目次
- シンビジウムとは
- シンビジウムはほったらかしにできる?
- 花が咲き終わった後のシンビジウムの適切な処理とは
- ほったらかしになっていたシンビジウムを復活させる方法
- シンビジウムの植え替え・株分けの方法
シンビジウムはどんな植物なの?
まずは、シンビジウムという植物について解説します。冬を彩る鉢花として人気のあるシンビジウムですが、どのような特徴を持った植物なのでしょうか。シンビジウムの基本情報
シンビジウム(シンビジューム)はアジアを原産とするラン科シュンラン属の多年草です。草丈は30cmから80cmほどで、冬の時期に気品のある美しい花を咲かせます。開花時期は12月から4月頃までです。また、シンビジウムは洋ランの中でも人気が高く、多くの園芸品種が登録されています。花色は白、ピンク、オレンジ、黄色など品種によってバリエーションが豊富です。花茎を直立からアーチ状に伸ばして花をつける品種が多いですが、最近は花茎を下に垂らして花をつける品種も人気があります。シンビジウムといっても種類が豊富ですから、開花時の花姿を写真で確認してから選ぶのがおすすめです。希少な品種でもブログなどに写真が登録されていることがありますから、ブログなどのウェブ情報も参考になります。耐寒性が高く丈夫な性質
シンビジウムは洋ランの一種ですが、洋ランの中では耐寒性が高く丈夫な性質があります。ただし、洋ランの中では耐寒性が強いとは言ってもシンビジウムが耐えられるのは最低気温が5℃ほどまでですから、気温が下がる冬の時期には暖かい室内に取り込んで管理することが基本です。日当たりがよく風通しの良い環境を好むため、暖かくなったら鉢を屋外に移動して管理するとよいでしょう。シンビジウムは気品あふれる美しい花姿に加えてほったらかしにしてもすぐに枯れることは少ないため、贈答用としても適しています。同じラン科の中で育てやすい植物
耐寒性が高く丈夫な性質をもつシンビジウムは、洋ランの中では育てやすい植物として知られています。気品のある美しい花に加えてその育てやすさから園芸初心者の方にも人気のあるシンビジウムですが、実は翌年以降も毎年花を咲かせるのは簡単ではありません。花が咲かずにシンビジウムの葉ばかりが茂るのはよくあることです。しかし、ちょっとした育て方のコツを押さえれば、シンビジウムの美しい花を毎年咲かせることができます。この記事では、シンビジウムの花を毎年咲かせるためのちょっとした育て方のコツを詳しく解説します。シンビジウムは花が咲いた後ほったらかしでいいの?
ここでは、花が咲いた後のシンビジウムをほったらかしたらどうなるのかを解説します。育てやすくて丈夫なシンビジウムに関して、「花が咲いた後ほったらかしでいいの?」という質問に対して回答していきます。ほったらかしでも育つことはある
シンビジウムは耐寒性が高く丈夫な性質があり育てやすい植物ですから、花が咲いた後にほったらかしにしても育つことはあります。しかし、生育に適した環境に置いて、適切なタイミングで適切な処理を行うことによってシンビジウムは元気に育ちます。生育環境が合っていればほったらかしでも育つことはありますが、生育に悪影響がありますから花が咲いた後にほったらかしにすることは避けましょう。翌年にほったらかしだと花が咲かない可能性もある
シンビジウムの花が咲いた後にほったらかしにすると、翌年に花が咲かない可能性があります。シンビジウムの最大の魅力は気品のある美しい花ですから、花が咲かずに葉ばかりのシンビジウムでは鑑賞価値が大きく下がります。開花済みの鉢花が流通していますから、最初の年はほったらかしでも美しい状態の花を楽しむことができます。しかし、開花済みの状態は最初の年だけですから、翌年以降も毎年花を咲かせるためには花が咲いた後にほったらかしにせず適切なタイミングで適切な処理を行うことが大切です。「花が咲いた後ほったらかしでいいの?」という質問に対する回答は「毎年花を咲かせたいなら、ほったらかしにせず適切な処理が必要」となります。ほったらかしにしない!花が咲き終わった後の処理方法
ここでは、シンビジウムの花が咲き終わった後の処理方法について解説します。花が咲き終わった後にシンビジウムをほったらかしにすると翌年花が咲かないなどのトラブルの原因になりますから、花が咲き終わったらそのまま放置せず適切に処理を行いましょう。ポイントは、- 花茎を根元から切る
