ゴムの木の育て方を紹介!挿し木のコツや葉が枯れるときの対処法まで

ゴムの木の育て方を紹介
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目次

肉厚でツヤのある大きな葉っぱが特徴のゴムの木は、見た目がオシャレで観葉植物としてもとても人気のある植物です。グリーンに詳しくないという方も、一度は聞いたことや見たことがあり、育ててみたいと思うのではないでしょうか。 そこでこの記事では
  • ゴムの木の種類
  • 基本的な育て方:置き場所
  • 基本的な育て方:水やり
  • 基本的な育て方:肥料
  • 基本的な育て方:植え替え
  • 基本的な育て方:剪定
  観葉植物を育てるのが初めてという方にぜひおすすめしたい「ゴムの木」の育て方の基本や植え替えの方法、剪定やお手入れのポイントなどについて詳しくご紹介します。ゴムの木のトラブルと対処法についてもまとめているため、ぜひ参考にしてみてくださいね。

そもそもゴムの木ってどんな植物なの?

そもそもゴムの木ってどんな植物なの?

まずは、ゴムの木がどんな植物なのかについてくわしくご紹介します。

生育旺盛で育てやすいため人気の観葉植物

ゴムの木はインド北部やマレー半島を原産地とするクワ科イチジク属の常緑性高木で、生育旺盛なのが特徴です。自生地では約30mの高さまで成長し、幹に気根と呼ばれる根っこを生やすため丈夫で育てやすく、園芸品種としても人気の高い観葉植物です。現在インドゴムノキから、斑入りの品種や黒い葉の品種などたくさんの園芸品種が生まれています。

楕円形の大きくて肉厚な葉っぱが特徴で品種によっては斑入りのものも存在

ゴムの木の大きな特徴は、楕円形で肉厚の葉が垂れるようについている葉っぱです。葉も幹に対して大き目で、他の植物よりも尖った葉ではないので優しい印象になります。また天然ゴムの原料となるゴムの樹液は白く粘着性があり、ラテックスと呼ばれていますよ。品種によっては葉に白い斑入りのものもあり、非常に多くの品種が存在しています。

インドやマレーシアなどの熱帯地域が原産で約800種類が分布

インドやマレーシアなどの熱帯地域を原産とするゴムの木は、フィカス・バンビーノやフィカス・ロブスターなど、非常に品種が多く世界中に約800種類が分布しています。実はガジュマルも、ゴムの木の仲間で種類が非常に豊富。ゴムの木は樹液からゴムの成分が取れるため、強靭で生命力旺盛、さらに見た目も大きく美しいため定番の観葉植物としても愛されています。

ゴムの木の人気の品種を紹介

たくさんあるゴムの木の品種の中で、人気の品種をいくつかご紹介します。

フランスゴムの木(フィカス)

フランスゴムの木は、オーストラリア原産のクワ科フィカス属の常緑性高木です。フランスゴムの木という呼び名は日本でのみの流通語となっていて、フィカス・ルビギノーサといわれています。葉っぱは15㎝ほどでいろんなグリーンと馴染みやすい姿をしています。岩場ややせた土地でも育つ生命力の高さで、水辺や乾燥地帯でも耐えることができます。

カシワバゴム・バンビーノ

カシワバゴム・バンビーノという品種は、ゴムの木の中でも背丈があまり高くならない矮性品種となっています。そのため鉢植えでの管理がとても楽で人気があります。熱帯アフリカが原産で、葉っぱの大きさが10㎝~45㎝と非常に大きく、カシワやバイオリンの形に似ています。革のような肉厚な質感も相まって、豪華な雰囲気のあるゴムの木です。

フィカス・バーガンディ

フィカス・バーガンディという品種は、インドやマレー半島など東南アジア原産のクワ科フィカス属の観葉植物です。大きな特徴は、新芽が深い赤のバーガンディ(紅)色からやがて黒い葉へ変化すること。クロゴムとも呼ばれています。丈夫なため初心者でも簡単に育てられる魅力的な品種の1つです。

フィカス・ロブスター

葉っぱが幹や枝に密集してついているのが特徴のフィカス・ロブスターは、東南アジアの高温多湿な熱帯地域が原産です。原産地では30~40mほど大きくなりますが流通しているものは1~2m、インテリアとしても魅力的な品種です。葉にはツヤがあり、他の品種に比べて少し薄めです。

