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皆さんは、ユキノシタという植物をご存知でしょうか。名前の響きから、寒い地方で育つ植物や、雪が降る時期に咲く草花のようなイメージを持ちますよね。しかし、ユキノシタは限定的な場所で自生する草花ではなく、グランドや民家の庭先などもっと身近な場所に咲く植物です。盆栽やテラリウムなどの観葉植物として人気があるため、園芸コーナーで形を整えた状態のものを見かけることはありますが、ユキノシタの育て方や増やし方については詳しく知らない人が多いかもしれません。
この記事では、
- ユキノシタの育て方のポイント置き場所・水やり・土・肥料について
- ユキノシタの植え替えについて
- ユキノシタの剪定について
- ユキノシタを増やす方法
- ユキノシタによくあるトラブルと対処方法
- ユキノシタの様々な効能
ユキノシタってどんな観葉植物なの?
ユキノシタの育て方を解説する前に、ユキノシタとはどのような観葉植物なのか、基本情報を中心に草花の特徴をご紹介いたします。ユキノシタにある花言葉の由来や、風水でデメリットとされる理由もあわせてご覧ください。ユキノシタの特徴
ユキノシタという名前の由来には、複数の説があります。雪に埋もれても枯れることなく元気に育つ様子や、ユキノシタの葉にある白い斑が雪に見えること、特徴的な2枚の花弁が舌のような形をしているから「雪の舌」というように、見た目からついた説が濃厚です。日本や韓国が原産のユキノシタ科ユキノシタ属の常緑性多年草
ユノシタは、ユキノシタ科・ユキノシタ属の常緑性多年草です。原産国は日本や韓国などの東アジアで、渓谷沿いの岩場や沢などの湿度が高く薄暗い場所に自生しているため、山野草として知られています。紅色の斑点のある花が特徴的
ユキノシタは5月から6月にかけて白く小さな花を咲かせます。30cmほど伸びる花茎の先端に全部で5枚の花弁を形成し開花しますが、2枚と3枚でそれぞれ大きさが異なり、小さい3枚の花弁には紅色の斑点があるのが特徴です。ユキノシタの花言葉
ユキノシタは地味な植物ですが、花言葉には愛情深い言葉が多くあります。情熱的な愛を表すような言葉ではなく、穏やかで優しい愛を表す花言葉が特徴です。深い愛情
深い愛情という花言葉は、薬として使われるユキノシタの効能が由来となっています。ユキノシタの葉の絞り汁は子供が罹りやすい中耳炎やひきつけの薬として使われていました。子供の病気を早く治してあげたいという母の深い愛情からついた花言葉です。博愛
博愛という花言葉は、ユキノシタが薬として多くの人を癒し、食用としても重宝されていたことが由来となっています。たくさんの人の役に立っていたことから、博愛という花言葉がつきました。恋心
恋心という花言葉は、雪の降る厳しい寒さの中でも育つユキノシタの姿が由来となっています。冷たい雪の下でも枯れることがない緑色の葉が、いつまでも冷めない恋心や逆境にも負けない恋心を連想させるので、恋心という花言葉がつきました。好感
好感という花言葉は、ユキノシタの見た目や特徴からついたものではなく、深い愛情や恋心をひとまとめにしてつけられた言葉です。人々の身近にある植物という点からも、好感という花言葉がイメージできます。ユキノシタの風水
ユキノシタは人々の生活で重宝される植物でしたが、風水の面ではあまり良くない植物とされています。その主な理由は、ユキノシタが育つ環境や、植えられるのに選ばれた場所にありました。風水的には凶木とされる
ユキノシタは、湿気が多く直射日光が当たらない場所でよく育ちます。庭に植えると通気性が悪くなるだけでなく、気の流れが滞ってしまい災いを呼ぶといった理由から、凶木とされてきました。沢山植えると陰気が多くなりすぎてしまう
ユキノシタは日当たりが悪い北側に設置されることが多いトイレの外で、湿気を吸収させるために植えられていました。緑色の葉は薄暗いトイレの外を明るく見せてくれますが、やはりたくさん植えると陰気が多くなり良くないとされてきました。ユキノシタの育て方のポイント①:置き場所
