オミナエシ(女郎花)の育て方を紹介!ケア方法からトラブルの対処法まで

オミナエシ(女郎花)の育て方を紹介!ケア方法からトラブルの対処法まで
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目次

秋の七草に数えられるオミナエシ(女郎花)は小さく可憐な花がたくさん集まって、泡立つようにも見える素敵な植物です。夏から秋にかけて風に揺られる姿が魅力のオミナエシ。そんなオミナエシはご家庭でも栽培することができるのでしょうか。育て方の簡単なポイントをつかめば、初心者でもオミナエシをお庭で楽しむことができるのです。 そこでこの記事では、
  • オミナエシの特徴
  • オミナエシの育て方①置き場所
  • オミナエシの育て方②水やり
  • オミナエシの育て方③土
  • オミナエシの育て方④肥料
  • 成長したオミナエシの育て方
  • オミナエシのトラブル対処方法をご紹介
  • オミナエシの増やし方
  • オミナエシの手入れ方法について
  • オミナエシの冬越し方法
以上のポイントをわかりやすくご紹介していきます。 オミナエシは季節感があり、また高さもあるのでガーデニングの背景に植えるのにも適しています。オミナエシに興味をもっている方や初めて購入して育て方を知りたいという方は、ぜひこの記事を最後までご覧になって参考にしてみてください。

オミナエシってどんな観葉植物なの?

 まずはオミナエシがどんな植物なのかをご紹介します。6月から9月にかけての長い開花時期に花を咲かせるオミナエシは、秋の七草にも数えられています。卵の黄身のような濃く、目立つ花を咲かせるので誰もが一度は見かけたことがあるかもしれませんね。オミナエシの学名は「Patrinia scabiosifolia」です。Patrinia はオミナエシ属全体に付けられる学名でもあります。

オミナエシの特徴

 オミナエシは畑や川原、林などの日本のあちこちで見かけることができます。草丈が高く、1mほどの高さまで成長するので存在感がある植物といえるでしょう。姫女郎花という品種も流通していて、こちらはそれほど背丈が高くならないのが特徴です。では、そんなオミナエシの特徴について詳しくご紹介していきます。

シベリアが原産のスイカズラ科オミナエシ属の落葉性多年草

オミナエシは、シベリアから東アジアにかけて分布するスイカズラ科オミナエシ属の多年草です。落葉性で冬場には葉を落としてしまいますが、多年草なので土壌や環境が合えば毎年、綺麗な花を咲かせてくれます。耐寒性・耐暑性ともに高いので園芸初心者でも育てやすく、丈夫なのが大きな特徴です。

黄色い花と独特な香りが特徴

 オミナエシは黄色く小さな花を咲かせるのが特徴です。背の高い茎の先端に、泡のような細かい花を咲かせるので秋の開花時期にはとても目立ちます。オミナエシに似た植物としてオトコエシ(男郎花)が挙げられます。オトコエシは、オミナエシと同じ見た目をしつつも花が白いのが特徴です。 オミナエシのもう一つの特徴として、独特な香りが挙げられます。晩夏の暑さの中で、むせ返るような特徴のある香りを漂わせてくれるのです。

オミナエシの花言葉

オミナエシにはとても素敵な花言葉がつけられています。マイナスな花言葉や怖い意味がないので、オミナエシを贈り物にするのもおすすめですよ。オミナエシの花言葉のひとつひとつについて詳しくご紹介していきます。

親切

温かい心や優しさをイメージさせる【親切】という花言葉は、オミナエシの主張しすぎないスレンダーな花姿から連想されました。【親切】という花言葉をもつ植物は意外にも多く、植物のもつ暖かさを感じさせてくれますね。

美人

すっと伸びた茎の先端に儚げな花をつけるオミナエシは、【美人】という花言葉をもっています。繊細で風に揺られる様子が、すらっとした美人を連想させたのかもしれませんね。