フィカス・ウンベラータ

インテリアグリーンとして人気のフィカス・ウンベラータをご存じの方は非常に多いと思います。アフリカが原産地でハート形のような大きな葉っぱと細長い幹が特徴です。生育旺盛で、上手に育てると1年で20cm以上も育ち、耐暑性は高いものの、耐寒性が低いため室内管理が基本で、20㎝~2mほど幅広い背丈のウンベラータが流通しています。

ゴムの木の基本的な育て方①:置き場所

ゴムの木の基本的な育て方①:置き場所
ゴムの木について理解を深めたところで、次はゴムの木の基本的な育て方についてくわしく解説していきます。まずは置き場所について確認していきましょう。

耐陰性もあるため室内栽培もOKだが、日当たりの良い場所で管理する

ゴムの木はある程度耐陰性もありますから、日の当たる玄関やキッチンなど室内栽培もOKです。しかし置き場所には要注意。部屋の中でも窓辺や、リビングなど日当たりの良い場所へ置いて管理するようにしてください。10~30℃で管理し、直射日光を避けて栽培するようにしましょう。

定期的に屋外に出して日光に当てる時間をつくる

もし日当たりの悪い場所へ置いている場合、定期的に屋外へ出して日光へ当ててください。ずっと日陰の場所へ置いておくと、株が弱り葉っぱの色も黄色く変色してしまいます。もともとゴムの木は移動しても大丈夫なくらい生命力が高いため、いつもは室内で管理して休日や在宅時にベランダや庭へ出して日光に当てる時間を作りましょう。

室内から屋外に出す時はいきなり直射日光に当てないように注意

室内から屋外へ出す時に注意点がひとつあります。それはいきなり直射日光に当てないこと。日当たりが悪いからといって直射日光の当たる場所へ置くと、葉が茶色や黒く変色してしまいます。株に元気がなくなりますので、程よく半日日陰になるような場所を選んで置きましょう。

健康に管理するためには最低でも10℃を保つようにする

ゴムの木を健康に管理するためには温度管理も必要です。ゴムの木は熱帯から温帯地域が原産のため寒さに弱い植物です。厳格にする必要はありませんが、最低でも10℃を保つようにしましょう。外で育てている場合は10℃を下回る前に室内へ移動させてください。

冬は室内で管理するのが一般的

冬の栽培は室内で管理するのが一般的です。夏場の7月~9月にかけては屋外の直接日の当たらない場所で管理し、冬の10月~3月までは室内で管理すると長く健康的に育てることができます。室内へ移動するタイミングとしては秋のお彼岸が過ぎたらがちょうどよいタイミングです。

室内ではエアコンの風が直接当たらないように注意する

室内で育てる場合エアコンの風が直接当たる場所は避けてください。エアコンの風は乾燥しがちで植物にとってあまりよくありません。株が弱り、葉が落ちる原因になります。冬は水やりの頻度も減るため、葉水を1日1回の目安で行いましょう。

ゴムの木の基本的な育て方②:水やり

ゴムの木の基本的な育て方②:水やり
置き場所について把握したら、次は基本的な育て方のみずやりについて確認していきましょう。

春から秋は土の表面が乾いてからたっぷりと水を与える

ゴムの木の水やりは夏と冬で量やタイミングを変えます。これは成長期と休眠期があるため、春から秋にかけては根や新芽がどんどん伸びるためその分たくさん水を欲しがります。春から秋にかけての水やりは、土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えるようにしてください。

真夏の暑い時期は朝夕の涼しい時間帯に水やりを行う

急激に暑くなる真夏は、水やりの仕方を変えてください。春や秋のように日光が差している日中に水やりをしてしまうと、土中で水がお湯になって根が蒸し焼き状態に。根を傷める原因になりますから、7月~9月の真夏の暑い時期は朝夕の涼しい時間帯に水やりを行うようにしましょう。

冬は土の表面が乾いてから2、3日経ってから水やりをする

冬の水やりは春や秋に比べて頻度が減ります。これは寒さにより成長がゆっくりになり、根の吸水量が減るためです。また寒い時期に頻繁に水やりすると根腐れや根が凍結する可能性も。そのため気温に気を配りながら、水やりの回数を徐々に減らしていき、土の表面が乾いてから2、3日後に水やりするようにしてください。