ユキノシタの育て方で重要なポイントの1つ目は、置き場所です。置き場所を間違えてしまうと、育ちが悪くなるだけでなく枯れてしまうこともあるので注意が必要です。ユキノシタは半日陰~明るい日陰の湿度のある場所を好む
ユキノシタは、半日陰や明るい日陰など、薄暗く湿度のある場所を好んで育ちます。庭で育てる場合は直射日光が当たるような明るい場所は避け、軒下など影がある場所を選ぶようにしましょう。庭植えの場合は樹木の下などに植え、日差しと乾燥を避ける
庭植えの場合は樹木の下など半日陰になる場所に植えて、直射日光や乾燥を避けるようにします。雑草除けのグランドカバ―としてもおすすめですが、その場合も植える場所は半日陰に限り、日当たりの良い場所には植えられません。鉢植えの場合
鉢植えで育てる場合は、直射日光が当たらない軒下や縁側が最適です。半日陰になる場所がない場合は、時間ごとにできる影に合わせて鉢を移動しましょう。小ぶりな鉢で育てれば、重さもないので楽に移動ができます。春~秋の場合:日当たりの良い場所がよい
夏を除いた春から秋、特に春はユキノシタの成長期なので、日当たりの良い場所で育てます。といっても一日中太陽の光を浴びるような場所ではなく、何時間か日に当たるような半日陰を選びましょう。夏の場合:風通しの良い半日陰に置く
夏の日差しはユキノシタにとって天敵です。強い日差しを浴びると葉が焼けて枯れてしまうので、直射日光が当たる場所は避けて半日陰に置きましょう。土の中の温度が高くなると根腐れを起こすので、湿度を保ち風通しの良い環境を作ります。冬の場合:霜が当たりすぎない軒下などで管理する
ユキノシタは耐寒性に優れているので、冬越しの対策は特に必要ありません。ただし、根まで凍るような寒さの厳しい地域などは凍結対策が必要です。霜が当たりすぎない軒下などで管理しましょう。ユキノシタの育て方のポイント②:水やり
ユキノシタの育て方で重要なポイントの2つ目は、水やりです。湿度の高い場所で育つユキノシタは乾燥に弱い植物ですが、水を与え過ぎても根腐れを起こしてしまいます。鉢植えと地植えで水やりの仕方が違うので、ぜひ参考にしてください。鉢植えの場合
鉢植えの場合、水やりの頻度が重要です。難しいことは全くないのですが、庭植えのように雨によって水分を補給できるわけではないので、ユキノシタの状態に適した水やりをすることが大切になります。土が乾かないように常に湿り気がある状態を保つ
ユキノシタは乾燥にとても弱い植物ですが、用土が湿っているのであれば水やりは必要ありません。土が乾いていたら、たっぷりと水やりをしてください。状態を確認するためには、目視ではなく毎日土に触れるのがおすすめです。鉢受けにたまった水を放っておくと根腐れするため注意
水やりをすると鉢受けに水が溜まります。面倒だからといってそのまま放っておくと水はけの悪い状態になり根腐れする原因になるので、水が溜まっていたら必ず捨てるように注意しましょう。夏の水やり:水切れによる乾燥に注意する
夏は気温が高くなり水分が蒸発しやすい状況になるので、水切れによる乾燥に注意が必要です。土が乾きやすく水やりの頻度が増えるので、忘れずに水やりをしてください。与え過ぎると鉢の中の湿度が高くなって蒸れてしまい根腐れするので、過剰な水やりは控えましょう。冬の水やり:根腐れしないよう水やりを控え気味にする
冬は空気が乾燥するので土も乾きやすいですが、乾いているのは表面だけで鉢の中の土は湿度が保たれている状態がほとんどです。根の活動が弱まり水分の蒸発も減るので、水やりは控え気味にして根腐れを起こさないようにします。地植えの場合:雨が降らない状態が続いた場合は水を与える
地植えの場合は雨によって水分を補給できるので、基本的には水やりをする必要はありません。夏を中心に雨が降らない日が続いた場合は、シャワーなどで散水して水を与えてください。乾きすぎない程度であれば、気にしなくても大丈夫です。ユキノシタの育て方のポイント③:土