はかない恋

【はかない恋】という花言葉は、オミナエシが秋の寂し気な季節の中で花を咲かせることから連想されました。美しい黄色の花を咲かせるオミナエシですが、風に揺られる様子はどこかはかなさも感じさせてくれますね。

約束を守る

【約束を守る】という花言葉の由来は諸説ありますが、多年草のオミナエシが毎年決まった場所で同じ季節に花を咲かせることからつけられたという説が有力です。オミナエシの花期はお盆の時期にあたりますので、毎年花を咲かせるオミナエシは盆花としても重要な役割を果たしてくれました。

オミナエシの風水

オミナエシにはどんな風水があるのかご存知でしょうか。黄色い花が特徴的なオミナエシには、金運に関する効果的な風水が込められているのです。この項目ではオミナエシの風水効果について詳しくご紹介していきます。

黄色の花は西におくと金運アップ

黄色の花は黄金やお金をイメージさせたため、風水的にも西の方角に置くと金運がアップすると言われています。オミナエシは切り花としても販売されていますので、西の方角に飾ってみるのもおすすめです。オミナエシは水替えをしっかり行わないと、匂いがこもってしまいますので切り花でも定期的な水交換をおすすめします。

容器は金属製のものがおすすめ 

 金運アップの効果をさらに上げるためには、オミナエシの切り花を入れる鉢や容器を金属製のものにするのがおすすめです。おしゃれな缶に切り花を飾るのも良いですし、アンティーク風の金属鉢にオミナエシの苗を植えるのも良いですね。

オミナエシの育て方のポイント:置き場所

 では、肝心のオミナエシの育て方について詳しくご紹介していきます。一番目のポイントとして、オミナエシを栽培するのに適した置き場所について解説していきましょう。

大株で地下茎を横に伸ばすため地植えがおすすめ

オミナエシは多年草で地下茎によって増えていくので、地植えがおすすめです。細い茎を伸ばして成長するオミナエシですが、意外にも大株でしっかりと根を張るので地植えにするとほぼ植えっぱなしでも元気に成長してくれますよ。

日当たり・風通しがよい場所で育てる

オミナエシは地植えがおすすめですが、では、どのような場所に植えるのが良いのでしょうか。オミナエシの上手な育て方には日当たりと風通しが重要ですので、詳しく解説していきます。

日当たりが悪いと間延びして花つきが悪くなり枯れてしまう事も

オミナエシをあまり日が当たらない場所に植えてしまうと、茎だけがなよなよと伸びて花がしっかりつかなくなってしまいます。また、北側などあまりにも日が当たらないと枯れてしまうことがあるので注意が必要です。

強い西日や直射日光が当たる場所は避ける

オミナエシには日当たりが重要ですが、夏場の強い西日や直射日光に長時間当てられてしまうと葉焼けを起こして葉が傷んでしまいます。東向きの朝から昼にかけて日が当たるような場所や、木陰などを選んで地植えを行うと良いでしょう。

春~秋の場合:柔らかい日差しの当たる日向に

 オミナエシは地植えがおすすめですが、鉢植えでも育てることができます。背が高く成長するので、なるべくしっかりと重さのある鉢で育てましょう。植木鉢で育てている場合は、春から秋にかけては柔らかい日差しの当たる場所で育ててあげましょう。

夏の場合:日陰に移動させる

 梅雨明けから夏場にかけては、直射日光が強くなってしまうので植木鉢で育てている時は日陰に移動させてあげましょう。地植えにしている場合は、夏場に木陰ができる落葉樹の下などがおすすめです。また、遮光ネットなどで日差しを遮ってあげるのも効果的ですよ。

オミナエシの育て方のポイント:水やり

 オミナエシの育て方のポイントの二番目として、水やりの方法をご紹介します。オミナエシは乾燥にも耐えられますが、春から秋にかけての生育期と冬場の休眠期とでメリハリをつけた水やりを心がけるようにしましょう。

