シャクヤクの育て方を徹底解説!成長後のお手入れから人気品種まで

シャクヤクの育て方
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目次

初夏にピンクや白色の美しい花を咲かせるシャクヤク(芍薬)はブライダルブーケやドライフラワーでも人気の植物の一方、生薬でも有名な植物です。観賞用だけでなく生薬としても有名なシャクヤクは、育て方が難しそうなイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか。 そこで今回は
  • シャクヤクの置き場所
  • シャクヤクの水やり方法
  • シャクヤクに適した土
  • シャクヤクの肥料の与え方
  • シャクヤクの花が咲かない原因
について詳しく解説します。 シャクヤクは古くから親しまれる植物で適切な育て方ができれば、美しい花も咲かせてくれます。記事の後半ではシャクヤクの人気の品種もご紹介しているため、これから育てようと検討している方はぜひ参考にしてみてくださいね。

そもそもシャクヤク(芍薬)とはどんな植物?

そもそもシャクヤク(芍薬)とはどんな植物?
シャクヤク(芍薬)を育てる前にまずはどんな植物なのか知っておくと、元気な花を咲かせるヒントになるでしょう。シャクヤクと似ている花にはボタンがありますが、見た目と香りに少しの違いがあります。シャクヤクは葉に光沢があり、バラのような香りがするのが特徴です。 一方でボタンは葉に切れ込みがあり、香りがしません。このように似てる植物でも異なる部分があるため、育て方をチェックするときには特徴も確認しておくとより栽培を楽しめます。気になるシャクヤクの栽培難易度は難しいのかも解説しているため、チェックしてみてくださいね。

アジア北東部が原産のボタン科ボタン属の多年草

シャクヤクは中国北部、朝鮮半島などのアジア北東部が原産のボタン科ボタン属の多年草です。多年草とは毎年花を咲かせる植物のことで、基本的にシャクヤクは5月~6月頃に開花します。英名は「Peony(ピオニー)」と呼ばれ、ボタンも同じ名前で販売されることも。そのためPeony(ピオニー)表記で販売されている場合は、シャクヤクであるかよく確認しましょう。 見分けがつかない場合は、植物の種類を教えてくれる「Picture This」というアプリもあります。専用のアプリを使用すると注意点や育て方もわかるため、ボタンと混同されがちなシャクヤクを栽培するときには利用するのもおすすめです。

日本にも原産種がある

シャクヤクの原産地はアジア北東部とお伝えしましたが、日本にも原産種があります。日本が原産のシャクヤクは「和シャクヤク」と呼ばれ、一重咲きのものが多いのが特徴です。そもそもシャクヤクが日本に伝わったのは平安時代で、生薬として重宝され広がりました。その後江戸時代になると観賞用として多くの園芸品種が開発され、さまざまな花姿が楽しまれています。日本が原産の和シャクヤクがある一方で、ヨーロッパで品種改良されたものは洋シャクヤクと呼ばれ、八重咲きで香りが強いものが多いのが特徴です。 ちなみに現在でもシャクヤクは生薬として使用され、冷えやむくみの症状を改善する漢方にも含まれています。そのため「立てば芍薬、座れば牡丹」という言葉は健康で美しい女性を表すとされる一方で、生薬の効果を表現しているのをご存じでしょうか。具体的には立っている女性を気が立っている姿と重ねており、シャクヤクが不安定な気分や痛みの症状を改善することからたとえられました。シャクヤクは花を楽しむだけでなく、私たちの健康も支えてくれる植物でもあります。

高貴でエレガントなイメージをもつ

シャクヤクの花はバラのように大ぶりのものが多く、一重咲きや八重咲きなど美しい花姿から高貴でエレガントなイメージがあります。色も淡いピンクや白、紫など気品あるカラーが多いのも高貴といわれる理由の一つ。ちなみにシャクヤクの花言葉には「恥じらい」「つつましさ」「謙遜」などがあるため、プレゼントに贈るのもおすすめです。

栽培難易度は難しい?

