アイリスの育て方を紹介!球根選びや植え付けのコツからケア方法まで

アイリスの育て方を紹介!球根選びや植え付けのコツからケア方法まで
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目次

アイリスは4月~5月に花を咲かせる春の花です。日本ではちょうど端午の節句の頃から咲き始めるので季節の花としても有名ですね。暑さや寒さにも強いため育てやすく、初心者にもおすすめの植物ですよ。しかし育て方となると、水やりや置き場所、日当たりなどどうすればよいのか分からないなんてことも。 そこでこの記事では、
  • アイリスの基本情報と花言葉
  • 植え付けのコツ
  • 育て方のポイント①栽培場所
  • 育て方のポイント②水やり
  • 育て方のポイント③土
  • 育て方のポイント④肥料
  • 植え替えと増やし方
  • 開花後のお手入れ
  • 病害虫のケア
について詳しく解説していきます。 記事の後半ではアイリスの種類についてもまとめましたので、理解を深めて素敵なアイリスを育ててみましょう。

アイリスってどんな植物なの?

剣のように尖った葉と豪華な色とりどりのアイリスは世界に約170種あるといわれています。園芸品種としても昔から愛好されてきた花で、フランスの国花となっているほど。「アイリスは私の病を軽くなるよう導いてくれる指揮者」と画家ゴッホは言うくらい、アイリスシリーズを描いているんですよ。まずはアイリスの特徴と基本情報をご紹介します。

アイリスの基本情報

アイリスは耐寒性と耐暑性に優れ、ある程度の日当たりであれば元気に育つ植物です。地下に球茎を作る特徴があり、球根植物として扱われる多年草です。アイリスの仲間の何種かは日本にも自生しています。すらりと伸びた茎に花をつける姿が美しく、鮮やかな色の花を咲かせます。青色、オレンジ色、紫色、黄色、白色など様々な色の花があるので、好みの色があるという方も多いのではないでしょうか。

アヤメ科アヤメ属の花

先ほどもお伝えしたように、学名にもなっているアイリスとはアヤメ科アヤメ属の花の総称です。草丈は60cm〜90cmほどで高さがあります。日当たりが良く水はけの良い場所を好み、主に北半球に多く自生していますよ。 ハナショウブ、ダッチアイリス、ジャーマンアイリスなど様々な品種が存在しています。1本の茎の先端に4片の花を咲かせる姿が美しいため、歌や絵画に登場してきました。近年は育種が進んで、下の弁が垂れずに横へ大きく広がり、フリルやフリンジが入った品種も多く育てられています。

さまざまな色彩の花がある

日本ではアヤメやハナショウブ、カキツバタが有名で、目の覚めるような青色や淡い白色、ピンクが知られています。しかし、ジャーマンアイリスやダッチアイリスの品種には驚くほど多彩な色彩の花が多く、虹の花(レインボーフラワー)と呼ばれているんですよ。色彩だけではなく、ドレスをまとったような優雅な花の姿が個性的で香りも豊かです。

アイリスの花言葉

そんなアイリスの花言葉はとてもたくさんあります。アイリスという名前は、ギリシア神話の女神イリスにちなんで名づけられました。イリスは虹を渡って神々のいる天上と地上を行き来する使者だったことから、色彩豊かな花に彼女の名前をつけたそうですよ。花言葉もイリスにちなんだものが多くあります。ひとつずつ花言葉についてご紹介しますので、ぜひプレゼントやシーンに合わせて使ってみましょう。

「希望」

女神イリスは虹を渡って天井と地上を行き来すると言われていることから、空にかかる虹のような花色のアイリスには「希望」という花言葉がつけられました。虹を見るとなんだかいいことがありそうな気がしますよね。

「信じる心」

信じる心」という花言葉も女神イリスに由来する花言葉です。女神イリスが天井と地上を行き来するのは人々にメッセージを伝えるため。神々からの良いメッセージを信じてまっすぐに祈る姿が、アイリスのまっすぐ伸びる葉や花穂に似ているからと言われています。