地植えは根付いたら基本的に水やりの必要はない

オミナエシを地植えにしている場合は、基本的には水やりの必要はありません。オミナエシは乾燥に強いことに加え、根をしっかりと張っているので地面から水分を充分に吸水することができます。地植えの時は、根付いたら基本的には水やりを行わなくて大丈夫です。

鉢植えの場合は土が乾燥したらたっぷりと

オミナエシを鉢植えにしている場合は、土に広く根を張ることができないので土の表面が乾いたらたっぷりと水やりを行うようにしましょう。鉢植えの水やりにおいては、夏と冬でメリハリのついた水やりを行うのが育て方のポイントです。

夏の水やり:朝か夕方の1日1回~2回程度水をあげる

 夏の鉢植えの水やりは、朝と夕方の1日1回~2回程度を目安として水やりを行いましょう。夏場は土が乾きやすいので、定期的にチェックしてあげることが必要です。昼間の暑い時間帯は、水やりによって蒸れて多湿になってしまうことがあるので涼しい時間帯に行いましょう。

冬の水やり:休眠期のため水やりは控える

 冬場はオミナエシの休眠期にあたりますので、水やりは鉢植えでも行わないようにしましょう。冬場に水やりを行いすぎてしまうと、根が十分に水を吸水できずに根腐れを起こしてしまう危険性がありますので注意が必要です。

オミナエシの育て方のポイント:土

 オミナエシの育て方のポイントの3番目として、用土について解説します。オミナエシは比較的にほったらかしで成長してくれますが植えている用土が合っていないと枯れてしまう可能性がありますので注意しましょう。

地植えの場合:適度な湿り気のある土壌が◎

オミナエシを地植えで育てている場合は、湿り気のある保水性のある土がおすすめです。適度に湿り気がある微生物が十分にいるような場所を選んで植えると良いでしょう。落葉樹の下などは、枯れ葉で保水性があがりますので特におすすめです。

山砂に赤玉土を2~3割混ぜた土を用いる

植木鉢での育て方を選ぶ場合は、山砂に赤玉を2~3割程度混ぜた用土を用いるようにしましょう。適度な保水性と排水性が保てますので、オミナエシにとって適切な環境を作り出すことができるでしょう。

赤玉土4:鹿沼土4:腐葉土2の土もおすすめ

 ご紹介して山砂と赤玉土を混ぜる用土の他にも、赤玉4:鹿沼土4:腐葉土2の配合で混ぜた用土もおすすめです。腐葉土で保湿性を高めるとともに、赤玉土と鹿沼土で排水性を上げることができます。

市販の園芸用培養土でも問題なし

 前述したように単用土を配合する方法以外にも、市販の園芸培養土を用いてもオミナエシを栽培することはできます。観葉植物の土やガーデニングの土などを用いて鉢植えにすると良いでしょう。鉢底石を入れることで、排水性を上げて根腐れを防ぐことができます。

オミナエシの育て方のポイント:肥料

オミナエシの育て方のポイントの4番目として、肥料の与え方についてご紹介します。オミナエシは丈夫な植物なので、肥料は控えめに与えるのが大きなポイントです。

地植えの場合は肥料は必要ない

地植えでオミナエシを育てている場合は、肥料を与える必要はありません。オミナエシはたくさんの栄養分を必要としない植物なので、地植えで根から吸収される栄養分だけで十分なのです。地植えの育て方をしている時に、肥料を多く与えてしまうと肥料やけを起こして弱ってしまうので注意しましょう。

鉢植えの場合

鉢植えでの育て方をしている場合には、地植えほど広く根を張れないので適度に肥料を与える必要があります。ただし、地植えと同じくたくさんの肥料は必要としないので購入した肥料に記載されている適量を与えるようにしましょう。

