デンドロビウムの育て方を紹介!お手入れの方法や人気の品種まで

デンドロビウムの育て方
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目次

デンドロビウムは、世界で最も人気のある蘭のひとつです。その魅力は、豊富な品種と華やかな花にあります。デンドロビウムは、比較的育てやすい蘭としても知られています。そこでこの記事では、デンドロビウムの育て方やお手入れ方法などをご紹介します。
  • デンドロビウムの基本情報
  • デンドロビウムの育て方4つのポイント
  • デンドロビウムのお手入れ方法
  • デンドロビウム中でも特に人気の10種
この記事を読むことで、デンドロビウムをご自宅での育て方を知ることができます。華やかで香り高いデンドロビウムを栽培してみたい方や、適切な育て方・お手入れ方法などを知りたい方はぜひご覧ください。

そもそもデンドロビウムってどんな植物なの?

そもそもデンドロビウムってどんな植物なの?
デンドロビウムとはどのような植物なのか、基本的な情報や特徴をご紹介します。育て方のヒントになるため、ぜひご覧ください。

オーストラリアなどを原産とするラン科デンドロビウム属の多年草

デンドロビウムはラン科デンドロビウム属の多年草です。オーストラリアをはじめ、インドや東南アジアなど、世界中に約1000種以上のが原種があります。日本ではセッコクやキバナセッコクなど、数種が自生しています。デンドロビウムはノビル系・セッコク系と呼ばれるものに属します。名前の由来はギリシア語の「デンドロ(木)」と「ビウム(生ずる)」から「樹木に生息する」という意味で名付けられました。樹木や岩などに着生して生育する性質のためと言われています。別名で「デンドロビューム」とも呼ばれます。デンドロビュームは学名「Dendrobium」のカタカナ呼びです。

白・オレンジ・ピンクなどの鮮やかな色彩と強い香りが特徴

デンドロビウムの花色は、白・オレンジ・ピンクなど非常に豊富です。強い香りがするため、鮮やかな花とともに芳しい香りを楽しむことができます。

蘭の中では比較的寒さに強い

デンドロビウムは蘭の中では比較的寒さに強く、冬の最低気温が5℃程度なら、屋外でも越冬することができます。ただし、寒冷地など冬の寒さが厳しい地域では、室内に取り込んで管理したほうがよいでしょう。

デンドロビウムの育て方のポイント①置き場所

デンドロビウムの育て方のポイント①置き場所
育て方のポイント1つ目は、置き場所についてです。適切な場所で管理することでデンドロビウムの花付きにも影響があるため、ご覧ください。

12ヶ月の中で気温に合わせて置き場所を工夫するとよい

デンドロビウムは環境に敏感な植物です。12ヶ月の中で気温に合わせて置き場所を工夫することで、健康に育てることができます。

春~秋の場合

春~秋の適した置き場所と育て方について解説します。適切な場所に置いて管理してあげましょう。

屋外の明るい日陰や室内の日当たりの良い場所などがよい

デンドロビウムは光線を好む植物です。日光を十分に浴びることで光合成が促進され、花芽の形成にいい影響を及ぼします。花つきをよくするためにも、日当たりのよい場所で管理することが大切です。

直射日光による葉焼けに注意

光線を好むデンドロビウムですが、直射日光に当てると葉焼けを起こすため、注意しましょう。5月下旬~9月までは、遮光対策をすることが大切です。

長雨の際は室内や軒下で雨に当らないようにする

デンドロビウムは多湿を嫌う植物です。長雨が続くと、鉢の底から水が上がって根腐れを起こすことがあります。葉や花びらに雨が当たると、傷んだり病気にかかる恐れがあるため、注意が必要です。長雨の際は室内や軒下で雨に当たらないようにしましょう。

秋~冬の場合

秋~冬の間の置き場所と育て方について解説します。花付きに関わってくるため、ぜひご覧ください。

寒さに当てることで花芽をつける

デンドロビウムは寒さに当てることで花芽をつけます。花芽形成に必要なホルモンが分泌されるためです。

秋になったら屋外の軒下で管理する

寒さに当てて花芽の形成を促すため、秋になったら屋外の軒下で管理してあげます。夜間の最低気温が10℃~15℃程度を10日~15日間程度続けると、花芽形成が促進されます。