「恋のメッセージ」

恋のメッセージ」も前述の2つと同様アイリス全般につけられた花言葉です。イリスはとても美しい女性の姿だと言われています。色んな使者として仕事をしましたが特に恋の言葉を伝えた逸話が多いため、恋のメッセージという花言葉がつけられました。絹のような柔らかい花弁に様々な彩りをのせるアイリスにぴったりの言葉ですね。

「吉報」

みなさんは虹と聞いて連想するのはなんでしょうか? 家族として過ごした犬や猫が虹の橋を渡るというお話も英語の詩がはじまりで、天国のすぐ手前に虹の橋があるというフレーズがあります。天国はいいところ、つまり虹はいい知らせを運ぶと連想されて、「吉報」という花言葉がつけられました

「知恵」

アイリスの全般的な花言葉として、「知恵」という言葉がつけられていますが、これはイリスの行動に由来すると言われています。イリスは主人であるヘラの夫ゼウスから何度も求愛されましたが、これを断り、主人への忠誠と信頼を取ったため知恵のある者、良識ある者として知られています。自然と植物のアイリスにも知恵という花言葉がつきました。

白:「あなたを大切にします」「純粋」「思いやり」

ポジティブな花言葉が多いアイリスには、花の色ごとにも花言葉がついていますよ。白いアイリスには、「あなたを大切にします」「純粋」「思いやり」といった意味が込められているので、大切にしたいパートナー、特別な人へのプレゼントにもぴったりの花言葉です。

青:「強い希望」「大きな志」「信念」

アイリスは青い花をよく見かけますね。青いアイリスには、「強い希望」「大きな志」「信念」といった意味があります。目標に向かって頑張っている友人や知人へ、応援の気持ちを込めてプレゼントするのも素敵ですよ。

紫:「知恵」「雄弁」

アイリスの花の色でよくあるのが青とそして紫色の花です。アヤメやハナショウブを思い浮かべるのではないでしょうか。先ほどイリスが知恵のある者、とご紹介しましたが、特に紫色に「知恵」「雄弁」といった言葉がついています。落ち着いた色合いですので尊敬する人や、上司への贈りものにも良さそうですね。

黄色いアイリスは「復讐」という花言葉があるため注意!

もう一つアイリスには花言葉があります。それは黄色いアイリス。ポジティブな花言葉に溢れたアイリスですが、黄色いアイリスにだけ「復讐」という花言葉がついているんですよ。 イエローアイリスだけが持つ独特な花言葉で、イエローアイリスがあるのは黄菖蒲(キショウブ)だけです。イエローアイリスだけは贈る時に避けて下さいね。

アイリスの植え付けのしかた

さてそれでは実際にアイリスの育て方について、解説していきます。まずはアイリスの植え付け。地植え、鉢植えどちらでも、大切なのは球根選びのコツと植え付けの時期と植え方です。このトピックではそれぞれ詳しくご紹介しますので、ぜひ購入の参考になさってくださいね。

球根選びのコツ

まずは球根選びのコツから見ていきましょう。大きく伸びていくアイリスは、球根が悪いと育たなかったり病気になったりとお悩みの原因になりますよ。オンラインショップではその心配はあまりありませんが、ホームセンターや園芸店で直接購入する時はよく球根の状態を見てから購入するようにしましょう。

植え付け時期の春や秋に流通しやすい

球根植物であるチューリップやクロッカスなどと同じように、アイリスの球根も植え付け時期の春や秋によく流通しています。これは、開花後に分球した球根を掘り上げてすぐに販売するか、十分に乾燥させてから販売するためです。アイリスは水はけのよい土を好みますので、植え付ける時期も梅雨や冬を避けて植えるといいですよ。

カビや虫食い、傷のあるものは避ける

まず、見た目を確認しましょう。球根全体をよく見て、カビが生えていたり、虫食いがあるものは避けてください。植え付けても腐ってしまうか、虫に球根を食べられてしまうかなので注意しましょう。同様に傷があるものもカビ被害の原因になるため避けてくださいね。