植え付けの際に緩効性の化成肥料を土に混ぜる

 鉢植えでオミナエシを育てる時は、最初に用土を入れるときに元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込むのがおすすめです。混ぜ込んだ化成肥料は緩効性であれば、ゆっくりと効果が表れますので長い間、栄養分を補給してくれるはずです。

花が終わった10月~11月頃油かすなどの追肥をする

 オミナエシの花が終わった後の10月~11月頃にお礼肥として油粕などの有機性の肥料を与えるようにしましょう。冬を迎える前に十分に地下茎を太らせることができますので、来年の花付きにも良い影響を与えてくれるでしょう。

【成長したらすること】オミナエシの植え替えについて

 この項目ではオミナエシが成長した後にするべきことの一つとして、植え替えについてご紹介します。オミナエシはしっかりと成長する植物なので、元気に育てるためには定期的な植え替えが欠かせません。

 鉢植えの場合

鉢植えの場合は、地植えよりも頻繁に植え替えを行う必要があります。鉢の中の土を新しくして栄養分を補給することができますので、春ごろの植え替えを忘れないようにしましょう。

1年に1回、春頃に植え替えを行う

鉢植えの場合は春の時期に毎年、植え替えを行うようにしましょう。植え替えは暖かくなってから梅雨が始まる前までには終わらせると、その後の成長や根付きが良くなります。

細かい根を半分ぐらいの長さに切って整理し植えつける

オミナエシは根がしっかりと張るタイプの多年草なので、植え替えの時に傷んだ根や変色した根だけでなく細かい根も半分くらいの目安でカットしてしまいましょう。根をキレイに整理して植え付けることで、新しい根の発育を促すことができます。

株分けを行うのもよい

植え替えを行う際には株分けをするのもおすすめです。地下茎で増えていくオミナエシは、根を同じ大きさでカットすることで新しい株を成長させることができます。スペースがあれば鉢を増やしたり、新しく地植えにしたりするのも良いですね。

地植えの場合

地植えでの育て方をしている場合は、鉢植えほど頻繁には植え替えをする必要はありません。ただし、何年も同じ場所で生育していると根も混んできてしまいますので3年に一度くらいの目安で植え替えを行うようにしましょう。

3年に1回程度が目安

地植えのオミナエシは、3年に1回の目安で春の時期に植え替えを行います。鉢植えの受け替えと同じように、梅雨に入る前までに終わらせましょう。また、必要であれば腐葉土や鶏糞などの土壌改良に効果のある用土も混ぜ込むとさらに元気に成長してくれますよ。

株分けと植え直しを行う

地植えで植え替えを行う場合には、スペースがあれば株分けと植え直しを行いましょう。株分けで苗を増やしたら、別の場所に植えても良いですし間隔を広げて根の伸長を促せるようしても良いですね。植え直しをすることで、新しい根がしっかりと伸びやすくなるはずです。

オミナエシによくあるトラブルと対処方法

 次に、みなさんが気になるであろうオミナエシによくあるトラブルとその対処方法についてご紹介します。育てているオミナエシに似た症状が出た場合は、なるべく早く対処するようにしましょう。

害虫

まずはオミナエシにつきやすい害虫についてご紹介します。特に春の時期と秋の時期は害虫が発生しやすいので注意深く観察してあげるようにしましょう。

アブラムシ

アブラムシは葉のつけ根や花の蕾などにつきやすい害虫です。たくさん発生することが多く、また増えやすいので見つけたら早めに対処するようにしましょう。

ハダニ

ハダニや白や灰色の小さなダニが茎のつけ根や葉の裏について、葉の汁などを吸汁することで植物全体を弱らせてしまう厄介者です。アブラムシと同じように、増えやすいので葉の裏などもよく観察して見つけたら退治しましょう。

