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生活にお花を取り入れる人が増えている現在、手軽に長く楽しめる「プリザーブドフラワー」や「ブリザードフラワー」と呼ばれるものに興味がある方も多いかと思います。
自宅のインテリアやギフトとしても人気の高いお花ですが、「正式名称がわからない」「造花なの?」「無料で手作りできる?」といった疑問を持っている方も多いことでしょう。
当記事ではそんな疑問を持つ方に向けて、下記の内容についてご紹介します!
- プリザーブドフラワー?ブリザードフラワー?正式名称は?
- 保存期間や製造方法
- メリット・デメリット
- 長持ちさせる方法
- 自宅で手作りする方法
プリザーブドフラワーとブリザードフラワーの違いって?
プリザーブドフラワーとブリザードフラワーの違いについて知りたい方のために、その違いと意味について解説します。ブリザードフラワーではなく正式名称は「プリザーブドフラワー」
馴染みのない言葉のため、よく誤解されていますが、「プリザーブドフラワー」が正式名称です。ブリザードフラワーの他にもプリザードフラワーやブリザーブドフラワーなどと言い間違えられることもあります。ブリザードフラワーだけに冷凍加工されたものだと勘違いする人が多い
ネットで「ブリザードフラワー」と間違えて検索をかけても、「プリザーブドフラワー」が出てきます。それだけ多い間違いなのですが、ブリザードフラワーだと勘違いしている人の中には「生花を凍らせて長期保存を可能にしたお花だ」と思い、プレゼントできるのか疑問に思ってしまう人もいることでしょう。 実際のプリザーブドフラワーは凍らせた生花のような保存の難しいものではないため、多くの場合プレゼントすると喜ばれるお花です。間違えた名称やイメージで敬遠するにはもったいないですよ。プリザーブドフラワーとは
プリザーブドフラワーの正式名称がわかったところで、プリザーブドフラワーの保存期間や製造方法などをさらに詳しく紹介します。プリザーブドフラワーとは日本語で「保存された花」という意味
プリザーブドフラワーとは日本語に訳すと「保存された花」という意味です。プリザーブドフラワーのPreservedは「保存された」という意味で、長期保存ができるお花というイメージのままの名前です。生花を特殊加工し、様々な色色づけ、長期保存を可能にしたもの
プリザーブドフラワーは生花を長く楽しめるように保存加工をしたものです。自然に美しくお花が開いた時に色素を抜き、特殊な染料を吸わせます。この加工がプリザーブド加工です。 染料を吸い上げる力を残すために、7割ほど咲いた段階で加工を施すこともあります。染料を吸わせるため、プリザーブドフラワーなら自然界にはない色合いのお花を作ることも可能です。鮮やかでみずみずしく、お花本来の質感の長期保存を可能にしたプリザーブドフラワーはプレゼントやインテリアに人気です。保存期間は約1〜2年ほど
日本でのプリザーブドフラワーの保存期間は約1〜2年ほどです。プリザーブドフラワーの発祥地であるヨーロッパでは、綺麗なプリザーブドフラワーを10年ほど楽しめます。 ただし多湿の国である日本では、保存状態が悪いと半年ほどで、色あせやひび割れを起こしてしまうこともあります。反対に保存状態を厳しく管理できれば、5年ほど美しいプリザーブドフラワーを楽しむことも可能です。 しかし厳しい管理を一般家庭ですることは難しいため、日本でインテリアとして楽しむ場合には1〜2年ほどが寿命と考えておくと良いでしょう。プリザーブドフラワーのメリット
プリザーブドフラワーがどういったお花かわかったところで、プリザーブドフラワーを選ぶメリットについて紹介します。生花やドライフラワーとはまた違ったメリットがありますので、お花を選ぶ際の参考にしてください。① 生花の様な見た目を長期間楽しめる
一般的な生花は約1〜2週間、暑さの厳しい夏には1週間以内にダメになってしまいます。その点、プリザーブドフラワーは生花を元に作っているにも関わらず、1〜2年ほどその美しさを楽しめます。 では生花を乾燥させて長期保存を可能にしたドライフラワーはどうでしょう。ドライフラワーの寿命は、保存状態や種類によって変わりますが2〜3ヶ月程度です。長いもので1年ほどと言われていますので、保存期間はプリザーブドフラワーの方が長持ちします。 さらにプリザーブドフラワーは花粉を飛ばしません。日本人には花粉症を持つ方も多いので、プレゼントした相手が花粉症だったらどうしよう、という心配が不要な点は嬉しいですよね。② 保存方法やお手入れが楽
