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皆様はコウモリラン(ビカクシダ)を知っていますか?コウモリラン(ビカクシダ)の葉っぱは、まるでコウモリが羽を広げた姿のように見えることから、このような名前がつけられたと言われるユーモアあふれる魅力的な観葉植物です。 また着生植物のため、木の板やお気に入りの石などにくっつけて栽培できることもこの観葉植物の大きな魅力です。しかし、このコウモリラン(ビカクシダ)を自宅で育てる際、「どのような育て方を意識すれば失敗しないのか」を知りたい方も多いかと思います。 そのため、今回の記事では、「コウモリラン(ビカクシダ)の失敗しない育て方」を以下の流れで解説していきます。
- コウモリランの基本情報について解説
- コウモリランの育て方は難しいって本当?
- 初心者にもおすすめ!コウモリランの育て方を各ポイントに分けて解説
- コウモリランの育て方ポイントをご紹介
- コウモリランが枯れたらどうすればいいのかを解説
- 人気のコウモリランの種類をまとめました
- コウモリランのおしゃれな飾り方について解説
- まとめ
コウモリラン(ビカクシダ)とはどんな植物?
それではまずは、コウモリラン(ビカクシダ)の基本情報からお話ししていきます。どのような特徴や性質を持っているのかをあらかじめ知っておくことで、失敗しないコウモリラン(ビカクシダ)に最適な育て方を実践することができるでしょう。コウモリランの基本情報
コウモリラン(ビカクシダ)は、ウラボシ科ビカクシダ属の観葉植物です。今ではかなり観葉植物好きの方なら多くの方が知っている、人気の着生植物(水苔を根で覆って、木や石にくっついて成長するタイプの植物)の一種です。 また、乾燥気味の環境で管理することと、日光がきちんと当たる風通しの良い場所で生育することに適しているため、丁寧な管理さえできれば屋外でも室内でも栽培することができます。コウモリランの特徴
続いては、コウモリランの特徴について解説していきます。コウモリランの葉っぱには、胞子葉(ほうしよう)・貯水葉(ちょすいよう)・成長点があり、それぞれの見分けは、初心者さんには少し難しいこともあるでしょう。ここでは、その葉っぱの区別と特徴を解説していきます。胞子葉
まず胞子葉(ほうしよう)です。胞子葉は、コウモリランの葉っぱの中でも先に向かってやや尖っている、またはアウトラインがトゲトゲとしているよく伸びる葉っぱのことを言います。胞子葉の役割は、胞子を作ることで、繁殖を成功させやすくなります。先端に向かって長く伸びるので、光合成をすることもできます。貯水葉
次は貯水葉(ちょすいよう)です、貯水葉は胞子葉とは異なり、やや丸っとした形をしている葉っぱで、株元に生えます。貯水葉の役割は、貯水をしてくれるので乾燥に強くなります。乾燥に強いので、着生植物としても生命を維持することができるというわけです。成長点
成長点は植物が生えてくる場所のことを言います。簡単にいうと株元のことです。成長点はよくみると短いふさふさしている毛で覆われているので、見るとすぐにわかるでしょう。コウモリランを育てるのは難しい?
続いては、コウモリランの育て方は難しいのか否か、というお話しをしていきます。コウモリランは確かに他の鉢植えの観葉植物と違い、見た目も異なる部分も多い観葉植物です。しかしその育て方は難しいのか、真意を解説していきます。種類によって育成の難易度が異なる
結論からお伝えすると、コウモリランの育て方は種類によって難易度が異なることは事実です。コウモリランにはさまざまな種類がありますが、その中でも耐寒性のないものや、乾燥に弱く枯れるものもありますよ。そのため、比較的簡単な種類のコウモリランを育てることがおすすめです。特に、「ビフルカツム」や「アンディナム」は、日光の少ない環境で栽培してもよく育ちます。屋外より屋内で育てる方が簡単
また、基本的にコウモリランは屋外より屋内で育てる方が簡単という点もあります。室内は特に気温の管理も簡単で、注意することが少ないです。またコウモリランは熱帯原産であるため、室内が少し乾燥しても全く問題なく元気に成長してくれますよ。初心者にもおすすめ!コウモリランの育て方
続いては、初心者さんにもおすすめな、コウモリランの育て方について、各項目に分けた重要なポイントを解説していきます。置き場所、水やり、植え替えなど、基本的に重要になる育て方の情報をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。置き場所
まずは育て方のポイント一つめは置き場所についてです。室内で育てるのか屋外で育てるのかで大きく変わる置き場所のポイントについて、ここでは解説していきます。室内で育てる場合:明るく風通しの良いところで