対処法:見つけたら取り除き、薬剤を散布する

 いずれの害虫も見つけたら取り除いて薬剤を散布するのがおすすめの対処方法です。市販されている薬剤には、防除と予防の両方の効果が含まれているものが多いので主には薬剤の散布で対処が可能なはずです。自然に優しい薬剤も販売されていますので、生育環境によって適切なものを選ぶようにしましょう。

病気

 オミナエシに発生しやすい病気は、うどんこ病と立ち枯れ病の2種類があります。いずれも症状が出た葉を見つけ次第、すぐに取り除き薬剤を散布するようにしましょう。前述したようなハダニやアブラムシの発生によっても病気が蔓延しやすいので注意が必要です。

うどんこ病

うどんこ病は葉に白っぽいホコリのような斑点ができるのが特徴です。葉や茎がうどんこ病になると、次第に枯れて花も付きにくくなってしまいます。うどんこ病は菌によって蔓延するので、重症化する前に症状のある葉を取り除くようにしましょう。

立枯れ病

立ち枯れ病は過湿や根腐れの状態で発生しやすい病気です。立ち枯れ病になってしまうと、葉や茎が委縮して次第に枯れてしまいますので早めに対処するようにしましょう。

対処法:病気の葉を取り除き、殺菌剤を塗布する

 うどんこ病も立ち枯れ病も、対処方法は病気になった葉を取り除き殺菌剤を塗布するのがおすすめです。市販されている殺菌剤にも、スプレータイプですぐに使うことができる種類がありますので気軽に対処することができるはずです。

対処法:土を盛ったり水はけのよい用土を客土する

立ち枯れ病の場合は特に水はけが悪いと発生しやすい病気です。そのため、オミナエシの苗の根元を盛り土して水が流れやすくしたり用土自体を水はけの良いものに入れ替えたりする客土が効果的な対処方法となります。

さらにオミナエシを増やす方法

 オミナエシをさらに増やす方法についてご紹介します。オミナエシは育て方も簡単で、初心者でも増やしやすい多年草なのでぜひチャレンジしてみてくださいね。

株分け

 オミナエシの株分けは方法も難しくなく、丈夫なのでその後も根付きやすいので初心者にもおすすめの方法です。株分けは比較的に大きくなった苗を中心に作業を行うようにしましょう。

適期は3月頃

オミナエシの株分けの適期は霜が降りなくなったくらいの3月が目安の時期です。地植えのオミナエシを株分けにする場合は、土が凍っていないかどうかもしっかりと確認するようにしましょう。苗についた土が凍っていると、根も弱っていますしカットもしにくくなってしまいます。暖かくなる前に株分けをすると、その後の根の活着が良くなるはずです。

大きく育った株をハサミなどで切り分けて植え付ける

株分けの方法は簡単で、掘り起こした株をハサミなどでカットするだけです。なるべく大きくなった苗を選んでカットするようにしましょう。使用するハサミは病気を予防するために未使用の清潔なものか、日などであぶって殺菌してから使いましょう。新しく植え付ける時は、土を客土して排水性を高めてから植えるのがおすすめです。

種まき

 種まきで増やす方法は、たくさんの苗を作れるのでおすすめですが適切にタネを採取して保存する必要があります。保存するタネはカビが発生しないようにしっかりと乾かしておきましょう。

適期は3月下旬~4月

タネを採取した後に播種する適期は3月下旬から4月です。暖かくなったら保存していたタネを清潔な用土にまいて、発芽を待ちましょう。

花後に果実が茶色くなったら花茎ごと切って乾燥させる

オミナエシのタネの採取方法は、花の後にできた果実が茶色くなったら花の房がついていた花茎ごと切って乾燥させましょう。この時にしっかりと乾燥させておけば、後でタネを採取しやすくなります。

