目次
冬から春にかけて可愛らしい花を咲かせるデイジー。ガーデニングの定番として人気高い植物です。 デイジーを育ててみたいと考えている方の中には、「そもそも育て方が分からない…」「デイジーの育て方のポイントは?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 そこで、本記事では、
- デイジーの特徴
- デイジーの植え付け方法
- デイジーの育て方のポイント
- デイジーの植え替えについて
- デイジーの増やし方
- デイジーの開花後のケア
- デイジーによくあるトラブル
- デイジーの寄せ植えについて
- デイジーの夏越し・冬越し
- デイジーの人気品種
デイジーってどんな植物なの?
植物の特徴を知ることは、正しい育て方のヒントになります。よって、デイジー(デージー)の育て方について見る前に、デイジーがどんな植物なのか確認しておきましょう。デイジーの基本情報
まずデイジー(デージー)の基本情報について解説します。西ヨーロッパが原産のキク科ヒナギク属
デイジーは西ヨーロッパを原産地とするキク科ヒナギク属の植物です。背丈は15~40cmほどまで成長します。デイジーには、属名と同じ「ヒナギク(雛菊)」が和名として付けられました。日本では一般的に観賞用として楽しまれるデイジーですが、ヨーロッパでは古くから骨折や傷などに効く薬としても使われていたんだとか。園芸品種が多く存在するのも、デイジーの特徴の1つです。本来は多年草だが、夏の暑さに弱いので日本では一年草とされる
デイジーは本来は多年草の植物です。しかし、耐暑性が低くく、夏の暑さに耐えられないことから、日本では一年草として扱われます。日本で育てる限り、同じ株から毎年開花させることは難しいことを覚えておきましょう。華やかで愛らしい姿が特徴
デイジーといえば、華やかでなんとも愛らしい花姿が印象的ですよね。デイジーの学名「Bellis perennis」のBellisはラテン語で美しいを意味する「Bellus」が由来となっており、デイジーの可憐な花姿を表しています。 デイジーの花色は白・ピンク・赤・斑入りなどさまざまですが、多くのデイジーが黄色い花芯を持ちます。このお日様のような見た目から、「太陽の目」を意味する「Day‘s eye(デイズアイ)」に由来してデイジーと名付けられました。開花時期は12月~5月頃
デイジーの開花時期は冬から春にかけた12月~5月です。デイジーは1つの株から次々と花を咲かせるため、長い間花を楽しめます。一重咲きやポンポン咲きなど、品種によって咲き方が異なるため、好みの種類を選んで育ててみましょう。デイジーの花言葉
デイジー全般の花言葉は「平和」「希望」です。また、デイジーは色別にも花言葉を持つ植物で、白いデイジーには「無邪気」、赤いデイジーには「無意識」、黄色いデイジーには「ありのまま」がそれぞれ付けられています。「平和」
デイジー全般の花言葉の1つ目は「平和」です。温かみのある可愛らしい見た目にぴったりの花言葉ですね。デイジーを育てることで、きっと平和的で穏やかな気持ちになれますよ。「希望」
デイジー全般の花言葉の2つ目は「希望」です。デイジーには日の光を浴びると花を開き、夜や曇りの日などは花を閉じる性質があります。「希望」の花言葉は、日が差すことによって開花するデイジーの様子が由来となって付けられました。デイジーを見ると、前向きな気持ちになれそうですね。白:「無邪気」
白いデイジーの花言葉は「無邪気」です。デイジーに限らず、白い花を持つ植物には、しばしば「無邪気」「無垢」「純粋」といった花言葉が付けられています。愛らしい花を付けるデイジーにぴったりの花言葉です。赤:「無意識」
赤いデイジーの花言葉は「無意識」です。どの色のデイジーも魅力的なことは間違いないのですが、特に赤いデイジーには思わず目を留めてしまうような強い魅力を感じます。意識せずに見惚れてしまう美しさから、「無意識」の花言葉が付けられたのかもしれませんね。黄色:「ありのまま」
黄色いデイジーの花言葉は「ありのまま」です。黄色いデイジーの花からは元気で、ハツラツとした印象を受けます。「ありのまま」の由来は明らかではありませんが、ありのままで十分に魅力的な黄色いデイジーの特徴をよく表していますよね。デイジーの植え付けのしかた