手で持つとずっしり重く、ぶよぶよしていないものがよい

見た目を確認したら、次は手にのせて重さや柔らかさを確認しましょうずっしりと重いもの、そして表面がぶよぶよしていないものがいい球根です。分球時に十分に成長していれば翌春に開花する際もたくさん花穂があがりますし、ぶよぶよしておらず固ければしっかり乾燥して、細菌やカビの浸食もないということ。ぜひ手に持って球根を確認してくださいね。

植え付けの適期は2月~3月頃か9月~11月頃

先ほど少しお話したように、植え付けの適期は早春の2月~3月頃か、秋の9月~11月になります。真夏の暑い時期と梅雨時の湿気が多い時期を避けてください。アイリスは基本的に高温多湿の環境に弱いので、地植え、鉢植えの両方で乾きやすい場所に浅く植えるのがポイントです。

秋植えのほうが大きな花を咲かせやすい

春と秋の年2回植え付けの適期がありますが、秋植えの方が根が張りやすく大きな花を咲かせやすいと言われています。春の植え付けから開花時期まで期間が短いため、咲いても小さい花や数輪のようです。秋植えは翌春の開花時期まで根を張る期間が長いので、寒冷地では霜が降る前に植え付けるといいでしょう。

地植え

球根選びのコツ、植え付け適期と確認したところで、次は植え付ける栽培場所です。日当たりと水はけの良いことがとても大切なアイリス。地植えにするのであれば、高台や傾斜地、盛り土した場所などがおすすめです。高台や傾斜地は、雨がたくさん降っても水はけがよく、木の陰になることも少ないのでぜひ参考にしてみましょう。

20㎝~30㎝ほどの畝をつくるとよい

もし傾斜地などがなくても、盛り土をするといいですよ。20㎝~30㎝ほどの畝をつくり、そこへ球根を浅く植え付けてください。ジャーマンアイリスは芽を上向きに根茎が見えるくらい浅い方がうまく根付きます。ミニアイリスとしてよく知られるレティキュラータは深さ5㎝でよいので、気軽に楽しめると思います。

深さ10㎝~15㎝くらいを目安に15㎝ほどの間隔で植え付ける

ジャーマンアイリスやレティキュラータ以外の一般的なアイリスを地植えにする場合は、土が流れて減ることも換算して深さ10㎝~15㎝くらいを目安に植え付けてください。また根張りをよくするために、球根ごとの感覚を15㎝程度あけるといいでしょう。それぞれの球根から十分に根が張り、開花後の分球も心配なく進みますよ。

鉢植え

今度は鉢植えにする場合の植え付け方法です。鉢植えで育てる場合も基本は同じ。ただし深めの鉢を準備したり、定期的に植え替えをする必要があります。また植えられるスペースにも限りがあるため、どのように植え付けたらよいのかわからず断念する人も。 鉢植えに植え付けする場合のポイントをまとめました。

根が良く伸びるため深めの鉢を用意する

まずは深めの鉢を用意しましょう。鉢の素材は通気性のよいものを選ぶといいですよ。テラコッタ鉢や陶器鉢がおすすめです。まずは7号鉢へ植え付けてみて、来期植え替えする時にボリュームを出したいのであれば一回り大きな鉢を準備し、そのままのボリュームがいい時は株分けして、サイズ感を整えておきましょう。

鉢底石を用意して水はけをよくする

鉢植えには鉢底石が必須ですが、アイリスでも同じです。鉢底石の大切な役割は水はけをよくすること。乾燥した状態を好むアイリスにも欠かせません。鉢底石を鉢のそこへ敷き詰め、その上へ園芸用培養土などを入れるといいですよ。

深さ5cm程度を目安に10㎝間隔で植え付ける

鉢植えにする場合は、地植えよりもさらに浅く植え付けると覚えてくださいね。これは、土が流れ出る心配がないことと、多湿な環境になりにくい状態を作るためです。深さは5㎝程度、球根同士の間隔は10㎝くらいで植え付ければきれいな花が咲きますよ。

