キンモクセイの失敗しない剪定方法!適した時期からコツまで

キンモクセイの失敗しない剪定方法!適した時期からコツまで
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キンモクセイを育てている方にとって、避けて通れないお手入れの一つとして剪定がありますよね。メインガーデンのシンボルツリーとして、大きく立派に育ったキンモクセイをどのように剪定したらいいのか分からないという方も多いことでしょう。今回は、そんなお困りの方に向けて、キンモクセイの剪定方法について詳しく解説していきたいと思います。 そこでこの記事では
  • キンモクセイの剪定の目的は?
  • 剪定する時期はいつ?
  • 剪定できるべき枝はどれ?
  • キンモクセイの剪定方法は?
  • 失敗しないための剪定ポイントとは?
について解説していきます。 この記事を読んでいただければ、キンモクセイの剪定方法が詳しく分かります。この記事を参考にしていただければ、キンモクセイを傷めずに綺麗に剪定することができますので、ぜひ最後までお読みください。

キンモクセイの剪定の目的

なぜ、キンモクセイに剪定が必要なのでしょうか。まずは、剪定の目的についてご説明したいと思います。

おしゃれで香りのいいキンモクセイ

あなたは、キンモクセイの香りが好きですか。庭のシンボルツリーとしてはもちろん、生垣、街路樹にもよく利用されている植物で、9月~10月頃には、辺り一帯には甘い香りが漂いますね。最近は、シャンプーやフレグランスなど、キンモクセイの香りの商品も増えており、若い女性にもおしゃれで良い香りの花として人気が高まっています。

キンモクセイは大きくなると7~8mまで成長する

キンモクセイは現在も庭木のシンボルツリーとしても根強い人気がありますが、そんなキンモクセイは生育旺盛な植物で、春になると勢いよく枝が伸びます。なんと1年に15cm以上も成長することも珍しくありません。大きいものは7m~8mまで成長するようです。大きくなりすぎると、株の日当たりや風通しが悪くなりますから、剪定が必要となってきます。

キンモクセイの剪定の効果

それでは、キンモクセイを剪定することの効果について解説していきたいと思います。剪定の効果は主に5つあります。

樹形を維持して見た目を美しくする

1つ目は、樹形を維持して見た目を美しく保つ効果です。キンモクセイに限らず、剪定と言えばこの目的で行うことが多いでしょう。ボリュームを押さえたり、一部分だけ伸びすぎた枝や枯れた部分を剪定していきます。

大きくなりすぎた木を切り戻しによって縮小させる

2つ目は、大きくなりすぎた木を縮小させる効果です。先ほど、キンモクセイは7m~8mにまで大きくなるとお伝えしましたが、そこまで大きくなると管理が大変ですよね。高く成長しすぎる前に、樹高を低くするために切り戻し剪定を行うことで、木のサイズを縮小させていきます。ご自身の育てやすい高さに調整していきましょう。

不要な枝をなくすことで大きく育てることも

一方で、3つ目は、不要な枝をなくし、大きく育てる効果もあります。不要な枝を剪定していくことで、新しい枝に栄養が行き渡るようになるため、大きく育つことができます。ご自身の好みの樹高まで2つ目の剪定と3つ目の剪定を組み合わせて行っていきましょう。

風通しをよくすることで病害虫予防にも効果あり

4つ目は、株の風通しを良くし、病害虫予防の効果です。植物は、放っておくと、枝が伸び葉も茂り、密集してきます。そうなると、風通しや日当たりが悪くなり、害虫が発生しやすくなったり、病気にかかりやすくなってしまいます。

花付き・実付きをよくする

5つ目は、花付きや実付きを良くする効果があります。花を咲かせたり、実をつけるということは、植物にとって栄養やエネルギーが必要となります。余分な枝葉を剪定することで、花芽に栄養が行き届き、花付きや実付きを良くすることができます。

キンモクセイを剪定する時期はいつ?