ユキノシタの育て方で重要なポイントの3つ目は、土です。ユキノシタは山野草なので、山に自生しているものをわけてもらうこともあるかと思います。その場合は生えていた土地の土も一緒に分けてもらい、乾ききった用土は避けるようにしましょう。水はけと水もちのよい用土を好む
ユキノシタは水はけと水もちの良い用土を好みます。園芸コーナーで購入するときは草花園芸用の用土を選べば問題ありませんが、本格的にユキノシタを育てる場合やユキノシタを増やしたい場合は、土にも少し工夫が必要です。鉢植えの場合
鉢植えでユキノシタを育てる場合は、水はけの良さを重視しましょう。難しい配合や特別な土を用意する必要はありません。ホームセンタ―などで購入できるものばかりなので、ぜひ実践してみてください。赤玉土(小粒)7:鹿沼土や腐葉土3を配合した土がよい
ユキノシタに最適な土を作るのに必要なのは、鹿沼土などの山野草用の用土と、腐葉土です。鹿沼土7・腐葉土3の割合で配合し、水はけを良くするためにヤシ殻チップスや溶岩を粉砕したもの少量混ぜると育ちやすい環境の土ができます。緩効性化成肥料を混ぜ込む
ユキノシタは肥料がなくても十分に育つ植物です。心配であれば、土作りの段階で緩効性化成肥料を混ぜ込んでおくことをおすすめします。地植えの場合
ユキノシタを地植えで育てる場合、地面の土を入れ替えるような必要はありません。元々ある地面の土をユキノシタが育ちやすいような環境にするために、少しだけ工夫します。腐葉土を加えてから植え付ける
地植えをする場合でも、やはり重要なのは水はけの良さです。植え付けをする前に、元々ある地面の土に腐葉土を混ぜて、水分を含んだ水はけの良い土を作って用意しておきましょう。元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込む
地植えの場合も、鉢植えと同じで基本的に肥料は必要はありません。肥料を使うのであれば、やはり緩効性化成肥料を元肥として混ぜ込みます。ユキノシタの育て方のポイント④:肥料
ユキノシタの育て方で重要なポイントの4つ目は、肥料です。先ほども少し触れましたが、基本的にユキノシタを育てるための肥料は必要ではありません。肥料を与えすぎる方が良くないので、適正量を正しい方法で使うことが大切です。地植えの場合は肥料を与える必要はない
地植えの場合、肥料を与える必要はありません。元肥として土に効性化成肥料を混ぜ込めば十分育つので、追肥などの必要もなく手入れがとても簡単です。鉢植えの場合は9月頃に緩効性化成肥料を施す
鉢植えの場合も、元肥として土に緩効性化成肥料を混ぜ込みます。9月頃になったら追肥として緩効性化成肥料を株の周りに置き肥しましょう。大量にならなければ量を気にする必要はありません。肥料が多いと徒長の原因になるので分量に注意
ユキノシタに肥料を与えすぎると、徒長の原因になってしまいます。肥料を大量に与えるのは逆効果になるので、土作りや追肥をするときは分量に注意してください。【成長したらすること】ユキノシタの植え替えについて
ユキノシタは適応性が高く繁殖しやすい植物です。どんどんと株が増えていくので、成長してきたら放置せずに植え替えを行います。鉢植えの場合
鉢植えの場合、成長したユキノシタをそのままにしておくと、狭い鉢の中で根詰まりを起こしてしまいます。用土の劣化も進み生育が悪くなるので、植え替えは大切な作業です。増えすぎていたら株分けを兼ねて植え替えを行う
ユキノシタの株が増えすぎていたら、株分けを兼ねて植え替えを行います。鉢から取り出し根をほぐし、古い用土が残らないようにしっかり落としてから、新しい用土に植え替えてください。1年に1回ほどが目安
ユキノシタを植え替える目安は1年に1回です。気温と湿度が安定している3月~4月と9月中旬~10月が植え替えに適した時期なので、この時期に合わせて植え替えを行いましょう。地植えの場合は植え替えの必要はない