プリザーブドフラワーは生花に比べて、保存方法やお手入れが簡単です。生花は水の取り替えが必要ですが、プリザーブドフラワーには必要ありません。ただ部屋に飾っているだけでも、生花よりずっと長持ちします。 しかしプリザーブドフラワーを美しい状態で長く保つためには、保存方法や手入れの工夫が必要です。基本的には置く場所に気をつける程度のことで、難しいことはありません。こちらは後から詳しく紹介します。③ いろいろなアレンジができる
生花やドライフラワーにはないアレンジメントが豊富であることも、プリザーブドフラワーの魅力です。プリザーブドフラワーは水やりが必要ないからこそ、花瓶に囚われず、さまざまなフレームに飾ることができます。 またアレンジメントの中には香りも含まれます。本来のお花の香りにはない香水のような香りをつけることも可能です。 他にも額縁に敷き詰めたフラワーフレームアートやケーキに見立てたケーキモチーフなど、記念日や誕生日などのプレゼントに適したアレンジも多くあります。プリザーブドフラワーのデメリット
プリザーブドフラワーを自宅用・プレゼント用で購入した後、思いも寄らないデメリットがあってしまってはいけません。購入後に困らないように、デメリットも合わせて確認しましょう。① 値段が高い
プリザーブドフラワーは生花を特殊な染料で長く楽しめるように加工したものです。生花を1本1本加工するため、どうしても生花より値段が高くなってしまいます。 長く残したい特別なお花や気に入ったアレンジのお花が欲しい場合には、プリザーブドフラワーが適しています。しかし予算を決めて花束が欲しい場合は、生花とプリザーブドフラワーだと生花の花束の方が豪華なものを用意できます。② 花の種類が少ない
プリザーブドフラワーは特殊な染料に染めて加工する手法をとっているため、お花の種類によっては加工できないものもあります。日本でプリザーブドフラワーを探すとその8割以上がバラの花を使用しており、「欲しいお花があるが見つからない」ということも起こります。 一方でバラの花のプリザーブドフラワーの種類は多いです。赤やピンク、オレンジ、白などの生花でもよく見かける色から、黒やブルー、紫などの珍しい色も取り扱いがあります。組み合わせ次第で豊かな色合いを楽しめますよ。 またサイズも豊富で、お花の直径が1cmのものから大輪では10cm程度のものまであるようです。形も一見するとバラの花に見えないようなものもあるため、単調になるのではないか、という心配は必要ありません。③ 色あせや、色移りをしてしまう
プリザーブドフラワーは特殊な加工で鮮やかでみずみずしい状態を保っています。年月が経つと元の鮮やかな色ではなく、少しくすんだような色になり、保存状態によっては染料が滲み出て別の花や箱に色移りをすることもあります。 原因の多くは経年劣化によるものや、メーカーの加工技術によるものです。また湿気が原因で色あせする場合もあるため、乾燥した部屋に置いたり、乾燥剤を近くに置くことで改善されるケースもあります。 他にも濃い色は色あせしにくいという特徴があります。長く楽しめるプリザーブドフラワーが欲しい場合は、赤や黒といった濃い色を選ぶのも一つの手です。プリザーブドフラワーを長持ちさせるために気をつけること
せっかく長期間咲き続けてくれるプリザーブドフラワーを購入するのなら、できるだけ長持ちさせたいですよね。一般的なプリザーブドフラワーの寿命は1〜2年ほどですが、飾る環境を工夫することでさらに長持ちさせることが可能ですよ。① 高温多湿を避ける
プリザーブドフラワーの大敵は温度と湿気です。高温多湿の環境に置くと、液だれや変色などを起こします。しかし、温度・湿度が低ければ良いというものでもなく、あまりに乾燥した環境はひび割れを招きます。 プリザーブドフラワーを置く環境の温度は18度〜25度、湿度は20%〜50%の間に収まるように調整し、花弁の様子を観察して環境を変えてあげるようにしましょう。②直射日光や強いライトを避ける
直射日光や強いライトも乾燥や色あせの原因になります。リビングに飾る際は窓際を避け、強いライトを使っている場合にはライトの真下も避けるようにしましょう。 南向きの部屋は日当たりがよく、室温も上がりやすいため、可能であれば北向きの部屋に置く方がプリザーブドフラワーは長持ちします。他にも廊下や棚の隙間といった日の光やライトが強く当たらない場所を探して飾りましょう。プリザーブドフラワーは手作りできる?