剪定する目的と効果がお判りいただけたでしょうか。それでは、キンモクセイの剪定をすることになったら、剪定時期はいつが良いのでしょうか。 剪定は樹木によって適期があります。キンモクセイの剪定は、軽めの剪定強剪定の2つに分かれますので、それぞれの適期について、順にご説明していきたいと思います。

軽めの剪定

まずは、軽めの剪定についてです。軽剪定や弱剪定とも言います。軽めの剪定であれば、2回、適期があります

花が咲ききった11月頃

1回目は、花が咲ききった11月頃です。この時期に軽めの剪定を行うことで、花付きや実付きが良くなります。花が咲き終わった直後は、まだ光合成が活発で翌年の成長や花を咲かせるためのエネルギーを溜めこもうとしていますので、それが落ち着く11月頃がおすすめです。

花芽が付く前の5月~6月頃

2回目は、花芽が付く前の5月~6月頃です。11月を逃したら、この時期に剪定を行っても良いでしょう。

強剪定:3月~4月頃

続いて、強剪定についてです。強剪定とは、枝を深く切ることを言いますが、切り戻し剪定や、透かし剪定がこれに当たります。3月~4月頃に一度、樹形を整えるための剪定をしていきましょう。

冬の寒さを乗り越えるため真冬には大幅に刈り込まない

弱剪定と強剪定の適期についてご説明してきましたが、一点注意していただきたいことがあります。キンモクセイはある程度の枝や葉を残しておかないと冬の寒さを乗り越えられないません。そのため、真冬に大幅に刈り込みするのは避けましょう

花を楽しまない場合はいつ剪定してもよい

ちなみに、キンモクセイは常緑樹のため、花を楽しまないのであればいつ剪定しても大丈夫です。

花を楽しみたければ春~夏の剪定を避ける

花を楽しみたい方は、芽が付く春~夏の間は剪定を避けましょう。キンモクセイの花芽は夏につくため、誤って花芽を切ってしまわないように、この時期の剪定を避けるのです。

キンモクセイの剪定で切るべき枝

キンモクセイの剪定は、軽めの剪定と強剪定で、適する時期が異なりましたね。一方で、どんな枝を剪定するべきなのか疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここからは、キンモクセイの剪定で切るべき枝を解説していきたいと思います。

邪魔な枝はバッサリ切ってしまう

剪定するべき枝のことを不要枝(ふようし)または忌み枝(いみえだ)などと呼びます。不要枝にもいくつか種類がありますのでご紹介していきます。こういった生育や美観に邪魔な枝はバッサリ切ってしまうのが基本です。

枯れ枝

枯れ枝は、不要枝の一つです。枯れたら元に戻ることがないので剪定タイミングになったらカットしていきます。しかしながら、新芽が付いている場合もあるので、慎重に剪定していきましょう。

