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オタフクナンテン(お多福南天)は、お正月などの縁日に使用される非常に縁起がいい植物として知られています。そんなオタフクナンテン(お多福南天)ですが、ご自宅でも簡単に育てられることでも有名で、秋の終わりには葉っぱが赤く紅葉するので秋から冬の寄せ植えなどにも使用されますよ。 この記事では、今年の年末から年始にかけて、オタフクナンテン(お多福南天)を育ててみたい方、育て方を知りたい方に向けて、「健康的で正しいオタフクナンテン(お多福南天)の育て方」を以下の流れで解説していきます。
- そもそもオタフクナンテンってどんな植物なのかを解説
- オタフクナンテンの育て方「植え付け」を解説
- オタフクナンテンの育て方「用土」を解説
- オタフクナンテンの育て方「置き場所」を解説
- オタフクナンテンの育て方「水やり」を解説
- オタフクナンテンの育て方「肥料」を解説
- オタフクナンテンの剪定方法とは?
- オタフクナンテンの様々なトラブルと対処法をご紹介
- まとめ
オタフクナンテンってどんな植物?
それではまずは、オタフクナンテンがどんな植物なのかについて、育て方のお話の前に解説していきます。オタフクナンテンの基本情報
オタフクナンテンは、ナンテンという植物を品種改良して作られた経緯のある矮性(わいせい)植物です。そのため、草丈が一般的なナンテンよりも低いことから、庭木などでも簡単に管理できると言われていることの所以です。 また、オタフクナンテンの花言葉は「私の愛は増すばかり」「機知に富む」「福をなす」「よい家庭」になります。これらの花言葉も非常に縁起がいいので、鉢植えの贈り物などもおすすめです。植物名 | オタフクナンテン(お多福南天) |
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学名 | Nandina domestica cv. Otafukunanten |
草丈 | 20cm~50cm |
耐寒性 | 比較的普通 |
耐暑性 | 比較的普通 |
晩秋に紅葉するのが特徴の植物
オタフクナンテンは、晩秋になると鮮やかな紅葉を楽しむことができる特徴的な植物です。その美しい紅葉を楽しみたい方には、特におすすめな植物です。ナンテンと違い、赤い実をつけるわけではないので、実のお手入れなども必要ないこともいいメリットです。寿命が長く育てやすい
またこのオタフクナンテンは、比較的寿命が長く、手入れや管理も簡単であるというメリットもあります。庭木や花壇のお手入れや、頻繁な植え替えなどをしたくない方にはおすすめの品種です。草丈が低いので管理しやすい
先ほどもお話しした通り、オタフクナンテンは矮性(わいせい)植物であるため、草丈が低く、その分管理がしやすいという利点もあります。庭木や生垣などお庭のグランドカバーとして人気
草丈が低く、繁茂力があるため、オタフクナンテンは庭木や生垣の下草として使われ、地面を覆う役割も果たします。そのため、庭の美化や景観づくりにも貢献する、グランドカバーとしても活躍します。普通のナンテンに比べて花が咲きにくく実もなりにくい
また、オタフクナンテンは、一般的な南天(ナンテン)に比べて花が咲きにくく、実もなりにくいという点が南天(ナンテン)とは異なります。そのため、主にオタフクナンテンは観葉植物として使用することが薦められています。オタフクナンテンの育て方【植え付け】
それではこの記事の本題である、オタフクナンテンの育て方について解説していきます。まずは「植え付け」になります。どのように植え付けるといいのかを見ていきましょう。時期は春か秋が適期
オタフクナンテンの植え付けには、春と秋が最適な時期になります。気温が穏やかで土壌の温度が適度に保たれるこの時期を選び、具体的には3月の終わり頃からの春か、9月から10月終わりごろまでです。根に布がまいてある苗はそのまま植え付ける
園芸店やホームセンターなどで購入したオタフクナンテンの苗には、時折根に布がまいてある場合があります。苗に根に布がまいてある状態であれば、そのまま植え付けることができます。株同士の間隔は40~50cmあける
株同士がくっつきすぎると生育に影響が出るので、オタフクナンテンの苗を植え付ける際は、株同士の間隔は約40~50cm程度あけると良いでしょう。この間隔を保つことで、十分な生長スペースと日光が確保されます。オタフクナンテンの植え付け手順
地植えと鉢植えがありますが、どちらも基本的にやり方は同じなので、同じ箇所のみ解説していきます。- お好きな植え方を選び、用土に植える穴を掘り、苗の株と同じ深さになるように調整します。土には腐葉土などの栄養素を混ぜるとより成長します。
- 苗を穴に慎重に置き、根が広がるように手で土を固めながら植え付けます。