植え付けはデイジーの育て方の中の最初のステップです。元気なデイジーを育てていくために、正しい植え付けのしかたを覚えましょう。苗選びのコツ
デイジーを健康的に、そして花付き良く育てていくためには苗選びが重要です。ここでは、苗を選ぶ際のコツを紹介します。上から見ると土が見えないくらい葉が茂っているものを選ぶ
苗を選ぶときには、葉の茂り方に注目して見てください。上から見たときに土が見えないほど茂っている苗は、根が充実しています。根がよく育っている苗であれば、植えつけた後も順調に成長していってくれるでしょう。ただし、根の成長が良いあまり、根詰まりしてしまっているものは避けた方が良いです。ポットの下をのぞき、根の状態をチェックしてみてください。茎ががっしりして葉の色が鮮やかなものは元気な株
茎ががっしりして、葉色が鮮やかな状態は、栄養がしっかり行き届いていることを意味します。苗選びの際は、こういった元気な苗を選びましょう。葉が変色していたりカビや虫食いがあるものは避ける
葉の変色やカビは、苗にとってダメージになっています。先ほどもお伝えした通り、元気なデイジーを育てるためには健康的な苗を選ぶことが大切です。よって、葉が変色していたり、カビにやられていたりする苗は避けてください。 また、虫食いがある苗も好ましくありません。害虫被害を受けている苗には、卵が産み付けられている可能性があります。その場合、苗が成長するとともに再び害虫にやられてしまいます。よって、苗選びの際は虫食いがないかもよく確認しましょう。苗の植え付けは9月~11月頃が適期
苗の植え付けは9月~11月頃に行うのがベストです。前述の通り、デイジーは12月~5月に開花時期を迎えますが、本格的に冬になってしまう前にある程度根付かせておくことで、寒さの中でも株が十分に育ってくれます。植え付けが遅れると冬越しできない可能性もあるため、注意しましょう。植え付けの方法
ここからは、実際の植え付け方法を見ていきましょう。苗をポットから優しく取り出す
まず苗をポットから優しく取り出します。このとき、根を傷めないように注意してください。根がダメージを受けると、その後の成長が悪くなる可能性があります。くれぐれも丁寧に扱いましょう。根が回りすぎている苗は根鉢を少し崩してから植える
デイジーは生育旺盛な性質があるため、すでに根が回りすぎてしまっていることがあります。この場合は、根鉢を軽く崩してあげると、根の張りが良くなりますよ。根鉢の大きさに合わせた植え穴に苗を入れ、根と土の隙間を埋める
根鉢の大きさに合わせた穴を掘り、苗を植え付けます。このとき、根と土の隙間が空かないように、しっかりと土を入れ込みましょう。土の上から優しく手で押し、水を与える
土を入れ込んだら、土の上から優しく手で押さえます。その後は、たっぷりと水やりしてください。冬に乾燥する場所では株元をマルチングするとよい
冬場の乾燥が気になる場合は、マルチングしておくと良いでしょう。マルチングとは藁・落ち葉・腐葉土・ピートモスなどでを株もとを覆うことを指します。マルチングを行うことで株元が加湿されるため、乾燥で枯れてしまう心配がありません。15㎝~20㎝間隔で植える
苗を植えるときは、15~20cm間隔で植えてください。植え付けの間隔が狭いと、葉が茂ってきたときに株元が覆われてしまい、蒸れによって枯れてしまうことがあります。また、開花したときも、株が密集しすぎていると見栄えが良くありません。適度に間隔を空けることが大切です。鉢植えの場合は6号鉢に1株が目安
鉢植えの場合は、6号鉢に1株を目安に苗を植え付けましょう。6号鉢とは直径18cmの植木鉢を指します。鉢植えにする際も、無理に多くの苗を植え付けないよう注意してくださいね。デイジーの育て方のポイント①:栽培場所
デイジーの育て方のポイント1つ目は栽培環境です。デイジーの性質に合った場所で管理しないと、花付きは悪くなってしまいます。ここでは、適切な栽培場所を確認してみましょう。風を避けて日当たりのよい場所に置くとよい