放置すると日当たりや風通しに悪影響

枯れ枝を放置すると、日当たりや風通しが悪くなる原因となります。

色が変わり、つやがない

周辺の枝に比べて、色が変わり、艶もないためすぐ見分けがつくでしょう。

立ち枝:真上に向かって強く伸びている枝

立ち枝は、通常横に向かって伸びるはずの枝が、真上に向かって真っすぐ伸びてしまった枝のことを指します。放っておくと樹形が崩れてきます。

下がり枝:下に伸びる枝

垂れ枝とも言われますが、下向きに伸びた枝のことを下がり枝と言います。

内向枝(逆さ枝):内側に向かって伸びる枝

内側(幹)に向かって伸びた枝を内向枝(逆さ枝)と言います。内向枝があると全体的に込み合ったような外観になってすっきり見えません。

交差枝(からみ枝):交差した枝

他の枝と交差した枝のことを交差枝(からみ枝)と言います。全体的なバランスを見て不要枝をカットします。

平行枝:他の枝と近い位置に平行して出ている枝

平行枝とは、近い場所から複数の枝が平行に伸びてしまったものを指します。木の下の方の日当たりを阻害するので、見つけたら剪定していきましょう。

徒長枝:他の枝と比べて勢いがよく、太く長く伸びる枝

他の枝と比べて勢いよく伸びた枝のことを徒長枝と呼びます。徒長枝を切ることによって樹冠が整えられます。雨風で折れやすく、害虫も発生しやすい枝です。

ふところ枝:幹付近から伸びた枝

幹付近から伸びている枝のことをふところ枝と言います。日も当たりにくく、風通しも悪くなりがちなので害虫が発生しやすい枝ともいえます。

かんぬき枝:主幹を横に貫いて左右対称に生えている枝

主幹を横に貫いて、左右対称に生えている枝をかんぬき枝と言います。全体的なバランスを考慮して、左右どちらかの枝をカットしましょう。

胴吹き枝:幹の根元付近から上に伸びた枝

幹の根元付近から上に伸びた枝のことを胴吹き枝(幹吹き)と言います。樹木の上に行くはずの栄養を奪ってしまうため、早めに剪定することをおすすめします。

ひこばえ:根元付近から生えてくる枝

樹木の根元付近に生えてくる枝のことをひこばえと言います。胴吹き枝と同様に、栄養が行き渡らなくなりますのでこちらも早めに剪定しましょう。また、地植えの場合、ひこばえがあると躓きやすいので注意しましょう。

車枝:枝の一部分から多数の枝が出ているもの

枝の一部から多数の枝が放射状に伸びているものを車枝と言います。

腹切枝:幹と交差する太い枝

幹と交差する太い枝のことを腹切枝と言います。

キンモクセイの剪定の方法

図解とともに剪定するべき枝をご説明しました。切るべき枝のイメージはできたでしょうか。それでは、キンモクセイの実際の剪定方法についてご説明していきましょう。

用意するもの

まずは剪定するにあたって用意する道具は以下の4つです。

軍手

1つ目は軍手です。枝葉で怪我をしないように準備しましょう。

剪定バサミ

2つ目は剪定バサミです。直径1cm程度の枝までをカットすることができます。清潔なものを準備しましょう。

植木バサミ

3つ目は植木バサミです。剪定バサミより細かい部分の作業に向いているハサミです。こちらも清潔なものを使用しましょう。

脚立やはしご

4つ目は、脚立はしごです。ご自身の育てているキンモクセイの樹高に合わせて、1m~3mほどの脚立やはしごがあると作業しやすいでしょう。

外側の剪定のしかた

続いて剪定の仕方を説明していきたいと思います。キンモクセイの剪定は、2つの剪定(外側と内側)のしかたがあり、それらを適宜行っていくことになります。それでは、それぞれ順に解説していきましょう。 1つ目は、外側の剪定方法についてです。

外側の剪定は毎年行う

キンモクセイは外側と内側の剪定がありますが、外側は、樹形を整える目的の剪定です。外側の剪定は1年に1回は必ず行いましょう。

全体の形を丸く切りそろえる

全体の形を丸く切りそろえるように剪定していきます。キンモクセイは丸く刈り込むのが一般的で、庭木や街路樹のキンモクセイもそのような樹形に整えられていることが多いようです。

側面から上面の順に荒く刈り込む

まずは、側面から上面に向かってざっくりと刈り込みます。この順に行うとバランスがとりやすいです。

上面から側面を丁寧に刈り込んで微調整する

続いて、上面から側面を丁寧に刈り込んで微調整していきましょう。飛び出ている枝や枯れている部分を綺麗に剪定していきましょう。

内側の剪定のしかた

2つ目は内側の剪定の方法です。

内側の剪定は3~4年に1回行う

対して内側の剪定は、内側の枝を透かし風通しを改善する目的で行います。こちらの剪定は3年~4年に1回を目安に行いましょう。

内側の枝を透かす「枝抜き」を行う

内側の枝を透かす剪定は枝抜きと言われます。風通しが良くなるため害虫の発生を予防したり、日当たりも改善されるので、全体的に光合成できるようになります。斜め上方向に伸び、他の枝と重なっていない枝を残してその周辺の不要枝をカットします。

透かし剪定のしかた

それでは、内側の剪定の一つである、透かし剪定の方法について解説していきます。

日当たりや風通しを改善する

透かし剪定は、日当たりや風通しを改善することが目的です。

混み入っている枝があれば全体が均一になるようにする

込み合った枝があれば、全体が均一になるように、適度に透かしていきます。日当たりや風通しが改善することによって、病気や害虫の発生を予防することにもつながります。全体的に透かすことにより樹形も整うでしょう。

透かし剪定の詳しいやり方

透かし剪定の方法について詳しく解説していきたいと思います。
  1. まずは、主幹から生えている太い枝を間引きます。
  2. 複数の枝葉が絡み合ったもの、上にまっすぐ強く伸びている枝を選び、その枝が枝分かれしている箇所ですべて切り落とします。
  3. 枯れた枝や、古い枝もこの時一緒に切り落としましょう。
ご自宅の生垣に、目隠しの目的でキンモクセイを植えている方は、少し枝を多めに残しても構いません。