気温が低い時期は室内に取り込む

花芽の形成のために寒さに当てるとよいとされていますが、気温が低い時期は室内に取り込んだほうがよいでしょう。デンドロビウムの耐寒温度は5℃~6℃程度です。最低気温が5℃以下になる環境では、株が弱って枯れてしまいます。冬の寒さが厳しい地域では、適切な温度管理をするため、室内に取り込んであげるとよいでしょう。

デンドロビウムの育て方のポイント②水やり

デンドロビウムの育て方のポイント②水やり
育て方のポイント2つ目は水やりに関してです。適切な水やりは植物の健康を維持するために大切な要素のため、ぜひご覧ください。

デンドロビウムは多湿を嫌うためやや乾燥気味に育てる

過度な湿気は根腐れを起こす原因になります。デンドロビウムは多湿を嫌うため、やや乾燥気味に育てましょう。

土の表面が乾いたら水を与える

デンドロビウムの水やりは、土の表面が乾いてから与えましょう。鉢植えの場合は鉢底石を敷いたり、風通しをよくして過湿を防ぐことが大切です。育て方に注意することで、トラブルを防ぐことができます。

10月以降は水やりを控えめにする

デンドロビウムは秋から冬にかけて休眠期に入ります。休眠期に入ると生長が止まるため、多くの水やりをする必要がありません。10月以降は土が乾きにくくなるため、水やりを控えることで根腐れを防ぐことができます。

鉢皿に溜まった水は毎回捨てる

水やりをした後に鉢皿に溜まった水は毎回捨てましょう。土が湿った状態が続くと、根腐れを引き起こします。また、溜めた水は雑菌の温床になり、病害虫が発生原因になります。

室内は乾燥しやすいため葉水を行うとよい

室内で管理する場合は、葉の乾燥を防ぐため葉水を行うとよいでしょう。新陳代謝を促し、害虫の予防にもなります。

デンドロビウムの育て方のポイント③土

デンドロビウムの育て方のポイント③土
育て方のポイント3つ目は、土に関することです。デンドロビウムに合った土をご紹介します。

市販の洋ラン用の培養土で育てられる

デンドロビウムは市販の洋ラン用の培養土で育てることができます。水はけと保水性のバランスがよく、デンドロビウムの生育に適しています。デンドロビウムは根が細い種類が多いため、水はけのよい培養土を使用しましょう。

水苔でも育てることが可能

デンドロビウムは水苔でも育てることが可能です。水苔は苔を乾燥させたもので、水分をよく含んでいるため、デンドロビウムの生育に適しています。

デンドロビウムの育て方のポイント④肥料

デンドロビウムの育て方のポイント④肥料
育て方のポイント4つ目は、肥料です。肥料を与える時期やタイミングについて解説します。

与える時期:4月~7月頃

デンドロビウムに肥料を与える時期は、生育期にあたる4月~7月頃です。肥料を与えることで、花芽や根の成長を促します。

与える肥料とタイミング

デンドロビウムに与える肥料について解説します。適したタイミングと合わせてぜひご覧ください。

油かすなどの固形肥料を月1回ほどで与える

油かすは有機質肥料の一種で、リン酸やカリウムなどの栄養分が豊富に含まれています。油かすなどの固形肥料は、月1回ほどの間隔で与えるとよいでしょう。

洋ラン用の液体肥料を週に1回を目安に与える

洋ラン用の液体肥料を週に1回を目安に与えてもよいでしょう。液体肥料は水やりと一緒に与えるため、手軽に施肥することができます。

デンドロビウムのお手入れ

デンドロビウムのお手入れ
デンドロビウムのお手入れ方法について5つの項目で解説します。適切な育て方・お手入れをすることで、元気に花を咲かせてくれます。

植え替え

植え替え方法について解説します。適期に合わせて植え替えを行いましょう。

植え替えのタイミング:2年に1回ほど

デンドロビウムの植え替えのタイミングは、一般的に2年に1回ほどが目安です。根詰まりを防ぎ、株の成長を促すために、鉢が根でいっぱいになったら植え替えを行います。

植え替えの適期:花が咲き終わった頃

花が咲き終わった頃が植え替えのタイミングです。開花後は株の成長が落ち着き、植え替えによるストレスを受けにくくなります。

植え替えのしかた

排水を良くするため、鉢底石を鉢底に敷きましょう。鉢底石の量は、鉢底の1/3程度を目安にします。 植え付け前の鉢底に水を張り、株をそっと取り出します。根が絡まっている場合は、優しくほぐしてあげましょう。 枯れたバルブや根は株の成長を妨げるため、ハサミで切り取ります。株を鉢に植える際は、根元が鉢の縁から1~2cmくらい下になるようにするとよいでしょう。植え込み材を隙間なく詰めて、株を固定します。 植え替え後は、たっぷりと水やりをしましょう。