地植えの場合は植え替えの必要はありませんが、花壇などで育てる場合は株が周囲に広がり中心部が枯れやすくなるので、植え替えが必要な場合があります。必要があれば適正期に株を掘り出して、土壌改良をしてから植え直してください。【成長したらすること】ユキノシタの剪定について
ユキノシタを美しく育てるためには、植え替えだけでなく剪定も必要です。成長してきたら、こまめに剪定して成長を促しましょう。剪定は花が終わった後に行う
ユキノシタの剪定は、花が終わった後に行います。剪定するときは花茎の根元から切り落としましょう。切り落とした花茎は新たな株として植え付けることもできます。花が枯れ始めたら花茎と変色した葉を取り除く
花が枯れ始めたら、残っている花茎と変色した葉をきれいに取り除きましょう。枯れた葉をそのままにしておくと、株が蒸れてカビが繁殖しやすい状態になってしまいます。下の方に生えている葉には特に注意して、枯れている葉はこまめに取り除いてください。剪定せずに放置すると徒長してしまう
花が終わった後の花茎を剪定せずに放置すると、伸びきって徒長してしまいます。見た目も悪く成長の妨げにもなるので、枯れた葉を取り除くときのように剪定もこまめにしてください。さらにユキノシタを増やす方法
ユキノシタを増やす方法は、【ランナー】【株伏せ】【株分け】【種まき】の4つです。切り落とした花茎を植え付ける方法は株伏せといい、切った株を用土の上に寝かせるように置き、上から土をかぶせて芽を出させます。ここでは一番簡単な増やし方の【ランナー】の方法をご覧ください。ランナーを利用した株分け
ユキノシタは、株元からたくさんのランナーを伸ばして繫殖します。株分けや種まきでも増やすことができますが、一番簡単なのは少し手を貸すだけで勝手に増えていくランナーです。ランナーとは:細長い子株のこと
ランナーとは、春になるとユキノシタの株から何本も出てくる赤い糸のような細長い子株のことです。写真だと葉に隠れていてわかりにくいですが、葉を持ち上げるとたくさんのランナーが生えているのを確認できます。鉢植えでの増やし方
地植えだとランナーが勝手に伸びて繁殖していくので手を加える必要がありません。鉢植えもほとんど手を加える必要はないのですが、増やすためには少しだけコツがいります。①ランナーが出ている鉢植えの横に用土の入った鉢植えを置く
鉢植えで子株を増やすときは、ランナーが出ている鉢植えの横に用土の入った鉢植えを置きます。鉢植えの間隔は空けないように置くのがポイントです。⓶ランナーが土に触れた部分から根をおろして増やす
ランナーは土に触れた所から根を伸ばし、小さな芽を出して子株を増やします。横に置いた鉢植えにランナーが自然と伸びていくように、置く場所を調整しましょう。③ランナーから芽、根が出てしっかりと根付いたらランナーを切る
横に置いた鉢植えの土にランナーが触れて、新しく芽や根が出てしっかりと根付いたら、ランナーの真ん中を剪定バサミで切ります。ランナーを使った増やし方はこれで終わりです。とっても簡単な方法ですよね。ユキノシタによくあるトラブルと対処方法
ユキノシタは耐寒性に優れているので、病気になりにくく害虫にも強い植物です。しかし、育て方を間違えると病気になり害虫もつきやすくなってしまうので、それぞれのトラブルに合った対処法を覚えておきましょう。ユキノシタは病害虫に強い植物
ユキノシタは病害虫に強い植物ですが、湿度が高すぎたり、反対に乾燥していて湿度が低いと病気や害虫の被害に遭いやすくなります。病害虫のトラブルを回避するには、育てる環境がとても大切です。病気
湿度の高い環境で育つユキノシタが罹りやすい病気は、灰色カビ病になりやすいので注意が必要です。ここからは灰色カビ病の症状と予防法について解説いたします。灰色かび病
灰色カビ病は、ほとんどの植物に発症する病気です。灰色のカビが葉や実を覆い、放っておくと最後は枯れてしまいます。4月~11月にかけて発生しますが、雨が多く湿度が高くなる梅雨の時期は特に増えるので、注意が必要です。予防法:原因となるカビを発生させないため、枯れた葉を取り除く