プリザーブドフラワーは特殊な染料で加工して作られています。一見自宅でそのような加工をすることは難しく見えますが、昨今自宅でもプリザードフラワーを作れるようなキットや加工液が販売されています。 またキットを購入しなくても、手軽にプリザーブドフラワーを作る方法があります。今回はキットを用意せずに、手軽に購入できるものでプリザーブドフラワーを作る方法や用意するものをご紹介します。すでに別の趣味などで自宅に材料が全て揃っている方なら、無料でプリザーブドフラワーを作ることも可能ですよ。ドラッグストアや100均で買える材料で手作りでできる
プリザーブドフラワーはドラッグストアや100均で買える材料で手作りできます。しかしそういったところでは、キットのような「プリザーブドフラワーセット」の用意はありません。必要なものを個別で購入する必要があるため、下記を確認して買い忘れのないようにしましょう。プリザーブドフラワーを作るために必要なもの
ドラッグストアや100均で購入できるもので、プリザーブドフラワーを作る際に必要なものを詳しくご紹介します。花材
プリザーブドフラワーに向いているお花を選ぶことが大切です。花弁が散りやすいものや薄いものは、加工途中に散ってしまったり破れてしまうといったアクシデントに繋がります。 プリザーブドフラワーに向いているお花の特徴は- 花弁が厚い
- 花弁が散りにくい
- 大きすぎないお花
道具
- ハサミ
- ピンセット
- ポリ手袋
- 蓋つきの容器
- アルミホイル
- 新聞紙
- 乾燥材
加工材料
- 消毒用エタノール
- 精製グリセリン
- インク
プリザーブドフラワーを作る手順
それではプリザーブドフラワーの作り方について詳しく解説します。気軽に作れるように短期間で完成できる方法ですので、ぜひ参考にしてみてください。①水切り:茎2〜3cmを残して斜めにカット、水に挿して30分放置
茎に水をつけた状態で、茎を2〜3cmを残して斜めにハサミで切ります。この時できるだけ切れ味の良いハサミを使用することが好ましいです。 切った後は水に挿して30分ほど置きます。この間にお花は水を吸収し、みずみずしく元気な状態になります。この元気な状態で加工に取り掛かることが完成度を上げる秘訣です。②脱水・脱色:エタノールに花材全体をしっかり浸し、1日放置
用意した密閉できる容器にお花と消毒用エタノールを入れます。この時お花がエタノールにしっかり浸かるようにしましょう。 次に容器を軽く振って空気を抜きます。お花が浮いてしまう場合には、アルミホイルを中に入れて全体が浸るようにします。その後蓋をしっかり閉めて、1日置きます。③着色:インクを加えた保存液に、茎を挿し色を吸わせる
精製グリセリンと水を2:1の割合で混ぜ合わせ、そこに好みのインクを数滴加えます。混ぜ合わせた液を電子レンジで人肌程度に温めると浸透力が上がります。温めた後は茎を浸けて、日の当たらないところで1日置きます。④乾燥:乾燥剤を入れた容器に、花材を上向きに入れ2日程おく
1日経ってお花が染まっていれば、乾燥剤を入れた容器に移しましょう。保存液をお花の中心部まで浸透させるために、この時お花は上向きに置くようにしましょう。 その後は2日程おいてゆっくり乾燥させます。この時急いでドライヤーや扇風機などで乾かそうとするとひび割れや欠けの原因になるため、直射日光や風を避けておいてください。プリザーブドフラワー?ブリザードフラワー?違いを徹底解説のまとめ
ここまでブリザードフラワーとの違いや、プリザーブドフラワーについて詳しく解説してきましたが、いかがだったでしょうか?プリザーブドフラワーは水やり不要で、手軽に長くお花を楽しめる加工花です。手作りすることも可能で、ギフトとしてはもちろん趣味としても素敵ですよね。 当記事のポイントは- 正式名称は「プリザーブドフラワー」
- プリザーブドフラワーの保存期間は1〜2年ほど
- プリザーブドフラワーは水やり不要で生花のような見た目を長く楽しめる
- デメリットは価格が高いこと・お花の種類が少ないこと・色あせや色移りをする
- 長持ちさせるためには直射日光や高温多湿を避ける
- プリザーブドフラワーは自宅で手作りできる
- 手作りの際はドラッグストアや100均といった身近なところで材料を揃えられる