花がら摘み

花がら摘みとは、咲き終わった花を摘み取ることです。花がら(しおれた花)を放置しておくと種ができて株が弱ったり、病気の原因になるため、適切にお手入れしましょう。

しぼんだ花を指で摘み取る

花がら摘みをする際、しぼんだ花を指で摘み取ります。花びらの付け根を人差し指と中指で挟み込んで、ゆっくりと摘み取りましょう。バルブ(ふくらんでいる茎部分)は栄養を蓄えている部分のため、切り取る必要はありません。花付きなど、生長に影響が出てしまいます。

半分以上花が終わったら花茎を切り取る

花がら摘みは、半分以上花が終わったら花茎を切り取ります。花茎を切り取ることで、次の花芽がつきやすくなります。

支柱立て

デンドロビウムのお手入れ方法のひとつに、支柱立てがあります。支柱立ては、デンドロビウムを長く楽しむために欠かせない作業です。

株の姿を整える

支柱立ては、株の姿を整えるために行います。デンドロビウムの中には、花茎が長く伸びることで倒れやすい種類もあるため、支柱立てで美しい姿を保ってあげるとよいでしょう。

バルブが伸びた頃に行う

バルブがほぼ伸びた頃に支柱立てを行うとよいでしょう。支柱はデンドロビウムのサイズに合わせて、適切な長さのものを選びます。支柱を鉢の縁に立て、花茎や株を支柱に結び付けます。

バルブの整理

デンドロビウムのバルブは栄養を蓄えており、新芽や根を出す役割を担っています。枯れたバルブは株の栄養を奪うため、切り取って整理する必要があります。

開花後はバルブを残す

開花後のバルブを切ってしまうと、株が弱って次の新芽がつきにくくなります。花が咲いた直後のバルブは残しておくようにしましょう。

枯れたバルブは切り取る

バルブがしおれたり枯れたりしている場合は、根元から切り取ります。株が大きく育ってバルブが鉢から出ている場合は、株分けを行うとよいでしょう。

増やし方

デンドロビウムの株を新たに増やしたい方に、2つの方法をご紹介します。ぜひ新しい株を育ててみてください。

高芽を利用した方法

デンドロビウムの増やし方のひとつに、高芽を利用する方法があります。高芽とは、親株のバルブから伸びてくる新しい芽のこと。高芽を親株から切り取り、新しい株にすることができます。

株分け

株分けでデンドロビウムを増やす方法もあります。株分けとは、1つの株を複数の株に分けることです。新しい株を増やしたい方におすすめです。

デンドロビウムの人気の品種を紹介

デンドロビウムの人気の品種を紹介
デンドロビウムの中でも人気の品種をご紹介します。どれも魅力的な品種のため、ご自身の好みに合わせて、お気に入りのデンドロビウムを見つけてみてください。

ノビル系:丈夫で育てやすく、太くまっすぐのバルブが特徴の原種

ノビル系は日本の気候に適しているため、初心者でも育て方が比較的簡単と言われています。太くてまっすぐなバルブが特徴です。 原種のデンドロビウム・ノビルを中心に品種改良された洋ランの一群です。バルブに沿って多数の花をつけるのが特徴で、花色や形も多様です。原種のデンドロビウム・ノビルは、インドやヒマラヤ地方などに自生するランで、明るい赤紫色の花を咲かせます。 ミニ系のものも多く、鉢植え栽培で室内での鑑賞に適した品種もあります。

キンギアナム系:たくさんの小輪花を穂状に咲かせる原種

デンドロビウムのキンギアナム系は、原種のデンドロビウム・キンギアナムを中心に品種改良された洋ランの一群です。オーストラリアの岩や木に着生して育ち、小さくて可愛らしい花をたくさん咲かせます。花色は赤紫色が基本ですが、ピンクや白などもあります。香りを楽しみたい方は強い芳香を放つ白花がおすすめです。