シャクヤクは開花に関するトラブルが起こりがちの一方で、正しい育て方ができれば栽培難易度は難しくありません。シャクヤクを栽培するときのトラブルとちょっとしたコツは次のとおりです。

「花が咲かない」「曲がってしまう」「枯れる」などの失敗も

シャクヤクは「花が咲かない」「曲がってしまう」「枯れる」などの失敗も起こりがちです。ネットなどで花が咲かないお悩みや曲がってしまった体験談を見ると、シャクヤクの育て方は難しいのではと感じてしまいますよね。シャクヤクを元気に育てて無事に花を見るためには、次にご紹介する2つを意識すると成功に近づけます。

正しい育て方で育てるのがコツ

シャクヤクを元気に育てて花を咲かせるためには、当然ながら正しい育て方を実践する必要があります。シャクヤクに適した置き場所や水やり方法はもちろん、土作りや肥料の与え方も適切に行わないとダメージを与えてしまう可能性も。そのためシャクヤクの美しい花を咲かせたい場合は、土台の土から環境を整えてケアしていくことが大切です。

北海道など寒冷地での栽培が適している

シャクヤクは涼しい環境で丈夫に育つため、日本では北海道の寒冷地での栽培が適しています。耐寒性があり北海道でも栽培できるとはいえ、生育可能な温度は0℃のため氷点下ではマルチングという株元を保護する作業が必要です。耐寒性が強いシャクヤクは気温が25℃以上の環境になると生育が止まり休眠期になるため、時期に合わせたケアも重要になります。マルチングや時期に合わせた詳しい育て方のポイントはこれからご紹介するため、参考にしてみてくださいね。

シャクヤクの育て方のポイント①置き場所

シャクヤクの育て方のポイント①置き場所
ここからはシャクヤクの育て方のポイントを詳しく解説します。シャクヤクの育て方のポイント一つ目は置き場所です。シャクヤクは地植えと鉢植えが可能で、それぞれ適した置き場所があります。

鉢植えより地植え(庭植え)の方が比較的簡単に育てられる

シャクヤクは鉢植えと地植えで育てられる植物です。初心者や簡単に育てたい場合は、地植えをおすすめします。シャクヤクは多年草のため、植え付けたあとは次々と新芽を出して大きく成長する植物です。 また植え付けてからすぐに開花するのではなく、花が咲くには株が大きく成長する必要があります。そのため鉢植えよりも管理が楽で根が伸びやすい地植えのほうが、シャクヤクを成長させやすく簡単に育てられるというわけです。

日当たりと水はけの良い場所で育てる

シャクヤクは基本的に日当たりと水はけの良い環境で育てましょう。水はけが悪いと土や根にカビが発生することもあり、開花にも影響するため注意が必要です。そのため日当たりと水はけが良い場所で育てることで、風通しも良くなりカビの発生を抑えられるでしょう。 涼しい気候の春と秋は日光が当たる明るい場所で、冬場は吹雪にさらされない環境がベストです。ただし暑さには弱いため、時期によって日当たりには注意する点もあります。

暑さに弱いため真夏の西日は避ける

シャクヤクは日光が当たる明るい場所を好む一方で、先ほども触れたように暑さに弱いため真夏は西日を避けましょう。真夏の西日を避けるためにも、鉢植えと地植えに適した環境をご紹介します。

地植えの場合:東側に植える

シャクヤクを地植えで育てる場合は、西日を避けるために東側に植え付けましょう。どうしても東側に植える場所がない場合は、西日が当たらないよう十分注意して半日陰になる環境で栽培してください。

鉢植えの場合:午前だけよく日が当たる場所に置く

シャクヤクを鉢植えで育てる場合は午前中だけ日が当たる場所に置きましょう。とくに真夏は日差しが強いため、高温になる日中はシャクヤクが弱ってしまいます。そのため午後以降は半日陰に移動しておきましょう。

シャクヤクの育て方のポイント②:水やり

シャクヤクの育て方のポイント②:水やり
シャクヤクの育て方の2つ目のポイントは水やり方法です。水やり方法も地植えと鉢植えで異なります。また時期や気候によっても水を与えるタイミングや量が違うため、これから解説する注意点は把握しておきましょう。

地植えは基本的には必要ない

シャクヤクを地植えで育てる場合は、基本的に水やりは必要ありません。ただし1週間以上雨が降らず土がカラカラに乾燥したときは、たっぷりと水を与えましょう。

鉢植えの場合

鉢植えの場合は時期によって水やりのタイミングが異なります。シャクヤクの鉢植えの水やり方法は次のとおりです。

土が渇いたらたっぷりと

シャクヤクは土が乾いたら鉢底から水が流れ出るまで、たっぷりと水やりをしましょう。また植え付けたあとの秋以降は根が育つ時期のため、土が乾燥しないように注意してください。真夏は乾燥しやすくなるため、朝・夕の1日2回水やりをします。