デイジーは日光を好む植物です。元気な株に育てるには、1日5時間ほど直射日光を浴びれるようなような日当たりの良い場所で管理しましょう。ただし、あまり風が当たらないように注意してください。 耐寒性は強いものの、冬の冷たい風を受けすぎると株を傷んでしまいます。デイジーは冬から春にかけて栽培する植物なので、寒さにやられないように気をつけましょう。日光不足になると茎が徒長し、花がつきにくくなる
日光を好む植物であるデイジーは、日照不足になると茎が徒長してしまいます。徒長とは、茎がひょろひょろに間延びしてしまうことです。徒長によって株が弱弱しくなってしまうと、花数は少なくなってしまいます。十分に日光に当てるよう意識しましょう。霜が当たる場所は避ける
前述の冬の風同様、霜も株を傷める原因になります。耐寒性があるデイジーは基本的に屋外で育成できますが、霜には耐えられません。どうしても霜が降りてしまう場所にしか植えられない場合は、マルチングで防寒するのがおすすめです。デイジーの育て方のポイント②:水やり
デイジーの育て方のポイント2つ目は水やりです。水やりは地植えと鉢植えで異なります。正しい水やりのしかたを覚えましょう。デイジーは水切れを起こしやすいので注意
デイジーには水切れを起こしやすい性質があります。水切れによって株が萎れてしまうと回復が困難になるため、くれぐれも水切れが起きないように注意しましょう。土が乾いていたら鉢底から溢れるくらい水を与える
鉢植えの場合は、土が乾いたら鉢底から溢れるくらいたっぷりと水を与えます。鉢植えのデイジーは地植えよりも水切れしやすいため気を付けなければなりません。回数を重ねていくうちに、徐々に水やりのタイミングが掴めるはずです。タイミングを見極めるためには、日頃からデイジーをよく観察するようにしましょう。地植えは基本的に水やりの必要はなし
地植えの場合は、基本的に水やりは不要です。土中の水分や雨水で十分育ってくれますよ。冬の水やりは霜が降りないよう午前中に行う
冬の間の水やりは午前中に行いましょう。もし午後に水やりをすると、気温が下がる夜までに土が乾かず、霜が降りてしまいます。前述の通り、霜は株が傷む原因の1つです。必ず午前中のうちに水やりを済ませ、土が湿った状態で夜を迎えないようにしてください。デイジーの育て方のポイント③:土
デイジーの育て方のポイント3つ目は栽培に使用する土です。栽培環境や水やり同様、土の質によってデイジーの成長は左右されます。デイジーの育成にはどんな土が必要なのか見てみましょう。水はけと水もち、通気性のよい土壌を好む
デイジーを育てる際は、「水はけの良さ」「水持ちの良さ」「通気性の良さ」の3つを備えている土を使用することが重要です。デイジーは多湿環境を嫌うため、株が蒸れないような土を選びます。しかし、先ほどのお伝えした通り、水切れを起こしやすい性質もあるため、保水性も欠かせません。3つの条件をもとに、土づくりおよび土選びをしましょう。地植えの場合
地植えの場合は、植え付け前の土づくりが大切になります。植え付け1~2週間前に腐葉土や堆肥などを十分に加えてよく耕す
植え付ける1~2週間前に、土壌改良の役割がある腐葉土や堆肥を加えて土をよく耕しておきます。1~2週間前に行うのは、土壌改善に時間を要すためです。腐葉土や堆肥は植えつけ直前に使用するものではないことを覚えておきましょう。緩効性化成肥料と苦土石灰も混ぜ込む
植えつけ時には、緩効性の化成肥料と苦土石灰を土に混ぜ込みます。苦土石灰とは、土の酸性度を調整するための石灰資材で、苦土石灰を使えば酸性から弱酸性への調整が可能です。デイジーは酸性土を嫌うため、苦土石灰をしっかり混ぜておくと良いですよ。鉢植えの場合
鉢植えの場合、地植えのように土づくりをしなくてもデイジー栽培をスタートできます。市販の草花用の培養土で育てられる
基本的には、市販の草花用の培養土で十分に育てられます。園芸用品店やホームセンターなどで手軽に手に入るため、園芸初心者の方は市販のものを使うのがおすすめです。赤玉土(小粒)5:腐葉土4:牛ふん堆肥1の配合土でも
市販のもの以外に、自分で配合した土を使うことも可能です。「赤玉土(小粒)5:腐葉土4:牛ふん堆肥1」の割合で配合してみましょう。自作する場合は緩効性化成肥料を混ぜ込む
土を自作する場合は、元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。植え付け時からゆっくり長く効いて、生育や花付きを良くしてくれますよ。デイジーの育て方のポイント④:肥料