ヒビキ:紫色の花が美しい

ヒビキは、こんもりと咲く紫色の美しい花を咲かせます。バルブの節から短い花茎を伸ばして咲かせるため、鉢植えでも管理しやすく、育て方が比較的簡単な品種と言えます。ヒビキの花持ちは2~3カ月と長く、暑さ寒さにとても強い植物です。

エンジェルベイビー・グリーン愛:美しい色彩で育てやすく、ミニ系のものも

エンジェルベイビー・グリーン愛は、白い花に鮮やかな緑色の模様が入った美しい色彩で、小振りで可愛らしい花をたくさん咲かせます。スノーベイビーとスノーエンジェルとの交雑によって作られたラン科の品種で、日本に原生するセッコクを元に品種改良されており、ミニ系の品種も存在します。エンジェルベイビー・グリーン愛は耐寒性が高く、直射日光や乾燥にも比較的強いため、初心者向けの洋ランとして人気があります。

ロディゲシー:ピンクとオレンジ色の花を咲かせる

ロディゲシーはデンドロビウム属の原種で、中国原産の着生ランです。ピンク色を基調に中心部にオレンジ色の丸い模様が入った、可愛らしい花が特徴です。ロディゲシーは耐寒性が強いため、栽培しやすい洋ランとして人気が高い品種です。

ピエラルディ:枝が垂れる姿が特徴的

ピエラルディはデンドロビウム属の原種で、インドネシア原産の着生ランです。ピンクと白色が合わさった可憐な花を咲かせます。比較的育て方が比較的簡単な品種としても知られています。枝が垂れる姿が美しいピエラルディは、鉢植えや吊り下げて飾るなど、インテリアとしても人気のあるランです。

リンドレイ:唇弁が前に突き出しているのが特徴

デンドロビウム・リンドレイは、東南アジアに自生するランです。日本でも園芸品種として広く栽培されています。花弁は平らに広がって咲き、唇弁が前に突き出ているのが大きな特徴です。香りの良い多数の黄色い花を咲かせます。リンドレイは育て方が比較的簡単なため、初心者から上級者まで、幅広い人におすすめのランです。

ウェンツェン:花付きがよく初心者におすすめ

ウェンツェンは花付きがよく育て方が比較的簡単なため、初心者におすすめです。リンドレイとヘテロカルプムとの交雑によって作られた品種で、鮮やかな黄色い花をたくさん咲かせます。太いバルブに楕円の葉を1枚つけるのが特徴です。ウェンツェンは花の寿命は短いですが、小さくて可愛らしい花を楽しむことができます。

デンシフローラム:バルブが太いのが特徴

デンシフローラムは、バルブが太く肉厚なのが特徴です。乾燥地帯に自生する品種のため、水分を蓄えやすくするためにバルブが太くなっています。デンシフローラムは、濃黄色の花を房状に下垂する美しいランです。

ファーメリー:花の咲き方が豪華で魅力的

ファーメリーは花色が鮮やかで、ピンクと黄色のコントラストが目を引きます。香りが良く、エレガントな花の形が魅力の品種です。茎の先端から多数の花茎を出して房状に咲かせます。ファーメリーは1つの茎に20~30個もの花をつけるため、豪華な印象を与えてくれます。

【まとめ】デンドロビウムの育て方を紹介!お手入れの方法や人気の品種まで

デンドロビウムの育て方についてご紹介しました。今回の記事のポイントは、
  • デンドロビウムは蘭の中では比較的寒さに強く、初心者でも育てやすい植物。
  • 12ヶ月の中で気温に合わせて置き場所を変えることで、花付きに影響する。
  • 日光が強くなる5月下旬~9月の間は、遮光対策をして葉焼けを防ぐ。
  • 肥料を与える場合は、生育期の4月~7月に与えるとよい。
  • 植え替え・花がら摘み・支柱立て・バルブの整理を行うことで、元気に花を咲かせてくれる。
  • デンドロビウムは株分けをすることで、新しい株を増やすことができる。
でした。デンドロビウムは適切な育て方で、花もちが良くなります。ご自宅で育てて、鮮やかな花と香りを楽しんでみてはいかがでしょうか。 最後までお読みいただきありがとうございました。TOKYO KOTOBUKIENには他にもたくさんの記事をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。