コウモリランを室内で育てる場合は、明るくて風通しの良い場所が適しています。コウモリランの種類によっては、お部屋の中の日陰でも育つこともありますが、多くの場合、きちんと健康的に成長させたいという方は、明るくて風通しの良い場所で栽培することが良いでしょう。屋外で育てる場合:直射日光を避け日陰で
また、コウモリランを庭やベランダなどの屋外で育てる場合は、直射日光を避けた半日陰の場所で育てるようにしましょう。コウモリランを日陰で育てることで、植物が過度に暑さにさらされることを防ぐことができ、直射日光が原因による「葉焼け」などの病気を防ぐこともできます。水やり
続いての育て方のポイントは、水やりになります。どのような水やりを意識して育てると良いのか、また秋冬などの寒さが厳しくなる時期にはどのような注意が必要なのかをここでは解説していきます。水やりは土が乾いてから
コウモリランの水やりは、基本的に土が乾いてから行いましょう。土の表面が乾いたら、適度に水を与えることで成長します。元からコウモリランの多くは熱帯が原産であるため、比較的乾燥にも強いです。品種によってもちろん変わりますが、多くはそこまで神経質な水やりをしなくてもOKです。気温が低くなる秋冬は水やりを少なめに
また、気温が低くなる秋や冬は水やりを控えめにしてください。秋冬以降のコウモリランは休眠期に入ることがあり、この時期は水分を少なめにすることで冬越しをすることができますよ。苗の植え替え
続いての育て方のポイントは苗の植え替えになります。苗の植え替えは、どんな植え付け方にしたいかで変わります。鉢植えであればお気に入りの鉢に植え付けることで植え替えができますし、ハンギングや吊り下げて飾りたい方は水苔を覆ってワイヤーを追加して飾ることもできます。どんな植え替え方をしたいのかで大きく方法も変わることを覚えておきましょう。増やし方
最後の育て方のポイントは増やし方になります。コウモリランは以下のように増やすことができますよ。初心者さんは難しいように感じるかもしれませんが、以下の増やし方を参考に増やすことに挑戦してみるのもおすすめです。コウモリランは子株をつける
コウモリランは正しい育て方を実践すれば、大きく成長すると同時に、親株の元に子株をつけることがあります。この子株を利用して、株分けを行うことで増やすことができます。子株を株分けで増やす方法を解説していきます。株分けで増やそう
まず成長した子株を慎重に取り外します。この時、子株についている葉っぱが3枚以上になっていることが重要です。取り外した子株を鉢植えや、苔玉をハンギングにすることもできますよ。苔玉はインテリアにもマッチしやすいのでおすすめです。コウモリランの育て方のポイント
続いては、コウモリランを育てる時に参考にしたいポイントについて解説していきます。上記のような育て方を実践すれば大きくなることはもちろんですが、育てている道中に必要な肥料や、また注意したい害虫などもいます。それらの参考にしたいポイントを、ここでは4つ解説していきます。早く成長させたい場合は肥料を
コウモリランの早く成長させるためには、春から秋にかけて肥料を与えると良いでしょう。基本的にコウモリランは肥料の必要があまりない観葉植物ではありますが、早く成長をさせたいという場合では、肥料は重要になります。鉢植えで栽培しているのであれば、緩効性の肥料を土に混ぜてお使いください。また、苔玉や板につけて栽培しているのであれば、液体肥料がおすすめです。コウモリランに多い病害虫
コウモリランは以下のような害虫に弱い観葉植物です。主に注意が必要な病害虫には、ハダニ、アブラムシ、カイガラムシ、ナメクジなどが含まれます。これらの害虫は、湿っている環境が長続きした場合に発生しやすいという特徴があるため、風通しのいい場所で栽培すると発生を防ぐことができます。定期的なチェックを行い、害虫を早期に発見し駆除しましょう。コウモリランを増やすには株分け
先ほども少しお話しした通り、コウモリランを増やす方法の一つとして株分けがあります。株分けは子株を丁寧に取り外し、新しい鉢に植え替えることで、新たなコウモリランを育てることができます。冬の管理は注意が必要
コウモリランは一部の品種を除いて、寒冷地では屋外で育てることが難しい植物です。耐寒性の強いコウモリランも存在しますが、一般的にあまり日本の屋外に適応した品種は少ないと覚えておきましょう。 特に寒冷地に住んでいる場合は、冬になったらコウモリランを室内に移動させ、適切な温度と湿度を維持した温暖な部屋の中で管理することで枯れることなく冬越しすることができます。しかし、室内の中でも冷暗所に置くと成長が遅くなりますので、窓際など、明るい場所を管理するように心がけましょう。コウモリランが枯れたらどうすればいい?