球根の植え方

実は球根には全て向きがあります。チューリップやヒヤシンスなどは尖った部分を上にして植えるのですが、球根アイリス以外のジャーマンアイリスやハナショウブなどは、平たいしょうがのような形をしていて、どこが上なのか分かりにくいんです。 それでも、よく見ればわかりやすい上下の目印があります。植え方に関するポイントをまとめました。

芽がついている部分を上に向け、球根の上半分が土から出るようにする

球根の上下の目印は、芽がついている部分です。小さな角のような芽が上へ向かうように球根を植え付けましょう。そして浅植えがポイント。品種によって深さに違いがありますが、だいたい5㎝~15㎝の深さで球根の上半分が土から出るように植え付けてください。

芽の伸びる方向に十分なスペースを空ける

球根から根が十分に張ってくると芽が伸び始めます。その際に芽が伸びる方向に十分なスペースを空けておくと、葉や花穂が密集せず風通しがよくなります。アイリスは高温多湿が苦手です。病害虫の予防にもなりますので、がある方向にこぶし一つ分ほどのスペースを空けて植え付けましょう

ダッチアイリスの場合は球根を10㎝ほどの深さに植え付ける

さきほどジャーマンアイリスやミニアイリスについてお伝えしたように、ダッチアイリスにも適度な深さがありますよ。ダッチアイリスは、オランダで品種改良されたアイリスです。葉や花片が細めでシャープな見た目が特徴です。繊細な印象の通り、草丈50㎝ほどになりますので球根を10㎝ほどの深さに植え付けるといいでしょう

アイリスの育て方のポイント①:栽培場所

アイリスの基本的な育て方を、ひとつずつ具体的にご紹介していきます。まずは、栽培場所について。球根のトピックでも説明したように、日当たりが良く乾燥しすぎない場所を好みます。地植えでは高台や傾斜地、盛り土の場所が望ましいです。しかし鉢植えのアイリスもまた美しいんですよ。土の配合や管理方法などもくわしく見ていきましょう

 日当たりが良く乾燥しすぎない場所を好む

アイリスは酸性の土を嫌い、水はけのよい土を好みます。特に地植えの場合は、土が酸性に傾きがちですので苦土石灰をまぜておきましょう。また日当たりについても大切です。例えば午前か午後のどちらかに日光が十分に当たる場所で、土がじめじめしていない場所がいいですよ。

地植えの場合:日当たりと風通しのよい、水のたまらない場所

地植えの場合は日当たりと風通しのよい、水のたまらない場所が栽培場所としておすすめです。特にハナショウブやカキツバタと混同して、じめじめした場所へ植え付けてしまうとアイリスは腐ってしまいます。高温多湿が苦手な植物ですので、地植えにする時は水はけのよさには気をつけて植え付けるようにしてくださいね。

鉢植えの場合:長雨の場合は鉢を軒下に移動させる

鉢植えの場合はどうなるの? と心配しますよね。鉢植えは毎年植え替えの管理が必要なものの、栽培場所を移動できる点が一番のメリットです。季節に合わせて日当たりや風通しの良さを求めてベランダや軒先、梅雨の長雨を避けて鉢を軒下へ移動することができますよ。

アイリスの育て方のポイント②:水やり

基本の育て方で大切なもの、水やりについて解説していきます。乾燥を好む植物とはいえ、全く水やりをしなくていいという訳ではありません。地植え、鉢植えの場合についてくわしくなっていきましょう。

加湿を嫌うため水やりのしすぎに注意する

アイリスはじめじめした加湿の環境がとても苦手です。球根が腐ってしまいますし、葉や花もじめじめした環境が続くと害虫やカビの繁殖につながり、注意が必要です。地植え、鉢植えで共通しているのは、乾燥気味に育て土の表面が乾いたら水やりをすることです

地植えの場合:真夏の乾燥する時期以外の水やりは不要

地植えの場合、水やりはとても簡単です。植え付け時に水やりをたっぷり与えて、真夏の乾燥する時期以外は水やり不要と覚えてください。真夏の7月、8月は雨量が減って用土が乾いた時は、ホースやジョウロなどで水やりをするようにしましょう。

