるセロームを簡単に管理したい方のために品種改良された種類です。幹もしっかりついており気根で立つため、まさにセロームをそのまま小さくした見た目。切れ込みはほとんどない一方で、テーブルに置けるサイズで場所を選びません。

ホープ

ホープは深い切れ込みの葉っぱとしっかりとした幹で、涼し気な見た目の品種です。テーブルサイズではないもののセロームよりはコンパクトで切れ込みが深いため、風通しもよく剪定の頻度も少なく済むでしょう。

セロームによくあるトラブルと対処方法

セロームによくあるトラブルと対処方法
セロームの適切な育て方をご紹介してきましたが、栽培する中で思わぬトラブルが起きることもあります。セロームによくあるトラブルをチェックして、早めに対処できるようにしておきましょう。

害虫によるトラブルについて

セロームも害虫トラブルが起きることがあります。セロームの害虫対処法を管理に取り入れて、発生を防ぎましょう。

ハダニ、アブラムシ、カイガラムシなどに注意

セロームに発生する害虫にはハダニやアブラムシ、カイガラムシなどがあります。ハダニは0.5㎜程度と常に小さく黒や赤い見た目で、乾燥した葉や葉裏につくのが特徴です。ハダニの被害に遭うと葉に黒い斑点がついたり、白っぽく色が抜けて最後は枯れ落ちます。アブラムシやカイガラムシは植物につくと吸汁し、糞などが原因でウイルスを媒介する害虫。害虫を発見したら歯ブラシなどを使って、早急に取り除きましょう。取り除く際は土や床に落ちないように注意してください。

対処法:こまめな葉水によって予防できる

害虫を予防するには、こまめな葉水が効果的です。葉は乾燥すると弱ってしまうため、害虫がつきやすくなります。そのため季節問わず葉水をしておくと健康な葉を保てるだけでなく、害虫がいないかも確認できるでしょう。葉水をする際は葉裏までしっかり濡らしてくださいね。

病気によるトラブルについて

セロームは適切な育て方をしないと、病気にかかることも。セロームがかかる主な病気には「軟腐病」と「すす病」があります。

軟腐病

軟腐病とは土の常在菌が原因でかかる病気で、茎や葉が柔らかく腐ったようになります。軟腐病は茎や葉が傷ついたセロームを高温多湿の環境で栽培していると発生しやすい病気。セロームが軟腐病にかかると回復できず、そのまま枯れてしまいます。また近くに他の植物を置いている場合は、感染している可能性もあるため確認しておきましょう。ただし早い段階であれば根に子芋がついている場合は切り離して洗浄後、植え替えると新たなセロームを育てられる可能性もあります。

すす病

すす病とは葉や茎に黒い斑点や粉ができ、煤(すす)のように見えることから名付けられました。すす病の黒い斑点はカビで放置すると全体に広がり、葉が日光に当たらなくなるため弱ってしまいます。発生する要因は葉や茎についたカイガラムシなどの排泄物です

対処法

軟腐病の場合は復活できないため、焼却処分か自治体の指定の方法で処理します。その際手についた樹液などが他の植物に触れないように注意してください。すす病の場合はウェットティッシュなどで拭きとることが可能です。ただしすす病の根本的な原因はカイガラムシなどの害虫のため、薬剤などを使用して駆除しましょう。

セロームの葉が広がる・垂れるなど元気がないときの対処法

セロームの葉が広がる・垂れるなど元気がないときの対処法
セロームは独特の葉が特徴の一方で、上手な育て方ができていないと垂れ下がることがあります。セロームの葉が広がり垂れる場合は見た目にも元気がないため、適切な環境に整えてあげましょう。

葉が広がる原因:根腐れや根詰まりによる水分不足

セロームの葉が広がるときは根腐れや根詰まりにより、水分不足が原因です。水はけや通気性が悪い環境で根詰まりや根腐れを起こすと、根から水分や栄養が吸収できなくなり植物全体が弱り葉も広がってしまいます。根腐れや根詰まりの原因はさまざまで水のやりすぎや根の伸びすぎなどがあるため、水やりや植え替えなど育て方が適切か再度確認しましょう。

葉が垂れる原因:日当たり

セロームの葉が垂れるときは日当たりが原因です。セロームはある程度の耐陰性はある一方で長い時間暗い場所に置いていると、明るい場所を探して茎を伸ばすため重力に逆らえず葉が垂れます。セロームの葉が垂れるとそれ以上、上に戻らないため定期的な日光浴は必要です。