樹高を低くしたいとき、枝数を増やしたいとき

続いて外側の剪定のパターンについて解説していきましょう。樹高を低くしたい時枝数を増やしたい時に行う剪定方法です。

花が終わった枝を切り詰める

樹高を低くしたい、枝数を今後増やしたいとお考えの方は、剪定の際、花が咲き終わった枝を選び、枝の先から2~3節残した長さで切り詰めましょう。

4月には新梢が伸び、花芽をつける

4月には新梢(新しい枝のこと)が伸び、また新しい花芽を付けてくれるでしょう。

失敗しないための剪定のポイント

2つの剪定方法についてご説明しましたが、失敗しないためのポイント5つについてご説明します。これらのポイントも頭に入れておくことで、キンモクセイのおしゃれで美しい生垣や庭木を保つことができますよ。

自然に生えている木を手本にするとよい

1つ目のポイントは、自然に生えている木をお手本にすることです。やはり自然に生えている木の樹形は、生命力が感じられて美しいですよね。近くに自然に生えた木が無ければネットで検索してみましょう。

慣れていないうちは数年かけて少しずつ短くする

2つ目のポイントは、数年かけて少しずつ短く剪定することです。慣れないうちは、枝をバッサリ切ってしまうのは勇気がいりますね。あるいは、切るべきでなかった枝や幹を切ってしまうこともあるかもしれません。剪定が不慣れな方は、数年単位で、時間をかけて少しずつ短く切っていくようにすると失敗の可能性も少なく済みますよ。

葉っぱをすべてなくすと枯れてしまうので注意

3つ目のポイントは、葉っぱをすべて落とさないことです。キンモクセイの枝についた葉っぱをすべて切り落とすと、冬を越せなくなり、その枝は枯れてしまいます。また、キンモクセイの花は、枝分かれした根元に咲きますので、剪定の際、葉っぱは残すということを頭に入れておきましょう。

画像や動画などを参考にするとよい

4つ目のポイントは、画像や動画を参考にすることです。園芸店や植木屋さんが無料で解説している動画や画像もたくさん出ています。剪定を始める前に、予習してイメージをつかんでおくと良いでしょう。もちろんこの記事も参考にしてくださいね。

業者に依頼する方法も

5つ目のポイントは、最終手段にはなりますが、業者に依頼することです。

樹木の修正や切り方を熟知したプロに任せると安心

ご自身で剪定すると、もちろん無料でできますが、剪定の作業時間が取れない、道具を揃えられない、あるいは、樹形を修正したいなどの場合は、やはり剪定のプロである植木屋さんに任せると安心ですね。

料金は約4000~6000円ほど

プロに頼むとなると料金が気になる方も多いのではないでしょうか。地域や業者にもよりますが、刈り込みと透かし剪定を依頼すると、2m程度の樹高で、料金は約4,000円~6,000円ほどになるようです。

【まとめ】キンモクセイの失敗しない剪定方法!適した時期からコツまで

いかがでしたか。キンモクセイの剪定について解説してきました。この記事のポイントは
  • キンモクセイは大きくなると7m~8mに成長するため剪定が不可欠な植物である
  • キンモクセイを剪定する目的は5つ 「樹形を整える」「大きくなりすぎた木を縮小させる」「大きく育てる」「風通しを良くし病害虫を防ぐ」「花付き、実付きを良くする」
  • 軽めの剪定は11月頃または5月~6月頃が良い
  • 強剪定は、3月~4月頃が良い
  • 剪定で切るべき枝は、13種類ある
  • キンモクセイの剪定のしかたは2種類 「外側の剪定」「内側の剪定」
  • 失敗しないためのポイントは5つ 「自然に生えている木を手本にする」「少しずつ短くする」「葉っぱをすべて落とさない」「画像や動画を参考にする」「業者に依頼」
ということでしたね。 これらを押さえれば、キンモクセイの剪定方法についてお判りいただけたのではないでしょうか。キンモクセイは、剪定の仕方が複数あったり、失敗しないためのポイントもありますから、ぜひ何度読み返していただき、実践してみましょう。キンモクセイのあるガーデンライフを楽しんでくださいね。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。