灰色カビ病を予防するには、風通しの良い状態を保つことが重要です。枯れた葉をこまめに取り除き、梅雨の晴れ間には十分に日に当てることでカビが好む多湿状態を回避できます。害虫
葉が密集して生えるユキノシタは、手入れをせず放置しておくと害虫がつきやすくなってしまいます。風通しの良い環境を作るのはもちろんですが、肥料のやりすぎにも気を付けなければいけません。ハダ二
ハダニはクモの仲間で、葉の裏側に寄生して栄養分を吸い取ります。栄養を抜かれた葉は真っ白になってしまうので、葉の裏側や葉が重なり合っている部分を定期的にチェックしましょう。気温が高く乾燥していると発生しやすいので、水切れに注意です。アブラムシ
アブラムシは気温が高くなる初夏から秋にかけて発生する害虫です。大量に発生して新芽や蕾に群がり植物の汁を吸うので、放置するとやがて枯れてしまいます。アブラムシは肥料を与えすぎると発生しやすくなるため、肥料の量には気をつけましょう。ヨトウムシ
ヨトウムシは蛾の幼虫で、一番厄介な害虫です。日中は土の中にいて夜になると出てきて葉を食べてしまうので、朝になると食害を受けた葉はカスリ状になっています。葉裏に卵を産み付けるので、葉の裏側に異常がないかチェックが必要です。対処法:見つけたらすぐに除去する
害虫を見つけたら、被害が増える前にすぐに駆除をしましょう。葉の表面や裏側についている虫はティッシュなどで取り除き、ヨトウムシの被害に遭っていると気付いたら、株の根元を掘って潜んでいる害虫を駆除してください。予防法:高温乾燥期に葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかける
ユキノシタにつく害虫や卵のほとんどは、シャワーをかけるだけで流れ落ちます。高温乾燥期は葉の裏を狙って水をかけましょう。それでも落ちない場合は、植物に影響のない防虫スプレーで病害虫からの被害を予防します。ユキノシタの様々な効能
ユキノシタには様々な効能があるため、古くから民間薬として利用されてきました。近年では高い保湿効果や紫外線による老化を防ぐ効果があることがわかり、化粧水などの美容品に使われています。古くからユキノシタの葉や茎は民間薬として利用されてきた
ユキノシタの葉や茎は、薬というものがなかった時代から民間薬として多くの人に重宝されてきた植物です。人々の生活にとても身近な植物だったため、必要な時にいつでも摂れるようにどこの家でも育てていました。ユキノシタの葉
多くの効能を持つユキノシタの葉を薬として使うためには、いくつかの方法があります。ここでは、ユキノシタの葉の効果的な使い方について解説いたします。しぼり汁は耳だれ・中耳炎・虫刺されや怪我の応急処置に
ユキノシタの葉には抗菌作用や抗炎症作用があるため、葉をよく揉んで絞った汁は耳だれや中耳炎・虫刺されなどの応急処置に使われました。地方によっては「ミミダレグサ」と呼ばれ、耳の薬として知られています。葉をあぶると腫物ややけど、凍傷などに効果
抗炎症作用があるユキノシタの葉は、腫物ややけど・凍傷などにも効果を発揮します。火で軽くあぶって柔らかくなった葉を患部に直接貼り付けると膿が出てきて炎症が治まるので、化膿止めとしても重宝されました。乾燥させた葉や茎を煎じたものは解熱・解毒・小児のひきつけに
ユキノシタの葉や茎には抗炎症作用の他に解熱作用もあるので、解熱・解毒・小児のひきつけにもよく効きます。風邪の引き始めには乾燥させた葉や茎を煎じて飲み、喉の腫れを鎮めました。風邪を引いたときなどには砂糖・生姜と一緒に煎じて飲む
風邪を引いたときは、ユキノシタの葉や茎に砂糖と生姜を加えて一緒に煎じます。体調が悪くても飲みやすくなるので、おすすめの飲み方です。ユキノシタの品種
ユキノシタの品種には、御所車や七変化といった代表的な種類があります。同じユキノシタでも品種によって様々な特徴があるので、それぞれがどのような植物なのかご覧ください。御所車:白の美しい斑入りの小型種