真夏の日中と真冬の夜は避ける

シャクヤクに水やりをするときは、真夏の日中と真冬の夜は避けましょう。真夏は気温が低い朝と夕方に水やりをします。真夏の日中に水やりをすると、水が高温になり鉢の中が煮えてしまうため避けましょう。反対に真冬の気温が低い夜間は、水が冷えて凍りシャクヤクを傷めてしまう可能性があります。シャクヤクを傷めないためにも真夏と真冬の水やりは、時間帯に注意してください。

葉や花に水がかからないよう注意する

シャクヤクに水やりをする際は、葉や花に水がかからないように注意しましょう。シャクヤクの花や葉を守るためにも水やりをするときは、株元に向かって水を与えてください。

シャクヤクの育て方のポイント③:土

シャクヤクの育て方のポイント③:土
シャクヤクの育て方のポイント3つ目は土です。土は植物が育つ土台のため、どんなに水やりや置き場所に注意しても土壌が悪いと丈夫に育ちません。土も地植えと鉢植えで違うため、目的の栽培方法に合わせてチェックしておきましょう。

水はけのよい土壌を好む

シャクヤクは水はけの良い土壌を好む植物です。そのため土を配合して作るときは、水はけがよく通気性の良い環境になるようにしましょう。水はけが悪いと根腐れを起こし最悪の場合、枯れてしまいます。

地植えの場合

地植えの場合は庭などの元の土壌環境に合わせて、水はけの良い土になるように配合しましょう。とくに粘土質の土壌環境に植え付ける場合は、次の配合で水はけの良い土に整えることをおすすめします。

粘土質の土壌では砂やパーライトを混合する

粘土質の土壌は水はけが悪いため、砂やパーライトを混合して土壌を改良しましょう。砂は川砂がおすすめです。パーライトは白い粒で火山岩から作られた人工の土壌改良材。どちらもホームセンターや園芸店で入手できます。

客土をする

土壌改良材だけでは環境が整わない場合は、客土をしましょう。客土とは他の場所から土を持ってきて、植え付ける部分の土壌を改良することです。大量の土が必要で手間と時間はかかりますが、確実に水はけのよい土壌に改良できます。

鉢植えの場合

鉢植えの場合は病気や害虫、カビの発生を防ぐために、根についた土はほぐし落としてから植え付けます。そのあとの鉢植えに植え付けるポイントは次のとおりです。

鉢底にゴロ土を敷く

余分な水分を流すために鉢底にゴロ土を敷きましょう。ゴロ土とは水はけをよくするために鉢底に敷くもので、軽石や大粒の赤玉土などがあります。

赤玉土5:腐葉土3:山砂か桐生砂2の混合土などがよい

鉢植えに植え付けるときの用土は赤玉土5:腐葉土3:山砂か桐生砂2の混合土などがおすすめです。赤玉土は通気性と保水性、保肥性に優れており、弱酸性の用土。腐葉土は落ち葉や微生物を分解してつくられた改良用土でふかふかした柔らかい手触りが特徴です。バランスよく混合することで水はけの良い土壌で、元気なシャクヤクに成長します。

シャクヤクの育て方のポイント④:肥料

シャクヤクの育て方のポイント④:肥料
シャクヤクの育て方のポイント4つ目は肥料の与え方です。シャクヤクの花を咲かせるためには肥料が必要な一方で、成長に合わせて与え方も異なります。シャクヤクの適切な肥料の与え方は次のとおりです。

生育期前と開花後に緩効性化成肥料や油かすを施す

シャクヤクは生育期前と開花後に緩効性肥料や油粕を与えましょう。生育期前の2月に肥料を与えることで美しい花を咲かせ、開花後は栄養分が不足するため緩効性肥料や油かすを施します。

2年目以降は気温の下がる秋に肥料を施す

植え付けから2年目以降は、気温が下がる9月~10月の秋に肥料を与えましょう。9月~10月に肥料を施すことで、新芽や花芽が出てきます。

シャクヤクのお手入れ

シャクヤクのお手入れ
シャクヤクの育て方のポイントを紹介しました。ここからは育て方のポイントと一緒に覚えておきたい、お手入れ方法を解説します。植え替えや開花後の管理など、長く育てるためには要チェックです。