デイジーの育て方のポイント4つ目は肥料です。デイジーの花付きを良くするためには、肥料で十分に栄養を与えることが必要になります。デイジーの施肥方法について確認してみましょう。デイジーは開花時期に肥料が足りないと花付きが悪くなる
本来次から次へと花を咲かせるデイジーですが、開花時期に栄養不足になると花付きが悪くなります。肥料はいわば植物のご飯です。人間がご飯を食べないと力が出なくなってしまうように、植物も肥料が足りなければ開花のために力を発揮できません。よって、適切な施肥が重要なのです。植え付け時に元肥として緩効性肥料を用土に混ぜ込む
前述でも説明した通り、地植えおよび自作の土を使用した鉢植えの場合には、植え付け時に元肥として緩効性肥料を土に混ぜ込んでおきます。生育初期から栄養分を十分に含む土で育てることで、元気に成長していってくれますよ。肥料が含まれている市販の培養土には元肥は必要ない
市販の培養土にはすでに栄養分が含まれているため、元肥は不要です。購入してそのまま使えるので、手間がかかりません。初めてデイジーを育てる方は、ぜひ市販の培養土から始めてみてください。花が付き始めたら1週間に1度を目安に液肥を与える
花が付き始めたら、より多くの花を咲かせるために追肥として液体肥料を与えます。頻度の目安は1週間に1度です。肥料を与えすぎると生育をサポートするどころか、枯らす原因になってしまうため、使用する肥料の規定を必ず守るようにしましょう。花付きをよくするには窒素分でなくリン酸分が多いものを
花付きを良くするには、リン酸分が多い肥料を選びます。肥料には「窒素」「リン酸」「カリウム」の3つの成分が含まれており、何に効果を発揮するかは成分ごとで異なります。3つのうち、花付きを良くする効果があるのはリン酸です。窒素は茎や葉の生育をサポートする成分なので、デイジーにはリン酸分が多く含まれている肥料を使用しましょう。【成長したらすること】デイジーの植え替えについて
一般的に、植物が大きく成長した際には、植え替えを行うことでより良い生育環境を整えてあげます。植え替えも植物の育て方の大事なポイントの1つです。ここでは、デイジーにの植え替えについて解説します。
日本の気候では一年草扱いのため植え替えの必要はない
前述の通り、日本ではデイジーを一年草として扱います。夏になり花が咲き終わると、株は枯れてしまうため、基本的に植え替えは不要です。根詰まりを起こしたときは一回り大きな鉢に植え替える
根詰まりしている場合は植え替えが必要です。生育旺盛なデイジーは、鉢植えで育てていると根詰まりを起こすことがあります。根詰まりすると成長が緩まったり、花付きが悪くなったりしてしまいます。また、根詰まりが原因で根腐れが起きると、最悪の場合枯れてしまうことも。「鉢底から根が飛び出ている」「水の吸い上げが悪くなった」などが根詰まりのサインです。これらサインに気付いたら、一回り大きな鉢に植え替えましょう。栽培場所を変えたいときに植え替えることも可能
「栽培場所を変えたいな」といった際にも植え替え可能です。もし思ったよりも日当たりが悪かったり、冷たい風があたってしまったりする場合には、より良い場所に植え替えてあげましょう。デイジーは根が張りやすいため植え替えに強い
デイジーは根が張りやすいため、植え替えても元気に育っていってくれます。必要なときは、思い切って植え替えてみてください。デイジーの増やし方
デイジーは開花後の種を活用していくことで、どんどん株を増やしていけますよ。ここでは、デイジーの増やし方として、種の採取・種まき・仮植それぞれについて解説します。種の採取
デイジーを増やすためには、まず種を採取する必要があります。デイジーの種は花が終わった後につくられる
デイジーの種は、花が咲き終わった後に作られます。花を十分に楽しんだ後、種の採取に取り掛かりましょう。花がら摘みをせずに枯れるまで待ち、花茎から摘み取る
タネを採取するためには、開花後花がら摘みをせずに枯れるまで待ちます。枯れたのを確認したら、花茎から摘み取ってください。種を採ったら乾燥させて紙袋などに入れ、冷暗所で保管する