御所車は緑の葉に雪白大覆輪の斑が入った品種で、和洋問わず人気があります。日本では代表的な和風の庭園で下草として使われ、海外ではカラーリーフの寄せ植えが人気です。ピンクを帯びた白の美しい斑が特徴的
御所車は小型種なので葉は小さく、色はピンクを帯びていて白く美しい斑が入っているのが特徴です。初夏になると小さな白い花を咲かせます。小盆栽の添えに用いられる
小型種で特徴的な斑がある御所車は、小盆栽や寄せ植えのアクセントにピッタリです。特徴的な模様ですが主張しすぎないので、他の植物とも違和感なく馴染みます。七変化:斑入りの常緑宿根草
七変化は斑入りの常緑宿根草で、緑より白い斑の部分が多いのが特徴です。ユキノシタの代表的な改良品種で、美しい葉色を楽しむことができます。爽やかな白を基調とした葉に、淡い黄色や桃色がかった斑が特徴
七変化は爽やかな白を基調とした葉で、淡い黄色や桃色がかった斑があるのが特徴です。写真で見るとわかりづらいので、園芸コーナーで見かけたら是非見てみてくださいね。展葉時期によって斑の入り方が変化する
七変化の特徴的な斑は常に見られるものではなく、展開時期によって斑の入り方が変化します。斑のない葉が出たりと、個体によってバラつきがある品種です。山菜であるユキノシタは食べることもできる!
山菜であるユキノシタは、食用としても人気があります。食用に使用される新しい若い葉はクセやアクがなく食べやすいので、葉が増えすぎて困ったときは摘み取って天ぷらや和え物にしてみてください。ユキノシタに毒性はない
ユキノシタに毒性は一切ありません。同じユキノシタ科のアジサイには毒を持つ品種があるため、ユキノシタにも毒性があるのでは?と誤解されることがありますが、全くないので安心して大丈夫です。ユキノシタは火を通すことで、クセもなく美味しく食べられる
ユキノシタは山菜なので、火を通すとクセがなくなり美味しく食べられます。生だと少し青臭さや苦みがあるので、ぜひ火を通して食べてみてください。葉の表側が汚れやすいため水できれいに洗う
ユキノシタの葉には細かい毛が生えているので、汚れがつきやすくなっています。葉の表面は特に汚れやすいので、調理の前に水に浸すなどしてしっかりと汚れを落としましょう。ユキノシタのおいしい食べ方
ユキノシタを美味しくいただける、代表的な食べ方をご紹介いたします。簡単に調理できるので、観賞用として楽しむだけでなく食材としても楽しんでみてください。天ぷらにする
ユキノシタの葉で作る天ぷらは【白雪揚げ】と呼ばれ、大変人気があります。天ぷらの衣は全体をくぐらせるのではなく、葉の裏面だけに薄くつけてサッと揚げましょう。葉が薄く火が入りやすいので、両面を揚げる必要はありません。おひたしや和え物、汁物などにもおすすめ
塩で茹でて水にさらせば、お浸しや和え物として食べられます。茹ですぎると柔らかくなりすぎてしまうので、少し硬さが残る程度に茹でましょう。胡麻和えや辛し和えにするのも良いですね。汁の実にもおすすめです。乾燥した葉をハーブティーにすることも
乾燥した葉はハーブティーにすると、とても飲みやすくなります。ユキノシタの絞り汁は青臭く苦みがあるので、ハーブティーにして様々な効能にあやかりましょう。ユキノシタの育て方を紹介!特徴から日々のケア方法、注意点までのまとめ
今回は、ユキノシタの育て方や管理方法をメインに、薬や山菜としての楽しみ方をご紹介いたしました。 この記事のポイントは、- ユキノシタの育て方のポイントは、湿度の高い半日陰を選び、水切れや根腐れを起こさないように水やりをする
- ユキノシタの育て方のポイントは、水はけと水もちの良い土で育て、肥料は与えすぎない
- ユキノシタの植え替えは、1年に1回株分けを兼ねて行う
- ユキノシタの剪定は、花が終わったら行う
- ユキノシタを増やす方法は、ランナーを利用した株分けが簡単
- ユキノシタは灰色カビ病やハダニなどの病害虫に注意する