受け皿に溜まった水は必ず捨てるようにする

水やりの時に忘れがちなのが、受け皿へ溜まった水を捨てること。水やりした後、鉢底から不要なゴミや雑菌と一緒に水が受け皿へ溜まります。放置しているとカビや病気の原因になりますので、水やりをしたら必ず受け皿の水を捨てるようにしましょう。

ゴムの木の基本的な育て方③:肥料

ゴムの木の基本的な育て方③:肥料
水やりと合わせて覚えておきたいのは肥料の与え方。育て方が簡単といわれる、ゴムの木へ肥料を与えるポイントについて、詳しくご紹介します。

生育時期の4月〜9月に肥料を与えて健康な生長を支える

基本的にゴムの木は肥料がなくても育ちます。しかし株が急激に生長する4月~9月は土に含まれている元肥の栄養分をどんどん伸びていきますので、適切に肥料を与えて健康的な生長を助けてあげましょう。土中の栄養分が整っていれば、葉のつやや健康な状態を長く楽しめるでしょう。

液肥や緩効性肥料を与えると良い

与える肥料の種類は2タイプ。水で希釈する液体肥料や長期間効果が続く緩効性の固形肥料がおすすめです。ハイポネックスなどの液体肥料は即効性が高く、2週間に1回を目安に与えるといいでしょう。プロミックなどの緩効性肥料は粒状やタブレット状などがあり、土の上へ置き肥しておけば2ヶ月は効果が続きます。好みに合わせて使い分けてください。

肥料の与えすぎは肥料焼けを起こすため用量は必ず守る

栄養があるからといって与えすぎは逆効果です。根や茎が肥料焼けしてしまう可能性があります。肥料焼けとは植物の火傷のような症状。根腐れして株が弱る原因にもなりますので、元肥として与える場合も追肥する場合も、用量を必ず守って使いましょう。

冬は成長が緩慢になるため肥料は与えない

耐寒性の低いゴムの木は冬の時期成長が緩慢になるため、肥料を与えません。よかれと思って肥料を与えてしまうと、先ほどお伝えした肥料焼けを起こしてしまいます。冬場は水やりと同じように肥料を与えず、乾燥気味に管理するようにしてください。

ゴムの木の基本的な育て方④:植え替え

ゴムの木の基本的な育て方④:植え替え
基本的な育て方をおさえたとことで、もう一つ大切なポイントがあります。それは植え替えです。

1〜2年に1回、生育期の間に行うようにする

ゴムの木は成長が早く丈夫なため定期的な植え替えが必須です。タイミングとしては1~2年に1回、春から秋の生育期の間に行うようにしてください。植え替えは必要な管理ではありますが、根や株へのダメージがあるため回復の早い生育期に行うのがベスト。鉢が窮屈そうになっていないか確認してみましょう。

土は必ず水はけの良いものを使うようにする

植え替えに必要な土は新しいものを準備しましょう。ゴムの木は、水はけ保水性のバランスが良い土を好みます。初心者の方は有機質無配合の観葉植物用の培養土か、自分で配合する場合は、赤玉土(小粒)6、腐葉土3、バーミキュライト1で混ぜ合わせるのがおすすめです。配合する時に緩効性肥料を元肥にするのを忘れずに。

植え替えの目的

植え替えの一番の目的は、根詰まりによるトラブルを避けるためです。根詰まりをそのまま放置していると、新芽が小さくなり水はけが悪くなります。鉢底から根が出ている、ゴムの木の葉が落ちるなどの症状がみられる場合はすぐに植え替えしてしましょう

植え替えに必要なもの

植え替えに必要なものは主に5つです。ひとつずつ確認していきましょう。

一回り大きい鉢

今植えている鉢のサイズより一回り大きい鉢を準備してください。大きすぎる鉢だと株がぐらつくだけではなく、根の吸水量以上に保水力が高くなり、根が腐ってしまいます。3号サイズなら4号、5号サイズなら6号を準備しましょう。