鉢植えの場合

鉢植えの場合も地植えと同様に基本は乾燥気味に育てます。ですが、地植えに比べて乾燥しやすく、水切れが置きやすい環境でもあります。水やりの頻度や水分量、気をつける点などをまとめました

土の表面が乾いたらたっぷりと

鉢植えでアイリスを育てる場合、基本的に土の表面が乾いたらたっぷりと水やりするといいでしょう。葉や花穂が伸びる春は生育も旺盛なので、朝や夕方に水やりをしてください。

蕾が付き始める春はしっかり水を与え、その他の時期は乾燥気味にする

特に蕾が付き始める春は生育旺盛です。日に日に葉や花穂が伸びていきますので、しっかり水を与えて水切れが起きないようにしてくださいね。開花時期が過ぎると、見た目はそれほど変化しませんが分球が盛んになってきます。よい球根になるよう、乾燥気味に育てるといいでしょう。

冬の水切れに注意する

アイリスは冬は地上部が枯れたようになって休眠します。10月以降になったら、水やりは極力控えますが、完全に水切れしてしまうと枯れてしまうので注意が必要です。品種により冬越し方法は異なりますので、それぞれの育て方に従ってくださいね。

アイリスの育て方のポイント③:土

それでは育て方のポイント、土についてご紹介します。水やりが分かってきたら、どんな土がいいのか、配合する場合はどう割合で混ぜればいいのか気になってきますね。

土は水はけのよいものが適している

何度かお伝えしたように土は水はけのよいものが適しています。赤玉土や鹿沼土が水はけもよく、また保水力もあるため配合する場合は混ぜ込むといいでしょう。それ以外にもホームセンターで売られている園芸用の培養土でも構いませんよ。初心者の方は、まず市販の土を購入してみてはいかがでしょうか。

地植え

地植えでの上手な育て方として土は重要です。ですが、市販の土でも元気に育ちますから迷った時は市販の園芸用培養土を購入し、土へ梳きこんでください。

植え付け1カ月前に苦土石灰を加えて耕す

植え付ける前に苦土石灰を加えて土の酸性度を中和しておくと、よく根付きます。加える時期は植え付ける1か月前が目安。早春に植え付けるなら1月頃、秋なら8月頃に苦土石灰を加えてよく耕しておきましょう

腐葉土を混ぜると水はけ・通気性がよくなる

地植えであまり水はけがよくなさそうな土壌の場合、おすすめなのが腐葉土を梳きこむこと。腐葉土は水はけがよく、土中の通気性も高くなりますので、通気性の悪い粘土状の土であればぜひ梳きこんで馴染ませておいてください

鉢植え

鉢植えで育てる場合はもっと簡単です。置き場所さえよければ、カビや害虫の心配もぐっと減りますし、何より地植えよりも土の量が少ないので管理がとても楽ですよ。水はけのために鉢底石を入れるのも忘れずに。

市販の園芸用土で育てられる

アイリスは、市販の園芸用土でじゅうぶん健康に育てられます。園芸用土として有機肥料や腐葉土、赤玉土などがちょうどよく配合された状態で売られていますので、迷った場合は市販の土を購入しましょう。

自作するなら赤玉土5:鹿沼土3:腐葉土2の配合土などがおすすめ

もし自分で一から土を配合するという方は、アイリスに適した割合でブレンドするといいですよ。品種ごとに適した環境も少しずつ違いますが、目安の配合割合は例を参考にしてみてください。 例) 赤玉土5:鹿沼土3:腐葉土2

アイリスの育て方のポイント④:肥料

アイリスの基本的な育て方の最後のポイント、肥料について解説していきます。肥料の種類や与える時期、量について確認していきましょう。

植え付け時に元肥として緩効性肥料を少量与える

元肥とは、植え付ける時に必要な肥料のことです。元肥を与えれば、無い時よりも生育が盛んで、なにより花つきがよく健康な株に育てられますよ。固形の緩効性肥料を少量与えるといいでしょう。

生育期中に数回追肥する

生育中は数回追肥をしてください。与える期間は春から初夏まで、液体肥料を月1回ほど与えます。ただし、肥料の与えすぎは根焼けの危険があるので注意が必要です。肥料はあまりやりすぎないように気をつけましょう。