乾ききったら果実をもみほぐして種を採取する

花茎ごとカットした房がしっかりと乾燥しきったら果実をもみほぐしてタネを採取しましょう。オミナエシのタネは茶色っぽく、一株からたくさん採取できるのが特徴です。

採取した種は紙の袋などに入れ、冷暗所で保管

採取したタネは乾燥したまま保存できるように、紙の袋や封筒などに入れて冷暗所で保管しましょう。冷暗所で保存すれば、発芽を防ぐこともできますし適切な時期まで休眠させることができます。

育苗箱に均等にまき、種が隠れる程度に薄く土をかぶせる

採取したタネは冷暗所に保存した後に、春になったら育苗箱に均等にまいて発芽を待ちます。タネをまいた後に、薄く土をかぶせて乾燥しないように管理しましょう。かぶせた土が流れないように、霧吹きなどで水やりを行うのがおすすめです。

15℃~20℃で管理し、2,3枚本葉が出たらポットに移植する

育苗箱にまいたタネは15℃~20℃で管理するとともに、乾燥しないように水やりをして2、3枚の葉が出たらポットに移植するようにしましょう。ポットに移植する時は、根や茎を折らないように慎重に行いましょう。

本葉が5~6枚になったら定植する

ポットに植えた苗は本葉が5~6枚になったら定植しましょう。植える場所はオミナエシの好む環境を選び、少し盛り土をして排水性を良くしておくのがおすすめです。ひとつひとつの苗は間隔を空けて成長してから風通しが悪くならないように心がけましょう。

苗植え

オミナエシの増やし方として、新しく購入した苗を植える方法があります。しっかりと育った苗を選んで植えることができるので、手間もかからず簡単に増やすことができるので初心者にもおすすめです。

適期は3月〜4月頃

苗を新しく植えるのに適した時期は3月~4月の暖かくなった季節を選びましょう。オミナエシの苗が流通するのもこの時期ですので、春のガーデニングシーズンに合わせて植えることをおすすめします。

苗は花苗店やホームセンターで入手可能

オミナエシの苗は園芸店や花苗店、ホームセンターなどで購入することができます。しっかりと葉が出て、緑色が濃いものを選ぶようにしましょう。葉の裏なども念のためチェックしておくと良いですね。

節間が短く、茎葉が締まって勢いのあるものがよい

葉の色や数だけでなく、茎の節と節の間が短くしっかりしている苗を選ぶようにしましょう。また、茎や葉が固く締まっていて勢いのあるものも良い苗です。

苗の植え付けのしかた

 苗を植え付ける時は、鉢植えの場合は元肥を混ぜ込んだ用土を用いるようにしましょう。地植えにする場合も、腐葉土を混ぜ込んでおくとその後の成長が良くなります。排水性を高めた場所に苗を植え付けたら、根が活着するようにしっかりと水を与えましょう。その後の水やりは、表面が乾いてから行うようにします。

オミナエシのお手入れ方法

オミナエシの育て方と増やし方をご紹介したところで、日々のちょっとしたお手入れでオミナエシを元気に成長させるためのコツを解説します。オミナエシにたくさん花を咲かせてあげるためには、基本的なお手入れが欠かせないのです。

摘芯:わき芽をふやし、成長を促す

オミナエシのお手入れ方法として、摘芯をご紹介します。摘芯はわき芽を増やして、茎を分岐させて成長を促すことができます。茎を分岐させることで、たくさんの花がつくようになりますのでぜひ挑戦してみてください。

春頃に行うとよい

摘芯はオミナエシの苗がまだ小さい春頃に行うのがおすすめです。伸びてきたオミナエシの先端部分をカットすることで、その部分から下のわき芽が増え、太くしっかりとした苗に成長してくれます。

摘芯のしかた

摘芯は、ピンチとも呼ばれ茎の先端をカットすることで分岐を促す作業です。分岐した茎の根元に小さなわき芽があれば確実に茎を増やすことができますので、そういった部分を選んでカットするようにしましょう。摘芯を行う時は、病気の蔓延を防ぐために清潔なハサミを使うようにしましょう。