鉢底ネット

鉢底ネットはホームセンターや100均ショップの園芸コーナーで売られているものを準備してください。網状になっていることで、土の流出を防ぎ、鉢穴から害虫の侵入を防げますよ。大きいシートの場合は、鉢穴のサイズ寄り少し大きめにカットして使いましょう。

鉢底石

鉢底石は市販のもので十分です。軽石などを敷くことで、鉢の中の通気性や排水性を高めて植物の健康を維持するために非常に重要なんですよ。水はけの良い土を好む観葉植物を育てる場合は必ず使ってください。

用土

ゴムの木は、先ほども少し触れたとおり水はけの良い土を好みます。市販の観葉植物用の培養土を使うか、自分で配合する場合は小粒の赤玉土6、腐葉土3、バーミキュライト1に緩効性の固形肥料を元肥にして混ぜるようにしてください。

割り箸

割り箸は土を整える時に使います。株を植え付ける時に鉢の中を割り箸でざくざくと刺し、空間を潰すことで株のぐらつきや根と土の密着を助けてくれます。

植え替えの手順

それでは、具体的に植え替えの手順を見ていきましょう。ゴムの木は丈夫なので、思い切って挑戦してみてください。

①:鉢に鉢底ネット、鉢底石の順で敷き、土を鉢の約1/3ほど入れる

まず新しい鉢に鉢底ネット、鉢底石の順に敷きましょう。一回り大きい鉢へ入れる土は新しく準備した培養土を使ってください。培養土を入れる目安は鉢全体の約1/3ほど。中央に株を入れますので、少しだけくぼむように入れておきましょう。

②:古い鉢からゴムの木の株を抜き、土をほぐして1/3ほど取り除く

次に古い鉢からゴムの木の株を抜きます。取れない場合は、鉢をそっと倒して鉢の側面をとんとんと叩いて鉢と土を剥がしてから引き抜いてください。引き抜いた後根っこについた古い土を1/3くらい手でほぐして落とし、傷んだ根があればカットしておきます

③:新しい鉢に株を置き土を入れ埋めていく

新しい鉢へ②の株を置きます。中央に株を置き、根元が鉢の縁から約3㎝くらいの高さになるようにします。この高さはウォータースポットと呼び、水やりの時に大切な高さになります。株の周りへ新しい培養土を入れて埋めていきましょう。

④:割り箸などを使って根と土を馴染ませる

ある程度培養土を入れたら、割り箸などを使って土と株の隙間を差して土の中の空間を潰していきましょう。土と根が密着することで吸水力を高める上、株のぐらつきが減ります。隙間がないようしっかりと根と土を馴染ませてください。

⑤:たっぷりと水やりをしたら植え替え完了

最後は水やりです。鉢底から水が流れるくらいたっぷりと水をあげましょう。水やりで土の中の不要なゴミや水を排水して、根と土が密着すれば株が固定されます。これで植え替えは完了です。

根づくまでは直射日光の当たらない明るい日陰で管理

植え替え後は、根付くまで直射日光の当たらない明るい日陰で鉢を管理してください。植え替えはどうしても株へダメージがあります。そのため直射日光や極度な乾燥は避けましょう。温度があまり変わらない明るい日陰で1週間くらい様子をみてください。

植え替えから1ヶ月ほどは肥料を与えないようにする

肥料は植え替え時に元肥を混ぜていれば3ヶ月くらい肥料を与える必要はありません。もし元肥を入れていないのであれば、植え替え直後1ヶ月ほど肥料を与えず、1ヶ月を過ぎたあたりから規定量で希釈した液体肥料や粒状の固形肥料を置いてください。

ゴムの木の基本的な育て方⑤:剪定

ゴムの木の基本的な育て方⑤:剪定
基本的な育て方のうち、植え替えと合わせて覚えておきたいのが剪定の方法です。詳しく剪定の仕方について解説していきます。

剪定の適期は真夏と冬を除いた4月〜6月、9月〜10月ごろ

まず剪定に適した時期について気になりますね。適期は、生育期にあたる4月~6月9月~10月頃の2回です。真夏の暑さと冬の寒さを避けた、春と秋に行うと覚えておいてください。冬は株の成長がゆっくりなため剪定で受けたダメージを回復しきれない可能性があります。また真夏は暑さで株の消耗が激しく枯れる心配があるため、剪定や植え替えには向きません。

