ギボウシの育て方を徹底解説!成長後のお手入れ方法や歴史まで紹介

ギボウシの育て方を徹底解説!成長後のお手入れ方法や歴史まで紹介
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目次

日陰のガーデニングに人気のギボウシ。美しい葉色や面白い葉の形が人気です。しかし、ギボウシを育てたくても、育て方がわからないと不安だと思います。ギボウシの育て方について気になりませんか。 そこでこちらの記事では
  • ギボウシはどんな植物なのか
  • ギボウシの育て方における置き場所・水やり・土
  • ギボウシに多い病害虫と対処法
  • ギボウシの増やし方
について解説しています。 この記事を読んでいただければ、ギボウシの育て方について知識が身に付きます。ギボウシを育てるときに管理方法や育て方について詳しくなるでしょう。最後にはギボウシンの歴史について紹介しているので、ぜひご覧ください。

ギボウシ(ホスタ)とはどんな植物?

日陰の花壇を彩ってくれるギボウシ(ホスタ)。ギボウシがどんな植物なのか知っている方は、少ないのではないでしょうか。ギボウシについて紹介します。

日本にも自生するユリ科ギボウシ属の多年草

ギボウシは日本にも自生するユリ科ギボウシ属の多年草です。ギボウシには小型・大型・斑入りなどの品種が多くあります。原産地は東アジア。山間の湿地や雑木林、草原に自生します。日本には、オオバギボウシなど20種塁ほどが野生し、東北地方から中部地方などで、ウルイ・タキナなどの名前で山菜として食用されています。ギボウシは日本名であり、正式には学名のホスタで呼ばれることが多いです。

ギボウシの花は7月~8月に開花する

ギボウシの花は7月~8月の時期に開花します。春に新芽を吹き出して大きく育ち、夏に涼しげな花を咲かせる植物です。花が終わると、涼しくなるにつれて生育は止まり、冬に枯れます。

ラッパのような形をした白色や紫色の花を咲かせる

ギボウシはラッパのような形をした白色や紫の花を咲かせる植物です。花茎をまっすぐ伸ばして、ラッパのような形をした花を房のように付けます。

朝に開花し夕方にはしおれる1日花

ギボウシは朝に開花し、夕方にはしおれる1日花です。花が綺麗に咲いている期間が非常に短いので、美しく咲いている姿を見ることは貴重といえるでしょう。美しい花ですが、1日花であるため、切り花には不向きです。花壇に植えて、花が咲いた姿を楽しんでください。

「ブルーエンジェル」や「寒河江」などの品種

ギボウシには、「ブルーエンジェル」や「寒河江」などの様々な品種があります。花色だけでなく、葉の模様や形の種類が多いことが特徴です。ブルーエンジェルはマットなグリーン一色の葉を持ち、可愛らしいピンク系の花を咲かせます。寒河江は、グリーンの葉が黄色で縁取られている品種です。どちらも、観賞価値が高く、花壇や鉢植えに人気があります。

ギボウシの育て方①:置き場所

ギボウシの育て方における置き場所について解説します。

半日陰が適している

ギボウシは半日陰が適している植物です。本来、自生地は雑木林の中や、草原の木の下であるためです。さらに、湿度のあるある場所を好むため、日陰~半日陰に適しています。日当たりがよすぎる場所では、葉焼けしたり乾燥したりして枯れる恐れがあるので注意しでください。

品種によっては日光を好む

基本的には、ギボウシは日陰~半日陰を好みますが、品種によっては、日光を好むものもあります。葉のも脳や形によって、葉緑素が少ない品種は、あまり暗い場所では光合成が十分にできないためです。

葉焼けをしやすいため注意

前述している通り、ギボウシは自生地では日陰~半日陰に生息しているため、直射日光下では葉焼けしやすいです。そのため、鉢植えや地植えでは葉焼けに注意してください。花だけでなく、葉が美しいため、葉焼けしてしまうと観賞価値が低くなるので気を付けましょう。