続いては、コウモリランが枯れたらどうすればいいのか、というお悩みが多いので、それにお答えしていこうと思います。コウモリランは先ほども少しお話しした通り、品種によっては育て方が難しいものもあります。そのため、ここではコウモリランに共通して言える、枯れる原因とその復活方法についてご紹介していきたいと思います。コウモリランが枯れる原因
主にコウモリランが枯れる原因は、気温が寒すぎることや、水やりのしすぎで過湿になり、病害虫などの発生で枯れることが多いです。特に熱帯が原産の観葉植物であるため、そもそも日本の冬は大の苦手になります。具体的には、気温は5℃以下になると枯れやすくなってしまいます。 また、コウモリランはそもそも乾燥につよい観葉植物のため、基本的に乾燥気味に栽培されることに適しています。そのため、水やりを過度にしてしまうと、先ほどご紹介したハダニ、アブラムシ、カイガラムシ、ナメクジなどの病害虫の発生を促してしまい、最悪の場合枯れる事につながるというわけです。枯れたコウモリランの復活方法
また、上記のような理由で枯れてしまったという方は、どうすれば良いのかを解説していきます。本当に葉っぱが茶色くなってしまったり、もっと酷い場合では黒くなってしまっていれば、かなりの高確率でその葉っぱを復活させることは難しいです。 しかし、親株本体全てが枯れている場合でなければ、コウモリランをここまでご紹介してきた「育て方のポイント」を参考にしてもらえば、また元気に復活することは可能です。主には置き場所を工夫することや、水やりの量をコントロールするなど、わかりやすい部分からコツコツと変えていき、今育てているコウモリランに適した育て方をしてあげることが重要になります。コウモリランの人気の種類
続いては、コウモリランの中でも特に人気のある種類のコウモリランたちをここからはご紹介していきます。この中からお気に入りのコウモリランを見つけて自宅で栽培してみるのもおすすめですよ。それでは一つずつ特徴などを解説していきます。ネザーランド(ネザランズ)
まずはネザーランド(ネザランズ)です。ネザーランド(ネザランズ)は、熱帯地域原産なのですが、実は耐寒性も耐暑性にも優れたコウモリランです。比較的大きめで、縦に伸びるので鉢植えがおすすめな品種になります。グランデ
続いてはグランデです。グランデは、先ほどのネザーランド同様に大型のコウモリランです。グランデは別名「森の王冠」とも呼ばれるほど立派なので、インテリアにアクセントを追加したい方などにはおすすめです。リドレイ
続いてはリドレイです。リドレイは、葉っぱの輪郭がくっきりとしているので、貯水葉や胞子葉がわかりやすいコウモリランになります。やや価格がお高めなのが玉に瑕ですが、どうしてもこの種類のコウモリランがいいという方にはおすすめの品種になります。ビーチー
続いてはビーチーです。ビーチーは、上記でご紹介したコウモリランと比べて比較的小型になります。そのため、場所を選ばずに栽培できるというメリットがあります。きれいな葉っぱのグリーンも印象的です。ビフルカツム
最後はビフルカツムになります。ビフルカツムもやや小型の品種になります。小型になるので以下でもご紹介するどのおしゃれな飾り方にも適応しやすいです。好きな飾り方に適応できるので、初めての方にはおすすめです。コウモリランのおしゃれな飾り方
最後は、コウモリランのおしゃれな飾り方について解説していきます。コウモリランのおしゃれな飾り方には、以下の3タイプがおすすめです。苔玉でハンギングアレンジ
コウモリランを苔玉を使用したハンギングアレンジメントにして飾るのはいかがでしょうか?コウモリランを中心に配置し、周りを苔で包みましょう。のちにワイヤー巻き付ければ簡単に苔玉アレンジができますよ。板付け
コウモリランを板に取り付けて壁などに飾る方法もおしゃれでおすすめです。コウモリランの株を板に固定することで、植物を垂直に飾ることができます。鉢植え
王道なのは鉢植えです。この鉢もお気に入りの鉢を使用することでお部屋のインテリアによりアクセントを加えることができますよ。【まとめ】コウモリランの育て方を徹底解説!成長後のお手入れから飾り方まで
いかがだったでしょうか?難しいように見えるコウモリランの育て方も、基本的な特徴などをあらかじめ知っていればそこまで難しくないこともご理解いただけたかと思います。 今回の記事のポイントは以下になります。- コウモリラン(ビカクシダ)は、ウラボシ科ビカクシダ属の観葉植物で、着生植物の一種
- コウモリランの葉っぱには、胞子葉(ほうしよう)・貯水葉(ちょすいよう)・成長点があり、それぞれに異なる役割がある
- 基本的にコウモリランは屋外より屋内で育てる方が簡単である
- 明るく風通しの良いところで育てることでよく育つ
- 早く成長させたい場合は肥料を使用することがおすすめ
- コウモリランが枯れる原因は気温が寒すぎることや、水やりのしすぎで過湿になり、病害虫などの発生で枯れることが多い
- そのため、気温は5℃以下にならないように管理し、水やりも適切に行うことで枯れないコウモリランにすることができる
- ネザーランド(ネザランズ)やリドレイなどが人気のある種類のコウモリランである
- 苔玉でハンギングアレンジや、板付けなどでおしゃれに飾ることもできる