ゴムの木の剪定は必ず晴れた日に行うのが成功させるコツ

選定に適した天気はというと、必ず晴れた日に行うのが成功させるコツです。さらに午前中に行うと、切り口がしっかり乾燥して病気感染のリスクが低くなりますよ。さらにもう一つコツがあります。切り口から出る白い樹液は刺激が強く、樹液でかぶれますから必ずゴム手袋をつけて行うといいでしょう

剪定の目的

剪定の目的は、伸びすぎた枝を切って樹形を整えることと不要な枝を間引くことの2点です。樹形を整えるためには伸びすぎた枝を強剪定していきます。太い枝の場合は切れ味の良いノコギリを使いましょう。コツは不要な枝を間引く場合は下向きの枝や混み合っている枝、枯れているものを選んで間引くようにしてください。

剪定に必要なもの

剪定をする上で必要なものをまとめました。

清潔な剪定バサミ

剪定バサミは清潔で切れ味の良いものを準備してください。切れ味が悪くて枝の切り口がギザギザしているとそこから病気に感染しやすくなります。太い枝を剪定する場合は、切れ味の良いノコギリを準備しましょう。

手袋

手袋は、園芸用の手袋ゴム手袋を準備しましょう。ゴムの木の樹液はラテックスと呼びゴムの原料にもなりますが、非常に刺激が強く、肌がかぶれます。直接触れないように手袋をして、服装も長袖を着るなど気をつけてください。

エプロン

エプロンは袖付き、袖なしどちらでもかまいません。枝を剪定するため木くずやトゲが出やすく、ケガの心配もあります。ケガの心配を減らすためにもエプロンをして、できるだけ安全な服装で行うようにしましょう。

新聞紙やビニールシート

新聞紙やビニールシートを敷いてから剪定を始めましょう。ビニールシートの大きさは、鉢の大きさに合わせて準備してください。新聞紙を使う場合は、剪定が終わったあと木くずや葉をくるんで捨てられますので便利です。

ティッシュペーパー

ティッシュペーパーは、癒合剤を使うときや樹液を拭き取るときに便利です。樹液をそのままにしておくと茶色く固まりますので、見た目を特に気にする方は必ず拭き取るようにしてください。

癒合剤

伸びすぎた枝を剪定したあとや、病害虫で植物に傷がついてしまった時に塗る薬剤を癒合剤といいます。そのままでも植物の免疫と再生力で傷口はふさがりますが、癒合剤を塗ることで水分や樹液が流れ出すのを防ぎます。トップジンMペーストやカルスメイトが有名です。

剪定の手順

それでは剪定の手順についてご紹介します。

①:自分の理想の樹形をイメージする

まずは剪定したあとの完成をイメージしてください。伸びすぎてしまった枝や枯れている枝など不要なものをカットして、理想の樹形を考えると剪定しやすくなります。特に病害虫が発生している枝を放置すると株全体が枯れるため、見つけたら最初に切ってください。

②:優先的に徒長している枝や古い葉や枯れた葉を根本から切っていく

剪定する枝を切っていきます。まず優先的に徒長している枝や古い葉、枯れた葉を根元から切っていきましょう。また密集している枝のうち、下向きに伸びている枝、3本以上に枝分かれしている枝を根元から剪定するとバランスがよくなります。

③:伸ばしたい部分があれば芽や節のすぐ上で切っていく

枝のどの部分を剪定すればいいのでしょう。ポイントは成長点と呼ばれる枝からぼこっと出っ張った部分です。成長点から新芽や節が伸びていきますから、伸ばしたい方向についている芽や節の2~3㎝上で剪定してください。

④:切り口が大きい場合は癒合剤を塗る

もし剪定したあと、切り口が大きい場合乾燥するまでに時間がかかります。乾燥しないとカビや病気にかかりやすくなるため、切り口の半径が2㎝以上なら癒合剤を塗って水分や樹液が流れ出るのをふせぎ、治癒力を高めてあげましょう。

剪定のポイント

剪定するうえでいくつかポイントがあります。大きくは3つ。切れ味の良いハサミを使うことと、樹液には触らないこと、切った枝を再利用することです。

切れ味の良い清潔なハサミを使うこと

剪定する時は切れ味の良い清潔なハサミ使いましょう。切り口がギザギザしているとそれだけで乾燥しにくく、病気にかかりやすくなります。また剪定する前に消毒スプレーなどで刃を消毒して清潔にしておけば、株への負担も少なくて済みます。