ギボウシの育て方②:水やり

ギボウシの育て方における水やりについて解説します。

鉢植えの場合:土が乾いてから水やり

ギボウシを鉢植えにしている場合は、土の表面が乾いてから水やりしてください。土が乾いていない状態で水やりすると、土が湿りすぎて根腐れする可能性が高いです。また、水やり不足でも、根痛みによって枯れる可能性があるので、土の乾燥具合を確認して水やりすることは重要です。

地植えの場合:基本不要

ギボウシを地植えしている場合は、基本的には水やりは不要です。雨が降らず、土の乾燥が続く夏時期だけ水やりします。または、地植えした直後です。根付けば、自然の雨で十分に育つので安心してください。

冬は水やりを控えめにする

冬は水やりを控えめにしてください。ギボウシは多年草なので、冬も生きていますが、葉を落として休眠中です。葉が落ちて休眠中に、水をやりすぎると根腐れする可能性があります。また、土が凍結して根が傷んでしまう場合もあるので、冬の水やりは控えめにしてください。

ギボウシの育て方③:土作り

ギボウシの育て方における土作りについて解説します。

水はけと水持ちが良い土を好む

ギボウシの土は水はけと水持ちのよい用土が適しています。自生地は湿地帯であることもあるため、水持ちの良い用土を好みますが、水はけがよくないと根腐れする危険があります。そのため、ギボウシは水はけと水持ちのバランスの取れた土を使って育ててください。

市販の草花用培養土でも育てられる

ギボウシは、市販の草花用培養土でも育てられます。ギボウシは多年草の一般草花に分類されるので、草花用培養土でも問題ありません。しかし、ギボウシにとって、やや水持ちがよいので、水はけのよい草花用培養土を選んで育てるか、小粒の軽石を1割混ぜて水はけを改善させるとよいでしょう。

ギボウシの育て方④:肥料

ギボウシの育て方における肥料について紹介します。

芽吹く前の3月~4月に肥料を施す

ギボウシには、芽吹く前の3月~4月に肥料を施します。新芽が出始める直前に、ゆっくり効くたい肥や緩効性肥料を土に混ぜ込んでください。新しい根が伸びるにつれて、肥料を吸収して、元気の良い葉を出してくれるでしょう。

9月に粒状の肥料を施す

ギボウシには9月に粒状の緩効性肥料を与えます。ギボウシは7月~8月に花が咲くので、開花後の9月は体力が少なくなっています。株を回復させるためにも、肥料を与えることは重要です。開花後の肥料を「お礼肥(おれいごえ)」と呼びます。お礼肥はギボウシに限らず、花が咲く植物にとって重要なので、ぜひ覚えておきましょう。

ギボウシの育て方のポイント⑤:冬越し

ギボウシの育て方における冬越しについて解説します。

地面を腐葉土で覆って防寒する

ギボウシを地植えで育てている場合は、腐葉土や藁などで根元を覆って防寒するとよいです。休眠しているとはいえども、土の中の根が凍結すると枯れてしまいます。凍結から守るためにも、株の根元を腐葉土や藁で覆う方法で、冬越しで枯れることを防ぐことが可能です。

室内に取り込んで管理する

鉢植えでギボウシを育てている場合は、冬は室内に取り込んで管理するとよいかもしれません。特に、関東以北の寒さが厳しい環境では、室内に取り込むことをおすすめします。鉢植えは地植えよりも、土が凍結しやすいので注意してください。関東以西でも、急激な寒波によって凍結する可能性があるので、二重鉢にしておくなどの対策をしておくと安心です。

ギボウシに多い病害虫と対処法

ギボウシの育て方における病害虫と対処法について解説します。

白絹病

ギボウシは白絹病の被害にあう可能性があります。白絹病とは株の茎の地際や葉柄、周辺の土壌に白い絹糸状の菌糸ができる病気です。茎や葉、根が腐敗して枯れます。症状がひどい場合は、株を取り除き焼却処分して、土を殺菌剤で消毒する必要がある怖い病気です。初期症状のうちに、早めに見つけて、白い菌糸を取り除き殺菌剤で対処してください。

