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2枚貝に長いまつげが生えたような個性的な葉を持つ食虫植物ハエトリソウ。葉の中に虫を閉じ込め溶かして消化してしまう反面、初夏に可憐な白い花を咲かせるというギャップがある観葉植物です。きちんとお世話をすれば枯れにくい植物であるハエトリソウは黒くなることがあります。 今回はハエトリソウの黒くなる原因や対処法、お世話の仕方まで以下の通り解説していきます。
- ハエトリソウが黒くなる原因とは
- ハエトリソウが黒くなった時の対処法
- ハエトリソウの育て方
ハエトリソウの葉が黒くなる原因は?
ハエトリソウの葉が黒くなる原因はいくつかあります。その中でも主に葉が黒くなる原因について解説していきますのでご覧ください。古くなった葉が枯れている
ハエトリソウはたくさんの葉をはやしますが、大きく生育していくために1番古い葉から枯れていきます。古くなった葉が黒くなることは自然と枯れていく生理現象のため、自然と枯れていく葉は気にせずに新しい葉や新芽を育ててください。黒くなっている葉を放置していると病気や害虫にかかってしまうことがあるため、定期的に取り除くなどのメンテナンスを行うといいでしょう。株全体が枯れている
ハエトリソウの株全体が枯れることはほとんどありませんが、株全体が枯れてしまうと黒くなってしまいます。また葉の開閉もたくさんのエネルギーを使うため、葉を触って無理に開閉を行うと株が弱って株全体が枯れてしまうでしょう。なるべく新しい葉には触らずに枯れた茎や葉を取り除けば株全体が枯れるということはほとんどありません。葉が腐ってしまった
株全体が枯れることと同じように葉の開閉をやりすぎた場合や夏の暑い時期に昆虫を食べて昆虫が腐り葉も腐って黒くなることがあります。葉が腐る場合は周りの環境や病気、害虫などの被害で起こることが多いです。ハエトリソウの育てる環境が整っていれば葉が枯れることもないため、葉が腐っていたら育てる環境を見直してみましょう。昆虫を捕獲した
ハエトリソウは別名ハエトリグサとも言い、その名の通りハエなどの虫を捕虫する植物です。虫を捕虫する食虫植物のハエトリソウでも必ず虫を食べないと元気にならないというわけではなく、虫を与えなくても光合成などでしっかり元気に育ちます。またアリを食べてしまうとアリに含まれる蟻酸が原因で黒くなり枯れてしまうでしょう。特に夏場は食べた昆虫が葉の中で腐って葉も腐ることが起きるため、無理に虫を与えないでください。病気にかかった
ハエトリソウが病気にかかって黒くなることがあります。葉の枚数が数枚しかないのに黒くなっている葉があったり、成長点の中心が黒くなっていれば病気にかかっていると思ってください。病気にかかったらすぐに対処しなければなりません。しかし病気にかかってなく自然に黒くなることもあるため注意して観察しましょう。葉焼けを起こした
ハエトリソウは暑さに少し弱い植物のため、真夏の強い直射日光を浴びると葉焼けを引き起こし葉が黒くなります。夏場はできるだけ直射日光を避けられるような場所に移すか、遮光ネットを用いて直接強い日差しを浴びないようにしてください。 ハエトリソウが11月頃から葉が黒くなってきたのであれば、休眠期に入ってきたサインになるため特に問題はありません。11月頃から葉が黒くなってきたら様子を見て育てていきましょう。ハエトリソウの葉が黒くなったときの復活方法
ハエトリソウの葉が黒くなった時の復活方法は2つあります。完全に全体が黒くなっていたら元には戻りませんが、黒くなり始めた時であれば復活できるかもしれません。葉が黒くなっていたとしてもあきらめないでお世話をしてみてください。薬を散布する
ハエトリソウは日本のような四季がある気候の湿地帯に自生している植物のため、乾燥を嫌い常に土が湿っている状態で育てなければなりません。湿度の高い季節などはカビが発生し黒くなりやすくなるため、殺菌剤をかけて葉が黒くなる繁殖を防いだり予防を行いましょう。使用する殺菌剤は成分表などを見てハエトリソウに最適なものを選んで散布してください。植え替えをする
ハエトリソウは湿った状態で栽培するため、何もしないで放置していると土の中が腐ってしまい根を傷める可能性があります。そうならないためにも植え替えを1年に1回程度、12月から2月の休眠期に行ってください。新しい用土に植え替えることで調子を取り戻すきっかけになることがあります。植え替え後は直射日光にガンガン当てず、明るく日当たりのいい場所で管理してください。また植え替え時に水苔や保水性の高い用土を使用すると簡単に育てやすくなります。用土の代わりに水苔を使用するときは水苔に水を吸わせて根を包むように植え替えてください。ハエトリソウの葉が枯れたときの対処法