花から種を採取したら、1度乾燥させます。十分に乾燥させた後は、種まき時期まで紙袋などに入れて冷暗所で保管しましょう。種まきのしかた
適期を迎えたら、保管していた種を取り出して、いよいよ種まきを行います。種まきの適期は秋頃だが、早咲き品種は8月中旬にまく
デイジーは20℃前後で発芽するため、一般的には秋頃が種まきの適期です。しかし、多種多様な品種の中には、早咲きのデイジーもあります。早咲き品種の場合は8月中旬に種まきを行いましょう。浅めの鉢に種をまき、土は被せないかかなり薄めに覆土する
種は浅めの鉢にまきます。デイジーの種まきの1番のポイントは、土の被せ方です。デイジーの種はサイズが小さい上、発芽には太陽光が必要になります。つまり、土を被せすぎてしまうと、発芽してくれないのです。種の上には土を被せない、もしくは薄めに覆土することを意識しましょう。水は受け皿に入れ、底から吸わせる
通常、植物の水やりは上から行いますが、種まき後のデイジーは受け皿に水を入れて、底から吸わせます。理由は、上から水をかけてしまうと、種が流されてしまう恐れがあるためです。せっかくまいた種を無駄にしないように、「水やりは底から」と覚えておきましょう。3~4日で発芽し、1週間ほどで双葉が展開したら明るい場所に移す
デイジーは、種まきから3~4日で発芽します。1週間ほどして双葉が展開してきたら、明るい場所に移動させましょう。このとき、徐々に日光に慣らしていくことが重要です。密になっているところは間引いて徒長を防ぐ
芽が密に生えているところは、適度に間引いてください。「間引くなんてもったいない」と思われるかもしれませんが、芽が多すぎると1つひとつに十分に栄養が行き渡らず、徒長してしまう恐れがあります。より元気に成長しているものを残して、芽と芽の間隔が空くように間引いてしまいましょう。仮植のしかた
種まきして発芽した苗は、1度仮植を経て大きな鉢や花壇に植えます。仮植をすることで、根の張りがより良くなり、元気な株に育てられますよ。種まき後、本葉が2,3枚出たら仮植する
種まきから発芽した苗から、本葉が2~3枚出たら仮植をします。本葉が出るまでの期間は、種まきから約1ヶ月です。赤玉土5:ピートモス2:腐葉土2:くん炭1の配合土などを用意する
仮植には育苗に向いた用土を用意します。「赤玉土5:ピートモス2:腐葉土2:くん炭1」の割合で土を配合して、育苗用土をつくりましょう。育苗箱などに用土を入れ、2~3㎝ほどの間隔で植える
仮植には育苗箱などを使います。育苗箱に用土を入れて、2~3cmほどの間隔で苗を植えてください。苗を植える際は竹串やピンセットなどを使うと良いですよ。小苗の葉が触れ合う大きさになったらポットに移す
苗の葉同士が触れ合うほど成長したら、苗を1つひとつ6~8cmのポットに移します。ポットでさらに育苗しましょう。2週間に1度ほどを目安に液肥を与えるとよい
ポットに移した後は、2週間に1度くらいの頻度で液体肥料を当てると、苗が健やかに育っていってくれますよ。デイジーの開花後のケア方法
前述の通り、デイジーは1度花が咲いて終わりではありません。長い開花時期の中で、花を次から次へと咲かせていきます。多くの花を楽しむためには、開花後にしっかりケアすることが大切です。ここでは、開花後のデイジーのケア方法について解説します。花がら摘み
デイジーの開花後は、花がら摘みをしましょう。花がら摘みとは、開花し切った花を摘んで取り除くことを指します。花が傷んできたら花茎の根元からカットする
花が傷んできたら、花がら摘みのタイミングです。花がら摘みは花茎の根元からカットしましょう。放置していると種つくりに次の花を咲かせるエネルギーが取られてしまう
咲き終わった花を摘まずに放置していると、株のエネルギーはタネをつくることに使われてしまいます。すると、次の開花には十分なエネルギーが行き届かなくなり、結果的に花付きが悪くなってしまうのです。多くの花を楽しむために、枯れた花はすぐに摘んでしまいましょう。花茎ごと切り落とすことで、株が蒸れるのを防ぐ
花茎ごと切り落とすことによって通気性が良くなり、蒸れるのを防げます。蒸れは株が枯れる原因になるため、株をダメにしないためにも花がら摘みは欠かせません。落ちた花びらや傷んだ葉も定期的に取り除き、株のまわりを清潔に保つ