ナメクジ

ギボウシはナメクジの被害を受けやすい植物です。ギボウシは半日陰~日陰の湿った環境を好むため、ナメクジが住み着きやすいです。ナメクジは葉や花芽を食害するので、気を付けてください。また、ナメクジが這った後は、見た目が悪くなるので、観賞価値も下がります。見つけ次第、捕殺しましょう。ナメクジ用の殺虫剤も有効です。

アブラムシ

ギボウシはアブラムシの被害もあります。アブラムシは、樹木や草花、多くの植物に発生する吸汁性害虫です。樹液を吸収されて、ギボウシは徐々に弱っていきます。繁殖サイクルも速く、短時間で増える可能性があるので、気を付けてください。ウィルスを媒介しやすいので、見つけ次第、捕殺したり殺虫剤で対処したりしてください。多くの殺虫剤がアブラムシに有効なので、繁殖する前に早めに最低でも1回は対処することが必要です。

ギボウシの苗の選び方

ギボウシの育て方は、ギボウシの苗の選び方がポイント。苗選びから、育て方は始まります。ギボウシの選び方について見ていきましょう。

葉の色が鮮やかなものを選ぶ

ギボウシの苗は、葉の色が鮮やかなものを選びます。葉の色が悪いものは、苗の時点で栄養不足や日当たり不足、根痛みしている可能性があります。植えつけても育ちますが、葉の色が鮮やかなものと比べると、生育が悪い可能性が高いです。植えつけて元気に育てるためにも、ギボウシの苗は葉の色が濃いものを選んでください。

根が詰まっているものや虫がついているものは選ばない

ギボウシの苗は、根が詰まっているものや虫が付いているものは選ばないのがポイントです。根が詰まっているものは根詰まりしているため、植えつけ後も生育が悪い可能性があります。ポットや鉢底から根が出ていないかチェックして購入すると安心です。また、購入前には、虫が付いていないかよく見てください。春~秋は葉が多く茂っているので、虫が隠れているかもしれません。虫の被害に遭っている可能性もあり、さらに持ち帰るとほかの植物が被害に遭う可能性があります。購入前は、葉を触ったり鉢底をチェックしたりしてギボウシの苗を購入しましょう。

ギボウシの種まきのポイント

ギボウシの育て方における種まきのポイントを解説します。

2月~3月におこなう

ギボウシの種まきは、2月~3月に行います。ただし、ギボウシの種は、一般的には販売していないので、育てているギボウシが開花後に付ける種を収穫しておくことが必要です。収穫した種は、通気性の良い袋に入れて冷蔵庫に保管するのがおすすめ。その後、2月~3月に種まきしてください。

種まきの際は土の性質は問わない

ギボウシの種まきの際は土の性質は問いません。極端な強酸性や強アルカリ性でなければ、種まき後は発芽しやすいです。発芽後、本葉が4~5枚になったら、地植えや鉢植えに植え替えて育ててください。種まき後は、明るい日陰で、水切れがないようにすることが重要です。

ギボウシの植え替えのポイント

ギボウシの育て方における植え付けのポイントについて解説します

鉢植えの場合は1~2年に1回植え替えをする

ギボウシを鉢植えにしている場合は、1~2年に1回植え替えします。多年草であるため、同じ鉢に植えっぱなしにすると、根詰まりしやすいです。遅くとも2年に一回植え替えしましょう。月日だけでなく、鉢底から根が出てきている場合も植え替えのサインなので、見逃さないようにチェックしてください。

2月~3月が適期

ギボウシの植え替えは2月~3月が適期です。新芽が出始める直前ですが、土の中では新芽が出来上がっています。このタイミングであれば、植え傷みも少なく株分けもしやすいためです。