対処法①:支柱で支えて矯正する

セロームの葉が広がったり垂れたときは、支柱で支えて矯正しましょう。葉が垂れると元に戻ることがありませんが、バランスを整えることは可能です。支柱はホームセンターでも入手できます。

対処法⓶:植え替えをする

根詰まりや根腐れが原因の場合は、植え替えが必要です。そもそも根詰まりや根腐れは土の水はけが悪いときや、根が伸びすぎている場合に起こります。そのため根が復活できる環境に整えてあげましょう。水はけのよい新しい土を用意し通気性のよい環境にして、適切な育て方ができれば再び丈夫なセロームになりますよ。

対処法③:葉焼けに気を付けながら少しずつ日光に慣らす

セロームの生育期であれば屋外に移動すると、新しい葉が上に伸びていきます。屋外に出す際は直射日光による葉焼けに気をつけながら、少しずつ日光に慣らしましょう。屋外は風通しもよいため、セロームの回復も早くなりますよ。ただし冬場は寒さに弱いため、レースカーテン越しの明るい窓辺に置きましょう。

さらにセロームを増やす方法

さらにセロームを増やす方法
セロームは挿し木と株分けという方法で増やすことが可能です。どちらも一度やってみると意外と簡単にできるため、お部屋の観葉植物を増やしたいときに試してみてくださいね。

挿し木

挿し木とは切り取った茎や枝を土に挿して増やす方法です。セロームの挿し木は5~6月に行いましょう。

挿し木の方法

挿し木の手順は次のとおりです。
  1. 土を入れた鉢を用意する
  2. セロームの幹下に出た茎をはさみで10㎝程度カットする
  3. カットした枝の切り口は斜めに切って、1時間水に浸す
  4. 割りばしや竹串で土に穴を空けて、枝を挿す
  5. 枝が安定するように土で軽く固める
  6. 土が乾燥しないように水やりをして、明るい日陰に置く
  7. 1~2ヵ月で発根するため、その後鉢に植え替える
セロームを挿す土はバーミキュライトとパーライトを同量で混ぜ合わせたものがおすすめです。はさみは清潔なものを使用してください。発根後は枝が自立できるくらい、根がしっかり生えたのを確認してから植え替えましょう。

挿し木する枝は元気のいい新芽を選ぶのがポイント

挿し木をする枝は元気のいい新芽を選ぶのが失敗しないポイントです。元気いい新芽はに当たりがよい部分にあります。

切り口は斜めにする

切り取った枝の切り口は斜めにカットしておきましょう。切り口を斜めにすることで、根の数が増えて発根確立も上がります。

株分け

株分けとは親株から子株を切り離して新しく育てる方法です。株分けも5~6月の生育期の早い段階で、植え替えと同時に行いましょう。

株分けの方法

株分けの方法は植え替え時に根元にある子株と親株を切り分けます。切り分ける際、子株・親株ともに茎についた芽はそのままにしておきましょう。傷んだ根は切り取り子株の切り口は、直射日光に当たらない場所で1日ほど乾燥させます。根がしっかり乾いたのを確認したあと、新しい土に植えつけましょう。

手や清潔なナイフ・ハサミで株を分ける

株を切り分ける際に硬い場合は、清潔なナイフやはさみを使用しましょう。手で切り離せる場合は優しく扱い、はさみなどは必要ありません。

ワイルドさが魅力!根上りセロームを育てるには

ワイルドさが魅力!根上りセロームを育てるには
セロームには根上りセロームと呼ばれるものもあり、個性的な見た目が人気です。根上りセロームは個性的な葉だけでなく、幹にも特徴があり盆栽のような魅力もあります。難易度は高めの一方で根上りセロームが作れると、楽しみ方も増えますよ。

そもそも根上りセロームとは?

根上りセロームとは幹から出た気根の上に育つセロームのことで、浮いているような独特の見た目が特徴です。気根が伸びるほど植物が元気な証拠のため、セロームを支える気根が立派なほどワイルドな印象になります。

良く伸びた気根を木質化する前に土へ誘引する

根上りセロームを作るには良く伸びた気根を、木質化する前に土へ誘導します。具体的には植え替え時に良く伸びた気根を、根元付近に埋めておきます。土に気根が到達するとそのまま伸び続けるため、セロームを支えているかのようなシルエットになるでしょう。ただし数か月で仕上がることはなく、完成までには数年かかります。

乾燥気味に育てるのがポイント

根上りセロームは乾燥気味に育てるのがポイントです。気根が柔らかいと根がしっかり立たないため、乾燥させて自立させましょう。ただし最初は水苔を撒いておき、少しずつ乾燥に慣らします。気根が硬くなってきたら水苔は外していきましょう。

葉水を行うことで多湿をつくる

気根がしっかりしてきたら、葉水をして多湿をつくりましょう。気根は湿度が高い環境で生えやすくなります。そのため葉水をすることで多湿になり、気根を増やすことができるでしょう。

セロームはハイドロカルチャーでも育てられる!