- 新芽を一つ残して他の芽は摘む
- 植え替えや株分けを行う
花茎を根元から切る
花がすべて咲き終わってからすぐに行うことは、花茎を根元から切ることです。花が咲き終わった後の花茎をそのまま放置すると栄養を花茎にとられて、新芽が出るのが遅れることがあります。花が咲き終わったらすぐに花茎をカットして新芽に栄養を行き渡らせましょう。また、花期の間には咲き終わった花をこまめに摘み取ることも大切です。咲き終わった後に花をこまめに摘み取るにことによって栄養をとられることがなくなるだけでなく、気品あるシンビジウムの花姿が引き立ちます。新芽を一つ残して他の芽は摘む
シンビジウムの花期は4月頃までですが、花期を過ぎると新芽が出てきます。それぞれの芽に栄養が分散しないように、新芽を一つだけ残して他の芽は摘み取ります。新芽は元気の良いものを選んで残すことがコツです。なお、シンビジウムは7月頃まで新芽が出ますから、6月から7月頃に芽を摘むとよいでしょう。あまり早く芽を摘んでも新しく新芽が出てきて、栄養が分散してしまいます。植え替えや株分けを行う
シンビジウムは生育旺盛な植物ですから、定期的な植え替えが必要です。植え替えを行わずにほったらかしにすると根詰まりを起こします。根詰まりが原因でシンビジウムの花が咲かないことがありますから、2年に1回を目安に定期的に植え替えを行いましょう。購入したばかりのシンビジウムの鉢植えは根が詰まっている状態のことが多いため、花が咲き終わったらすぐに植え替えを行うことがコツです。定期的にひと回り大きい鉢に植え替えることが基本ですが、株が大きく育ったら株分けをして増やすのもおすすめです。初めての方は「株分け」を難しいものと感じるかもしれませんが、実際にやってみると株分けは簡単な作業ですからぜひ株分けにもチャレンジしてみてくださいね。ほったらかしになっていたシンビジウムの育て方
ここでは、ほったらかしになっていたシンビジウムの育て方について解説します。シンビジウムは丈夫な植物ですから、何年も手入れされずにほったらかしになっていたシンビジウムでも諦める必要はありません。ここで解説する育て方を参考にして、ほったらかしになっていたシンビジウムを元気に復活させてみてくださいね。日当たりのいい場所で育てる
シンビジウムは日当たりを好む植物です。日照不足は花が咲かない原因になります。日照不足にならないよう冬の時期は日当たりのいい窓辺で管理し、それ以外の時期は屋外の日当たりのいい場所で育てるとよいでしょう。洋ランの中では耐寒性が強いとはいえ屋外での冬越しは難しい植物ですから、冬の時期は寒くなる前に暖かい室内に取り込む必要があります。なお、直射日光を当てると葉焼けしますから、遮光するなど直射日光は避けます。また、シンビジウムは風通しの悪い環境は苦手ですから、日当たりがよく風通しの良い場所を選びましょう。水をたくさん与える
シンビジウムの花が咲かない原因のひとつが水分の不足ですから、水切れには気をつけましょう。シンビジウムが乾燥しないように、鉢の表面が乾いたら鉢底穴から溢れるまで水をたっぷりと与えることが基本です。夏の間は水をたくさん必要としますから、毎日水やりをします。冬の時期は1週間に1回ほどのペースで水やりをすれば十分ですが、暖房の効いている室内は乾燥しやすいため鉢の状態をこまめに観察して乾燥していたら水を与えましょう。冬の時期は寒い時間帯の水やりは控えて、比較的暖かい午前中のうちに水やりを済ませるのがコツです。肥料を春と秋に与える
シンビジウムの花を咲かせるためには、適切な時期に肥料に与えることが大切です。シンビジウムは暑さにはあまり強くないため、株に負担をかけないように真夏の時期には肥料は控えます。また、冬の時期にも肥料は与えません。花が咲き終わってから夏前まで、そして秋の時期に肥料を与えましょう。秋の時期に肥料を与える際には9月頃までで、10月以降は春になるまで肥料は控えます。育て方のポイント
何年もほったらかしになっていたシンビジウムを復活させるには、- 日当たりのいい場所で育てる
- 水をたくさん与える
- 肥料を春と秋に与える
暑さに弱いため真夏は日陰に置く
日当たりのいい場所を好むシンビジウムですが、暑さにはそれほど強くありません。直射日光を当てると葉焼けなどトラブルの原因になりますから、真夏の時期は直射日光を避けて日陰に置くとよいでしょう。真夏と冬に肥料を与えない