地植えの場合は数年に1度株分けをして植え替える

ギボウシを地植えしている場合は、数年に一度株分けをして植え替えてください。ギボウシは地植えで植えっぱなしにすると、ぐんぐんと大きくなります。株が根元で増えていくので、大きくなりすぎている場合は、3芽ほどずつ株分けして植え替えると生育がよくなります。

ギボウシの増やし方

ギボウシの育て方における増やし方について解説します。

種まき

ギボウシは種まきでも増やすことができます。ただし、ギボウシの種は一般的には販売されていません。ほとんどが、苗の状態です。種は育てているギボウシの開花後に収穫する必要があります。手に入れた種は、2月~3月まで冷蔵庫や冷暗所で保管しておきましょう。種まきの方法は、一晩、水に浸けて吸水させ、種まき用の土に撒きます。土が乾かないように明るい日陰で管理しておくと、1週間ほどして芽が出てくるので、本葉が4~5枚ほどになるまで育ててください。

株分け

ギボウシは株分けで簡単に増やすことができます。鉢植えでも地植えでも長く育てていると、株が大きくなります。根元から、新しい新芽がたくさん出てくるので、2月~3月に植え替えると同時に株分けしてください。細かく分けすぎると生育が悪くなるので、1株当たり3芽~4芽ほどで株分けするとよいでしょう。根をほぐしながら傷めないように優しく株分けしてください。

日本発祥のギボウシの歴史

ギボウシの育て方を知るには、ギボウシの歴史を知っておくことも重要です。日本発祥のギボウシの歴史を見ていきましょう。

「ホスタ」という名前で世界では有名な植物

ギボウシは、「ホスタ」と追う名前で世界では有名な植物です。シェードガーデンには欠かせない植物として、日本だけでなくヨーロッパでも栽培され愛されています。

日本で品種改良されて生まれたギボウシ

もともと日本や東アジアに自生していたギボウシは、日本で栽培・品種改良がおこなわれていました。日本のギボウシは侘び寂びを重んじる傾向が強いため、地味目の色合いが多いです。

ヨーロッパにも日本のギボウシが広まった

日本独自のギボウシが発展していましたが、植物学者でもあるシーボルトが日本からギボウシをヨーロッパへ持ち帰り「ホスタ」として紹介しました。このことがきっかけで、ヨーロッパにも日本のギボウシが広まったとされています。

欧米で品種改良がおこなわれホスタは人気の園芸品種に

地味な葉色や模様が多いギボウシでしたが、欧米で品種改良がおこなわれ、華やかな葉色や模様を持つホスタとして人気の園芸品種になります。もともと、日陰や湿地で育てやすい性質なので、シェードガーデンには欠かせない多年草として愛されるようになりました。華やかな小型・大型・斑入りなどのホスタは、日本に逆輸入され、多くの種類が日本でも人気です。

【まとめ】ギボウシの育て方を徹底解説!成長後のお手入れ方法や歴史まで紹介

ここまでギボウシの育て方について解説してきましたがいかがですか。 この記事のポイントは
  • ギボウシは日本をはじめとする東アジア原産で、日陰に強く、夏に花を咲かせガーデニングに人気のある植物
  • ギボウシの育て方は、「置き場所:半日陰~日陰」「水やり:水切れがないように育てる」「土:水はけと水持ちのバランスの良い土」が重要
  • ギボウシに多い病害虫は、「白絹病」「アブラムシ」「ナメクジ」であり、早期発見して殺菌殺虫剤による予防と対策が重要
  • ギボウシは、株分けや種まきで増やすことができるので、育て方が上手になったら、株分けや種まきにチャレンジがおすすめ
です。 ギボウシの育て方について詳しく知ることができたのではないでしょうか。この記事を参考に、ギボウシを育ててみてはいかがでしょうか。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENにはほかにもたくさんの記事を用意しておりますので、ぜひご覧ください。