夏場は肥料を与えない

夏場に肥料を与えないのは、根茎が腐るのを防ぐため。特に梅雨から梅雨明けにかけて高温多湿のカビやすい状態が続きますから、夏場は乾燥気味に管理して肥料も与えないようにしてください。

肥料の与えすぎは病気の原因となるので注意

夏場に肥料を与えないことと関連して、肥料を与えすぎて起きるのが根焼けと病気です。根焼けは肥料を与えすぎて、根が吸水できなくなってしまうことを指します。また土中の栄養分が多すぎると、今度は軟腐病と言って根茎が腐ってしまう病気にかかりますので注意が必要です。

【成長したらすること】アイリスの植え替えについて

さてここまで基本の育て方についてまとめてきましたが、いかがでしょうか。健康にアイリスが育つと、次に気になるのは成長した、大きくなり過ぎた時の管理方法。アイリスは主に球根で増えてゆく植物なので、植え替えは大切な管理になってきますよ。

植え替えのタイミング

植え替えのタイミングは地植えと鉢植えで異なります。適した季節は暑い時期を避けた開花直後か、秋の9月~10月頃。地植えであれば2~3年に1回、鉢植えであれば毎年行う必要があります。理由は使い続けた土に栄養がなくなり、水はけが悪くなるからです。そして分球して密集してしまうと、花つきも悪くなってしまいます。

地植えの場合は2~3年に1回

地植えの場合は、自然と空いたスペースに分球していきますので2~3年に1回の目安で植え替えしていきましょう。群生しているようにわざと初めから密植する人もいるくらい、アイリスが咲きそろう姿はきれいです。

鉢植えの場合は毎年

鉢植えの場合は毎年植え替えするようにしてください。使い続けた土は栄養が減り、団粒化して水はけが悪くなってしまいます。団粒化した土は根が酸素や水分を吸収しにくくなりますので、毎年行いましょう

植え替えの時期:花が終わった後

植え替えの時期は、夏場を避けることが大切です。花が終わった後の5月~6月が管理もしやすくおすすめですよ。開花後は分球して新しい株が出来ている時期になりますので、株分けを兼ねて行うといいでしょう。

必要に応じて株分けも同時に行う

株分けして病気になったらこわくてできませんという悩みをたまに見かけます。しかしそこまで心配せずとも大丈夫です。アイリスは育てやすい植物ですから、株分けする時もあまり神経質にならずに挑戦してください。

植え替えの際にも元肥として緩効性肥料を施す

植え替えの時も、植え付け時と同様に元肥として緩効性肥料を施して下さい。緩効性肥料は効果が長続きするものの、やはり土と同じように劣化し効果が薄まってきます。新しい用土と元肥を一緒にして植え替えしてくださいね。

アイリスの増やし方

成長したらアイリスを増やすこともできますよ。増やし方は、分球株分けの2つ。植え替えと合わせてすると株への影響も少ないです。 用意するもの
  • 新しい用土
  • スコップ
  • 園芸用の大きなハサミ
  • 軍手か手袋
それではそれぞれの増やし方について確認していきましょう。

分球

分球とは、親株にできた子株を外して別々に植え付ける方法です。
  1. 開花後の花柄を摘み、株を掘り上げる
  2. 土を落とし、親株から子株を手で外す
  3. 葉が出ている場合は傷んだ部分をハサミで切り落とす
  4. それぞれの株を10㎝くらい間隔を空けて植え付ける
子株がついたままですと、土中で根や株が混雑して生育が悪くなります。特にジャーマンアイリスは分球が盛んですので、植え替えと一緒に行うといいですよ。

球根を取り出し、球根の塊を分割して植え直す

球根を取り出すと大きな塊の周囲に小さな塊がくっついています。それが子株です。手で簡単にポキッと外れますから、軍手や園芸用手袋をつけて手で外してみましょう。

親球根についた小さい球根を取り外してから植えると花が良く咲く

親球根についた小さい球根を取り外してから植えると、それぞれの球根で根が良く張り、さらに生育がよくなりますよ。花を長く楽しむためにぜひ分球を挑戦してみてくださいね。