ゴムの木の樹液には触らない

再三お伝えしているようにゴムの木の樹液は刺激が強く、肌がかぶれます。中には重いアレルギー症状が出る方もいます。そのため白い樹液に直接触れないようゴム手袋や長袖、エプロンなどを着用しましょう。

切った枝は挿し木で再利用するのがおすすめ

実は切り落とした枝を再利用することも出来ます。挿し木にして発根を促し、新しい株として植え付ける方法です。強健な植物ですから、剪定した枝を挿し木用にゴムの木を気軽に増やして楽しんでみましょう。

【再利用】剪定した枝を使って挿し木に挑戦

【再利用】剪定した枝を使って挿し木に挑戦
ゴムの木を挿し木で増やす場合、剪定した枝を再利用して挑戦しましょう。コツを押さえれば手軽にゴムの木を増やせますよ。

ゴムの木は挿し木で簡単に増やすことができる

ゴムの木は挿し木で簡単に増やすことができますよ。ゴムの木の剪定と挿し木の最適な適期は、ほぼ同じ5月~7月頃です。寒いと生長が遅く発根率が低いため、挿し木には向きません。剪定したあとすぐに挿し穂へ整えて挿し木することで、根付くまでが早く生長も順調に進むでしょう

挿し穂の準備

実際に挿し木へ挑戦してみましょう。挿し木用に剪定した枝を選び、整えて準備してください。

①:葉を2〜3枚ほどついた10cmほどの長さの枝を選ぶ

まずは剪定した枝の中から挿し木用に適した枝を選びます。葉にツヤがある生命力の高い枝がおすすめです。細い枝や曲がっている枝は発根してもうまく根付かないことがあります。目安は、葉が2~3枚ほどついた10㎝くらいの長さがいいでしょう

②:切り口は斜めに切るようにする

枝を選んだら、切り口から枝先までの長さを約10cm程度にします。切り口は吸水力を高めるために斜めにカットしましょう。枝をカットすると白い樹液が出てきますので、水で丁寧に洗い流します。樹液が切り口に残ったままだと挿し木にしても吸水が上手くできない場合があるため、しっかりと洗い落します。

③:葉が大きい場合は半分にカットする

切り口をカットして樹液を洗い流したら、葉の調整です。あまり葉が大きい場合、枝の中の水分が蒸発しやすくなっていますから半分の位置で真横にカットして上半分を落としてあげましょう。発根しやすくなります。

④:水の入った容器に入れ1時間から半日かけて吸水させる

これで挿し穂の準備はOKです。挿し穂は一本だけではなく、数本準備しておき、生長具合によって一番良いものを選ぶと植え付けがうまくいきます。挿し穂を水の入った容器に入れて、1時間から半日かけてじっくりと吸水させましょう。

水苔で包んで発根させていく

根を生やすために水苔を使った育て方をお伝えします。水苔は保水性に優れており、発根するための環境を保ってくれます。

ふやかした水苔で挿し木の切り口を覆い発根管理する

まずは水苔を水に浸して吸水させてください。それから軽く水を絞り、コップのような器へ水苔を入れ、挿し木の切り口を水苔で包むように覆いましょう。上手くいけば5日ほどで白く新しい根が生えてきます。特に挿し木を初めて行う場合は、水苔を使って発根管理するといいでしょう。

この作業を省いて吸水後すぐに土に植え替えてもOK

水苔を使わずに吸水後すぐに土へ植え変えてもOKです。ただし発根しやすい環境を作る必要があります。小粒の赤玉土を挿し木用に小さなポットへ入れて、そこへ挿し穂を差して風通しのよい日陰で管理します。毎日様子を見ながら霧吹きなどで水分を与えて、うまくいけば1週間ほどで発根します。それから鉢へ植え付けましょう。

挿し木に必要なもの

挿し木に必要なものは次の通りです。

小さめの鉢

挿し木用に小さめの鉢を準備してください。鉢の素材は特に指定ありませんが、発芽用の小さな鉢がおすすめです。100均ショップの園芸コーナーへ行くと、発芽用のポットが売られています。土へ植えると分解されるため初めての方も安心です。