植え替え

シャクヤクの育て方のポイントと一緒に、必ず覚えておきたいお手入れ方法は植え替えです。

地植えは定期的な植え替えは必要ない

シャクヤクを地植えで栽培する場合は、定期的な植え替えは必要ありません。地植えの場合は頻繁に植え替えをすると根が張らず大きく成長しなくなる可能性もあるため、大きく育てることを最優先にしましょう

植え替えのタイミング:2~3年に1回

鉢植えの植え替えのタイミングは2〜3年に1回行いましょう。鉢植えの場合は植え替えをしないと成長した根が詰まってしまう根詰まりを起こします。そのため最低でも3年に1回は植え替えをして、通気性のよい環境を維持しましょう。通気性がよくなることで害虫の発生を予防し、病気も防げます。

植え替えの時期:9月~10月

シャクヤクの植え替えに適した時期は9月〜10月です。9月〜10月に植え替えることで、根がしっかりと成長し根付きやすくなります。

植え替えのしかた

シャクヤクの植え替え方法は次の手順で行います。
  1. 一回り大きい鉢を用意し、鉢底にゴロ土を敷いて、土を1/3まで入れる。
  2. 古い鉢からシャクヤクを取り出し根についた土はほぐして取り除く。
  3. 5cmほどの深さに株を置き、株元が隠れるくらに土を入れて整える。
  4. 鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えて、風通しのよい明るい日陰に置く。
シャクヤクを植え替えるときは一回り大きい鉢に植え替えることで、根詰まりを予防できます。水やり後の受け皿に溜まった水は、害虫予防のためにも捨てておきましょう。

花後の管理

シャクヤクの花を楽しんだ後にもお手入れが必要です。また花後は葉っぱのケアもしておく必要があります。

花が終わったら花首を切る

花が終わったら花首を切りましょう。咲き終わった花首を切ることで小さな芽を摘み、翌年にさらに大ぶりの花を咲かせてくれます

葉は枯れたら切り取る

10月〜11月になったら枯れた葉や茎も切り取りましょう。枯れた葉や茎は雑菌の侵入や感染症を防ぐためにも、清潔な剪定バサミでカットしてください。古くなった葉や茎を剪定することで、栄養分が株全体に行き届くため翌年も美しい花が楽しめます。

マルチング

耐寒性のあるシャクヤクも氷点下の環境ではダメージを受ける可能性があるため、株元を保護するマルチングで対策をします。マルチングをする具体的な理由とやり方は次のとおりです。

春~夏の乾燥を防ぐ

マルチングを行う目的は春から夏の温度変化から株を守り、乾燥を防ぐためです。地植えだけでなく鉢植えの場合もマルチングをすることで乾燥を防ぎ、根を守ります。株元の適度な湿度に保つためにも、マルチングは重要なお手入れです。

藁やウッドチップなどを用いる

マルチングには藁やウッドチップなどを使用します。藁とウッドチップには地温を保ち水分が蒸発するのを防ぐ効果があり、時間の経過とともに分解されて肥料になるのが特徴です。

株分け

株分けとは名前のとおり株を切り分けて増やす方法です。シャクヤクは株分けをすることで、増やすだけでなく元気に育てられます。

株を若返らせる

通常、株分けは株を増やす方法です。シャクヤクは大きく成長しすぎると、肥料などの栄養分が全体に行き渡りません。しかしシャクヤクは株分けをすることで株を若返らせることができます。栄養分が株全体に行き渡るようにするためにも、6~8年に1回は株分けをするといいでしょう。

適期は9月下旬~10月

株分けも植え替えと同じ9月下旬~10月のあいだに行います。というのも株分けは植え替えと同時に行うのが理想的だからです。株分けも植え替えもシャクヤクにダメージを与える行為でもあります。そのため同時に行い、株へのダメージを最小限に抑えましょう。

株分けのしかた

株分け方法は次のとおりです。
  1. シャクヤクを土から取り出す。
  2. 根についた土をほぐし落とす。
  3. それぞれの株に芽が2つ以上つくように、ハサミで根を切り分ける。
  4. 切り口に殺菌剤と塗布する。
  5. 新しい土に植え付ける。
株分けをした際は切り口から雑菌が入りやすいため、殺菌剤を塗布したり草木灰に浸して殺菌消毒をしましょう。切り口から雑菌が侵入すると株が腐ってしまい、枯れる原因になります。