花がら摘みに加えて、土の上に落ちた花びらや傷んだ葉の除去も定期的に行いましょう。落ちたものをそのままにしていると、病害虫が発生する可能性があります。株のまわりは常に清潔に保つようにしてください。切り戻し
花がら摘み同様、切り戻しは長い期間花を楽しみたい場合に必須となる作業です。切り戻しのタイミング:花がある程度咲き終わったら、株全体を切り戻す
切り戻しは、全体的に花がある程度咲き終わったタイミングで行います。このとき、茎の根元から株全体を大胆にカットすることが大切です。切り戻しの時期:4月頃
切り戻しは4月頃に行います。ちょうど開花時期が終わる頃と覚えておくと良いでしょう。茎をカットすることで、株全体がすっきりして通気性が良くなる
大胆に切り戻すことで、株全体がすっきりします。また、風の通りも良くなるため、株が蒸れるのを防げますよ。切り戻し後も水やりを続ける
切り戻し後も株は生きているため、水やりを続けましょう。水やりを続けることで、再び花が楽しめるかもしれませんよ。切り戻しを行うと脇芽が伸び、再び開花することも
切り戻しを行うと、カットした茎から脇芽が伸びてきて、再び開花することがあります。だからこそ、切り戻しとその後の水やりが必要なのです。開花期を過ぎて暑くなり、デイジーが弱ったら早めに抜き取る
デイジーの開花時期の終わりである5月を過ぎて、暑い日が続くようになると、デイジーの株はだんだんと弱ってきます。そうなったら、株を抜き取ってしまいましょう。枯れた株をそのままにしておくと病害虫の温床となり、次に植える草花にとって悪影響になります。弱った株は早めに抜き取ってくださいね。デイジーによくあるトラブル
デイジーに限らず、植物の育成にはトラブルがつきものです。ここでは、デイジーによくあるトラブルとその対処法について見てみましょう。病気
デイジーを育成する上で気を付けてほしいことの1つは病気です。菌核病
デイジーがかかりがちな病気が「菌核病」です。菌核病はカビが原因で発生します。茎に茶褐色の斑が現れたり、茎が柔らかくなるのが、菌核病の初期症状です。病気が進行すると、最後には米粒大の黒い菌核ができます。茎の枝分かれ部分に発生しやすいのが、菌核病の特徴です。菌核病に似た病気に「灰色かび病」があります。菌核病が茎に発生する一方、灰色かび病は葉・花・果実に症状が見られるため、症状が現れる部分によって見分けましょう。対処法:病株を見つけたら抜き取って処分する
菌核病にかかってしまった株は抜き取って処分してしまいましょう。その後、土を消毒したり、同じ場所でのデイジーの栽培(連作)を避けたりして、再発を防止してください。害虫
デイジーに起こりがちなトラブルには、害虫による被害もあります。アブラムシ
デイジーにはアブラムシが寄ってきます。アブラムシは新芽・茎・葉の裏側について吸汁して株を弱らせてしまう厄介な害虫です。繁殖力が非常に高いため、見つけ次第すぐに駆除してください。特に3月~5月はアブラムシが発生しやすいため要注意です。対処法:専用の浸透移行性の害虫用薬剤を使用して駆除する
アブラムシには、専用の浸透移行性の害虫用薬剤を使用します。浸透移行性の害虫用薬剤とは、根元の土や葉の上にまくだけで害虫が駆除できる薬剤です。先ほどもお伝えした通り、アブラムシはみるみるうちに増えていくため、数が少ないからといって見過ごさず、適切に対処しましょう。
デイジーは寄せ植えがおすすめ
デイジーは単体で植えてももちろん可愛らしいですが、寄せ植えで楽しむのもおすすめです。ここでは、デイジーの寄せ植えのコツや相性の良い花を紹介します。コンパニオンプランツとしても優秀
デイジーはコンパニオンプランツとして優秀な植物です。コンパニオンプラントとは「共栄作物」「共存作物」とも呼ばれ、別の植物と一緒に植えることで周りの植物に良い影響を与える植物のことを指します。デイジーなどのキク科の植物は、強い香りで害虫を寄せ付けづらい特徴があり、周りの植物も害虫被害から守ってくれます。同じ時期に開花し、同じ環境で育つ花を選ぶと管理がしやすい
寄せ植えをする際は、同じ時期に開花し、同じ環境で育つ花を選ぶと管理がしやすくなります。もし異なる性質や開花時期の植物を一緒に植えても、どちらか片方が時期や環境に適応できずに枯れてしまいます。特に初めて寄せ植えに挑戦する方は、開花時期と生育環境がデイジーと同じ花を選びましょう。寄せ植えにおすすめの花