ハエトリソウの葉が枯れてしまったときの対処法を解説いたします。ハエトリソウは完全に緑の部分がないほど黒くなっていたら廃棄するしかありませんが、まだ緑の部分があるなら対処すれば元気になるかもしれません。ハエトリソウの元気がなくてもしっかりとした対処を行ってください。枯れ葉はカビが生えることがある
ハエトリソウは湿地帯に自生している植物のため湿った環境を好みますが、風通しが悪いとカビが生えてしまいます。そのため枯れ葉をそのまま放置していると枯れ葉からカビが発生し病気や害虫にかかりやすくなってしまうでしょう。枯れ葉を放置していることはハエトリソウの生育にとって悪いことだらけのため、枯れ葉を見つけたらすぐに取り除いてください。すぐに取り除くのが良い
ハエトリソウは完全に黒くなった葉は元には戻りません。枯れ葉を放置しているとカビが生え腐っていくため、カビが生える前に速やかに取り除いてください。枯れ葉は下に引っ張ると簡単に切り取れます。またハエトリソウは5月から7月頃に白い花を咲かせ、種を実らせる植物です。種を実らせると株が弱る恐れがあるため、種を楽しみたい方以外で翌年もハエトリソウを楽しみたい方は早目に種を取り除きましょう。自然に枯れた葉と病気の被害を受けた葉を見分ける方法
ハエトリソウは湿った土壌を好むため、雑菌の繁殖からくる病気や腐敗には注意が必要です。中でもハエトリソウがかかりやすい病気は「炭疽病」という病気になります。ハエトリソウがかかりやすい炭疽病について解説いたしますのでご覧ください。炭疽病にかかると葉が黒くなる
炭疽病とは葉や茎にできた黒い斑点が徐々に大きく広がり株全体が枯れてしまう病害です。炭疽病を引き起こす炭疽菌は土の中にいる土壌菌になるため草丈が低いハエトリソウなどの植物はかかりやすい病気になります。炭疽病になってしまうと葉に穴が開いたり、感染力が強いためすぐに全体に広がってしまうでしょう。炭疽病だと思ったらすぐに対処を行ってください。炭疽病の場合は黒点から広がるように黒くなる
炭疽病にかかると黒点が徐々に大きくなり、黒点の中心部分から灰色に変わって穴が開いてきたりすることが特徴です。炭疽病は広がりやすい病気のため、放置していると植物全体に広がるだけではなく隣の株にも感染してしまいます。そのため炭疽病にかかっていることを発見したらすぐに葉を取り除いてください。株全体に感染していたら手遅れになり、株ごと処分するか薬を散布するしか方法がありません。注意しながら観察をして早期発見で早めの対処を行いましょう。ハエトリソウを枯らさない育て方
ハエトリソウの育て方は少し難しいかもしれません。しかし育て方のポイントをしっかり守れば元気に育てていけるでしょう。ハエトリソウの育て方について解説していきますのでご覧ください。真夏の直射日光は避けて管理する
ハエトリソウは四季がある日本のような気候の湿地帯によく自生している植物のため、太陽の光をたくさん浴びるような場所で育てると大きく成長します。しかし真夏の強い日差しを直接浴び続けていると葉焼けを引き起こし葉が黒くなって枯れてしまうでしょう。夏は屋内か半日陰で管理してください。冬は凍結しない限り枯れることがないため、寒冷地でなければ屋外で栽培できます。ハエトリソウは基本的に日光を好む植物のため、夏に屋内に入れて育てるときでも日当たりのいい場所で育ててください。冬はしっかり休眠させるため暖かい室内に入れずに屋外で育てましょう。35℃以上の猛暑にさらさない
ハエトリソウは暑さには少し弱く寒さには強い植物のため、35℃以上の気温になる場合は注意が必要です。20℃前後がハエトリソウにとって育ちやすい環境温度のため、20℃以上になる場合は注意しながら育ててください。またハエトリソウは根からも栄養を吸収できるため肥料はいりません。夏になって元気がないなと感じたら、肥料を与えるのではなく涼しい場所に移動してみてください。風通しの良い場所で管理
ハエトリソウは常に湿っている土壌が好みのため、水は植木鉢の下に鉢受け皿を置き鉢受け皿の中に水をためる「腰水」が必要です。腰水栽培を行うため常に用土は湿っている状態になります。そのような状態で風通しが悪いと雑菌が繁殖したり虫が湧いたりするため病害虫にかかりやすくなる原因となるでしょう。そのため必ず風通しの良い屋外で自然の風を当てて育ててください。室内で育てる場合は乾燥させないために植物に直接風が当たらないようサーキュレーターで優しく近くに風を送ってあげましょう。【まとめ】ハエトリソウが黒くなる?!原因と復活方法から予防まで徹底解説!
いかがでしたでしょうか。今回はハエトリソウの葉が黒くなる原因や対処法などをまとめました。 今回の記事のポイントは以下の通りです。- ハエトリソウの葉が黒くなる原因は主に3つある。
- 古くなった葉や株全体が枯れている
- 病気や葉焼けを引き起こした
- 虫を食べて中にいる虫が腐り葉も腐った
- ハエトリソウの葉が黒くなる対処法は黒くなった葉を取り除くか薬を散布する、植え替えを行うなどがある
- ハエトリソウを育てるには強い日差しが当たらない風通しの良い場所に置き腰水栽培