株分け

次に株分けについて説明します。株分けはアイリスの中でも根茎で広がるジャーマンアイリスに多い増やし方です。
  1. 開花後の花柄を摘み、株を掘り上げる
  2. 土を外し、根茎のくびれた部分を折る
  3. ハサミで葉と根を短く切り詰める
  4. それぞれの根茎を10㎝くらい間隔をあけて植え付ける
根茎をハサミで切ることもできますが、手で思い切って折った方がきれいに分けられます。

植え替えと同時期に行う

株分けは植え替えと同時期に行ってください。何度も掘り起こしてしまうと株にダメージがありますよ。株分けと植え付けしたあとは、明るい日陰の風通しの良い場所で様子を見てくださいね。新芽が出てきたら成功です。

根茎のくびれた部分を折って分ける

根茎は大きくなると、しょうがのようにくびれてきます。株分けする株は2~3個小さな塊がついているものにしましょう。根茎のくびれた部分を手で折るのが難しい時は園芸用のハサミで切っても問題ありませんよ。

葉は半分ほどに切り詰めてから横に寝かせて浅めに植える

株分けした根茎から伸びている葉がある場合は、葉を半分の長さへ切り詰めます。株の体力を温存しておき、根がじゅうぶんに張るのを待ちましょう。また、植え付ける向きは横へ寝かせて、浅めに植えてくださいね。

根は10cmほどを目安に残す

株分けした根茎についている白い根は、ハサミで傷んでいる部分や黒くなっている部分を切り落とします。全体的にも根茎から10㎝ほど根を残しておくといいですよ。ハサミは消毒用アルコールなどで殺菌しておくと、病気にもなりにくくなります。

アイリスの開花後のお手入れ方法

アイリスのお手入れでもう一つ大切なことがあります。開花後の花がら摘みと枯れ葉取りです。しぼんだ花や枯れ葉を摘めば見た目がよくなり、さらに病気の予防にもなりますのでぜひ行うようにしましょう。

花がら摘み

花がら摘みはしぼんだ花を取り除くことですよ。アイリスは花のサイズが大きいので、しぼんでしまった花は見た目が悪いばかりか、溶けて病気になってしまったりします。それほど大変ではない作業ですから、マメにするようにしましょう。

花が咲き終わったらしぼんだ花がらを取り除く

花がら摘みは文字通り、咲き終わった花を摘んでいくことです。花穂には2~3つほど花が咲きますので、次の花がきれいに咲くためにも咲き終わった花は摘んでおきましょう。手で摘んでもいいですし、園芸ハサミで切り取ってもいいですよ。

一番花が終わった後は花首から切り取っておくと二番花が出やすい

花穂の一番上から花が咲いていきます。しかしそのままにしておくと、種を実らせるため二番花が咲かないこともあります。花の時期を長く楽しむためにも、一番花が咲き終わったら花首から切り取っておきましょう

枯れ葉取り

枯れ葉取りも大切なお手入れです。アイリスの葉は先から黄色く枯れてきますので、そのままにせずぜひ取り除いておきましょう。

枯れ葉を放置すると通気性が悪くなり、腐る危険性も

特に春先と梅雨前は、株元をすっきりとさせて根茎が見えるくらいにしておきます。枯れ葉を放置しておくと、通気性が悪くなりそこから腐る可能性もありますよ。見かけたら取り除くようにしてください。

軽い力で引き抜けるものだけ取り除き、無理に引きちぎらない

取り除き方は簡単です。軽い力で引き抜きます。花の咲かない小さな芽や込み合っているところは、余分な芽を間引くように取り除いておきます。この時無理に引きちぎらないように注意してくださいね。

アイリスによくあるトラブル

基本の育て方と成長したあとの管理について、理解をふかめてきましたがいかがでしょう。このトピックでは、アイリスによくあるトラブルについてまとめました。

病気

アイリスのトラブルでよくあるのが病気です。原因は多湿によるもの。病気になってしまった時の対処法と予防法について確認していきましょう。

軟腐病

葉がとろけるように腐ってきた、腐った部分から異臭がするなどの症状が現れたときは軟腐病です。悪臭がしますので発見しやすいと思います。放置しておくと、株元まで症状が進んで腐り落ちてしまうため、見つけたらすぐに取り除いてくださいね。