ここからは、寄せ植えにおすすめの花を5つ紹介します。ビオラ・パンジー:草丈や開花時期が同じくらいで合わせやすい
ビオラやパンジーは、いずれもスミレ科スミレ属の植物です。ビオラの方が若干小ぶりなため、好みで選んでみてください。ビオラやパンジーは品種改良が盛んに行われているおり、花色が豊富なのが特徴です。背丈はデイジーと同じくらいなため、寄せ植えをするとまとまりのある見た目になりますよ。アネモネ:デイジーとコントラストをつけやすい
アネモネはふわふわっと風に揺れる姿が美しい植物です。アネモネの花は2月~5月に開花します。赤・ピンク・青・紫など、パキッとした色の花が多いため、デイジーとコントラストがつくりやすく、おしゃれな寄せ植えに。品種によって一重咲きや八重咲きなど咲き方が異なります。それぞれの咲き方に違った魅力があるため、花選びから楽しんでみてください。チューリップ:高低差を出した寄せ植えを作れる
チューリップは3~5月に開花する春の代表的な植物ですよね。1度開花すると1~2週間は咲き続けるため寄せ植えに向いています。背丈はデイジーよりもやや大きい10~70cm。デイジーと一緒に植えれば高低差がついてこなれた印象になります。花色が豊富なことに加えて、咲き方も品種によってさまざまなので、ぜひ自分好みの寄せ植えをつくってみましょう。キンセンカ:デイジーと開花時期が同じくらいで育てやすい
キンセンカはデイジーと同じく12月~5月に開花します。丈夫で育てやすいため、寄せ植えにしても手軽に管理できます。黄色やオレンジ色の花が主流なため、同じ色のデイジーを寄せ植えにしたり、あえて異なる色を並べたりと楽しみ方はさまざまです。また、キンセンカは品種によって背丈が異なります。小ぶりにまとめたいのか、ボリュームを出したいのかで選ぶと良いでしょう。ムスカリ:引き立て役として活躍し、春の寄せ植えに人気
ムスカリは房状に花をつける個性的な植物です。背丈が10~30cmで控えめな見た目のムスカリは、寄せ植えの引き立て役として活躍してくれますよ。ムスカリといえば、紫の花をイメージするかもしれませんが、品種によっては白・ピンク・黄などさまざまな色の花を咲かせます。春の寄せ植えに人気のムスカリとデイジーの組み合わせを楽しんでみてください。デイジーを手前または周囲に植えるとバランスがよく収まる
寄せ植えの際は、デイジーを手前または周囲に植えるとバランス良くまとまります。また、同じ背丈のもの集めるのか、大きなものとの組み合わせるのかによっても配置は異なるため、苗を仮置きしながら植える場所を決めてみてください。デイジーの夏越し・冬越しについて
ここからは、デイジーの夏越しと冬越しについて解説します。デイジーは冬から春にかけて花を咲かせるため、特に冬越しに方法はよく覚えておくと良いでしょう。夏越し
まずはデイジーの夏越しについて見てましょう。デイジーは多年草だが、夏越しできないことがほとんど
前述の通り、デイジーは本来多年草の植物ですが、日本では一年草として扱われます。そのため、夏越しできないことがほとんどです。一般的には、夏には株を抜き取り、シーズンごとに新しい苗を植えて楽しみます。適した環境であれば夏越しすることも可能
適した環境さえあれば、夏越しさせることも可能です。気になる方は、以下で紹介する方法で1度挑戦してみると良いでしょう。半分くらいの高さに切り戻しすると風通しがよくなり、暑さを乗り越えやすい
夏越しさせるときは、半分くらいの高さに切り戻ししておきます。切り戻すことで、通気性が良くなり、耐暑性が低いデイジーでも夏を乗り越えやすくなりますよ。鉢植えにして風通しのよく明るく涼しい室内へ移す
屋外での夏越しは困難なため、地植えしているデイジーも1度鉢植えにして、室内に移動させます。このとき、風通しの良い明るい場所に置くようにしましょう。常に涼しい環境で管理することが、デイジーの夏越しのポイントです。秋になり、気温が下がってきたら、屋外に移しても大丈夫です。冬越し
デイジーの花を楽しむためには、冬越しが欠かせません。冬越しで気を付けたいポイントを覚えておきましょう。暖地なら地植えのまま越冬することが可能