セロームはハイドロカルチャーでも育てられる!
セロームはハイドロカルチャーでも栽培できる植物です。ハイドロカルチャーとは土を使わずに育てる水耕栽培で、室内で栽培する場合にはいくつかのメリットがあります。室内で植物を育てたいけど、衛生面が気になる方は必見です。

ハイドロカルチャーのメリット

ハイドロカルチャーのメリットは衛生的で管理が簡単な点です。それぞれのメリットについて解説します。

虫や匂いの発生がなく衛生的

ハイドロカルチャーでは土を使わず、ハイドロボールなどの人工の石を使用するため微生物がいない状態。そのため虫が発生しにくく、匂いも気になりませんん。ハイドロカルチャーにするとキッチンにも植物が置けるため、衛生面で気になる方におすすめの栽培方法です。

通気性がよく、空気浄化作用が期待できる

ハイドロカルチャーは通気性がよく、空気浄化作用が期待できるのもメリットの一つです。植物は空気中の有害な物質を吸収し、根で浄化する仕組みになっています。そのため通気性のよいハイドロカルチャーは、根が呼吸をするたびに空気もきれいにしてくれるというわけです。

水の管理が簡単

ハイドロカルチャーは水を含んだ人工の石を利用するため、水やりの頻度が少なく済みます。そのため水やりのタイミングを見分けるのが難しい初心者でも、水管理が簡単。透明な容器を使用すると、ひと目で水分量がわかるのもハイドロカルチャーのメリットです。

ハイドロカルチャーでのセロームの育て方

ハイドロカルチャーでのセロームの育て方を解説します。ハイドロカルチャーでも時期によって置き場所を変える必要があり、定期的な植え替えも必要です。

暑い時期は蒸れてしまうので明るい日陰で管理する

ハイドロカルチャーは常に水を含んだ状態になるため、暑い時期は容器内の温度も上がるため蒸れないようにしましょう。暑い夏場は明るい日陰で管理して、高温にさらされないように注意が必要です。

水やりは2~3日に一回、鉢の1/5程度まで与える

ハイドロカルチャーのやりは水がなくなったのを確認してから2~3日に1回行い、鉢の1/5程度まで与えましょう。容器内に水が残っている状態で水やりをすると根腐れするため、注意してください

半年に一度植え替えを行う

ハイドロカルチャーの場合も半年に1回は植え替えを行いましょう。ハイドロボールをしっかり洗い、乾燥させてから植え替えます。植え替え時は根腐れ防止剤も入れましょう。

苔玉などでおしゃれに育てることもできる

セロームはハイドロカルチャーの他にも苔玉などでおしゃれに育てることも可能です。苔玉はセロームの根を粘り気のあるケトという土と苔を使って、テグスで巻いて育てる方法。他にも水苔を根にくっつけて固定する方法もあり、同じセロームでもさまざまな雰囲気を楽しめます。

フィロデンドロン・セロームの育て方を紹介!成長したらすることまでのまとめ

今回はセロームの育て方について詳しく解説しました。 今回のポイントは
  • セロームは風通しのよい明るい日陰に置き夏場は40℃以上にならないように注意して、冬場は5℃以上に保つ
  • セロームの水やりは夏は土の表面が乾いたらたっぷりと、冬は1週間に1~2回乾燥気味に与える
  • セロームは水はけのよい観葉植物用の土を使用し、コバエを防ぐには無機質の土で表面を覆うとよい
  • 肥料は基本的に必要ないが大きくしたい場合は、春~秋に緩効性肥料もしくは液体肥料を与える
  • セロームは根腐れや根詰まり予防のため、2年に1回、5~7月のあいだに植え替えを行う
  • セロームは風通しと病気予防のため春~秋に剪定をする
でした。 セロームは育て方が簡単なだけでなく、気根をアレンジして楽しむこともできます。ご紹介した育て方を参考に元気なセロームを育てられれば、さまざまな表情も見られるでしょう。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。