切り戻し:樹形を整え花数をふやす

 日ごろのお手入れの2つ目の方法として、切り戻しをご紹介します。摘芯が春頃に先端部分をメインでカットするのに対して、切り戻しは大きくなり過ぎた茎をばっさりと切ることによってひょろひょろと不格好に伸びることを防いでくれるのです。

6月頃に行うとよい

切り戻しの作業は6月ごろに行うようにしましょう。この頃になると、苗によっては徒長してしまうものもあるのでそういった部分を選んでカットしていきましょう。切り戻しを行うことで、秋に花を咲かせるタイミングになった時に風などで倒れないしっかりとした苗を形成することができます。

切り戻しのしかた

切り戻しは、オミナエシ全体の苗を半分~3分の1程度残して茎をばっさりとカットします。草丈が伸びすぎるのを防ぐとともに、全体的な花芽を増やすことができますので積極的に行うようにしましょう。切り戻しもまた、清潔なハサミを使うことをおすすめします。

コンパクトに育てたい場合は小型種の姫女郎花がおすすめ

オミナエシは100cm~150cmほどに成長するのが特徴の植物ですが、小さくコンパクトに育てたい場合は小型種である姫オミナエシをおすすめします。背丈が伸びすぎないので、倒れにくく鉢植えや庭の手前側にも植えることができるのでおすすめの品種ですよ。

オミナエシの冬越しについて

最後にオミナエシの冬越しについて解説していきます。オミナエシは丈夫で、冬の管理もほとんど行う必要がありませんので寒冷地でも地植えすることができるのが大きな魅力です。

オミナエシは耐寒性が強いため霜よけなどはしなくてOK

オミナエシは耐寒性が強いので、特に冬場に霜よけなどをしなくても問題ありません。霜によって土が盛り上がって根が露出してしまった場合などは、用土を補給して安定させるようにしましょう。

落葉性多年草のため冬は地上の葉や茎が枯れる

オミナエシは落葉性のため、冬場に地上部の葉や茎は枯れてしまいます。次の年にちゃんと伸びるのか心配になってしまいますが、オミナエシは多年草なので地上部が枯れたとしても毎年花を咲かせてくれるはずです。

枯れ葉をそのままにするとカビや病害虫の原因に

地上部が枯れたオミナエシは、そのまま放置しておくとカビや病害虫の原因になってしまいます。枯れた部分をいつまでも残しておいてもメリットはないので、秋から冬にかけての時期に地上部が枯れたらすぐにカットして風通しを良くしてあげましょう。

オミナエシ(女郎花)の育て方を紹介!ケア方法からトラブルの対処法までのまとめ

いかがだったでしょうか。オミナエシの基本的な育て方をご紹介させていただきました。オミナエシは植えた環境が合えばどんどんと増えて丈夫に育ってくれる初心者にもおすすめの多年草です。秋の季節の彩りにオミナエシをお庭に植えてみてはいかがでしょうか。 この記事のポイントは以下の通りです。
  • 置き場所は直射日光が当たらない半日ほど日が当たるような場所
  • 水やりは地植えの場合は不要、鉢植えは土の表面が乾いたら行う
  • 用土は排水性と保水性が良いものを選ぶ
  • 肥料はほとんど与えなくても良い
  • 成長したオミナエシの育て方は、定期的な植え替えや摘芯や切り戻しが必要
  • オミナエシはアブラムシやハダニがつきやすいので見つけたら薬剤を散布する
  • 増やし方は株分けや種まき、苗の植え付けがおすすめ
  • オミナエシは耐寒性があるので、地上部が枯れたら取り除きそのまま冬越しさせる
オミナエシは比較的、丈夫な植物で多年草なので環境が合えば毎年花を咲かせてくれるのが大きな魅力の植物です。秋の七草のひとつでもあるので、季節感があふれるオミナエシをぜひガーデニングに取り入れてみてはいかがでしょうか。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。