耐寒性が高いデイジーは、暖地であれば地植えのまま越冬できます。ただし、寒冷地では鉢植えにして室内で管理した方が安心です。株元にワラや落ち葉などを敷くマルチングを行う
霜が降りてしまう場合は、マルチングで防寒しましょう。株もとにワラや落ち葉を敷いて、霜が降りないようにしてください。ビニールや不織布をかぶせて霜よけ・保温をする
寒冷地では霜よけと保温のために、デイジーにビニールや不織布を被せてみてください。耐寒性が高いとはいえ、霜が降りるほどの寒さにあたると株が傷んでしまいます。鉢植えは北風の当たらない日向に置き、霜が降りるときや雪の日は軒下へ
鉢植えの場合は、北風の当たらない日向で管理しましょう。霜が降りてしまうときや雪の日などは軒下に移動させるのがおすすめです。とにかく株が冷えすぎてしまわないように気を付けてください。デイジーの品種
ここでは、デイジーの中でも特に人気が高い品種を5つ紹介します。ぜひデイジー選びの参考にしてみてください。ブルーデイジー:青い花を咲かせる
ブルーデイジーは細い花茎を複数伸ばし、きれいな青い花を咲かせる品種です。デイジーと同じくキク科の植物ではありますが、デイジーはキク科ヒナギク属、ブルーデイジーはキク科フェリシア属と分類が異なります。ブルーデイジーにはF・アモエナ(Felicia amoena)とF・アメロイデス(F. amelloides)の2種類があり、どちらも背丈が低いのが特徴です。鮮やかな青色が寄せ植えの際のアクセントにもなりますよ。ユリオプスデイジー:黄色い花を咲かせる
ユリオプスデイジーはマーガレットのような黄色い花を咲かせます。キク科ユリオプス属なのでブルーデイジー同様、デイジーとは別種です。また、ユリオプスデイジーは背丈が90~100cmと大きめで、ユリオプス属の常緑低木に分類されます。葉や茎に細毛が生えており、全体が灰白色に見えることから、花のない時期でもカラーリーフプランツとして楽しめますよ。チロリアンデイジー:丸い形の大輪の花を咲かせる
イタリアの国花であるチロリアンデイジーは、デイジーと同じくキク科ヒナギク属の植物です。丸くてふわっとしたポンポン咲きの花を咲かせます。また、花径約5cmの大輪の花を咲かせるのも、チロリアンデイジーの特徴です。小輪の品種よりもやや耐寒性が低く、水切れも起こしやすいため、管理には注意が必要になります。存在感があるので、花壇の中でもひと際映えるでしょう。ポンポネットデイジー:名前の通りの球状のボリューミーな花
ポンポネットデイジーは、古くから「ヒナギク」の名で親しまれる品種です。その名の通り、ポンポンのような球状の花を付けます。花径は約3cmとボリュームがあり、花びらが筒のようになっているのが特徴です。花色は赤・白・ピンクなどがあり、コロコロした見た目と相まって、愛らしい印象があります。イングリッシュデイジー:小さくかわいらしい白い花
イングリッシュデイジーは、約2cmの花を咲かせる原種のデイジーです。花色は白ですが、たまに赤紫やピンクが混じることもあります。イギリスなどでは雑草として扱われるほど強い繁殖力を持ちます。繁殖力の強さはこぼれ種でも発芽するほどです。丈夫なため、園芸初心者の方でも安心して育てられますよ。デイジー(デージー)育て方!種まきや植え付けの時期を徹底解説のまとめ
デイジーの育て方について解説してきました。本記事の内容を改めて以下にまとめています。- 植え付け時には葉が茂った元気な苗を選ぶ
- デイジーの育て方のポイント①「栽培場所」:日当たりの良い場所を選び、霜は避ける
- デイジーの育て方のポイント②「水やり」:鉢植えは水切れを起こさないように注意して水やりするが、地植えには水やりが不要
- デイジーの育て方のポイント③「土」:「水はけの良さ」「水持ちの良さ」「通気性の良さ」を兼ね備えた土を使用する
- デイジーの育て方のポイント④「肥料」:花付きを良くするために、元肥・追肥を行う
- 一年草のデイジーは植え替え不要
- デイジーはタネを活用して株を増やせる
- 開花後は花がら摘み・切り戻しを行う
- 「菌核病」「アブラムシ」の被害に注意する
- デイジーは寄せ植えするのもおすすめ
- 夏越しはほとんど難しいが、冬越しさせるためには丁寧に管理する