鉢底ネット

鉢底ネットは陶器やテラコッタなどへ植え付ける場合に準備してください。網状になっていればネットではなくても構いません。管理しやすいものを選んでみましょう。

鉢底石

排水性を高めるため鉢底石を準備しましょう。挿し木を植える鉢は小さめなので、量はたくさんなくても大丈夫です。軽石などもおすすめです。

用土

発根されていない挿し木を植える場合、観葉植物の培養土ではなく、小粒の赤玉土を多めに配合しましょう。もしくは発芽用の培養土があるためそちらを使うのもおすすめです。

挿し木の手順

挿し木の手順についてくわしくご紹介します。

①:鉢に鉢底ネット鉢底石を敷き土を入れる

まずは小さめの鉢に鉢底ネットを敷き、その上へ鉢底石を敷きます。鉢底石をいれる割合は鉢の1/3くらい。あまり入れ過ぎないように気をつけてください。鉢底石の上へ、用土を入れていきます。鉢の縁から2㎝くらいの高さまで入れればOKです。

②:土を入れた鉢に挿し穂を挿す

土を入れたあと軽く土を湿らせます。たっぷり水を与えると土の中が過湿状態になりますので、あくまで表面を濡らす程度。霧吹きなどで湿らせたら、土の中央に挿し穂を差します

③:水をたっぷりと与えて完了

最後に水を与えます。この時はたっぷりと水を与えましょう。鉢底から水が流れてくればOKです。発根するまでしばらく水やりを控えるため、挿し穂がぐらつかないよう注意しながら水やりします

半日陰で管理し、徐々に明るい場所に移動させる

挿し木したあとは発根するまで半日陰で管理します。風通しのよい場所がいいですね。目安は1週間くらい、新芽が伸びて来たり、葉にツヤが出てきたりしたら根が出ている証拠。徐々に明るい場所へ移動させて、ゴムの木の成長を助けてください。

ゴムの木に起こりうるトラブルと対処法

ゴムの木に起こりうるトラブルと対処法
ゴムの木の基本的な育て方について、たくさん確認してきましたがいかがでしょうか? お持ちのゴムの木と照らし合わせて上手に管理していきましょう。最後は、ゴムの木の育て方のうち起きやすいトラブルとその対処法についてまとめました。

葉が丸まる

ゴムの木のトラブルでよく質問をいただくのが、葉が丸まってしまうということです。元々観葉植物の中でも葉っぱが大きい植物ですから、見た目や病気ではないか心配する方も多いはず。原因と対処法について確認していきましょう。

原因:空気の乾燥

葉が丸まる原因は、空気の乾燥です。丈夫で育てやすいゴムの木といえども、熱帯や温帯などある程度湿度のある地域が原産です。空気が乾燥してしまうと、葉が蒸発を防ごうと内側に丸まることがあります。理想的な湿度は70%、少なくても50%はキープしましょう。

対処法:こまめに葉水を行う

対処法は簡単です。ミスト状になる霧吹きを使ってこまめに葉水を行い、葉の乾燥を防ぎましょう。1日に数回、葉の表だけではなく裏面や茎にもまんべんなく水分を吹きかけてください。ただし、冬に夜の葉水は水滴が冷えてかえって葉を傷める原因になりますから、避けましょう。

葉が落ちる

また葉が落ちるというトラブルもよくあります。葉の色が薄くなっていたり、葉が突然落ちたりした時の原因と対処法についてまとめました。

原因①:寒すぎる

ひとつ目の原因は寒さで葉が落ちているということです。耐寒性の低いゴムの木は一般的に冬は室内栽培が基本ですが、まれに室内でも10℃以下になってしまい葉が落ちてしまうことがあります。エアコンの風が直接当たっても同様の原因が考えられます。

対処法:10℃以下の寒さは避ける

寒さで葉が落ちている場合、対処法は気温を10℃以上に保つことです。秋から冬にかけては冷気の入りやすい窓辺から1~2mほど離して、一定の温度を保つようにしましょう。レースのカーテンで直接冷気が当たらない工夫するのもおすすめです。