植え付け

シャクヤクの育て方のポイントと一緒に覚えるべき植え付けは、苗の選び方が重要です。

苗の選び方

シャクヤクの苗は春と秋に出回ります。春に出回るのは開花前の苗で、秋は株が小さいのが特徴です。秋に出回るものは輸入品が多く苗によって花が咲かない場合もあるため、選ぶときは芽がたくさんついているものを選びましょう。さらには芽がぷっくり膨らんでいると開花の確率も上がります。

秋に植え付けを行う

植え付けは9月中旬から10月の秋に行いましょう。秋に植え付けることでしっかりと根を付け、初夏に開花しやすくなります。

シャクヤクの花が咲かないのはなぜ?

シャクヤクの花が咲かないのはなぜ?
シャクヤクの育て方を解説しましたが、楽しみにしていてのに花が咲かないといったトラブルが多くあります。ここからはシャクヤクの花が咲かない原因と対処法をご紹介。花が咲かない原因を知っておくと、元気な育て方のコツもつかみやすくなりますよ。

乾燥が原因

シャクヤクは乾燥すると花が咲かない可能性があります。温度変化やてきどな湿度がないと根が弱ってしまうため、乾燥には十分注意しましょう。先ほどもお伝えしたように春から夏はマルチングとこまめな水やりをすることで、株元の湿度を保てます。とくに気温が高い夏場は朝と夕方の涼しい時間帯に水やりをして、乾燥から守りましょう。

肥料不足が原因

シャクヤクの花が咲かない原因は肥料不足の可能性もあります。シャクヤクは肥料がないと元気に育ちません。そのため先ほどの育て方のポイントでお伝えしたように、時期に合わせて適切な量の肥料を与えてください。 肥料を与えるタイミングは次のとおりです。
  • 2月から3月
  • 花が終わった後
  • 9月から10月
2月から3月の芽が出る前と花が終わった後、新芽が成長する秋には緩効性肥料が必要です。

日当たりの悪さが原因

シャクヤクの花が咲かない原因には、日当たりが悪い可能性もあります。日当たりが悪いと光合成がうまくできず、生育できなくなる可能性も。鉢植えの場合は西日が当たらない明るい場所に移動しましょう。地植えの場合は西日が当たらない東側に植え付けるか、明るい日陰に植え付けます。

株分けや花がら摘みをしていないのが原因

シャクヤクを長く育てている場合は株分けや花がら摘みをしないと、花が咲かないことがあります。6年以上育てている場合は株分けをして、株を若返らせましょう。花がら摘みは終わった花を花首から取ることで、除去しないと栄養が全体に行き渡りません。

対処法

シャクヤクの花が咲かない原因をもとにした対処法は次のとおりです。
  • 土が乾燥している場合は涼しい時間帯にたっぷりと水やりをして、マルチングをする
  • 2月から3月と花後、秋に3回肥料を与える
  • 西日が当たらない日当たりのよい環境で育てる
  • 長年育てている場合は株分けをして、花後はながらつみをする
また切り花の花が咲かない場合は、蕾に蜜がついていることが原因と考えられます。シャクヤクは蕾を守るために蜜を出し、アリやハチをおびき寄せまます。しかし切り花の場合は根をカットしているためエネルギーが足りず、蜜により蕾が塞がれたまま開花できなくなることも。切り花の花が咲かない場合は蕾を確認して、ベタつく場合は蜜を拭き取っておきましょう。

シャクヤクの人気の品種

シャクヤクの人気の品種

シャクヤクは世界に700種類以上の品種があるといわれており、色や花びらの数もさまざま。そのため種類によっては違った花姿を楽しめます。最後はシャクヤクの人気品種を7種類ご紹介。それぞれ香りや花のデザインも違うため、参考にしてみてくださいね。

サラベルナール:淡いピンクの花びらとボリュームのある巨大輪

サラベルナールは淡いピンクの花びらとボリュームのある巨大輪が特徴の品種。甘い香りを放つヨーロッパが原産の洋シャクヤクで、代表的な品種です。サラベルナールという名前はフランスの女優である「サラ・ベルナール」が由来となっています。 4月~6月に市場に出回りますが、輸入品だと11月~3月に入手することも可能です。優しいピンク色で八重咲きの花はまさにエレガントな印象で、結婚式でも使用されています。