- 植え付け後、根元に軽く水をかけてしっかりと湿らせます。
植え付け直後は苗木が傾いてないかこまめにチェックする
オタフクナンテンの苗の植え付けが固定できるまでには一定の時間がかかるので、定期的に倒れていないかチェックしてあげてください。オタフクナンテンの育て方【用土】
続いてのオタフクナンテンの育て方は、「用土」になります。どのような用土を使用すると成長しやすいのかについて解説していきます。水はけが良いと同時にある程度保水性のある土に植える
結論からお伝えすると、オタフクナンテンは水はけの良い土壌を好みます。水がたまりにくく、根腐れを防ぐために、用土は水はけが良いことが大切です。それと同時に、土壌は適度な保水性を持つことも重要です。植物に必要な水分を保ちながら、乾燥を防ぐことができる土壌がオタフクナンテンに適しています。通気性のある土を好む
また、オタフクナンテンの根は良い通気性も必要とします。空気が根に適切に供給されないと、根腐れのリスクが高まるので、通気性も重要になります。土の配合例
上記のような用土にするために、以下の配合をおすすめします。赤玉土7:腐葉土3
まずご紹介したいのは、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜた土です。この割合の用土は、水はけがよく、保水性もあるため、オタフクナンテンに適しています。赤玉土4:腐葉土3:黒土3
次のご紹介したいのが、赤玉土、腐葉土、黒土を4:3:3の割合で混ぜた土です。この割合の用土は、通気性が良く、水分を保持しつつ水はけも良い特性を持っています。オタフクナンテンの育て方【置き場所】
続いてのオタフクナンテンの育て方は、「置き場所」になります。日向から半日陰程度の場所が最適
オタフクナンテンは明るい場所を好みますが、直射日光を避け、半日陰程度の日当たりが最適であると言われています。日陰でも成長はするが紅葉しなくなる
耐陰性があるので日陰でも育ちますが、その場合、紅葉しづらくなることがあります。そこまで神経質になる必要はありませんが、地植えでも鉢植えでも置き場所はしっかりと選ぶことが重要です。夏の直射日光など日差しが強すぎると葉焼けを起こすので注意
特に夏の時期の強い直射日光からは保護が必要です。強い日差しは葉に葉焼けを引き起こす可能性があるため、遮光ネットなどで軽く日陰を作ることがおすすめです。風が強く土が乾燥した場所に植えると葉が黒ずむので注意
強風のある場所や土壌が乾燥しやすい場所に植える際は、置き場所を工夫する必要があります。風が強いと葉が黒ずんでしまうことがあるため、風が強い場合は風よけの設置も検討しましょう。オタフクナンテンの育て方【水やり】
続いてのオタフクナンテンの育て方は、「水やり」になります。水やりもどうやってやればいいのか悩まれる方も多いでしょう。地植えと鉢植えによってあげ方が異なります。地植えの場合
まずは地植えの水やりを見ていきましょう。植え付け直後は土が乾燥しないようにする
先ほども少しお話ししたように、植えつけ直後はすぐに根が定着するわけではありません。植えつけ直後は土が乾燥しないように注意しましょう。適度な湿度を保つことで苗がしっかりと成長します。基本的には降雨だけで元気に成長する
基本的にはオタフクナンテンは降雨だけで育つことができます。通常の雨水の水分で十分であるため、特別な水やりは必要ありません。夏場など乾燥が続いた日はたっぷり水をあげる
ただし、長期の乾燥が続く場合には追加で水を与えることが必要です。特に夏場などで土壌が乾燥することがある場合は、たっぷりと水を与えてください。鉢植えの場合
続いては鉢植えの水やりの方法を見ていきましょう。土の表面が乾燥したらたっぷり水をあげる
鉢植えの場合、土の表面が乾燥したら水を与える必要があります。指を土に差し込んで湿度を確認し、土の表面から数センチ程度が乾いたら水を与えるようにしましょう。水切れしないように注意する
特に鉢植えのオタフクナンテンは土が限られているので、水分が早く枯渇することがあります。水切れに注意し、特に夏季など乾燥が激しい時期には水を与える頻度を増やすことが必要です。オタフクナンテンの育て方【肥料】
続いてのオタフクナンテンの育て方は、「肥料」になります。基本的には肥料を与えなくても元気に育つ
結論からお話しすると、オタフクナンテンは栄養素の少ない土地でも育つため、基本的には肥料を与えなくても健康に成長します。地植えの場合、周囲の自然な栄養分を利用することもできます。肥料を与える場合
それではどんな時に肥料を与えるのがいいのかを解説していきます。与える肥料は緩効性肥料が好ましい
肥料を与える際には、緩効性の肥料が適しています。これにより、根にゆっくりと栄養が供給され、過剰な肥料を避けることができます。2月から3月の休眠期に寒肥を与える