シンビジウムの花を咲かせるためには十分な肥料が必要です。しかし、肥料を与える時期は選ぶ必要がありますから時期に注意します。真夏や冬に肥料を与えると生育に悪影響を与えますから、真夏や冬に肥料を与えるのは避けましょう。秋には肥料を与えることができますが、肥料を与えるのは9月頃まで。10月以降は翌年の春まで肥料は控えましょう。9月に芽かきを行う
シンビジウムの花を美しく咲かせるためには、不要な脇芽を取り除く芽かきを行うことがコツです。9月頃には花芽が出てきますから、一本の茎に1つから3つの花芽を残して残りの花芽や葉芽は切り落としましょう。芽かきでは花芽と葉芽を見分けることが必要になりますが、葉芽に比べて花芽はふっくらとしています。慣れてくれば花芽と葉芽を簡単に見分けることができますが、慣れるまではある程度芽を伸ばしてから見分けるとよいでしょう。シンビジウムの植え替えや株分けのやり方
ここでは、シンビジウムの植え替えや株分けのやり方について解説します。生育旺盛なシンビジウムは定期的な植え替えが必要です。また、株が大きく育った時には株分けして増やすこともできます。シンビジウムは長く育てられる植物ですから、植え替えや株分けの方法を知ってシンビジウムを長く育てましょう。植え替え方法
シンビジウムの株が大きく育って鉢いっぱいになったら、新芽が出るスペースがなくなります。株が鉢いっぱいに育つ前に、2年に1回ほどのペースで定期的にひと回り大きい鉢に植え替えを行うことがおすすめです。植え替えに適した時期は4月から5月にかけてですから、花期が終わってから植え替えを行いましょう。植え替え作業の手順は、- 古い鉢からシンビジウムの株を抜き出す
- ひと回り大きい鉢に土を入れて抜き出した株を植えつける
株分け方法
株が大きく育っている場合には、2株から3株に株分けして増やすことができます。株分けすることによって、小さな鉢で管理することができるメリットもあります。株分けに適した時期は、4月から5月にかけてです。株分け作業の手順は、- 古い鉢からシンビジウムの株を抜き出す
- 土を軽く落としてから、株をハサミで切り分ける
- 腐った根や傷んだ根をカットする
- 新しい鉢に株を植え付ける
まとめ
ここまで、花が咲き終わった後のシンビジウムをほったらかしにせず適切に処理する方法から、ほったらかしになっていたシンビジウムを復活させる方法、植え替え・株分けの方法まで詳しく解説してきましたがいかがだったでしょうか。 この記事のポイントは、- シンビジウム(シンビジューム)はアジアを原産とするラン科シュンラン属の多年草で、冬の時期に気品のある美しい花を咲かせる。耐寒性が高く丈夫な性質をもち、洋ランの中では育てやすい植物として知られている
- シンビジウムは生育環境が合えばほったらかしでも育つことはある。しかし、ほったらかしにすると翌年に花が咲かずに葉だけが茂る可能性がある
- 翌年以降も毎年シンビジウムの美しい花を楽しむためには、花が咲き終わった後そのまま放置せずに適切なタイミングで適切な処理をすることが大切。①花が咲き終わったら花茎を根元からカットする、②6月から7月頃に新芽を一つだけ残して他の芽は摘み取る、③4月から5月頃に植え替えや株分けを行うことが適切な処理のポイント
- ほったらかしになっていたシンビジウムを復活させるには、①日当たりのいい場所で育てる、②水をたくさん与える、③肥料を春と秋に与える、④9月に芽かきをするなどのポイントを押さえて育てるとよい
- シンビジウムが大きく育って株が鉢いっぱいになる前に、2年に1回ほどのペースでひと回り大きい鉢に植え替えを行うとよい。株分けによって増やすこともおすすめ
でした。 シンビジウムの最大の魅力は気品あふれる美しい花ですから、花が咲いた後もほったらかしにせず翌年以降も花を楽しみたいものですね。この記事を参考にして花が咲いた後も適切な処理を行えば、翌年以降も美しいゼラニウムの花を楽しむことができることでしょう。多年草のシンビジウムは何年も花を楽しむことができる鉢花ですから、定期的に植え替えや株分けを行って長くシンビジウムのある暮らしを楽しんでみてください。
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