ソルベット:ゴージャスな香りで切り花としても人気

ソルベットはモンゴルやチベットなどが原産の品種で、香水のようなゴージャスな香りで切り花としても人気があります。ピンクや薄黄色の花が多く、輪をつくるようにクリーム色の花びらを途中につけた3段カラーに見える個性的なデザインが特徴。 出回るのは4月~6月で、柔らかなクリーム色とピンクのソルベットの花は洋風のお庭の庭植えとしても人気です。

滝の粧:キクのような強めの香りがあり、八重咲きの大輪の花をもつ

滝の粧(たきのよそおい)はキクのような強めの香りで、八重咲きのボリュームのある花が特徴です。 滝の粧は日本人の滝沢久寛が開発した和シャクヤクのため、日本語の品種名がつけられています。 滝の粧は4月~7月頃まで出回り、長野県や静岡県で生産されている品種です。白に近い淡いピンクの花は上品で、和風のお部屋にも馴染みます。

かぐや姫:牡丹に似た豪華でエレガントな花が咲く

かぐや姫はボタンに似た花姿で、豪華でエレガントな見た目で人気の和シャクヤクです。かぐや姫の名前は、夕方になると花を閉じる姿から付けられました。 一般的に苗が出回る時期は5月~6月です。上品な甘い香りがするかぐや姫は、見る人の心も癒してくれます。

ラテンドール:白い花びらに赤い縁取りが入る

ラテンドールはフランス生まれのシャクヤクで、白い花びらに赤い縁が入っているのが特徴です。ラテンドールは純白の花びらと爽やかな香りを放つため、優しさを意味する「ラテンドレス」とも呼ばれています。そのため結婚式のブーケやテーブルフラワーにも使用され、プレゼントとして贈っても喜ばれる品種です。 4月~6月に市場に出回りますが、輸入品は冬場にも入手できます。

春の粧:手まり咲きという真ん中が盛り上がった咲き方が特徴

春の粧(はるのよそおい)は手まり咲きという、真ん中が盛り上がった咲き方が特徴のシャクヤクです。濃いピンク色の花びらで、優しい香りを放ちます。 春の粧が市場に出回るのは5月~6月で花は大きくても17cm程度のため、大きすぎずちょうどいいサイズ。花束やフラワーアレンジメントのアクセントにもおすすめです。

氷点:ボリュームのある白い花びらが特徴

氷点はボリュームのある白い花びらが特徴の上品なシャクヤクです。バラに似た上品な甘い香りで、花びらの縁が赤く染まることもあります。 氷点は4月~6月に入手が可能で、大ぶりの花は庭植えにすると開花とともに一気に華やかになるでしょう。

【まとめ】シャクヤクの育て方を徹底解説!成長後のお手入れから人気品種まで

今回はシャクヤクの育て方を詳しく解説しました。 今回のポイントは
  • シャクヤクは西日が当たらない日当たりの良い場所で栽培し、地植えにする場合は東側に植え付ける
  • シャクヤクは水やりは土が乾いたらたっぷりと与えて夏場は乾燥しないように朝と夕方に行うが、地植えの場合は水やりは不要
  • シャクヤクは水はけの良い土を好み、地植えの場合は粘土質の土壌では砂やパーライト、鉢植えでは赤玉土5:腐葉土3:山砂か桐生砂2の混合土などがよい
  • シャクヤクは2月から3月と花後、秋に3回肥料を与える
  • シャクヤクの花が咲かない原因は乾燥や肥料不足、日当たりの悪さが考えられ、花がら摘みや株分けをしていない場合も開花しない可能性がある
でした。 今回ご紹介した育て方を実践できれば、早くて翌年には花が咲きます。苗によって遅い場合は数年かかることもありますが、適切な育て方を続ければ美しい花を楽しめる日がくるはずです。まずは育て方のポイントから始めて、慣れてきたら植え替えや株分けのお手入れも加えて元気な花を咲かせてくださいね。 東京寿園ではシャクヤク以外の記事もたくさん掲載しております。植物にお困りの際はぜひご活用ください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。