オタフクナンテンは休眠期があるため、寒肥(2月から3月に)を与えるのがいいでしょう。これにより、寒さを凌いで冬越しをすることができるようになります。8月頃に追肥を与える
また、追肥は8月ごろに与えることがおすすめです。これにより、秋の紅葉のために栄養を補給することができるでしょう。肥料の与えすぎは肥料焼けを起こす原因になるので注意する
また、肥料を与える際には適切な量を守りましょう。肥料の過剰施用は根や葉を傷つけ、肥料焼けを引き起こす可能性があるため、慎重に行うことが必要です。オタフクナンテンの剪定方法
続いてはオタフクナンテンの剪定方法について解説をしていきます。オタフクナンテンの剪定はどうやってやるのかをここからはお話ししていきます。オタフクナンテンは頻繁な剪定を必要としない
実は、オタフクナンテンは自然に美しい姿を保つことできる場合が多いため、頻繁な剪定は必要ありません。自然な形を楽しむことができ、むしろその自然さが美しいと思われる方も多いでしょう。剪定しすぎると回復が遅いので注意する
上記のように基本的には選定が必要のない植物なので、過度な剪定はオタフクナンテンの回復を遅らせることがあります。葉姿が乱れている場所以外の必要以上に大きな枝を剪定しないように心がけましょう。剪定する時期は5月から梅雨入り前が適期
剪定をもしする場合は、5月から梅雨入り前の季節が適切です。この時期に行うことで、新しい芽が出てきて成長しやすくなります。オタフクナンテンの剪定手順
オタフクナンテンの剪定は非常にシンプルです。古くなった、または形を崩した枝のみを剪定します。剪定はとにかくやりすぎないことがポイントになります。また、剪定後はその枝を捨てずに挿し木にして増やすこともおすすめです。オタフクナンテンの様々なトラブル
続いては、オタフクナンテンの様々なトラブルについてお話ししていきます。どんなトラブルが多いのか、そのトラブルの対処法も解説していきます。虫がついている
まずは虫がついている場合です。通気性が悪いとカイガラムシが発生することがある
オタフクナンテンには時折、害虫がつくことがあります。特に通気性が悪い環境ではカイガラムシが発生しやすくなってしまいます。殺虫剤を使用して対処する
カイガラムシなどの害虫を見つけた場合、殺虫剤を使用するか、直接患部を切り取って駆除するかで対処しましょう。赤くならない
続いては葉っぱが紅葉しない場合を見ていきましょう。紅葉するには日光が必要
オタフクナンテンが赤くならない場合、それは日光不足が原因かもしれません。綺麗に紅葉させるには適切な日光が必要です。日当たりの良い場所に移したりお庭に植え替えたりする
鉢植えであれば日当たりの良い場所に移動をしたり、庭に植え替えたりすることで改善できます。オタフクナンテンが枯れる
最後はオタフクナンテンが枯れる場合についてみていきましょう。主要な原因は水切れ
オタフクナンテンが枯れる主要な原因は水切れです。適切な水やりを心がけましょう。鉢植えの場合は定期的な水やりをし、地植えの場合は基本的には必要ありませんが、夏場などの乾燥が続くような気候の時期は、適度に水やりをしてください。少し多めに水をあげて対応する
土が乾いたら少し多めに水を与え、なるべく乾燥を防ぎましょう。根元が水をためないよう、水はけの良い土を使用することも大切です。【まとめ】オタフクナンテンの育て方を徹底解説!成長後のお手入れからトラブルの対処法まで
いかがだったでしょうか?オタフクナンテンの基本的な育て方から、オタフクナンテンの様々なトラブルとその対処法までしっかりとご理解いただけたのではないでしょうか? 今回の記事のポイントは以下になります。- オタフクナンテンは、ナンテンという植物を品種改良して作られた経緯のある矮性(わいせい)植物で草丈が一般的なナンテンよりも低い
- オタフクナンテンは、晩秋に紅葉するのが特徴の植物
- 庭木や生垣などお庭のグランドカバーとしても人気がある
- オタフクナンテンの育て方の「植え付け」は、春か秋に行うことがポイントで、具体的には3月の終わり頃からの春か、9月から10月終わりごろまでがおすすめ
- オタフクナンテンの育て方の「用土」は、水はけが良いと同時にある程度保水性のある土がおすすめ
- オタフクナンテンの育て方の「置き場所」は、日向から半日陰程度の場所が最適ではあるが、あまりに日陰だと紅葉がしなくなる
- オタフクナンテンの育て方の「水やり」は、地植えは基本的には降雨だけで元気に成長するので必要ないが、鉢植えの場合は土の表面が乾燥したらたっぷり水をあげる
- オタフクナンテンの育て方の「肥料」は、基本的には肥料を与えなくても元気に育つので必要ない
- 肥料を与える時期は、2月から3月の休眠期に寒肥を与える
- オタフクナンテンは頻繁な剪定を必要としないが、挿し木で出た枝は挿木にして増やすことがおすすめ
- オタフクナンテンが枯れてしまうとき、水切れを起こしているかもしれないので、少し多めに水をあげて対応する