原因②:日光不足

もうひとつの原因として日光不足が考えられます。年間を通して日がよく当たる場所を選んでください。一日中日陰に置きっぱなしの状態だと日照不足で葉が落ちてしまいます。しかし注意するのは、直射日光が当たる場所に置くと日陰の場所と同様に葉が落ちてしまうということです。

対処法:徐々に日当たりの良い場所に移動させる

対処法としては、少しずつ日当たりの良い場所へ移動させていくことです。突然日陰から日当たりの良い場所へ移動すると、急な環境の変化で株そのものが弱る心配があります。そのため、日陰から半日日の当たる場所、そして日当たりの良い場所と徐々に移動して当たる日照の量を調節してください。

葉が垂れる

大きな葉が垂れている場合、考えられるのは2つあります。まずは土の表面を手で触ってみてください。土が濡れている時と、濡れていない時で対処法が変わってきます。

原因1:根腐れ

まず土の表面を触って濡れている場合、根腐れが考えられます。土がずっと過湿状態で根が酸素をうまく取り込めず、腐ってしまっている状態です。鉢から取り出して根が黒ずんでいませんか? 根腐れで葉が垂れている場合、すぐに植え替えをして悪い部分を切り取る必要があります。

対処法:腐った根を取り除き新しい土に植え替えを行う

対処法として植え替えしなければいけません。鉢から根を取り出して腐った根や黒ずんだ根を切り落とし、新しい土を入れた鉢へ植え直してください。さらにしばらく水やりを控えて、できるだけ風通しの良い場所へ置いて様子を見ましょう

原因2:水切れ

土を触って表面が乾いている場合、根腐れではなく水分不足が考えられます。特に春から秋にかけては成長が早く水切れしやすい状態です。しかし冬は葉が垂れていても過剰に水やりをしてはいけません。根の吸水量に合わせて、水やりの頻度や量を調節する必要があります。

対処法:適切な水やりを行う

対処法としてはもちろん、適切な水やりを行うことです。春から秋にかけては土の表面が乾いていたら鉢底から水が流れるくらいたっぷりと与えます。夏場は朝夕の涼しい時間帯に行います。冬場は少しずつ水やりの頻度を控えていき、土の表面が乾いてから2~3日経ってから水やりをしてください。

葉が茶色く枯れる

最後のよくあるトラブルとして、葉が茶色く枯れているという質問です。葉が変色する理由は様々ありますが、ゴムの木でもっとも多い原因がひとつあります。

原因:葉焼け

最も多い原因として、葉焼けが考えられます。葉焼けとは、直射日光に当たり続けて葉の組織が壊れ茶色く変色することです。また普段日陰にあるゴムの木を突然日当たりの良い場所へ移動すると葉焼けが起きやすくなります。

対処法:葉焼けした部分を取り除き、明るい日陰に移動させる

対処法としてはとても簡単です。葉が茶色く枯れてしまった部分を取り除き、今の場所からすぐに置き場所を変えてください。基本的にはレースのカーテンなどで遮光するか、屋外に出す場合は明るい日陰で管理することをおすすめします。

【まとめ】ゴムの木の育て方を紹介!挿し木のコツや葉が枯れるときの対処法まで

最後まで読んでいかがでしたでしょうか。ゴムの木は丈夫で育てやすく初心者にも人気の観葉植物ですが、基本の育て方を把握して育てるとさらに長期間健康な状態で育てることができます。また品種も多いため、フランスゴムノキやフィカス・ロブスターなど色んなゴムの木を並べてインテリアグリーンとして楽しむのもおすすめです。
  • ゴムの木はインド北部やマレー半島を原産地とするクワ科イチジク属の常緑性高木
  • 楕円形の大きくて肉厚な葉っぱが特徴
  • 品種によっては斑入りのものもある
  • 日当たりの良い環境で管理する
  • 水やりは土の表面が乾いてからたっぷりと与える
  • 肥料は液体肥料か、緩効性の固形肥料がおすすめ
  • 1~2年に1回植え替えする
  • 剪定は徒長した枝や不要な枝をカットする
  • 剪定した枝を再利用して挿し木ができる
以上のことがわかりました。ぜひ育て方の参考にして長期間ゴムの木を楽しんでみてくださいね。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、是非ご覧ください。