予防法:植え付け場所の水はけをよくする

軟腐病は、水はけをよくすることで予防できます。アイリスは乾燥気味の環境を好みますので、水はけが悪い場合は赤玉土や鹿沼土を梳きこむか、盛り土へ植え替えするなどして軟腐病にかかりにくい環境に整えてください。

害虫

アイリスのよくあるトラブルで、害虫の被害があります。特に春先の4月~6月へかけてアブラムシが繁殖し、葉や花が根こそぎやられてしまったなんてことも。害虫被害に合わないよう対処法についてみていきましょう。

アブラムシ

アブラムシは茶色や緑色の小さな虫で、一度植物につくと集団で植物を弱らせてしまいます。アリと共生していますので、もしアイリスの葉や花にアリの姿を見たらアブラムシがいるかもしれないと疑ってみましょう

対処法:防除効果のある薬剤を散布する

普段から防除効果のある薬剤を散布して予防します。その他にも見つけたら手や古い歯ブラシで取り除くか殺虫剤で駆除してください。

アイリスの種類

最後に数あるアイリスの品種についてご紹介します。アイリスは、世界中で愛好家が多く初心者も取り入れやすい植物です。フリルやフリンジのきれいなものもあるので、ぜひ好みの品種を見つけてくださいね。

ジャーマンアイリス:色彩や品種が豊富で、何年か植えっぱなしで育てられる

アイリスの中で有名なのはジャーマンアイリスです。オレンジや白など色彩や品種が豊富で、数年植えっぱなしでも健康に育ちます。大輪の花は育種が進み、フリンジやフリルが豊かなものもあります。草丈はアイリスの中でも大きく、40㎝~60㎝ほどになります。

ダッチアイリス:ジャーマンアイリスより葉が細く花が小さめ

ダッチアイリスは、オランダアヤメとも呼ばれ、ジャーマンアイリスよりも葉が細く花が小さめで、少し遅めに咲き始めます。花姿もシャープな印象のものが多いので、繊細な印象を楽しみたい方へおすすめですよ。

レティキュラータ:ミニアイリスの一種で青紫の丈夫な花を咲かす

ミニアイリスとして人気があるレティキュラータは、草丈が20㎝~30㎝ほどで青紫の花がきれいな品種です。鉢植えとして楽しんだり、バラやクレマチスの近くへ植えて風景を作りこんだりとバリエーション豊かに楽しむことができます。

アイリスの育て方を紹介!球根選びや植え付けのコツからケア方法までのまとめ

アイリスの育て方について解説してきましたがいかがですか。アイリスは乾燥気味に育てていれば、毎年美しい色とりどりの花を咲かせてくれる植物です。育て方や病害虫の管理についても、難しくはありませんから取り入れてみましょう。 この記事のポイントは
  • アイリスはアヤメ科アヤメ属の植物の総称
  • 花言葉は、希望や知恵、恋のメッセージなど花の色ごとについている
  • 日当たりが良く水はけのよい場所を好む
  • 水やりは土が乾いてからたっぷりと
  • 乾燥気味に管理し、夏場の多湿な環境は避ける
  • 植え付け、植え替え時に元肥として緩効性肥料をまぜる
  • 鉢植えは毎年、地植えは2~3年に1回の頻度で植え替えする
  • 開花後はしぼんだ花がら摘みと枯れ葉取りをする
  • 軟腐病になったらすぐに取り除く
  • アブラムシは防除効果のある薬剤を散布したり、殺虫剤で駆除する
ぜひ、この記事を参考にアイリス自分で育てるだけでなく、切花やアレンジでプレゼントしましょう。贈る場合は、花言葉を使ったメッセージカードを添えれば喜ばれるでしょう。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENにはほかにもたくさんの記事を用意しておりますので、ぜひご覧ください。